C.解決事例(お客様の声)

相続した天王洲アイルにある区分マンションを空き家のまま売却した事例

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す白金の不動産屋(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している不動産鑑定士補兼住宅診断士の相樂です。

電話している相樂

この記事では、実際に行った東京都品川区の「天王洲アイル」駅近くにある区分マンションを相続し、空き家となった物件を売却した事例をもとに、節税を含め、相続後のマンション売却の成功ポイントを詳しく紹介します。

売却時に使える節税の特例についても、その条件を説明いたします。

1.はじめに

「相続で引き継いだマンション、どうすれば高値で売却できるのか?」、「相続税のことも心配だし、空き家のままにしておくのは不安…」

このような不安や悩みを抱えている方、本当にたくさんいます。

特に、都心部の区分マンションは高い資産価値を持っている反面、売却のタイミングや手続きに慎重さが求められます。と言うのも、ちょっとした判断ミスが資産価値の大きな損失につながるからです。

相続後の物件をどう処理するか悩んでいる方や売却のタイミングで迷っている方にとって、今回の事例が解決へのヒントになるはずです。

2.物件概要

今回、売却を依頼されたマンションの概要は以下の通りです。

売却年:2023年
売却価格:6,800万円
取得年:2020年
築年数:31年
竣工年:1992年
地 域:東京都品川区
最寄駅:東京モノレール「天王洲アイル」駅
建物タイプ:区分マンション
何階建て:30階
所在階:4階
間取り:1LDK
広 さ:80㎡

3.相談者の背景と悩み

相楽面談説明

3-1.相談者の概要

相談者様は40代の自営業の男性で、2020年に相続で区分マンションを引き継ぎました。

このマンションは、お父様が亡くなった後、しばらくの間空き家状態で放置されていました

それでも、仕事の都合で関西に住んでいるため、どうすれば良いか迷っていたそうです。

3-2.最初の不動産会社とのやり取り

最初に相談した大手不動産会社からは「リフォームしないと賃貸で15万円しか取れない。売るなら今がチャンス」と繰り返し提案されていたようです。

ただ、どうしても納得がいかず、セカンドオピニオンとして私たちにも相談がありました。

3-3.相談者の主な悩み

相談者様の主な悩みは、相続税の申告に伴う税務リスクや、空き家を放置しておくことによる資産の減少でした。

遠方に住まれていたので、自身で進めるにも時間が掛かっていたようです。

また、『譲渡所得の相続税の取得費加算の特例』を活かすため、早期に最適な対応をとるため、柔軟かつスムーズな売却が求められていました。

4.マンション売却の過程と成功要因

4-1.物件の査定と提案

相談者様が当初選んだ大手不動産会社は厳格なプロセスに従い、リフォームや低価格での賃貸を勧めていました。

一方、私たちは相続後の期間や現在のお住まいを踏まえ、違ったアプローチを提案させて頂きました。

物件自体は天王洲アイルと都心の好立地にあり、室内の状態が古いとはいえ、ファミリー向けの広い間取りや希少な立地を活かすことで高値売却が可能と判断しました。

また、売却後の税金についても既述の通り、取得費加算の特例が使える事を伝えました。

4-2.売却活動

売却活動では、周辺の売却事例を元に適切な価格設定を行い、内見希望者に対して「他にも希望者がいる・・・」と競争意識を煽る戦略を取りました。

加えて、購入希望者が焦りを感じるようにタイミングでの内見調整を行い、最適な価格での売却を実現しました。

実際、内見希望者は売出し二週間で7組と、郊外や地方の売却案件と比べ、多く、内見の日時を調整していきました。

4-3.信頼と希少性の強調

購入希望者には相続物件であったため、毎月の銀行返済がないという点を強調し、売り急いでいない印象を与えて交渉を有利に進めました。

また、品川区であり、天王洲アイル駅近くという希少性を前面に押し出し、物件の価値を十分に伝えました。

5.相続した区分マンションを売却する時に利用できる税金の特例

5-1.相続税の取得費加算の特例とは?

5-1-1.概要

相続した不動産を売却する際、もし、相続税を支払っている場合には、その相続税額を不動産の取得費に加算できる特例があります。

これにより、売却益(譲渡所得)を低く抑え、譲渡所得税の負担が軽減されます。

5-1-2.条件

相続税がかかった不動産で、その不動産に対して相続税を支払っていること。

そして、相続した土地等を相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までに譲渡が完了していること。

5-1-3.効果

譲渡所得の計算において、相続税額を取得費として加算することで、課税対象となる利益を減らし、譲渡所得税の負担が軽くなります。

5-2.居住用財産の3,000万円特別控除(相続空き家の特例)

5-2-1.概要

相続により取得した家屋を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。

これにより、譲渡益が大幅に減少し、譲渡所得税を軽減できます。

5-2-2.条件

相続開始直前まで、被相続人が一人で住んでいた家屋であること。被相続人の死亡後、その家屋が相続人により「空き家」状態であったこと。

売却時に家屋が現行の耐震基準を満たしているか、解体して土地のみを売却していること。

最後に、売却価格が1億円以下であること。相続開始日から3年以内に売却すること。

5-2-3.効果

譲渡益から最大3,000万円が控除されるため、譲渡所得税の負担が大幅に軽減されます。

6.特例を使うために売主が気を付けるポイント

6-1.相続税の取得費加算の特例を使う際のポイント

6-1-1.ポイント

取得費加算を受けるためには、相続税を適切に申告している必要があります。もし相続税を申告していなかった場合、この特例は利用できません。

売却までの期限が相続開始から3年10ヶ月以内であるため、売却時期をしっかりと計画することが重要です。

6-1-2.対策

相続が発生した時点で、相続税の支払い状況を確認し、適切な手続きと申告を行うことが大切です。

また、不動産の売却タイミングを見計らい、特例を確実に利用できるよう、早めに売却手続きに入ることをお勧めします。

6-2.居住用財産の3,000万円特別控除を使う際のポイント

6-2-1.ポイント

売却する家屋が耐震基準を満たしているか確認することが必要です。基準を満たしていない場合、リフォームや改修工事が必要となることがあります。

売却価格が1億円を超える場合、この特例は使えませんので、事前に不動産会社と価格について相談し、適正な価格での売却を目指すことが大切です。

6-2-2.対策

耐震基準を満たしていない場合は、早めにリフォームを検討し、適用条件をクリアする準備を進めましょう。

また、売却価格については、不動産の市場価格をよく確認し、特例の適用範囲内で売却できるよう慎重に計画しましょう。

7.空き家の売却に関する特例:どちらを選ぶべき?

相談を受ける相楽と秋山

相続による不動産売却を考えている方に向けて、よく耳にする「空き家に係る譲渡所得の3,3,000万円特別控除の特例」と「譲渡所得の相続税の取得費加算の特例」のどちらを選べば有利なのかを解説します。少し重複しますが、両方の特例について、簡単に説明します。

7-1.空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例とは?

この特例では、相続した空き家を売却する際、譲渡所得から最大3,000万円まで控除が可能です。

譲渡所得とは、売却価格から不動産の取得費や譲渡にかかる経費を差し引いた額です。

7-2.譲渡所得の相続税の取得費加算の特例とは?

この特例では、相続時に支払った相続税を、不動産の取得費に加算できます。譲渡所得を減らすことで、結果として税負担を軽減できます。
ただし、適用できる相続税額は次の計算式に基づいています。

相続税額 ×(譲渡した財産の価額 ÷ 相続で取得した財産価額の合計)

7-3.どちらの特例を選べば有利になるのか?

多くのケースでは、「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」を適用した方が有利です。

しかし、場合によっては「譲渡所得の相続税の取得費加算の特例」の方が有利になることもあります。

「譲渡所得の相続税の取得費加算の特例」が有利になる具体的な条件は、以下の通りです。

  • 相続税額が3,000万円以上である
  • 相続した財産が、主に被相続人の居住用家屋とその敷地である
  • 売却する不動産の価額が、相続財産全体の大部分を占めている

7-4.空き家の売却に関する特例まとめ

3,000万円以下の相続税額の場合は、「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例」が有利です。

相続税額が3,000万円を超える場合、または相続した財産の大部分が居住用家屋の場合には、「譲渡所得の相続税の取得費加算の特例」が有利です。

売却する際には、どちらの特例が自分にとって有利か、慎重に検討することをおすすめします。

8.特例を利用するため条件まとめ

8-1.その他の適用条件

相続した区分マンションを売却する際に、税制上の特例を利用することで、譲渡所得税の大幅な軽減が期待できます。

個人的には、特例があるから、売却をするぐらい大切な要素の一つだと思います。

ただし、特例を利用するためには、これまで説明してきたこと以外にも以下のようなさまざまな条件を満たす必要があります。

  • 相続税の申告
  • 売却のタイミング
  • 家屋の耐震基準

これらの条件をクリアするために、早めに専門家に相談し、売却のスケジュールや手続きを計画的に進めることが成功への鍵だと思います。

8-2.3,000万円特別控除の特例を併用の可否

念のため、居住用財産の3,000万円特別控除との併用について書いておきます。

もし、あなたが住んでいた家を売ったときに使える『3,000万円特別控除』という税金の特例を使う場合、その年や翌年、またその次の年に他の税金の特例(家を買い替えたときの特例や、家を売ったときに出た損失を申告して次の年に持ち越す特例など)を使うことができなくなります。

しかし、空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例は、このような制限を受けません。
つまり、空き家の場合は他の特例を使うことに影響しないということです。

ただし、同じ年に家や空き家を売って、両方の特例を併用する場合は、2つの特例を合わせて3,000万円が控除できる限度額となります。

例えば、空き家を売ったときと自分の家を売ったときに、それぞれ3,000万円控除を使いたい場合は、合わせて最大3,000万円しか控除できないということです。

この点には注意が必要です。

9.なぜ私たちが選ばれたのか

電話する相楽

今回のご相談では、大手不動産会社ではなく、私たちを選んでいただいた理由がいくつかあります。個人的な感想です・・・。

9-1.柔軟な対応

大手企業が持つ厳格なプロセスや規則に縛られることなく、柔軟な対応ができる点が評価されたと思います。

大手不動産会社はリフォームを前提とした売却提案をしていました。

ただ、相談者様は遠方に住んでおり、今後も使う可能性は低い事から、面倒や負担を軽減しつつ、迅速に売却を進めたいというニーズを持っていました。

そのため、私たちの「リフォームをしなくても高値で売却できる」という提案が大きな決め手となったようです。

実際に、都心の物件で、高層のマンションであったため、かなりのニーズがあるのではと思っていました。

9-2.直接的なコミュニケーション

私たちは、普段からLINEや電話、メールを活用し、常に迅速な報告や連絡を行っています。

これにより、相談者様は初めての不動産売却に対する不安を解消し、安心してプロセスを進めることができたと思います。

9-3.仲介手数料の調整

私たちは仲介手数料に柔軟な対応を行っており、特に、無料相談を利用されたお客様に対しては通常(売買価格の3%と消費税)よりも低い、1.5%と消費税の手数料を提示しました。

このようなサービスは、ノルマや固定費が大きな大手不動産会社では難しく、相談者様のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。

9-4.特殊な物件にも対応

今回のケースではありませんが、共有などの特殊な物件や地方や郊外の物件でも積極的に取り扱う姿勢も、相談者様にとって大きなポイントでした。

なお、大手不動産会社が一般的に敬遠する可能性のある「古い物件」でも、私たちは過去の事例から適切な戦略を提示することができます。

9-5.一人の担当者が一貫してサポート

担当者の異動が少なく、最後まで担当者が一貫したサポートを提供できる点も、相談者様が最終的に私たちを選んだ理由かもしれません。

途中で、担当者が変わると、引き継ぎや連絡を再度行う手間がかかるため。

10.売却した感想

10-1.売却完了

最終的に、売却は相談を受けてから4カ月で完了し、査定価格を上回る6,800万円という満足のいく価格で売却することができました。

10-2.相談者様の感想

相談者様は、「最初の不動産会社とは違い、とても柔軟な対応で安心して進められた。あの空き家がリフォームしないで高値で売れるとは思っていなかったので、本当に良かった」と感謝の言葉を頂きました。

都内の物件は異常なほど引き合いがあるので、たまたま高く売れた可能性もありますが、引き続き高値売却を目指いして行こうと思います!

11.担当者としての教訓

作業中の相楽

11-1.柔軟な戦略の成功

今回の売却では、売主様が初めての不動産売却に不安を抱えている中、私たちが提案した柔軟な戦略が功を奏しました。

特に、リフォームなしでの高値売却を実現できたことは、私たちにとっても今後の活動の自信となる案件でした。

11-2.きめ細やかな対応の重要性

また、大手が提供できないきめ細やかな対応が信頼を築き、売主様の要望に応える形での成功に繋がったと考えています。

今後も、このような柔軟な対応と迅速なコミュニケーションを強みに、お客様に満足いただけるサービスを提供していきます。

12.無料相談のご案内と締めのメッセージ

運営メンバー

12-1.無料相談について

この記事を読んで、マンション売却についてもっと詳しく知りたいと感じた方は、ぜひ無料相談をご利用ください。
無料相談は可能であれば、対面やオンラインで2時間くらいじっくり行い、しっかりと状況を理解したいと考えています。

さらに、無料相談後に売却依頼をいただいた場合、仲介手数料を1.5%と正規手数料の半額にしています。
と言うのも、相談を通じて相談者さまの状況をきちんと理解し、最適な戦略・ストーリーを立てやすくなります。

結果的に、高いで値段で売ることが出来たり、トラブルなく、ご満足いただける事が多いため、手数料を半額に割引しています。

12-2.無料相談の推移と成功事例

2012年から続けてきた無料相談では、これまでに1,200件を超えるケースを受け、その中から250件以上の不動産取引を成功させています。

相談件数の推移_2023

この成功が可能だった主な理由は以下の二つだと思っています。

12-2-1.経験と事例の活用

長年にわたる豊富な経験を基に、個々の状況に応じた最適な対応を提供。

このアプローチは多くのお客様に信頼されています。

12-2-2.戦略的なアプローチの確立

無料相談を通じて、お客様一人ひとりのニーズを深く理解し、適切な戦略を立てることができました。

相続したマンションの売却は重要な決断だと思います。

12-3.創業10年を超え、取引件数も250件を突破

2011年以降、250件以上の不動産取引を担当し、どの不動産を購入・売却すべきか、そして、その注意点への理解を深めています。

取引件数の推移_2023

12-3-1.住み替え相談が増えています

現在、地方のみならず、東京においても相続や高齢化に伴う住み替え相談が増加しています。

今後も、これまでの経験・強みを活かし、丁寧に対応し続けていきます。

12-3-2.住宅ローンの滞納相談

さらに、住宅ローンの返済に不安を感じる50代、60代の方々に対して、LINE公式アカウントや電話での無料相談を通じ、実務担当が直接対応しています。

成功事例の詳細は解決事例まとめに、私たちのGoogleの口コミもまとめてあります。

注)これらの事例はトラブル解決の参考として掲載しております。ただし、個人情報保護のために価格や場所の詳細は変更しています。詳細はメールや面談でご説明いたします。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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