不動産売却時の消費税の課税は?課税や非課税のケースと注意点について解説

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不動産売却時の消費税の課税は?課税や非課税のケースと注意点について解説

不動産売却を検討中の方へ、

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼相続アドバイザーの大和田です。

打ち合わせ中の大和田

消費税が10%になってから、買い物のたびに、税込価格の高さに少し驚くことが続きました。

不動産売却では大きな金額が動くため、消費税がどのようにかかるかも気になるところです。

そこで今回は、不動産売却時の消費税の課税はどのようになるのか、課税・非課税のケースと、売却時の注意点について解説します。

1.不動産売却時における消費税が課税されるケースとは?

悩んでいる夫婦

まず不動産売却の際、何に対して課税されるのかを説明します。

1-1.消費税の課税対象

まず、消費税は誰にどのように課税されるかですが、以下のように定義されています。

対象者は国内の『事業者』で、対象となる事業の内容は『資産の有償譲渡と有償貸付』『有償の役務提供』『外国貨物の引取り』です。

つまり、上記のものを買った相手に課税されて、その事業者が納税をするのです。

ただし、学校教育や介護サービス、住宅の賃貸など生活に密着したり、『消費』に該当しないような17種類の項目について、課税の対象外が指定されています。

では、不動産の売主には、どのような消費税が課税されるのでしょうか?

1-2.不動産会社の仲介手数料

1-2-1.仲介手数料は課税対象

不動産会社の仲介で売買契約が成立したときの対価である仲介手数料は、消費税の課税対象となっています。

賃貸借の場合、家賃は非課税ですが有償の役務提供に該当するということで、仲介手数料は課税対象となり、不動産会社は消費税の納税義務があります。

1-2-2.仲介手数料の上限

仲介手数料は上限が決まっており、賃貸借の場合は家賃の1か月分で、売買の場合は以下の通りです。

  • 売却価格が200万円以下:5%+消費税
  • 売却価格が200万円超で400万円以下:4%+2万円+消費税
  • 売却価格が400万円以下:3%+6万円+消費税

1-3、住宅ローンの一括繰り上げ返済手数料

不動産を売却する際には、金融機関の抵当権を抹消する必要があります。

そのため、売却益や自己資金から住宅ローンの一括返済をおこないます。

この一括繰り上げ返済手数料には、消費税がかかります。

手数料は金融機関によって異なりますが、相場としては固定金利のローンの場合3万円から5万円、それ以外のローンで3,000円から5,0000円というのが一般的です。

インターネットで手続きをおこなうと、窓口よりも手数料が安くなる場合もあります。

1-4.抵当権抹消登記を依頼した際の報酬

ローンを完済して、金融機関の抵当権を抹消する際に、司法書士に登記手続きを依頼すると、その報酬に消費税が課税されます。

この報酬は依頼する方によって異なりますが、5,000円~2万円程度の金額が多いです。なお、売却した物件の所有権移転は、買主の負担でおこなうのが一般的です。

2.不動産売却時における消費税が非課税となるケースとは?

相談を受ける大和田

続いて、売却の際に非課税となっている項目にはどのようなものがあるのでしょうか?

2-1.土地を売却した場合

2-1-1.土地は消費税の課税対象外

土地は消費されないものなので、消費税は課税されませんし、土地上に残る庭木や石垣などを土地と一体で売却する場合も、土地の定着物とみなされて非課税となります。

2-2-1.注意点

ただし、細かい違いとなりますが、土地に埋まっている地下型の駐車スペースや物置は、土地ではなく設備の譲渡と見なされるため、消費税がかかります。

また、買主の方が土地を購入した金額の中に造成費用が含まれていることがあり、その造成費用は課税されるため、全体の金額に消費税が含まれる場合が考えられます。

上記の場合、駐車スペースは後述しますが、売主が課税業者ではない一般の方の場合は非課税とみなされ、造成費用の部分は造成業者が納税することになります。

2-2.事業者でない個人の建物売買

2-2-1.消費税が非課税になるケース

建物の売買については、基本的には消費税が課されますが、個人の所有者が事業としてでなく売却する場合は、消費税はかかりません。

これは見方を変えれば、買主にとっては仲介で中古住宅を購入することは、消費税の分がお得になっているともとれます。

2-2-2.課税される条件

個人の所有者が建物の売買で課税されるケースは、賃貸業をおこなっていて物件の入れ替えなどの目的で売買をおこない、その年の収益が1,000万円を超えていた場合です。

その際には『課税業者』とみなされて、翌年からの建物売買に消費税が課税されるようなことがあります。

個人でかつ、事業としての売却の要件に達しないというのが、建物に消費税を課税されない基準となっているのです。

2-3.不動産売却に伴う税金

不動産の売却の際、売主の方が負担する費用の中に不動産譲渡所得税、登記免許税、印紙税などの税金も含まれます。

しかし、税金に消費税が課税されることはないため対象外です。

不動産の譲渡所得に対して発生する譲渡所得税、復興特別所得税、住民税については、売却の状況によっては金額が大きく節税の理解が必要な場合があり、非課税であっても要注意です。

3.不動産売却時における消費税の注意点

計算をする女性

最後に、相続した物件の売却をおこなう際の注意事項について説明します。

3-1.不動産価格は税込表示

2013年に施行された『消費税転嫁対策特別措置法』によって、消費税対象の商品やサービスの価格は、税込表示でなくても良いとされています。

しかし、不動産価格については『不動産の表示に関する公正競争規約施行規則』で、消費税も含めて表示することとなっています。

個人の売主の方は非課税の売り出しとなるため、この点を気にするケースはあまりありません。

3-2.仲介手数料は税抜価格に対して計算

これも買主様向けの知識となりますが、仲介手数料は税抜き価格からの計算です。

不動産価格は税込表示なのですが、仲介手数料として売却額のパーセンテージで計算される金額は、税抜価格をもとにして計算します。

3-3.消費税率は不動産の引き渡し時点で判断

現在10%の消費税も、今後また改定される可能性があります。

消費税が改定になった年に売却した不動産の消費税率は、不動産の引き渡し時点での税率が適用されることになっています。

つまり、改正日の前日までに引き渡しがおこなわれたかで、適用される消費税率を判断されます。

例えば、物件価格が3,000万円で2%の消費税変動があった場合、60万円の差となり、引っ越し費用がまかなえる差となるため、駆け込み需要が生じます。

3-4.事業者とみなされた場合の申告方法

個人であっても、事業として不動産の売却をおこなうとみなされた場合は、前年に課税事業者届の提出をして、売却価格から消費税を納める手続きを取ります。

消費税申告は所得税と同様確定申告でおこない、コロナ禍の影響がなければ例年3月末日が申告期限となっています。

ただし、直前の課税期間の消費税額が48万円を超える場合『中間申告』と『中間納付』の必要があり、不動産の場合48万円を超えて該当になる可能性は高いです。

中間申告と中間納付をおこなわないと、加算税・延滞税などの負担が増えることもあり、注意が必要です。

4.今回のまとめ

打ち合わせ中の大和田と相楽

今回は、不動産売却時の消費税の課税はどのようになるか、課税・非課税のケースと、売却時の注意点について解説しました。

4-1.まずは専門家に相談を!

消費税の税制は変更がつきものなので、最新の情報を参照しましょう。

スムーズで理想に近い形の売却のためには、専門知識に基づいた検討の上、さまざまな手段の中から方針を決めて進めるのが良いです。

4-2.離婚に伴うご自宅の売却で悩んでいる方へ

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大和田 豊

この記事を書いた人

大和田 豊

事例を参考に失敗の少ない不動産取引を目指し、2012年以降90件以上の不動産取引を経験。現在はコロナウイルスの影響を受け、ローン返済に悩んでいる方向けに、生活の早期の改善に向け、債務整理に注力。宅地建物取引士、任意売却取扱主任者、住宅ローンアドバイザー。>>その他詳しい実績はこちら

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