麻布十番・賃貸マンション、㈱リビングインでお部屋の紹介やその後のトラブルなどアフターフォローを担当している宅地建物取引士兼ファイナンシャルプランナーの馬場です。
あなたがフリーランスや個人事業主(以下、フリーランス)で、賃貸の入居審査で落ちるかもと不安なら、先ずはその理由を考えてみて下さい。
例えば、フリーランスの人は体が資本の人が多く、一般的に「収入が安定していない」と思われているからです。ちなみに、入居審査について、必要な物や期間など、一般的な情報はこちらのページにまとめておきました。
一方で、会社員は毎月決まった額が収入として入ってきます。そのため、家賃を支払ってもらえないという不安は大家さんにはありません。
フリーランスと会社員を比べてみると、圧倒的にフリーランスの方は賃貸の入居審査に落ちやすいと言えるでしょう。フリーランスの方が賃貸の入居審査を通すには、収入が安定していると証明することがとても大切です。
また、賃貸借契約を結びやすくするために、「フリーランスが賃貸の審査に通りやすい家賃目安」等を知っておくことも大切だと思います。
今回は、フリーランスの人が賃貸借契約を結ぶために知っておくべき、「フリーランスが賃貸の入居審査に通りやすい家賃目安」や「少しでも賃貸借契約の審査を通しやすい方法」をF P2級を持っている弊社の馬場と共に、細かく解説していきます。
この記事を読んで、「フリーランスの方でも、賃貸の入居審査を安心して通り、家賃の目安やそのロジック」を理解して下さい。
1.「賃貸借契約を結びやすい家賃の目安は?」
実は、「賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」は会社員とフリーランスで違ってきます。あなたが効率よくお部屋探しを行い、入居審査を確実に通すために、「賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」を正確に知っておくべきだと思います。
会社員とフリーランスの「賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」がどう違うのか、それぞれご紹介していきます。
1-1.会社員の家賃目安
会社員は、毎月安定した収入が必ず入ってきます。そのため、収入が安定していると思われており、一般的に家賃が少々高くても入居審査に落ちる事はありません。おおよそ、月収の30%前後であれば、入居審査に通りやすいと言われています。
1-2.フリーランスの家賃目安
大家さんの多くは、フリーランスの方を会社員に比べると収入が不安定だと思っています。そのため、月収に対する家賃の比率が会社員と同じ30%だと入居審査に落ちてしまう可能性が高まります。
結果的に、これまでの経験からフリーランスの方は月収の20〜25%以内に家賃をおさめておくと、入居審査に通りやすくなっています。
※最近は空室で困っているマンションに関しては、審査を緩くしているところもあります。但し、審査を緩くしていると、入居者の質も落ちるため、共用スペースが汚れている可能性もあるのでお部屋の内覧時にキチンとその辺りも確認して下さい。
2.自宅をオフィスにするなら、家賃が高くても仕事部屋は確保した方がいい
先ほど、フリーランスは家賃の目安を月収の20〜25%に収めた方がいいと書きました。しかし、あなたが自宅をオフィスにしたいのなら、多少家賃が高くても仕事部屋を確保できる部屋がおすすめです。
仕事部屋を確保した方がいい理由は以下の2点です。
・ 仕事部屋が無いとプライベートが確保できない
・ 家賃を経費に落とせるので、高い部屋の方が節税になる
多少家賃が高くても仕事部屋を確保することで生産性が上がり、住環境が良く、節税にもなるのです。
3.審査を通しやすくする方法
仕事部屋を確保して生産性を上げようと思っても、「賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」より高い部屋を選んで入居審査に落ちてしまっては意味がありません。では、「賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」より高い部屋の入居審査が通りやすくなる方法はないのでしょうか?
結論からいうと、入居審査が通りやすくなる方法はあります。これからご紹介していくので、入居審査を通りやすくする方法をチェックしておきましょう。
3-1.安定した収入の証明
大家さんの多くがフリーランスに部屋を貸したがらない理由は、収入が不安定だと家賃の支払いが遅れる可能性があると思っているからです。逆に言えば、収入が安定していることを証明できれば拒む必要はないわけです。
では、どんな書類を集めれば収入が安定していることを証明できるのでしょうか?収入が安定していることを証明する書類は納税証明書や課税証明書、確定申告書の控えなどが挙げられます。納税証明書と課税証明書は単年になるので、2、3年分の確定申告書の控えがあれば、なおいいです。
もし、この部屋はどうして・・・等、確実に入居審査を通したいのであれば、2、3年分の確定申告書の控えを用意しておきましょう。
3-2.連帯保証人を用意する
連帯保証人を用意しておいた方が無難です。連帯保証人を用意すると言っても、誰でもいいわけではありません。原則3親等以内で収入が安定していることが条件になります。スムーズに契約を進めたいなら、部屋探しを始める前に頼んでおくことをおすすめします。
但し、2020年4月以降の民法改正により、居住用の賃貸であっても、連帯保証人の保証範囲が制限され、保証を行うにあたっての審査が厳しくなると思われます。そのため、今後は連帯保証人の使用は少なくなると思われます。その辺りの『今後の連帯保証人の対応方法』は、こちらの記事をお読みください。弁護士の先生に詳しく説明してもらいました。
3-3.保証会社を利用する
保証会社とは家賃の支払いを大家さんに保証するサービスです。最近は、15万円を超える高級物件などその使用が必須になっている物件が多くなってきています。保証会社の審査がそのまま入居審査という物件も少なくありません。一言に保証会社と言っても、大きく分けて以下の4つに分類されます。
・ 信販系保証会社(例:オリコ・アプラス・エポスなど)
・ 全国賃貸保証業協会(例:エルズサポート・全保連・ジェイリースなど)
・ 賃貸保証機構(例:日本セーフティー・フォーシーズ・Casaなど)
・ 独立系保証会社(例:ナップ・ジェイリース・近畿保証など)
フリーランスであるあなたには、保証会社の中でも独立系の保証会社か、賃貸保証業協会の保証会社が個人的におすすめです。なぜなら、独立系の保証会社と賃貸保証業協会の保証会社は独自の審査基準で審査を行なっているため、審査が緩めになっているからです。特に、フォーシーズは審査の通過率が98%と落ちることは滅多にありません。
更に、最近、弊社で利用を開始したスメタ保証(smeta保証)さんは、その選ばれる理由に審査通過率100%をうたっています。フリーランスや起業家、高齢者の方など、定職がないため、従来の保証会社を利用できない方にも対応しています。担当者の方と打ち合わせ時に、「嘘つきと反社会的勢力の方以外は全員通します!」と言っていました。ちなみに、賃貸借契約の更新時に、フリーランスとなっていても、入居期間中はずっと保証対象になるようです。
独立系の保証会社と賃貸保証業協会の保証会社は審査を通すための大きな味方になってくれますが、注意点もあります。審査が緩い分、保証会社の利用料が高額なのと全ての物件で使用できるわけではないことです・・・、注意点を理解して、どうしても通したい場合に賢く利用して下さい。
4.まとめ:フリーランスの家選びに家賃目安は重要
入居審査を通りやすい方法を試してみたけど、入居審査に落ちてしまった・・・というあなたは今回ご紹介した「フリーランスが賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」を守ってお部屋を探してみて下さい。
「賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」というのは逆算すると、あなたの収入を基に、大家さんが安心して貸せる収入の目安でもあります。「フリーランスが賃貸借契約を結びやすい家賃の目安」を守って、入居の申込を行うことで入居審査に通りやすくなり、無駄が無くなります。
以下、これまで連帯保証人を使っていた方向けに念のため。これまでのアンケートの回答を踏まえ、入居審査が不安な方向けに、保証会社の基準や提出資料の性質について、こちらのページにまとめました。
>>【元弁護士と考える】今春の民法改正で、連帯保証人をお願いできなくなる?(その1)
>>【元弁護士と考える】今春の民法改正で、連帯保証人をお願いできなくなる?(その2)
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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