こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼相続アドバイザーの相楽です。
突如出てきた『遺言書』・・・。どんなことが書き示されているんだろうと、いざ中身を確認してみると、
遺言書「〇〇〇〇に全ての相続財産を遺贈する。」
長男 「そんな人身内には居ないぞ・・・。」
長女 「まさか愛人・・・。」
奥さん「あの人隠れて愛人作ってたのねっ!!!」
と、昼ドラのような展開が待っています・・・。
と、言うのはさておき、今回は、このような誰かに偏っている内容の『遺言書』が出てきた場合どのようになるのかというお話です。
1.一定の相続人は守られています
1-1.遺言書の適用順位は高い
「愛人にすべての財産を遺贈する。」など、他に法定相続人がいるのにもかかわらず遺言書の通りになったら、現在住んでいる家も、何もかも無くなってしまい路頭に迷ってしまいますよね。
基本、遺言書は被相続人が亡くなった後に遺産相続に関する事を指示できるよう、被相続人の最後の意思表示で、遺産分割の方法や相続人同士のトラブルを防止する目的もかねています。
そのため、遺言書の適用順位は高いものとされています。
1-2.遺言書でも侵せない権利とは?
しかし、遺言書でも侵せない権利があります。
それが『遺留分』(いりゅうぶん)です。
これは民法で定められており、一定の相続人が最低限相続できる財産の権利の事を言います。
1-3.検認とは?
遺言書が正当なものであるかを確認する、『検認』という作業があります。
これは家庭裁判所が行い、遺言書として無効であると判断されない限り、法律で定められた相続の規定よりも優先されます。
その検認で、まずは有効か無効か調べる必要が有ります。
2.遺留分の補償範囲
次に、遺留分により補償・適応・請求できる範囲を解説します。
2-1.遺留分の補償範囲
では、遺留分が補償する相続人の範囲はどこまでなのでしょうか。
以前にもお伝えした通り、基本的な相続の範囲は、常に相続人になる配偶者です。
そして、相続順位第一位がその子供(孫)になり、相続順位第二位は被相続人の両親、相続順位第三位は被相続人の兄弟(姉妹)になります。
以上の範囲が法定相続人の範囲です。
2-2.遺留分の補償範囲
それに対して、遺留分が適応される範囲は被相続人の兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者・子・直系尊属、代襲相続人)で、遺留分権者として扱われます。
ただし、遺留分は相続人に与えられる権利のため、相続放棄、廃除、相続欠格によって相続権が無くなった場合は遺留分も失われます。
2-3.遺留分の請求できる範囲
請求できる範囲は、相続する人により相続分が変わってきます。
- 配偶者と子が相続人の場合・・・配偶者:4分の1。子:4分の1。
- 両親と配偶者が相続人の場合・・・両親:6分の1。配偶者:3分の1。
- 兄弟姉妹と配偶者が相続人の場合・・・兄弟姉妹:なし。配偶者:2分の1。
- 配偶者のみが相続人の場合・・・配偶者:2分の1。
- 子のみが相続人の場合・・・子:2分の1。
- 直系尊属のみが相続人の場合・・・直系尊属:3分の1。
- 兄弟姉妹のみが相続人の場合・・・兄弟姉妹:なし。
3.遺留分での請求とは?
遺留分で請求することを『遺留分減殺請求』(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)と言います。
本来、相続財産は被相続人の物であるため、自由に財産の分配・放棄などが可能です。
しかし、ただでさえ身内でもめるのが遺産相続の分配です。
それが親族以外に譲る事になった場合、相続財産をあてにしていた遺族にとっては大問題となってきます。
まさに、上記の昼ドラ状態の事ですね・・・。
では、留意分減殺請求はどのような手順で行われるのでしょう。
3-1.請求期限は2つ有ります
- 遺留分権利者が相続開始、減殺すべき贈与・遺贈のいずれかあったことを知った時から1年で、行使しないときは、時効によって消滅します。
- 除斥機関(法律関係を速やかに確定させる期間の事)は、相続開始から10年を経過したときも、同様となります。
つまり、留意分減殺請求は相続開始から10年以内であれば、減殺すべき贈与・遺贈のいずれかあったことを知った時から1年以内なら、留意分減殺請求を行う事ができるという事です。
その10年が過ぎてしまったら、権限は時効になり消滅してしまいます。
4.請求するうえで必要な事
留意分減殺請求をするまでの流れです。
- 相続人が誰かという確認。
- 相続財産の総額と自分の遺留分額がいくらかという計算。
- 貰い受けるであろうとする相続財産の金額と、遺留分額の金額を比較。
- 他の遺留分を侵害されていない相続人などに請求を行う。
もし、相続するであろう財産が、自分の遺留分額を下回っていた場合は、その人の遺留分が侵害されているという事になります。
そのような場合は、遺留分減殺請求を行えることとなります。
ただ、具体的な請求額(遺留分侵害額)を出す事は、素人には中々難しいことかもしれません。
実際には、遺留分権利者がいくらか相続をしていたり、または特別受益や遺贈を受けてたり、様々なケースが出ることもあります。
4-1.遺留分の額を求める式
【遺留分額=遺留分算定の基礎財産×個別的遺留分(=総体的遺留分の割合×法定相続分の割合)】
4-2.遺留分侵害額を求める式
【遺留分侵害額=遺留分額-(遺留分権利者が被相続人から相続した財産-遺留分権利者が相続によって負担する相続債務額)-(遺留分権利者の特別受益額+遺留分権利者が受けた遺贈額)】
4-3.遺留分侵害額が無かった場合
上記2つの計算を行い結果的に遺留分侵害額が無かった場合は、遺留分減殺請求が出来ない事となります。
その人それぞれの事情や状況も大いにあるため、もしかしたら?と思ったら専門家(弁護士さんや行政書士の方など)に相談することをお勧めします。
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