麻布十番・賃貸マンション、㈱リビングインでお部屋の紹介やその後のトラブルなどアフターフォローを担当している宅地建物取引士兼ファイナンシャルプランナーの馬場です。
今回は、フリーランスでやっていた経験から過去の失敗事例を活かし、あなたが同じような失敗をしないよう、フリーランス1年目の落とし穴を徹底的に解説していきます。上手に時間とお金を残すために押さえるポイントを経済的な観点から説明していきたいと思います。
フリーランスや個人事業主(以下フリーランス)を始めて、一年目のあなたにとって、会社員との待遇の違いにまずは驚いていると思います。最近、インターネットの普及で個人事業主やフリーランスをする人が増えています。しかし、独立後はこれまで会社側がやっていた多くのことも一人で対応しないといけなくなります。
ちなみに、入居審査について、必要な物や期間など、一般的な情報はこちらのページにまとめておきました。
これまで、以下のような疑問を持っている人が多くいました。
「フリーランスなりたての1年目でも、賃貸物件って借りられるの?」
「フリーランスなりたての1年目で、注意すべき点は何だろう?」
「来年から起業してフリーランスになるけど、フリーランスになるとどんな問題があるのかな?」
フリーランスになって1年目は誰しもが不安を抱えています。この記事はそんな不安に対して、フリーランス(個人事業主)1年目に経験した落とし穴に対して取った対策を紹介していきます。この記事を読む事で「フリーランス1年目の時に知っておくべき事」を知ることができます。
会社員と異なり、フリーランスになり、自由には大きな問題がつきものです。様々な選択肢のメリットとデメリットをしっかり把握して、時間を大切に動いてください。
1.フリーランスなりたての人が陥る5つの落とし穴
フリーランスになると、サラリーマンの時とは環境がめまぐるしく変わります。税金や年金・社会保険に至るまで全て自分で管理しなくてはいけません。私はこの部分を甘く見ていました。あなたも深く考えて対応しないと後々、手痛い思いをすることになります。ここでは、みなさんが手痛い思いをしないように、フリーランス1年目に待ち構える5つの落とし穴をご紹介します。
1-1.会社員を辞めると社会的信用が無くなってしまう
フリーランス1年目の時は前年の所得がサラリーマンの給与になってしまいます。当然、現在は所属していないので前年の所得は何の意味も持ちません。フリーランスの収支を証明する物は何も無いので社会的には無職と一緒になってしまいます。社会的信用を必要とする審査を受ける場合は、サラリーマンを辞める前に審査を受ける方が無難です。例えば、クレジットカードの作成などはサラリーマンの内にしておいた方が良いと思います。
1-2.経費とは何なのかがよく分からないから経費の管理をしていない
サラリーマンの時の経費と言えば、経費出金ですよね。経費出勤とフリーランスにおける経費は意味合いが全く違うのです。フリーランスにとっての経費とは、課税所得を控除してもらう為の物になります。ですので、来年の確定申告までレシートや領収書を保存して管理する必要があるわけです。
経費の管理を適切にしておかないと、来年の確定申告で大変な思いをしかねません。大変な思いをしないように、フリーランス1年目は税金の勉強をしっかりして、経費(レシートや領収書)を適切に管理するようにしましょう。
1-3.厚生年金には入れなくなる
知らない人も多くいますが、フリーランスは厚生年金に入ることができません。なぜなら、厚生年金とはサラリーマンの為の年金だからです。国民年金に上乗せされて給付される年金です。
その代わり、フリーランスの人は会社を退職後に国民年金に入ることになります。国民年金は基礎年金とも呼ばれており、20歳以上60歳未満の国民全員が必ず加入することになっている年金です。職後14日以内に市役所で手続きをしないといけないので、覚えておいて下さい。
1-4.住民税のことを忘れていた。
あなたは住民税の仕組みを知っていますか?住民税とは前年の課税所得を元に翌年6月頃に請求がくる仕組みで動いています。要するに、フリーランス1年目はサラリーマンの時の所得で計算された住民税が請求されるわけです。しかし、フリーランス1年目は思ったような収入を得られないことも少なくありません。ですから、住民税の仕組みを理解した上で、退職後の請求時にしっかり払えるように貯金をしておく必要があります。
1-5.社会保険でなく国民健康保険に入る必要がある。
年金の次は健康保険です。サラリーマンの時に入っていた社会保険には退職すると入る事ができません。退職後は、国民健康保険に入るのが一般的です。しかし、国民健康保険は社会保険より保障が少ない上に割高になってしまいます。
最近では、フリーランスの為に『プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会』がフリーランス向けの保険を作ってくれているので個人的にはそちらに入るのがおすすめです。
2.フリーランス1年目でも賃貸物件を借りられた! その経緯をご紹介
先にあげた5つの落とし穴の中でも、注意して欲しいのは1番目の社会的信用がなくなることです。社会的には、無職と同じ扱いになってしまう為、賃貸物件を借りるのにも苦労します。では、フリーランス1年目は賃貸物件を借りる事はできないのでしょうか?結果的に、苦労はしましたがフリーランス1年目でも借りられる所はあります。今回は、賃貸物件を借りられた時の経緯をご紹介していきます。
2-1.契約者は自分名義で契約できる
親や兄弟に名義を貸して貰って賃貸物件を借りるのは嫌ですよね。安心して下さい。自分の名義で借りることが出来ます。では、借りる為に必要だった物を書いていきます。
2-1-1.契約者の住民票(取得から3か月以内のものが有効の場合が多い)
これは身元を確認するために行うことが多く、住所を前住所から現住所に移していない場合でも問題場合が多いです。しかし、フリーランスの場合は、企業に勤めているよりも厳しく見られることが多いため、しっかりと運転免許証と住民票の住所が一致しているかどうかの確認はしてください。
2-1-2.収入を証明する書類(源泉徴収票や納税証明書)
これは必ず必要と言われる書類で、実際にいくら稼ぎがあるのかをここでチェックされます。賃料50,000円に対して適当な家賃に住むことが考えていられるかが重要です。
世間一般的には収入の3分の1が目安と言われますが、フリーランスの場合は低めの4分の1で計算すると審査がより通りやすくなります。ですので、家賃5万円の物件に住むためには、可処分所得(手取りのこと)が20万円以上あると理想です。
2-1-3.連帯保証人の住民票、実印、印鑑証明書、身分証等
連帯保証人を付ける場合には、三親等以内で有職者の方が望ましいと言われます。また、できれば物件の近くに住んでいることがベストですが、遠方でも大丈夫な場合もあります。連帯保証人の代わりに家賃を保証してくれる保証会社もあります。
しかし、フリーランスの場合、社会的信用が低いみなされるため、連帯保証人と保証会社の両方を付けることが入居の条件とされる場合もあります。必要書類も多岐に渡るため、お願いするときには急にではなく予め相談してから物件を探すようにした方がスムーズです。
2-2.収入を証明出来なくても貯金があれば賃貸物件を借りられる?
フリーランス1年目はどうしても収入を証明することはかなり難しいです。当然、納税証明書も出せないですし、出せたとしても少額になってしまいます。ただ、収入を証明できない場合は貯金があることをアピールするといいです。
貯金がしっかりあることをアピールすることで大家さんが安心してくれ、お部屋を借りられる場合があります。貯金をアピールする場合は銀行で残高証明書を用意して持っていって下さい。
金額の目安として、初期費用を全て支払ったとして、半年から2年の家賃を無収入の状態でも支払っていける能力があるかを見られます。ですので、例えば50,000円の家賃ですと、初期費用を除いて30万円から120万円の貯蓄がある方は審査通過しやすいと言えます。
2-3.収入が証明出来なくても連帯保証人を立てれば、賃貸物件を借りられる?
連帯保証人を立てることで貸してくれる大家さんもいます。その場合は自分ではなく、連帯保証人の年収や信用を審査します。その為、出来るだけ社会的信用の高い人を連帯保証人につけるようにしてください。3親等以内の連帯保証人をつける事が出来たら尚いいです。連帯保証人を立てる事が難しければ、保証会社を利用するという方法もあります。
最近は、100%審査を通す家賃保証会社も出来ています。管理会社さんや物件によって異なりますが、全くダメでないので頑張ってください。
2-4.保証人を立てられない場合は、シェアハウスを借りる事を検討
貯金も無いし、保証人も立てられないという人はシェアハウスを検討してはいかがでしょうか?シェアハウスなら賃貸物件よりも比較的審査がゆるい物件が多いです。その上、家賃も安いので、フリーランス1年目の収入が不安定な時期には嬉しいですよね。
シェアハウスというとプライバシーが守られないイメージもある人も多いのではないでしょうか?最近のシェアハウスは入居者それぞれに個室が完備されている事が多いので安心です。むしろ、リビングやキッチンが充実してきて、同じ趣味や環境の人と会うことが出来、助け合うことでフリーランス一年目の大変さを克服できると思います。
2-5.代理契約でもOKの場合がある
フリーランスの審査がどうしても通らない時の最終手段として、代理契約があります。
これはその名の通り、代理で部屋を借りてもらうという作戦です。例えば両親や兄弟にお願いして、契約者になってもらうことです。家賃は口座名義人、もしくは妻しか認められない場合もあるため、その時は家族に毎月家賃分を支払って代理で支払ってもらう必要があります。
手間がかかって面倒だと思うこともありますが、どうしようもない場合の最終手段としては有効です。
3.フリーランス1年目におすすめの処世術まとめ
最後に、フリーランス1年目を無事に過ごす為にしておいた方が良いことを3点まとめてご紹介します。この3つを守れば、フリーランス1年目に陥りやすい5つの落とし穴を回避することが出来ると思います。
・ 税金の勉強をしっかりして、税金リテラシーをあげる
・ フリーランスは体が資本です。体調管理に気を付ける。
・ 賃貸物件を確実に借りる為に親身になってくれる不動産屋を探す。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ご紹介した内容が将来の失敗やトラブルを防ぐ一助となったら、嬉しいです。年末に引っ越し前後のの手続きも含め、オンライン内見でも担当者に確認してほしいポイントを共有できるチェックシートをリニューアルしました。
部屋探しや引っ越しで不安な場合には、こちらのシートを担当者に送り、お部屋や手続きに問題がないか、効率よく、確認してもらってください。他社のシートも比較につけておきました。後悔しない、損しない、時間を無駄にしないために活用して下さい。
これまでのアンケートの回答を踏まえ、入居審査が不安な方向けに、保証会社の基準や提出資料の性質について、こちらのページにまとめました。
今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
次回のお引っ越しで後悔したくないフリーランスや個人事業主の方へ
atliving.netでは、お引っ越しの経験が少ないフリーランスの方の失敗事例を基に、六本木や麻布十番駅付近の住居兼事務所使用が可能な物件なども厳選し、紹介しています。実務では、FPの方だけでなく、弁護士や建築士等の専門家と協力し、日当たりと風通しを重視したお客様の人生を好転させるお部屋をご紹介しています。
1.特に、麻布十番や六本木にある一人暮らし向けの賃貸マンションは、可能な限り事前にお部屋の下見を行い、日当たりと騒音、家賃相場から厳選して、お部屋をご紹介しています。
2.メールや電話だけでなく、LINEやIT重説を用い、お客様の移動負荷を最小限に抑え、ニーズに合ったサポートを臨機応変にしています。
3.無料で引っ越し後のカギの紛失や漏水、ストーカー等トラブルの24時間365日駆けつけや一時対応のアフターフォローも提供しています。
【元弁護士と考える】シリーズ、告知義務の必要な事故物件を選ばないための賢い対策他
>>【元弁護士と考える】事故物件を契約する前の告知義務?その確認方法や注意点は?
>>【元弁護士と考える】賃貸契約後に『事故物件』と判明、解約や損害賠償できます?
>>【元弁護士と考える】不動産屋からウソを教えられた時の対応は?
>>【元弁護士と考える】騒音、地震、虫などないと言われたのに、嘘だったら
>>【元弁護士と考える】騒音や悪臭、ナンパ等『隣人トラブル』の対処と引っ越し代は?
その他、事故物件に関する記事はこちらです。
>>麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その1)
>>麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その2)
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
この記事へのコメントはありません。