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騒音や風通し、あまり人が通らない等、魅力が多いマンションの角部屋。しかし、思わぬ落とし穴も…
六本木にある一言多い不動産屋、㈱リビングインの賃貸マンションのご紹介を中心に担当している宅地建物取引士の大和田です。
角部屋は一般的にプライバシーが保たれ、騒音も少なく、風通しが良好なので、マンションの中でもとても人気があります。繁忙期を含め、一年中住環境がいい選択肢として、問い合わせが多く来る部屋になります。角部屋自体についてはこちらに整理しておきました。
ただ、ちょっと前にニュースにもなりましたが、角部屋ならどんな部屋でも大丈夫と言うわけでもありません。今回は部屋探しの失敗例を参考にいい角部屋とダメな角部屋に関して、恐怖体験を基に仲介を中心に担当している大和田が分析・解説していきます。
1.角部屋の魅力
角部屋の考えうるメリットは、以下の通りです。
- 窓が多いので眺めがよく、奥行きを感じることができる
- 開口部が多いため、日当たりや風通しがよい
- 他の住戸との接地面が少なく、隣人の生活音や騒音トラブルのリスクが少ない
- 1フロアに2部屋など限られた数しかない場合があり、希少感がある
- 玄関前を人が通らないので安心できる
- 部屋が広い場合がある
このように人気の角部屋ですが、一人暮らしの女性が1階の角部屋を選ぶ際はよく検討した方がいいと思います。実際にあった恐怖体験を説明します。
2.1階角部屋に住んだ女性の恐怖体験
インタビューで聞いた失敗談で1階の角部屋に住んだことがあるという女性がいました。一人だけでなく、二人、三人と同じような一階の角部屋での恐怖の体験談が時々寄せられます。決して、笑って済ますことができないエピソードも少なくありません。
「休日に少し窓を開けて、ベッドに横になっていたら、知らない人がいきなり入ってきました。幸い何もありませんでしたが、すぐに引っ越しました。恐怖とトラウマで、二度と1階には住めません…。」
「ベランダに出ると、外の駐車場からこちらを見ているおじさんとよく目が合いました。あまりに頻繁なのでいつも覗かれているような気がして、気持ちが悪くて仕方ありませんでした…。」
「4年間で2度、ベランダに干してあった洗濯物を盗まれました。下着などは干していなかったのですが、女性物というだけでも盗む人はいるようです。」
そもそも、部屋探しの経験が少ない方が家賃などの関係で一階のお部屋を選ぶのはお勧めしていません。更に、角部屋はプライバシーが守られ、両隣りに人が居ない関係で変質者や泥棒に狙われる可能性が圧倒的に高いです。
中間部屋はそこにたどり着くまでに他の部屋の前を通る必要があることから、ベランダに不審者がいれば、何か言われる可能性があり、わざわざ行くことは少ないと思いますが、角部屋は誰にも会わず、中に入っていくことも可能です。
3.角部屋に住むならしておきたい対策
なぜ、このようなことが起こるのか?既述の通り、1階だからという事もあると思いますが、中間部屋と異なり、角部屋だとなおさらです。その為、女性が一人暮らしをはじめるのであれば、ぜひともして欲しい対策があります。
3-1.シャッター:
できれば、初めからシャッターがついたお部屋を選ぶと安心です。とても気に入ったお部屋だけど、シャッターがついていないという場合には、大家さんや管理会社などに相談してみると、状況によっては応じてくれるかもしれません。最近は台風で物が飛んでくることもあるので、一階は特にシャッターがあった方が安全だと思います。
3-2.防犯アラーム:
窓を不正解錠しようとしたり、ガラスが割られた時に警報が鳴る装置です。最近はSECOMやALSOKのホームセキュリティがついている建物や部屋も増えてきたと思います。
3-3.割れにくいガラス・フィルムを貼る:
割れにくいガラスに取り替えるのも効果的ですが、この場合は大家さんや管理会社への相談が必要になります。また、退去の際に綺麗に剥がせるものであれば、ガラスを割れにくくするフィルムを貼るのも一つの手です。
3-4.窓ロック:
外から、もしくは一定の間口以上は開かないように、窓をロックできるアイテムをつけるのもいいでしょう。アマゾン他、ネット通販で簡単に手に入ります。
3-5.砂利やセンサーライト:
ベランダに砂利を敷いたり、人の気配を感知して点灯するセンサーライトが設置してあると、侵入者はとても嫌がります。マンションだとバルコニーやベランダに砂利が引いてあるものを選ぶ方がいいと思います。植栽で隠れているものは逆に一旦入るとバレないので、個人的にはこのタイプはお勧めしていません。夏場は虫もすごく湧いてくるので…。
3-6.防犯ステッカー:
取り急ぎ対策をしたい!どうしても安く済ませたい!という場合には、防犯ステッカーを貼って抑止力を高めましょう・・・とはいえ、物理的な防犯効果はないのでご注意ください。気休め・・・とかでしょうか?
4.普段の生活でできる対策
他にも、お部屋の構造的な対策以外でも、すぐにできることはあります。
4-1.部屋干し:
洗濯物を日光で乾かしたい派には残念かもしれませんが安全には変えられません。思い切って乾燥機を買うのもオススメです。防犯対策だけでなく、洗濯物を干す手間や時間から解放されます。
4-2.カーテンを閉めておく:
外から覗かれやすい1階角部屋ではお部屋の中にいるときはもちろん、外出時もカーテンを閉めておきましょう。なお、外から見て明らかに女性のお部屋とわからないよう、カーテンの色や柄にも注意してください。
ただ、いつも閉め切っているので日当たりが悪く、気持ちが病みがちです。その為、個人的には女性が部屋を選ぶなら、3階、又は下からも分からない4階ぐらいがいいと思っています。
4-3.貴重品や多額の現金を置かない:
一階は危険がいっぱいです。最悪、侵入されたとしても最小限の被害で済むよう、すぐに必要のない現金や貴重品は置かない方がいいですね。
5.1階の角部屋は特に慎重に検討を
1階の角部屋にはたくさんの荷物を持ったまま階段を使わなくて良いなどメリットもあります。しかし、防犯面に関しては他のお部屋以上に気をつけないといけないのが現実です。窓を開けられないとなれば、光熱費も高くつきますし、部屋干しのせいでジメジメしたり、日が入らず、風通しも悪くなるので、室内にカビが生えやすくなったりします。
そんなことよりもこれまで見てきたように、たとえ、家賃が安くてもこうした金銭的、精神的ストレスが増えては元も子もありません。その為、1階の角部屋に限らず、お部屋を選ぶ際にはトータルで判断しましょう。
角部屋で起きた判例は有りませんでしたが、角部屋のメリット・デメリットについて、こちらのページでまとめました。若干家賃が高くなる角部屋ですが、実際はどんな人に向くのか等も合わせて、説明しています。角部屋にするか、どうか悩んでいる場合には一読してみて下さい。
6.角部屋の選び方、まとめ
- 角部屋のメリットは二面採光などで眺めや日当たり、風通しがよい
- 隣がないので、隣人との生活音や騒音トラブルリスクが少ない
- 女性の一人暮らしでは、侵入や性犯罪などの危険にさらされた人もいる
- 安全のため、部屋を選ぶ際にはシャッターや防犯グッズの設置確認が必須
- 家賃の安さだけでなく、防犯対策によってかかるコストも含め、トータルで考えることが大切
これまで色々と書いてきましたが、角部屋だけど、一階ならば、特に女性は避けた方がいいと思います。他にもたくさんいい部屋はあります。同様に、最近よく聞かれる内廊下・外廊下、内階段・外階段による、騒音や防犯・治安についてもこちらのページにまとめました。女性の方だけでなく、一人暮らしで仕事などで家にあまりいない人は見てみて下さい。
7.トラブルを避けるための部屋探しチェックリスト
これまでのトラブル相談やアンケートの事例を参考に、簡単なチェックリストを作りました。
もし、いくつか、該当するようなら、慎重にお部屋探しをされることをお勧めします。
□ 延線沿い等エリアを広げ、自分に合う部屋を探したい
□ 自分に合ったお部屋の条件や優先順位が分からない
□ オンライン内見や広告を見て、お部屋を決めたい
□ 部屋探しの経験が2回以下で相談し、お部屋を決めたい
□ 家賃や初期費用等予算の決め方が分からない
□ 契約や引っ越し後のトラブルは絶対に避けたい
□ 自分のペ-スでゆっくりお部屋を探したい
□ 仲介手数料無料や返金保証が付いている方がいい
もし、3つ以上当てはまる方は慎重に部屋探しを進めて下さい。というのも、トラブルが続くと、仕事や私生活だけでなく、健康も害してしまう事もあります。
また、気になるようなら、LINEで出来る部屋探しの条件簡易診断もやってみて下さい。3つの質問で、部屋探しに必要な具体的な注意点や対策をご提案しています。
あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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