ストーカーに対する社会的関心が高まってきたこともあり、警察庁のデータによると、ストーカー規制法違反で検挙された人は、2013年の402人から、2017年には926人とおよそ2.3倍にも増えています。
どんなに気をつけていても、落ち度がなくても、ある日突然被害者になってしまうことがあるストーカー被害。もし遭ってしまった場合、あなたはどのように対応すればよいのでしょうか?ここでは、被害を大きくしないための3つの行動をお伝えします。
1.証拠を残す
警察や弁護士など相手に関わらず、被害を訴える場合に必要となるのがともかく、証拠です。ストーカー被害に遭ってしまった場合、恐怖や気持ち悪さで、関係する物は処分したり、忘れたくなったりしてしまう気持ちはわかります。
しかし、被害届を出したり、第三者に動いてもらうには証拠がないといけません。無言電話など、物的証拠が残りにくい場合でも、かかってきた日時や通話時間などを残しておくだけでも意味があります。その他、証拠となるような物の例は以下の通りです。
・電子メール
・SNSやLINE
・手紙
・ポストに入れられた物
さらに、写真や動画、音声データなどは強力な証拠になります。もし在宅時にお部屋の前にストーカー犯がいるようであれば、その様子をのぞき窓越しに撮影したりしてもよいでしょう。賃貸マンションですが、監視カメラなどをつけられるのであれば、ぜひ付けてください。
そして、カメラやビデオカメラ、ボイスレコーダーなど、証拠が記録できそうなものはいつも携帯しておきましょう。動画を撮影しながら、ストーカー犯と対峙する状況になったら、
「通報します!」
「やめてください!」
など、はっきりと困っていることを示すのも大事です。しかし、攻撃的な言葉や繰り返しの行動はストーカー犯を激昂させる可能性もあるので、無理する必要はありません。
2.相談窓口を活用する
現在、警察庁ではストーカー対策として、各都道府県警にストーカーに関する相談窓口を設けています。『#9110』に電話してもよいですし、状況に応じて最寄りの警察署を尋ねてもよいでしょう。ただし、“ストーカーの相談”くらいでは、残念ながら警察は動いてはくれません。
法的な絡みもあって難しいところですが、「警察が動くべきストーカー事案」ということを、あなた自身がしっかりと伝えなければならないのです。
あまり真剣に話を聞いてくれなくても、最低でも30分は一生懸命、状況を話しましょう。この時、証拠を持っておくとより警察も動いてくれやすくなります。もちろん、身に危険が迫るような緊急事態は、110番してください。
3.支援制度を活用する
警察に相談したけど思うように動いてくれない、自分ではどうしたらいいかわからない、といった場合には、公的支援制度のほか、民間の支援団体を活用する手もあります。
たとえば、『婦人相談所』は各都道府県に設置された公的機関です。ストーカー被害に遭った女性の保護や支援を行なっています。
『女性の人権ホットライン(0570-070-810)』は、法務局や地方法務局にあり、ストーカー行為について無料で相談を受け付けています。インターネットでの問い合わせもできるので、足を運んだり、話すことに抵抗のある方はまずはこれを利用してもいいでしょう。
そのほか、市民団体やNPOなど民間の支援団体も多数あります。インターネットで検索すれば、情報が出てくるので、見てみてください。大切なのは自分一人で抱え込まないことです。
相談も一ヶ所にする必要はありません。いくつかに問い合わせて、受けたアドバイスの中から自分にもっとも合ったものを試していくのもよいでしょう。あなたの味方は必ずいるので、出会えるまで粘り強く探してください。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。