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ペアローンで自宅を購入し、離婚を検討している方へ、
こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている宅地建物取引士兼住宅ローンアドバイザーの相楽です。
2002年、奥様とペアローンを組んで戸建て住宅を購入された千葉県八千代市のHさん(相談当時30代)の事例をご紹介します。
Hさんは自営業のため、金融機関の勧めもあり、収入のある奥様とペアローンを組み、子育てを考え、奥様の実家近くに住宅を購入しました。
しかし、2011年にメインの取引先が倒産してから連鎖的に事業が傾き、夫婦関係もギクシャクして離婚。
奥様がお子様を連れて家を出ていかれました。
Hさんは広い家にただ一人残され、事業は回復する見込みはなく、うつ病を患ってしまいました。
このような状況でも、住宅ローンの返済は残念ながら続きます。
返済ができなくなり、ペアローン破産の状態に。
Hさんは、近くの不動産会社に相談しましたが、住宅ローンがあり、扱えないと断られてしまいました。
その後、インターネットで検索し、離婚と住宅ローンが関連する事例を扱っていた私たちのホームページで見つけ、2013年に相談に来られました。
結果、個人投資家を中心に紹介を進め、無事に家を任意売却でき、リースバックという方法で奥様とお子様が引き続き住むことになりました。
今回、Hさんの許可を得た上で、どんな状況でどういう風に任意売却を進め解決し、生活が変わったのかをまとめました。
>>住宅ローンの連帯債務に関する詳細はこちらのページにまとめておきました。
1.原因:起業後、売上の多くを占めていた取引先が倒産。離婚しペアローン破産
Hさんは2002年、千葉県八千代市に2,200万円の住宅ローンを組み、頭金を200万円入れて戸建て住宅を購入。
自営業でしたが、収入も安定しており、金利は2.25%と当時としては安いと感じていたので迷いなく購入を決めたそうです。
何よりペアローンで融資の査定をしてもらい、もっと多くの融資枠があった中での「余裕を持った借り入れをしたという認識でいた」と言います。
当初は順調だった住宅ローンの返済。
仕事もうまくいっていると思っていたら、2011年、東日本大震災の影響を受け、売上の多くを占めていた主要な取引先が倒産してしまいました。
連鎖的に、Hさんの事業もうまくいかなくなり、夫婦関係もギクシャクするようになり結局離婚。
ただ、ペアローンを組んでいたことで、住宅ローンの返済が重くのしかかっていました。
こうした状況でHさんは、どこに相談したら良いか分からず、八千代駅近くの不動産屋さんに相談するも断られてしまいました。
その後、インターネット検索から私たちの任意売却の事例を見つけ、Googleマイビジネスでの口コミも見てもらい、連絡して来られました。
2013年のことです。
2.希望:ペアローンを使っているので、自宅の売却後、どうしていくかも合わせて、知りたい
Hさんの一番の希望はペアローンを使っているので自宅の売却後、どうしていくかも合わせて、知りたいとのことでした。
住宅ローンを組むとき、金融機関の話からHさんは「ペアローンのほうが、お互い住宅ローン控除を受けられてお得だ」なんて思っていたそうです。
実際のところ、夫婦それぞれ住宅借人金等特別控除(住宅ローン控除)を受けられますし、その考え自体は間違っていません。
ただ、離婚となった時、ペアローンが原因でより大変な目に遭ったという話は本当によく聞かれます。
3.不安や心配:ローンが残った場合どうなるのか? 離婚の協議書作成はどうしたらいいのか?
Hさんが相談に来られた時、多くの不安や心配を抱えられていました。
- ローンが残った場合、どうなるのか?
- 離婚の協議書の作成はどうしたら良いか?
- 司法書士や公証人役場等は必ず、使わないといけないのか?
この時すでにHさんは生活負担の重さと、広い家にたった1人残された寂しさからストレスが積み重なり、ついにはうつ病を患って仕事の継続ができなくなってしまいました。
ペアローンによる返済負担、取引先の倒産、うつ病による仕事ができないという状態で、住宅ローンの返済は絶望的。
まさにペアローン破産とも言える状況でした。
>>離婚時のローンの支払いに関して、こちらのページにまとめておきました。
4.解決法:離婚と住宅ローンの整理がセットで自宅を売却
結果的にアリネットでは、離婚と住宅ローンの整理がセットで自宅を売却し、Hさんの悩みを解消することができました。
その背景と方法を解説します。
4ー1.なぜ不動産会社はペアローンを進めるのか
Hさんが相談に来られた時点で、住宅ローンの残高が物件価格より高く、普通には売れない状況(オーバーローン)でした。
つまり、【物件価格<住宅ローン残高】という図式です。
そこで、相談後、ご自宅の任意売却に向け、滞納を続けてもらいました。
離婚については協議書のひな形を作ってもらい、対応しました。
一般的に、共働きでパワーカップルが家を買うとき、多くの場合はペアローンを利用します。
と言うのも、ペアローンであれば、1人で住宅ローンを組むよりも多くの借入をすることができるからです。
不動産会社の営業マンも、より高額な物件を購入してもらうため、このメリットを強く訴求して多少強引にでもペアローンを組ませようとします。
そして、最も大きなメリットが、ペアローンにすることで「夫婦共に住宅ローン控除を使える」という点です。
確かに、住宅ローン控除をダブルで使えるという点はお得です。
しかし、ペアローンはお互いにお互いの債務を連帯保証しなければならないという点には注意が必要です。
万一、途中でどちらか1人が払えなくなった場合は、もう1人がその分も責任を負わなければなりません。
もちろん、そのときに離婚しているかどうかは一切関係ありません。
また、ペアローンにしなくても、連帯債務や連帯保証の契約をしてしまうと同じことになります。
4ー2.解決法:個人投資家2,000人のリストを使って直接売買契約
ペアローンの為、奥様にも話を聞いたところ、実家や職場にも近いのでできれば家に戻ってお子様と住み続けたいとのことでした。
そこで、SUUMOやホームズなどのポータルサイト以外に、物件を投資対象として購入してくれる私たち独自の個人投資家2,000人のリストを使い、毎週直接紹介していきました。
そのうち、3名の投資家の方が荷物があるものの、ある程度整理したご自宅の内見を行いました。
そして、債権者の応諾価格を踏まえた家賃、購入価格を決め、無事に売買契約、取引に至り、Hさんが引っ越し、奥様とお子様は家に戻って住み続けることができました。
この時の売買価格は1,650万円。
住宅ローンの返済から免れることができたのです。
5.期間:5カ月かけ任意売却
アリネット独自の個人投資家2,000人のリストを使い、そのうち3名の希望者の内見を経て、Hさんが相談に来られてから5ヵ月くらいで任意売却をすることができました。
その間に、アリネットの方で専門家を作成し、離婚の協議書の作成などについてもアドバイスさせていただきました。
精神的に追い詰められ、当初は見るからに憔悴しきっていたHさんでした。
しかし、一つ一つ進めていき、だんだんと表情が豊かになっていかれ、私たちも安心しました。
>>無事に売却は出来たものの、離婚協議や奥様の引っ越しが進まず、競売開始決定の通知まで届いてしまった事例
6.返済金額:毎月の返済が8.8万円から1万円に
残債が150万円残ってしまいましたが、毎月の住宅ローン返済額は9万円から1万円まで一気に減りました。
奥さんとは離婚にはなりましたが、お子様と住み慣れた家に住み続けられることにとても感謝されているそうです。
現在、Hさんご自身は近くでアパートを借り、生活を再建されている途中だそうです。
7.任意売却後の生活:アルバイトをしながら、まずは生活の再建を目指す
その後、Hさんはまずは生活を安定させるためアルバイトや派遣等で確実な収入を得ていました。
生活が落ち着いたところでまた事業の方も再開させられたら、と未来を前向きに考えられていたのが印象的です。
当初、うつ病で苦しまれ「何も考えられない」、「どうしたらいいかわからない」とおっしゃっていたHさんですが、最後は時折笑顔を見せてくださるようになりました。
7-1.ペアローンは子育てや離婚時の事前対応を!
パワーカップルが双方住宅ローンを組んで家を買う場合、数十年先も同じ条件で稼ぎ続けられるとは限りません。
今回のHさんのように事業が傾いたり、奥さんが妊娠出産で仕事を続けられなくなった時など、一気に破綻に向かうケースがよくあります。
そして多くの方がご存知の通り、ペアローンには離婚によるリスクももちろんあります。
個人的には、共働きの方など収入が高い世帯では、有効な節税策である住宅ローン減税は使った方がいいと思います。
だからこそ、ペアローンの場合は、いざという時に現金化しやすい住宅かどうか、という視点がより重要だと思います。
例えば、都心、タワマン、駅近、築浅などがキーワードになると思います。
そのため、これまでの住宅ローン破産に伴うご自宅の売却に関して、地方都市、郊外、駅から離れているなど他の人が好まない住宅を購入する場合には、ペアローンは避けた方がいいと思います。
少し前に話題になった晴海フラッグなど応募倍率が高い、選手村跡地マンション等を狙う人なら、「ペアローンで若干背伸びしてでも買っても」良いと思います。
単純に、「ペアローン、駄目、絶対」みたいな話ではないと思っています。
家庭の状況、収入、将来の見込み、物件の売りやすさ(現金化しやすさ)などから総合的に判断し、最良の選択をしてもらえたら幸いです。
7-2.離婚時の危険度、セルフチェック
個別相談の前に、今直ぐに確認が出来るセルフチェックをやってみませんか?
2012年以降、実際にあった150件近い離婚関連の相談を受け、チェックリストを作成しました。
- 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)やペアローンで自宅を購入した
- 頭金なしのフルローンやオーバーローンを組み、自宅を購入した
- ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
- 金利は変動や当初固定で、30年以上の長期で住宅ローンを組んだ
- ボーナス払い年2回を使い、月々の返済は賢く減らした
- 学費など毎月の生活費が高く、万が一に備え、貯金ができていない
- 借り入れ外に自宅の名義や権利を夫婦で共有にしている
- 最近、夫婦間のコミュニケーションが減り、子供と話す事が多い
2つ以上当てはまる場合、手続きや資産の整理がスムーズに行かない可能性が高いです。
離婚問題を扱っている専門家に相談するか、近くに相談できる先がない場合、LINE公式から住まいを守る無料の簡易診断も試して下さい。
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>>これまでうまく行った解決事例はこちらのページにまとめてあります。
また、私たち、アリネットのgoogleでの口コミはこちらのページにまとめてあります。
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