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不動産取引の不安をゼロを目指す株式会社リビングイン、宅地建物取引士の大和田です。
主に、お部屋に関する相談やご紹介を担当しています。これまで部屋探しの失敗例を参考に作った内見時に確認してほしいチェックリストや実際の現場でのその修正方法に関して、説明してきました。
この記事では、ほとんどの人が気にしない日当たりについて、フォーカスを当て、なぜ日当たりを気にした方がいいのか?そして、そのデメリットなどをまとめています。私は地方から東京に来て、一人暮らしをする方にはせめて、『最初の部屋は絶対的に日当たりについて気にしてほしい』と思っています。特に、初めての東京など、知り合いが少ない場合に。そのあたりも科学的な理由を書いていきます。
大学進学や就職、転職を機に東京へ上京し、一人暮らしを始める男性の方がまずすることは住居探しだと思います。(大学の寮や)社員寮がある場合はそこに入れば良いですが、寮が無ければ賃貸物件を探して、自分で契約しなければなりません。
ただ、土地勘のない東京で知識もなく、いきなり部屋探しを始めるのは危険だと思います。なぜなら、2018年に800人の部屋探しや引っ越しを行った人に向けのアンケートでは、70%近い人が何かしら後悔をしていると回答していました。
では、なぜ、後悔してしまうのか?
これまで、4,000件近い部屋探しの失敗を分析してきて、分かったのはそもそも部屋探しや引っ越しは人生に数回ぐらいしかないもので、経験値が圧倒的に無いからです。その為、友人知人、親戚や家族だってそう。誰だってそう何度も何度も引っ越ししていないんです。だから友人を含め、身近な人に相談しても、ありきたりな答えやちょっとした経験談が返ってくるだけ。
部屋の探し方を身につけられるような機会が無い上に、相談できる人も無く、その上普通の不動産屋さんは「部屋を売る・貸す・買わす」ことが大事なので、借りてくれれば、売れれば何でも良い、というスタンスで物件を薦めてくることが多いです。それが仕事なので仕方ない事ですが…。
例えば、去年、現在原宿で働いている20歳後半美容師さんが香川から東京に引っ越しました。
家賃9万円もする世田谷にあるおしゃれなデザイナーズの半地下の部屋です。ただ、窓を開けると、目の前には線路があり、ドライエリアに溜まるホコリや虫が部屋に入ってくるため、窓を開けて、換気が出来ず、ソファーやベッド裏の結露とカビがいつも酷く、365日いつでもエアコンをつけっぱなし、洗濯物も当然室内干し…という残念な結果になってしまったという失敗例もあります。
ちなみに、次は絶対2階以上の部屋にする!!と今から息巻いています…。
さて、ここで質問です。
賃貸の部屋探しをおこなう時に、何を重視したら良いと思いますか?
家賃?
確かに大事です。安いに越したことはないですよね。
駅近?
これも、近いにこしたことはないですね。大雨とか降ると、駅から遠いのはしんどいですし…。
間取り?
セキュリティ?
周辺環境?
色々な条件が思い浮かぶと思いますが、失敗例を分析していると、どうにも軽視され、後悔しがちなのが「日当たり」なんです。例えば、2017年9月に、SUUMOが一人暮らしをしている20~39歳までの社会人の男女200人に行った「賃貸住宅での暮らし」アンケートでも日当たりは重視しなかったけど、実は大切だった条件の2位にランキングされています。なお、1位は防音で、3位は周辺環境でした。
それでも、「寝に帰るだけだから、別に日当たりとか関係ねぇし」と思ったアナタ、その考えに一石を投じたい!!と思い、この記事を書きました。
自分もそうですが、社会人の方は時間がいくらあっても足りないんじゃないかと思います。なぜなら、仕事が終わっても買い物して、帰宅。それから、ご飯を作って、シャワーを浴びて、ゆっくりしてたら、もう寝る時間になっているなんてことが往々にしてあるからです・・・、私もそうでした。
そんな時、少しでも時短でき、30分でも自分の時間ができたら絶対に嬉しいと思います。だから、引っ越し後に後悔し、お金や時間を無駄にしないために、今回も3分もあれば、目を通せる内容になっているので、ぜひ一読して、お部屋選びに日当たりを考慮してみて下さい。
ちなみに、個人的に日当たりが最も大切だと思っていますが、こちらも大切です。
1.コロナウイルスの影響で在宅時間が増え、”住まい”への不満が噴出!?
最近何かと話題の”コロナ渦”。東京は7月に入ってから毎日かなりの人数の陽性者数が出て、色々と心配ですよね。
皆さんは大丈夫ですか?お元気にお過ごしですか?
『引っ越す事になっても三密を気を付け、ソーシャルディスタンスを守りつつ、東京での生活をエンジョイしてほしい』そう心から願っております。東京での生活をエンジョイするためにも部屋探し、生活基盤を持つためにもはじめの一歩はめちゃくちゃ大事です!
現在、コロナ渦の影響でテレワーク、在宅ワークが増え、大学の授業もリモート講義となるなど、家にいながら、勉学や仕事に励むことが多くなりました。5月の緊急事態宣言の解除後、職場や大学に通い始めたという方も多いですが、依然としていつまた「自宅から出ないように!」というお達しが出るか分からない状況です。
というのも、海外ではグーグル、ツイッター、フェースブックなどが、国内では日立や東芝等大手企業は今後もテレワークや時差通勤を行うよう国内の従業員に通知していたとニュースにもなっています。
1-1.これからますますテレワークは一般化していくのか?
コロナ禍で新しい生活様式、新しい働き方が注目されています。個人的には、コロナウイルスが終息、あるいは収束しても、通勤ラッシュのストレスや通勤時間の無駄などを考えると、テレワークやリモートワークの方が効率よく生産性を上げられるという理由で、このスタイルを継続する企業も増えてくると思います。
また、仕事や大学は良いとして…遊びに行きづらくなっているというのが本当にツライところですよね。ちょっとした飲み会やイベントも控えるように、という風潮だし、アミューズメント施設は軒並み抽選だし…。
これらの状況から、必然的に自宅で過ごす時間が長くなるっていうわけなんです。
で、自宅で過ごす時間が長くなると…それまでは気にも留めていなかったことが気になりだす…というオソロシイ事態が起きます。実際に、ここ最近、コロナ渦の影響で在宅時間が長くなった東京在住の10~20代の若年層で賃貸住宅への不満が噴出しているようです。今までは「ただ寝に帰るだけ」だった家が、「1日の大半の時間を過ごす」場所となったことで、不満が高まっているというのです。
例えば、隣人の騒音が気になる、部屋が狭すぎるなど、これまで考えもしなかったことが起きています。寝るだけならばベッド、あるいは布団がひとつあれば十分ぐらいだった部屋の広さが、長時間そこで過ごしていると「狭い…」と窮屈に感じたり、夜の間しか過ごさなかったために日当たりなど気にもしていなかったのが、日中もちっとも明るくならないことに「暗い…」とどんよりした気分になったり、隣の家の生活音がやたらと耳についたり、と、何かと気になるようになります。
1-2.アンケート調査からも分かるコロナ渦で当たらに生まれた住居への不満
三井ホーム株式会社が2020年6月12日(金)~16日(火)の5日間でおこなったインターネット調査では、自宅で過ごす時間が増えたことにより、あるいは自宅で仕事をすることになって初めて、住居に不満な点を発見したという意見が多く上がっています。
調査の対象となったのは全国の30~50代の共働き男女374名で、2020年3月~5月の間に、週1回以上在宅勤務もしくはテレワークを行った方々ですが、ワークスペースの確保や騒音対策など、様々な課題が見えてきたそうです。
まず、在宅での仕事を想定して家探しをしたという人は圧倒的に少ないと思います。ほんの3カ月、半年前まではそんな日が来ることは予想できませんでした。しかし、コロナ渦の中、在宅ワークが一般化する中で、これからの家探しについても改めて考え直す必要がありそうです。
ちなみに、既述のグーグル、アマゾン、富士通、ホンダなど、世界的に名の知れた大企業が軒並み在宅での仕事を推奨しており、来年まで在宅ワークの方針で固めた企業もあります。
2.最初から快適に過ごせる家を選ぶのが絶対重要
賃貸物件を探す時に何を重要視するか、ということを先ほど問いましたが、ここで重要になってくるのが「とりあえず」という考え方を捨て去ることです!
「とりあえず、寝られれば良いや。」
「とりあえず、駅に近ければ良いや!」
「とりあえず、安いところで!!」
これ、ダメです!ナンセンス!!
「とりあえず」で物件を選んでしまうと、後で必ず不平不満が出ます。
・・・断言します。必ず、出ます!
その不平不満と共存していくか、それとも不平不満を解消すべくまた、30、40万円と家賃の3~5ヶ月分の初期費用を毎度払って、新しい物件を探すか、これがアナタに与えられる選択肢です。ただ、我慢して暮らし続けるのは精神衛生上おすすめしません。
「お金が無い」という絶望的な理由であれば、致し方ないこともあるかもしれません…しかし、そこまでお金に困っていないのに「面倒だから」とか「耐えられるし」とか、そういった理由で我慢するのは良くないです。
なぜなら、家は生活を支える重要な「居場所」だからです。居場所が快適でなければ、心身ともに安らぎを得ることができません!安らぎが得られないとなると、心身に疲労や不調が溜まっていきます。
だから、この程度なら「我慢できる」と思わないで!この「我慢できる」程度の小さな疲労や不調が、”ちりつも”となってやがて取り返しのつかないくらい大きなものに成長してしまうんです!
そうなると、新しい物件を探すのが良さそうですが、物件探しを体験したことがある方ならば分かることでしょう…
疲れるんだ、コレが。
不動産を巡って、何件も内見して、家賃とにらめっこして、条件を何度も何度も考え直して…
ああ嫌だ、考えたくもない…。
こんなに面倒な引っ越しを、そう何度も何度もできますか?仕事もあるし、友達とゲームして、買い物にも行かないといけないし…。
答えは「否」ですとも。
引っ越しにはお金がかかりますし、新しい物件で賃貸契約する際には必ず「初期費用」というまとまったお金が必要になります。そう、住居を転々とするのにはお金も労力も、そして時間もかかるんです。時は金なり、そう、時も金も大事なのです。東京で挑戦するあなたの貴重な時と金を無駄にしないためにも、最初から快適な住まいを選ぶことが大事なんです。
3.意外な盲点「日当たり」を軽視すると後悔する!?
何度もしつこいようですが、賃貸住宅を選ぶ上で重視するポイントといえば、パッと思いつくものとしては「家賃、最寄り駅まで徒歩何分か、間取り(広さ)」等だと思います。
また、ユニットバスは嫌だからバス・トイレ別が良い、という声も結構多いです。女性であれば、セキュリティを気にする方も多いですが、男性ではあまり無いかな…。
で、大事なのはここからなんですが、「日当たり」を気にしていない方がひっじょ~~~に多いんですよ、残念なことに。
家の宣伝文句で「日当たり良好!」とかっていうの、見たことありません?でもそれって賃貸というよりも戸建ての販売とかのイメージ、ありません?なんか、玄関開けた瞬間、心地よい日差しが入って、奥様が「まぁステキ!」とかって言っちゃう感じの…。
一家揃って日当たりの良いリビングでステキなひと時を過ごす日曜日のブランチタイム…みたいな?イメージ沢山わくと思います。
だから、20代、30代の男の一人暮らしなんて日当たりは関係ねぇ!というご意見の方も多いんじゃないかと、そう思うのです…。
が!!!それは残念なんです!
日当たりは、別に奥様でなくても、一家揃っていなくても、誰にとってもとても重要なポイントなのです!!日当たりの良さを軽視して住まいを決めてしまうと、後悔すると言っても過言ではありません。実際に、住み始めた後に後悔した点として「日当たり」を挙げている人も多いんです。
…まぁそうですよね。
日当たりを重視しないということは、要するに「気にもしていなかった」って感じだと思うんです。先日、部屋探しの依頼を受けた時も思いっきり北向きの部屋を指して、これが良いですと言われました。
実際、人が後悔するのって、よく考えないでいたこととか、意識していなかったこととか、そんな感じなんですよね。だから、日当たりなんて気にもしていなかったけど、実際住んでみたら気になってしょうがない…という悲劇が起きているわけです。
>>内見の時間帯別、確認できるポイントや騒音、日当たり、臭い等を確認できる時間帯について、馬場と一緒にこちらのページにまとめました。
4.日当たりが大切な理由と科学的根拠
なぜ日当たりが大事なのか、解説します。先ずは日当たりが悪い部屋のデメリットを一気に7つ羅列します。
4-1.部屋が暗く、寒いから日中でも電気代がかかる(特に、冬場)
4-2.結露、カビやダニが発生し、肌荒れやアレルギーも
4-3.洗濯物が圧倒的に乾きにくく、匂う。
4-4.太陽光(紫外線)による室内の除菌・殺菌効果が期待できない
4-5.やる気スイッチが入らず、いつも無気力になる
4-6.免疫力を向上させるビタミンDが不足する
4-7.体内時計が狂いやすく、朝起きれない、元気がでない
どうです!?こーんなにデメリットがあるんです!
裏を返せば、日当たりの良い部屋に住めば、これらのデメリットが解消され、太陽光の恩恵をた~っぷりと受けられるということ!デメリットをひとつひとつ、科学的根拠もつけて解説していきます。
4-1.部屋が暗く、寒いため、日中に電気代がかかる
文字通りのことですが、コロナウイルスなどの影響で在宅時間が増えると、日中も自宅で過ごす時間が長くなります。この間、日当たりの良い部屋ならば、日中は自然光だけで十分明るく、電気をつける必要がありません。
一階、北向き、特に建物が密集している東京の都心では、隣の建物が近くなりがちでその影響をもろに受け、日当たりが悪く、昼間っから部屋の中が暗くなってしまい、テレワーク中は常に電気をつけておかなければならないため、その分電気代がかかってしまい経済的ではありません。
上記、体温の法則を見てもらえるとわかりますが、36.5度以上を冬場もキープすることで、免疫力アップや体内酵素の活性化などメリットはたくさんあります。夏場の部屋の冷やしすぎは問題ですが、それ以上に冬場の室温、日当たりは、客観的に見てもあなたの健康の為に大切だと思います。
4-2.結露、カビやダニが発生し、肌荒れやアレルギーも
太陽の紫外線には殺菌、除菌の効果があります。カビは”菌”なので太陽光によって発生を予防することができます。
逆に、太陽の光が十分に差し込まない部屋では結露だけでなく、その湿気からカビ菌が発生・増殖しやすくなります。ベッドを使わず、布団を床に直接敷く場合など、マメに布団を干さないと通気性も悪く、湿気が溜まり、ダニの発生が増えます。結果的に、掃除は大変になるし、常にジメジメとカビ臭いし…、やっても仕方ないからほっておくというストレスフルのサイクルに陥ってしまいがちです…。
ちなみに、自分では気づきにくいですが、湿った部屋で服を干すと臭くなります。洋服だけでなく、バッグや靴等色々な物が水カビ臭くなります。雨の多い梅雨の時期など、最悪の極みです。
カビやダニはすぐに病気やアレルギーも引き起こしますので、健康被害も懸念されます。万年床などで背中や首元にぶつぶつが出来始めたら、注意して、早めに皮膚科に行くようにして下さい…。
4-3.洗濯物が乾きにくい
これについては解説するまでもないですが、日当たりが悪いということは、洗濯物も乾きにくくなるということです。
日当たりが悪いのに室内干しが増え、なかなか乾かない洗濯物からは生乾き臭が漂いますし、先ほど解説した紫外線の殺菌効果も得られないため、あまり衛生的とは言えないません…。
ちなみに、生乾きの嫌な臭いは菌が原因だとされています。以下、引用です。
臭いの原因は厳密にいうとモラクセラ菌の排泄物。菌そのものが臭うのではなく、いわゆる“ふん”が臭いを発生させています。
水分や皮脂汚れ、洗剤の残りかすなどをエサにして増殖するので、洗濯槽や洗濯かごの中などランドリー周りは最も菌が繁殖しやすい場所ですね。気温が20~25℃のときに繁殖しやすく、梅雨から夏場にかけては湿度も高いため、換気が悪い、陽の当らない部屋は特に注意が必要です。
※お洒落な新感覚コインランドリー「フレディ レック・ウォッシュサロン」のプロデューサー兼洗濯ソムリエの松延友記さんより
4-4.太陽光(紫外線)による除菌殺菌効果が期待できない
カビについて、洗濯物についての項目でも触れましたが、太陽光に含まれる紫外線には絶対的に除菌殺菌効果があります。洗濯物だけでなく、部屋の中に太陽光が差し込めば、部屋全体の菌も退治してくれます。
ファブリーズ等の除菌スプレーよりもずっと経済的で手間が圧倒的に掛からない健康的な自然の除菌パワーが享受できないのは勿体なさすぎるんです!
だから、内見時にじめっている、水臭い部屋は絶対に避けてほしいです。気づかない内に、部屋の臭いは衣類にも…。
4-5.やる気スイッチが入らずにいつまでも無気力に
いきなり何を言い出すんだ…?と引かないでください!太陽光にはやる気スイッチを押す力もあるんです!
科学的にちゃーんと根拠もあります。
それは、太陽光に含まれる”セロトニン”という物質の効果によるものです。この”セロトニン”は、感情を安定化して、心のバランスを整える伝達物質で、俗に「幸せホルモン」と呼ばれています。
セロトニンが不足すると、やる気が出ず無気力になったり、身体がなんとなくだるくなったり、気が滅入って精神を病んで、鬱になってしまったりします。日中、日光をしっかりと浴びることにより、セロトニン、そしてやる気が出て、気分がシャキッとし、前向きでハッピーな気持ちになれるんです!
特に、地方から東京に出てくる場合など、知り合いが仕事関係の人だけとか、そもそも交友関係が限定され、やる気が出にくい構造になりがちです。だから、部屋探しの時に注意して、なるべく日当たりのいい部屋を選び、気分だけでも前向きをキープするのが都会の一人暮らしでちゃんと生きる秘訣です。
4-6.免疫力を向上させるビタミンDを創生できない
太陽光に含まれる紫外線にはビタミンDを創生する力があり、ビタミンDは免疫力を向上させます。要するに、太陽の光というのは、心身の健康に欠かせないとっっっても大切なものだということなんです。
ちなみに、ビタミンDをキチンと取ることでどうなるか?以下、若返りドクターで有名な南雲先生のコメントです。
・脳の神経細胞に作用し、脳機能がアップ。仕事が捗ります
・タンパク同化作用によって、運動しなくても筋肉が作られます
・免疫の中枢である腸に作用し、免疫力がアップ
・毛根の遺伝子に直接働き掛け、髪の毛がフサフサに
と、あくまで個人差があると思いますが、日光を浴びることでビタミンDが作られ、体に様々なプラスの変化があることは間違いなさそうです。
4-7.体内時計が狂い、ベッドから出れなくなる
仕事中にすぐに眠くなってしまう人は睡眠サイクルを正すため、より日当たりが大切かもしれません。
その昔、まだ電気も無かったような時代、人々は太陽光で起き、太陽が沈むのと同時に眠りについていました。なぜなら、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは脳から分泌され、毎朝、体内時計に働きかけ、覚醒と睡眠を切り替え、夜になると自然な眠りを誘い、肉体的にも精神的にも快眠出来るからです。だから、この1日の過ごし方が人間にとって、最も自然で身体に無理をさせない生き方なんです。
それが、文明が発達して電気を使うようになり、いつでも寝起きができるようになりました。それでもやはり「体内時計」は健康をつかさどり、今でも大変重要なもので規則正しい、そして自然に沿った体内時計が働くことによって良好な体調を維持できるのです…が、日当たりの悪い部屋で暮らしていると、朝日が足りずに体内時計が大きく狂ってしまいます。これもまた、体調不良を引き起こす要因のひとつになるのです。
以下、メラトニンの活動詳細です。朝日をキチンと浴びると、脳にある体内時計が動き出し、勝手にリセットされ、脳や体は活動状態になります。同時に、体内時計からの合図で、メラトニンの分泌が停止します。
大体、メラトニンは起きてから14〜16時間ぐらいすると、体内時計から命令で再び分泌されます。一般的に、22時から24時までには徐々にメラトニンの分泌がピークに達し、その作用から深部体温が下がり、休息・快眠に適した状態に導かれ眠気を一気に感じるようになります。
>>多くの人が引っ越し先を選ぶときに条件に上げる日当たりに関して、『一級建築士に聞いた賃貸マンションの内見時に確認したい、日当たりの有無やその大切さ』についてはこちらを見てみて下さい。主なポイントとしては、以下の通りです。
・3種類の日当たりとは?
・ライフスタイルを考え、日当たりを選ぶ
・直射日光のメリットやデメリット
5.「日当たり」に関する実際の部屋探しの失敗例
それではここで、実際の部屋選びにおいて「日当たり」を無視し、失敗を経験してしまった方の失敗例を見てみます。
5-1.夕方の内見時に曇りだったため、日当たりの悪さに気付かず契約したら…
引っ越し後に日当たりの悪さに気付き、失敗したと実感した本ケースでは内見の際に「日当たりの悪さ」をカモフラージュしてしまう要因が2つありました。
5-1-1.時間帯が夕方だったこと、
5-1-2.天気が曇りだったことです。
もともと暗い要素が揃ってしまっていたため、部屋の中が暗くても気にならなかったそうですが、実際に引っ越した後、朝になっても全く日が入らず、室内にカビが生えやすいことに気付き、後悔したという顛末でした。
日中でも部屋にいる時は電気をずっとつけていなければ、部屋奥は薄暗く、湿気がたまり、明らかにどんよりとしているため、カビがすぐに生えてしまい、なんだか体調もあまり良くないような気がしてきて、家の中で長時間過ごしたくないと思ってしまったそうです…。
このケースで見えてくることは、内見の時間帯や天候の条件もきちんと考えることが大切だということです。
曇っていて(あるいは雨で)日当たりの確認ができず不安が残った場合には、晴れた日に再度内見させてもらうようにしたり、不動産屋さんに日当たりの状態について、写真を含め、確認したりするよう心がけてください。
5-2.日当たりが悪いせいで梅雨の時期にベランダがプールになり、カビとボウフラが大量発生…
2つめのケースは、1階のお部屋、日当たりが悪かったせいで、梅雨時期にベランダにカビと虫が大量発生して気持ちの悪く、網戸を開けると虫が入ってくるのでベランダに出れず、洗濯物も干せない思いをしてしまったという事例です。
梅雨時期はただでさえカビが発生しやすいため、日光による除菌や殺菌は必要です。
でも、日当たりが悪いとカビやダニ、その他微生物達にとっては非常に過ごしやすい環境となり、どんどん増殖し、視界に入ってきます…、いよいよ見てみぬふりが出来なくなります。
このケースから見えてくるのは、季節が巡ることによって気付く失敗もあるということです。
例えば、夏は日当たりの悪さが気にならなくても、冬になると日が当たらず、洗濯物がちっとも乾かずに日当たりの悪さを実感したり、本ケースのように梅雨時期のカビが気になって初めて日当たりの悪さを実感したり、内見の季節では気付かないようなことも結構あります。
だから、日当たりだけでなく、他の暑さや寒さ、騒音、虫の発生などの室内環境についても、季節によって変化することがあるため、1年通して予想できるトラブルについて、担当者など専門家に事前に確認しておくと良いでしょう。
6.単純に日当たりが良ければいいというわけでもない!?
ここまで、日当たりが悪い部屋は良くないということに焦点を当ててお話してきましたが、「だったらー、日当たり良好物件を探せば良いのか!!」というのも、ちょっと待って!と言いたいのです。実は日当たりが良すぎる部屋も考えものなのです・・・。
日当たりが良すぎる、という言葉を「西日が強烈に差し込む」に置き換えてみましょう。一気に魅力が無くなり、逆に「うへぇ、嫌だなぁ」と感じませんか?変な時間帯に強烈な日差しが差し込んでしまうと、色々な弊害が出てきます。日差しの良い家を選ぶためには、窓の位置や日差しが差し込む時間帯まで考慮すべきです。
6-1.理想的な日当たりは”午前中”にたっぷり日差しを浴びられる東~南に採光窓がある部屋
6-1-1.窓が西や北西向きについていると、
朝日が差し込まず、午後に西日が差し込んできます。目覚める時間帯には日が差し込まず、体内時計のサイクルが狂いやすくなり、夕方にたっぷりと太陽の熱を吸収した部屋は夏場など、夜まで熱がこもりやすくなってしまいます。
その為、帰宅した時に部屋に熱気がこもっていて不快な気分になりますし、夜になっても涼しくならず、クーラーをつけなければならなくなります。
6-1-2.北向きに窓がついている部屋だと、
日中に日差しが差し込んでも部屋の奥までは日差しが届きません。冬場は昼間になっても室内が底冷えしている可能性が高く、活動的になれず、やる気のない冬眠状態が続く可能性が高まります。
東から西まで大きな窓がついていて、朝から日中はずっと日差しが差し込んでいる部屋だと、殺菌効果などは期待できますが、夕方まで熱がこもっていたり、長時間部屋の中に日の光が当たっている状態なので、ソファやじゅうたん、カーテンなどが日焼けしてしまい傷みやすくなってしまいます。
私が最もお勧めする理想的な部屋は東から南の方向に窓がついていて、その窓からたっぷりと日差しを取り込めるような部屋です。
7.日当たりなどの室内環境を軽視せず、快適な住まいを選ぼう
以上、一人暮らしの男性でも、地方から東京に来た直後など、日当たりがとっっっても重要な理由、お分かりいただけましたでしょうか…?どうしても家賃や立地などの条件が優先されて、つい後回しになってしまう室内環境ですが、コロナウイルスの影響をもろに受け、リモートワークが一般化しつつあり、家で過ごす時間が長くなっている現在、室内環境はとても大切になってきました。
また、地方から上京したばかりの方は東京に知り合いも少なく、どうしても家で過ごす時間が長くなり、気持ちが落ち込みがちです。明日への英気を養い、仕事や勉学に向けてエネルギーをチャージするための「家」で快適なひと時を過ごすことは人生において決して軽視できない重要事項です!
そして、日当たりの悪い部屋で過ごして、カビなどの影響で体調を崩して病院のお世話になんてなったら、治療費だけでなく、その時間も絶対に勿体無いですしね!家賃をケチって病院代がかかるんじゃ本末転倒です。自分自身もしんどい思いをして、お金も出ていってしまって、なにひとつ良いことなんて無いのです。
これから、更に毎月の家賃だけでなく、電気代等インフラの費用や病院・メンタル関係の目に見えないコスト、そして、あらゆる機会損失が明らかになりつつあり、部屋探しの基本が重視される世の中にやっとなりつつあると思っています。
ただ、実際の失敗例でも紹介した通り、時間帯や天気、季節などが変わると、日当たりを始めとする室内環境が変わることがあります。こういったことは経験が少なかったり、忙しかったりすると、自分ではなかなか気づけず、そこまで気が回らないという方が多いと思います。
最後に、建築士さんに直接、内見時に日当たりを意識する意義を確認しました。部屋探しで優先順位を間違えないようにこちらのページもご確認ください。
そのために、私たちは日当たりだけじゃなく、4,000件近い失敗事例を基にした失敗診断を行い、あなたが陥りがちな失敗を判断し、事前にどんなことに気をつけたら良いか、どんな部屋なら安心して住めるか、ただ部屋を紹介するだけでなく、部屋選びのポイントまで詳しく丁寧にアドバイスしています。
先ずは、無料のオンラインで失敗診断を試してみて下さい。最後に、個人的に日当たりが最も大切だと思っていますが、こちらも大切です。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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