1年間売れなかった板橋区にある旧耐震の区分マンションを内見時に買い煽り、5カ月掛け、売却した事例

融資の付きにくい、旧耐震やエレベーター無しのマンションを高値で売却したい方へ、

今回の案件は、築古で自主管理の区分マンションの2024年5月に2,000万円近い値段で個人に売却した事例を紹介します。

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。

相樂面談対面

このマンションは2023年に住み替えを目的に他社で売却活動をしていました。

一年間、豊島区内にある不動産会社で売却活動を行っていたものの、購入価格を下回る値段でした買付が入ってこず、相談者様はマンションの売却自体を諦めかけていました。

しかし、相談者様が2024年の秋より、海外で働くことになり、売却活動を改めて行う為、弊社のホームページでエレベーター無し、旧耐震マンションの以下の売却事例を見て、問い合わせて頂きました。

>>不良入居者の退去からリノベーション、そして、中国人投資家へ売却出来た事例

色々な良い事が起こり、10年以上お住まいになられたご自宅のマンションを希望者の内見時の駆け引きから、買い煽りを行い、希望価格以上で売却する事が出来ました。

ご自宅として売却したため、3,000万円の特別控除や10年超の保有による長期譲渡の税率のメリットがあるとてもいい取引だったと思います。

1.売却開始までの流れ

2023年の冬に弊社ホームページの事例を見て頂き、ご相談を受け、相談者様の海外赴任前に無事にご自宅を売却出来ました。

メールでご連絡いただいて直ぐ、無料のオンライン面談を行いました。

1年間、他社に依頼し、売却活動を進めて行ったものの、希望価格を満たす買付が入らず、たまたま私たちにご連絡を頂きました。

最終的には、2,000万円近い価格で売却出来ましたが、これまで1,000万円を少し超える購入希望しかなかったようです。

そのため、相談を頂いた時、売主様は酷く弱気でした。

そのため、売主様には周辺相場の説明だけでなく、同じマンションでの売却事例を基にいくらぐらいが落としどころになるかお伝えしました。

ただ、1年間の売却活動を経て、現実的な売却価格が1,000万円前半と言う事を理解してか、売却希望価格1,400万円とかなり低めでした。

そこで、「売却完了まで時間を要する可能性もありますが、なるべく高く売るため、指値をいくらか受け入れる前提で、希望価格より高い値段で売りに出し、マンションの買取業者や購入を希望する個人に直接紹介し、高く売ってみませんか?」と提案しました。

当初、買主が現れるまで半年ぐらい掛かる可能性があることをお伝えし、相談者様に僕の提案を受けてもらいました。

ただ、売り出してみると、『マンションが自主管理でエレベーターが途中までしかなく、旧耐震であったため、残念ですが、住宅ローンが利用できない等の理由でなかなか価格が延びてませんでした。』

今回、200社近い不動産買取業者と、4,000人超の購入希望者に直接紹介しましたが、上記の理由で価格が延びませんでした・・・。

ただ、3月の年度末に向け、銀行が積極になるタイミングで、現地を内見する何人かが現れ始めました。

これはチャンスだと思って、買主の内見に僕も立ち合い、物件の良さや検討者の状況を説明する事にしました。

その際に、指値幅や進捗などの情報を各検討者に伝えている事を話し、各人を積極的に買い煽っていきました。

感覚的にブレイクしないよう、地道に調整していきました。

結果的に、希望価格を上回る価格で買付を頂くことが出来ました。

ただ、既述の通り、融資が難しいマンションだったため、その後、決済・引き渡しまで約2カ月程度掛かってしまいました。

2.今後の生活だけでなく、お母様を介護施設に入れるため、どうしても高く売りたい。

2014年に購入されたこのマンションには、相談者様とお母さまの2名で住んでいらっしゃいました。

2023年の売却活動中は不動産業者による買い付けが多かったようで、希望価格を満たす買付が入ることはなかったようです。

お母様が介護施設に入られる事、そして、ご自身もこのマンションを売却後、海外で働く予定のため、なるべく高い値段で売却し、今後の生活に活かしたいとのことでした。

売却後のお引っ越しを前提に居住しながら、マンションの売却活動を行いました。

最終的に、相談から決済まで5カ月近く掛かってしまいました。

それでも、買い煽りなどを行って高く売却する事が出来て本当に良かったです。

3.これまで何故高く売ることが出来なかったのか?

相談を受ける相楽と秋山

正直、住宅ローンは最も審査が緩いローンです。

そのため、購入価格やリフォーム分も含め、融資が出たり、借入期間も35年や50年と言ったものまであります。

ただ、このマンションは以下のような住宅ローンが付きにくい要素がいくつかありました。

  • 1981年以前に建った旧耐震
  • 管理会社がなく、自主管理
  • エレベーターが途中までしかない

どれも読んだら、それは難しいなと思える条件です・・・。

一般的には、このようなマンションは売却時に足元を見られがちなので買わない方が良いと思います。

しかし、融資が付きにくい事から、周辺相場と比較して、安く売りだされます。

最近は、業者におしゃれなリノベーションをされて、売られている事がよくあります。

ただ、個人的には、お金のある人は誤って、評価の低い不動産を買いがちです。。。

と言うのも、お金があるので、マンションの銀行の評価が低くても、その分、手持ちの現金を出す事で購入する事が出来るからです。

だから、資産性や将来の売却を見据え、物件の購入にあたっては銀行の融資が付きやすい評価の出る物件を選んでください。

購入にあたっては相場だけを見るのではなく、銀行評価のポイントを含め、キチンと教えてくれる不動産屋が必要になってきます。

『東京都内であっても、後々売りにくい物件で損してしまった』と言うのは多数存在します。

4.なんで、自主管理のマンションもローンは難しいのか?

これまでの経験だと、サラリーマンの方など、属性の良い方は三菱UFJやみずほ、三井住友銀行などで低金利・低い事務手数料の住宅ローンが組めます。

最近はじぶん銀行などのネット銀行で金利の低さにこだわって、借りることも出来ます。

個人的には、事務手数料が借入金額×1.5%とかなので、5年、10年などで売却も視野に入れてる方が使う分にはいいと思います。

ただ、出来るなら一般的な民間銀行の住宅ローンを使った方が良いと思います。

*ちなみに、ネット銀行の審査は借り入れがあると落ちやすいようです。

多少の借り入れは問題ないと思いますが、ネット銀行は審査を簡略化し、コストを掛けない事で低金利を実現させているようです。

そのため、借入があり、審査が難しくなく人はそもそも対象にしていないようです。

借入がある方でネット銀行の融資が通らなかった場合でもがっかりする事はありません。

一般的な支店のある銀行に行けば、通ることがあります。

一方、個人事業主の方など、サラリーマンと比べ、一般的に属性が劣る人はフラット35やノンバンク系の金利が高い住宅ローンを使う事になると思います。

特に、フラット35ぐらいまではマンション管理会社による修繕計画の提出が求められます。

購入するマンションが自主管理の場合、そういった資料を準備する事が出来ない事が多く、結果的にローンが厳しくなります。

他にも、管理・改修の問題があるため、自主管理のマンションは銀行に嫌われる傾向があるようです。

5.内見までに、どうやって購入希望者をじらすか?

現地調査する相楽と大和田

今回の事例に合わせ、これまで10年以上、不動産売却の仲介をやってきて、思ったことを書きます。

ちょっと意地悪に思えるかもしれませんが、私は買主・売主どちらの味方かを考え、ウソのない範囲で動いてます。

5-1.物件資料の開示

不人気のマンションであっても、人気物件の様に出し渋るのが大切だと思ってます。

もちろん、必要な資料をスピーディーに出すのが大切です。

ただ、希望者に対して、反響や内見数、売却理由など、ウソのない範囲でどのように伝えるか、本当に大切だと思います。

ポイントは駆け引きです。

相対取引の不動産では当たり前だと思っています。

5-2.内見調整や現場で

内見時間の調整や買主の内見にも立ち会い、指値をどこまで受け付けるのか?

そして、他者にも同じ情報を開示し、検討してもらっている事を伝え、競合他社との買い煽りを醸成して行きました。

・・・過去にないほど高い買い付けを貰う事が出来ました!

ここでも、ポイントは駆け引きです。

5-3.買付後の価格交渉

今回は、既に一番高い買い付けを貰っていますが、売主の責任を少しでも減らすため、瑕疵担保免責や室内の備品の処分について、どこまで行うのか、重い物・お金が掛かる物は残して言って良いのか等も調整していきました。。。

問題がある物件は駆け引きが下手な仲介に任せても、高い値段では売れないと思います。

せいぜい、買取業者から出てくる相場以下の買付を持ってきて、「これが精一杯です!よろしくお願いいたします!!」と言われて終わりです・・・。

なので、特に大切な資産を売却する時は、キチンと駆け引きが出来そうな経験のある仲介にお願いして下さい。

6.相続を含め、築古・エレベーター無し・自主管理のマンションを高く売るには?

今回、売主側専門の仲介担当として、海外に行かれる相談者様、そして、介護施設に入られるお母様のお手伝いができて本当に良かったです。

これまでの経験では、実需のマンションだけでなく、戸建ても多少高い価格でも条件に合っていれば、購入希望者様は内見に来てくれます。

そこで、どう競争原理を醸造し、買い煽るか。

そして、敢えて、相場以上の高い価格で売りだし、検討者の指値で希望価格に調整する方法も上手くいって、僕も担当者として、自信が付きました。

ちなみに、買主はローントラストの住宅ローンでこの物件を購入していきました。

個人的には、『なぜ、こんなところで住宅ローンを利用する?』と思える銀行です。

買主はよっぽど、自宅を購入したかった、又は属性などで一般的な銀行は厳しかったのかもしれません。

ただ、売主側の仲介担当としては、自主管理で旧耐震、エレベーター無しのマンションだったため、銀行の評価が伸びない当物件に自己資金を40%近く使って、高い値段で購入してくれたことには感謝しかありません。

6-1.物件の売却を誰に相談するのか?

打ち合わせ中の相楽と大和田

個人向けの不動産投資を初め、学んだ教訓の一つは『相場だけを理由に物件を売却すると、損をする可能性が高い』と言う事です。

特に、相対取引の不動産はその傾向が強いかもしれません。

極論、誰か、一人、買主を見つければいいので、その人に刺さる物件であれば、相場を無視した価格で売れる可能性が大いにあります。

と言うのも、相場より、割高だと思われる物件でも購入者・投資家が購入するのは保有するストーリーを買っているからだと思います。

そして、このストーリーが失われない限り、資産価値の上昇は続き、保有・投資する意義があると思います。

例えば、実家の近くだったり、ペットの飼育が出来たり、他にも再開発などは、発表だけでなく、実際に完成し、街並みが出来るまで資産価値の上昇は続く又は保たれる傾向があります。

その為、『不動産によっては相場を無視した価格で売出しをする事も一考だ』と思います。

次は、誰に売却を頼むのか?

それは、物件毎の売却ストーリーを上手に作ってくれる担当者だと思います。

この物件は、高い値段での売り出しから指値を使った買い煽りを含め、たまたまその辺りがハマった可能性があります。

それでも、一件成功する事で自分の仲介に自信を持った案件です。

同じように、相続で揉めていた古い区分マンションを買い取り、フルリノベーションを行い、売却した事例です。

世田谷区100㎡超のヴィンテージマンションをリノベ後、1億円で転売した案件

6-2.自分にあった物件をキチンと紹介してほしい方へ。

私たち、リビングインはこれまでの地方RC一棟を長期保有すればいい的、誰でもなんとかなったアベノミクスが終わり、次の五年、十年は『投資するストーリーが大切になる』と信じ、活動しています。

その為、オンラインを含めた面談を行い、あなたの状況や希望にあった不動産を一つ一つ丁寧に紹介するオーダーメイドなスタイルを取っています。

特に、ここ4年間、不動産をただ紹介し、管理するだけでなく、投資ストーリーを作り、積極的に共同で投資も行っています。

一年で数億の資産を作る!等ブームに乗ったやり方ではなく、東京の再開発や新駅・延伸、道路拡張の好影響を利用し、5年、10年と時間が掛かります。

それでも、再現性の高い投資手法をいち早く取り入れ、私たちに関わった方には、着実な成長と確実性の高い不動産投資をやって頂きたいと思っています。

私たちは、都内を中心に再開発地域を2019年以降、2020年と2021年と実際に現地を見て、取引に活かしてきました。

土地価格だけでなく、人口や乗降客数、都市計画の状況を整理し、良い再開発・悪い再開発を判断してきました。

相談件数の推移

また、2012年以降、250件超の不動産取引を担当し、どのような不動産を購入・売却すべきか、理解しつつあります。

取引件数の推移

例えば、地方だけでなく、東京においても高齢化による住み替え相談が増えており、今後も私たちの強みを生かせる案件を丁寧に見つけ、紹介していきたいと思います。

特に、住宅ローンの返済が不安な50代の方の住まいの購入でどうするか、悩んでいる場合、『LINE公式の無料相談』や『電話相談』からお気軽にお問い合わせ下さい。
*私たちはたらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。

>>これまでうまく行った解決事例はこちらのページにまとめてあります。
また、私たち、アリネットのgoogleでの口コミはこちらのページにまとめてあります。

相続後、自主管理中の賃貸マンションが空き家になり、生活費のため、売却した事例

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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