目次
1.質問:30代独身男性の一人暮らし、部屋の家賃や生活費は平均いくらですか?
どうも、部屋探しの不安ゼロを目指す、ファイナンシャルプランナー兼宅地建物取引士の馬場です。
最近は、コロナウイルスなどの影響で圧倒的に暗いニュースが増える中、家計もシビアにならざるを得ない状況が続いています。
この記事は、引っ越しの失敗談でも多かった一人で生活していけるのかに焦点を当て、一人暮らしで生活破綻しないため、平均的な家賃や生活費を把握し、自分の生活や家賃を含め、部屋探しに生かしてほしいと思い書いています。
というのも、失われた20年からのリーマンショックに新型コロナと経済危機が訪れる中、ひょっとするとこの後世界恐慌に陥るのでは・・・なんて恐ろしい声も囁かれています。
企業は営業自粛やテレワーク、右往左往の経済政策に振り回され、大手企業すら一寸先は闇という状況になってきました。
当然、僕ら一般人もお金にシビアにならざるを得ない状況で、いかに固定費を削減するかが重要だと思います。
しかし、そんな思いとは逆行するようにスマホ代やNetflix、Amazonプライムなどサブスクモデルでジワジワと支出が増えていく・・・、政府主導のスマホの通信費削減もどこまで現実味があるかわからず、いよいよ自分の身は自分で守らねばならない状態です。
さて、コロナによる影響が大きくなってきてから僕たちのところにも、なんとか安い家賃のところに引っ越せないか、少しでも家賃を抑えたお部屋を紹介してほしい、という相談が増えました。
なぜ家賃や生活費が苦しくなってきているのか聞いた話を分析してみると、一昔前まで言われていた『家賃は年収の3割まで』という言葉を信じてお部屋を借りた結果、コロナのような突発的な収入減に耐えられなくなっているという背景が見えてきました。
2.回答:単純にいくらですと言えないので、以下徹底的に調べてまとめました
私たち、atliving的には先の見えない今、また結婚や子育ても頭をよぎる30代男性が東京での生活を効率よく楽しんでもらうために、家賃は年収の2.5割程度にするのが良いと思っています。
特に、年収が400万円以下の場合には、このルールを固守した方が何かといいです。30代にもなると、今いる会社での立ち位置や将来のポジションなどもなんとなく見えてきます。
大手企業でも昇給は頭打ち気味、AIやワークライフバランスが浸透すれば、ますます給料は上がりづらくなり、税金や社会保障料の増加分とどちらが大きいやらという現実も起こり得るかもしれません。
だからこそ,これからの30代は家賃をリーズナブルに決め、生活を安定、充実させることが大切だと思います。特に一人暮らしは二人や家族暮らしと比べるとコスパが悪いので、ちょっとしたコツや仕組みを賢く使うのがいいと思います。そこでこの記事では、30代男性のお金に関する現状をファイナンシャルプランナーの馬場と二人で掘り下げました。
合わせて、僕たちが独自に行った4,000件を超える部屋探しにまつわるアンケートや口コミの結果から家賃やお金に関する失敗や不安等もまとめ、最適な家賃の決め方を提案しています。初めての一人暮らしでも、引っ越し経験が豊富であっても使える内容になっていると思いますので、最後まで読んで、今後の暮らしに活かして下さい。
2-1.30代男性の平均収入は?
2-1-1.企業規模大きい程、20代後半から30代までの賃金の上昇は大きい
厚生労働省が令和2年にまとめた賃金構造基本統計調査によると、男性の方が顕著で企業規模が大きい程、20代後半から30代までの賃金の上昇は大きいものになっています。その為、あなたの現在のステージだけでなく、半年・1年先の状況に合わせた部屋探しが大切になってきます。
と言うのも、これまでのアンケートの結果から、更新など短期の引っ越しを繰り返す事が経済的には損失が最も大きくなるからです。計画的にお部屋を選んで下さい。
2-1-2.上手くいけば30代の10年間で100万円近い年収アップも?
dodaエージェントサービス「年代別・年齢別 平均年収情報【最新版(2019年)】」によると、30代男性の平均年収は『487万円』です。同じ30代女性の平均年収は382万円、全体では452万円となっています。
ちなみに、男性30歳時点の平均年収は436万円、39歳が530万円のことから、上手くいけば30代の10年間で100万円近い年収アップが期待できます。が、これは2019年のデータなので、コロナ禍の今後は根拠ない期待は持たない方が良いかもしれません。
また、30代で平均年収が500万円を超える職種は下記の通りです。
- 専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人):608万円
- 企画/管理系:516万円
- 技術系(IT/通信):509 万円
業種では、金融や総合商社、IT・通信系メーカーが上位に名を連ねていました。
なお、同調査で20代男性の平均年収が367万円、40代男性が583万円となっており、『367万円→487万円→583万円』と徐々に伸び幅が小さくなっています。少し安心しました。
2-2.30代男性の年収別貯蓄額
なかなか人に聞きづらい貯蓄額について調べてみました。男女別ではないものの、最新の総務省統計局が発表したデータよると2020年4~6月の貯蓄現在高は729万円。2019年同期の695万円から約5%アップしています。
アップの原因について正式見解はないものの、新型コロナの影響が給与やボーナスに反映される前かつ、外出自粛、先行き不透明な状況で財布の紐が固くなり、一時的に増えたと考えています。ちなみに、729万円のうち、現金や定期預金など通貨の貯蓄額が516万円、株式や債権など有価証券の貯蓄額が50万円となっていました。
また、東京都主税局のデータによると、東京周辺の世帯主が30代以下の世帯における年間貯蓄額の構成比は下記のようになりました。
<東京周辺地域・30代以下世帯年間貯蓄額構成比>
50万円未満 | 50〜100万円 | 100〜150万円 | 150〜200万円 | 200〜250万円 | 250〜300万円 | 300万円〜 | |
東京都特別区 | 25.2% | 25.9% | 16.1% | 8.4% | 8.4% | 0.7% | 15.4% |
多摩地域 | 37.3% | 28.8% | 13.6% | 6.8% | 5.1% | 1.7% | 6.8% |
横浜市 | 38.9% | 21.1% | 14.7% | 9.5% | 4.2% | 0.0% | 11.6% |
上の表を簡単に円グラフにしてみました。年間の貯蓄額が100万円以下の世帯が東京特別区では51.1%、多摩地域で66.1%、横浜市で60%となっています。その為、年間100万円の貯蓄ができれば平均か平均よりちょっと上、と言えそうです。結構シビアなところだと思いますけど。
生活コストがかかって何かとシビアだからか、東京都特別区に住んでいる人ほど、年収に対する貯蓄額が高いということが見えてきました。30代以下では、年間50〜100万円を貯蓄している世帯がもっとも多いという結果でした。月々4〜8万円くらい貯蓄できているということです。一方で、4分の1〜3分の1の世帯は50万円未満の貯蓄に止まっています。
他にも、ネットエイジア株式会社が2019年の夏に実施した、全国の20~49歳の社会人(パートやアルバイトの方を除く)1,000人にアンケートをした結果は以下の通りです。
平均は700万円近いですが、貯金額が300万円以下の方が50%以上と過半を占めていました。以下、ご参照下さい。老後2,000万円問題がうたわれた直後のアンケートですが、目標値には遠く及ばないため、計画的な貯蓄や運用が必須になっています。僕も含めて、無駄を減らし、計画的な生活が求められていますね。
念のため、6,700件のお引っ越しに関する後悔のアンケ-トや400件を超えるトラブル相談を参考に、安心できる部屋探しに向けたチェックリストを作成しました。
3.30代男性が知っておきたい家賃やお金に関する不安・失敗の口コミ
3-1.30代男性が知っておきたい家賃に関する不安や失敗の口コミ
僕たちが独自に行った4,000件の部屋探しのアンケート結果から30代だけでなく、今後の参考になるように40代、50代男性のお部屋探しに関わる不安や失敗などの口コミと、僕たちなりの見解をまとめました。参考にしていただき、同じ轍を踏まないようお役立ていただけると幸いです。
3-1-1.引っ越しをした後の生活のやりくりに不安
今まで実家暮らしで生活のやりくりは親にしてもらっていたので、引っ越しをした後の生活のやりくりに不安を覚えます。貯金がなくなってしまうと家賃が払えず、退去を求められるからです。またCMのイメージだけで部屋を決めるのは良くないと感じます。
会社からの通勤の際にかかる時間や住む周りの人がどんな人なのか、スーパーやドラッグストア、飲食店やコンビニ等の便利なお店が近くにあるのかを良く考えて決めたほうが良いと思います。(男性/30代/会社員・卸売業(OA機器関係))
>>初めての一人暮らしの場合は、生活コストの想像がつかず不安になるかと思います。少し面倒でもシミュレーションをすることが大事です。
シミュレーションをおろそかにした結果、家賃が払えなくなったり、我慢ばかりの生活でストレスが溜まったりするほうが不利益になります。今後の生活コストをイメージしやすいよう、この後の章で紹介していますので参考にしてみてください。
3-1-2.交通の便が良いことを最優先させて物件を選択
会社までの交通の便が良いことを最優先させて物件を選んだために、失敗と後悔は数知らずでした。まず、繁華街に近かったこともあり、特に深夜の酔っぱらいによる騒音に悩まされました。また、水洗トイレ流れが悪く、修理代が発生、思ってもいなかった出費でした。(男性/40代/会社員・広告代理店)
>>引っ越し前後では予想外の出費が発生することがあります。引っ越し直後の故障については契約前に確認しておいたほうが良いです。
不安な場合「引っ越し後●日以内の故意でない故障は保障する」といった交渉をして、契約書に明記してもらう手もあります。
3-1-3.経年劣化の範囲なのに契約上にないホームクリーニングなどを請求
大家さんの立ち会いで転居をしたが、不動産屋は大家さんの意向に関わらず、経年劣化の範囲なのに契約上に無いホームクリーニングなどを請求してくるので、不動産屋へも退去時に立ち会いを求めて、共に確認する作業がマストである。(男性/30代/会社員・介護福祉)
>>退去時の敷金トラブルは枚挙にいとまがありません。トラブルを防ぐ方法としてはまず契約時に責任の範囲を明確にして契約書に明記してもらうこと、入居時にお部屋に故障や汚れがないか入念にチェックして問題があれば管理会社に連絡の上、写真に撮って証拠を残しておくことです。
敷金の返還に関する詳細は「敷金が返ってこない!?2年以内の解約退去で修繕費や原状回復費を高額請求されることはありますか?」にまとめました。
3-1-4.日当たりが悪く、洗濯物が乾かない
よく分からなかったので家賃を重視し、部屋を選びました。日当たりが悪く、洗濯物が乾かない、カビの発生、窓の結露に悩まされ困惑しました。周辺の環境や家賃などは調査しましたが、物件の日当たりについては調査していなかったこと。(男性/30代/会社員・小売業)
>>家賃は生活に直結するので大事ですが、生活の豊かさを左右する要素は他にもたくさんあります。家賃に気を取られすぎると失敗するので、どんな生活を送りたいのかイメージして優先順位をつけてチェックしていくことが重要です。
何をチェックすればいいか思いつかない人は内覧(下見)の時に見るべきポイントを「実際、内見ではどこを見れば良いの?体験談をまとめた失敗しないお部屋探しのための下見(内覧)7つのポイント」にまとめたので参考にしてみてください。
3-1-5.通勤ラッシュが本当にきつい
会社への通勤時間を基準に考え家賃相場等を同僚に聞いてみて東西線沿線にしてみたが通勤時間はまずまずだったが朝のラッシュがひどかった。やはり親身になってくれる担当者がいる不動産屋が良いと思います。
なかには、早く決めさせようと契約を急かす人もいますが注意した方が良いです。担当者に不信感を感じたら他の不動産屋も何軒か回る方が良いと思います。生活の基盤になる部屋を決めるのですから。(男性/50代/会社員・旅行業)
>>通勤時のストレスは日々のことなので、後々辛くなります。東京都内は特に一駅ずらしたりするだけで混雑具合や混雑のタイミングが変わってくるので、交通事情に詳しい担当者に相談に乗ってもらうといいです。
上の意見にもありますが、信頼できない担当者はキッパリ代えてもらうか、不動産会社ごと別のところにしましょう。
3-1-6.決めるまで時間が掛かった
家賃の上限を決めた事で良かった部屋が除外されていき、決めるまでに時間がかかった(男性/40代/会社員・ゲーム販売)
>>家賃の上限を決めたことそのものはいいことです。とは言え、極端に家賃設定が低い訳でもないのに理想的な住まいが見つからないなら、担当者の提案力不足の可能性もあります。
ただし、適切な提案をしてもらうには、理想的な住まいや譲れない条件を明確にしておくことが大切なので、一度整理しておくと予算内で妥協しすぎないお部屋が見つかるのではないでしょうか。
3-1-7.デザイナーズマンションは敢えて避けました
家賃や外見にとらわれて物件選びで失敗すると、様々なストレスが生じます。初めて引っ越しをする方は特に、ネットで人の経験談を積極的に集めて参考にする必要がありますし、物件選びの際は、家族に付き添ってもらい、第三者の意見を聞きながら部屋を決めるのがベストでしょう。(男性/30代/会社員・総合小売業)
>>引っ越し経験6回の方からの意見は大変参考になります。僕たちお部屋選びのプロから見てもまさにその通りで、家賃や見た目、雰囲気ばかりに意識がいくとお部屋選びに失敗し、ストレスが溜まっていきます。
今はネットがあるのでたくさんの失敗事例を見て、時に客観的な意見をもらうことが重要です。このサイトにもたくさんの失敗談を載せていますので、ぜひ参考にしてください。
3-1-8.生活にほんの少しゆとりができた
家賃が安くなったので生活にほんの少しゆとりができた事と間取りが希望通りなので生活の動線がスムーズになった。(男性/50代/会社員・宿泊業)
>>固定費の家賃が少しでも下がると生活のゆとり、つまりは心の余裕が全然違います。またここにもあるように生活動線がスムーズになると、生活の中でのちょっとしたストレスがなくなったり、時間が節約できたり、空調のムダがなくなるので電気代が削減できたりと、いいことだらけです。あなたの生活を伝えて、的確な間取りを提案できる担当者を探しましょう。
3-1-9.家からジャージでちょっと買い物を出来るお洒落なデザイナーズマンション
とりあえず、家賃が比較的、安価で広い部屋を希望して引っ越し、生活して思ったのは、駅やスーパーマーケット、ドラッグストアが近くにあり、家からジャージでちょっと買い物を出来るお洒落なデザイナーズマンションでの生活を送りたかった。(男性/30代/会社員・医療)
>>お洒落なデザイナーズマンションはさておき、家賃の安さを重視しすぎるあまりの失敗談もよくあります。生活に必要なお店が周囲になくて結局電車に乗って買い物に行かなければならなかったり、割高な宅配サービスやネットショッピングを利用しなければならなかったりなどといったことです。トータルコストを考えると、多少家賃を上げても便利な場所に住めば良かった…ということになります。
3-2.30代男性が知っておきたいお金に関する不安や失敗の口コミ
コロナ問題はもちろん、収入や職位は頭打ち、転職リスクも大きくなってくる30代はこの先の長い人生を決めてしまうターニングポイントと言っても過言ではありません。近い将来後悔しないために、人生の先輩方が30代にうちにしておけば良かった失敗の声を集めました。
・20代の時より収入が増えて飲み代に使いすぎた。今考えると見栄で奢って、いい店に行き過ぎだったと思う。飲み代の半分でも貯金しておけば良かった。(42歳)
・一人暮らしが長く、外食や趣味と好きなことに使っていた結果、いい歳して結婚資金を親に借りるという恥ずかしい状態になった。(39歳)
・結婚したり、子供ができたりすると転職が難しい。もっとキャリアアップや人生設計について早く考えておけば良かった。(46歳)
・平日はコンビニ弁当やカップ麺、週末は溜まったストレスを暴飲暴食で発散!結果、お金は貯まらず、脂肪だけが溜まった。(43歳)
・語学や手当がつく資格を取っておけば良かった。30代後半になると家庭との両立や激務で勉強の時間がない。そもそも記憶力も低下していて頭に入らない。(38歳)
この辺りはなるべく早めに意識して、対応していくしかないと思います。長期のキャッシュフローシートなどを見てみると、結構現実に帰る事になります。本当にシビアです。
4.理想的な家賃は手取りの4分の1前後
平均収入や貯蓄額、さらには30〜40代の失敗や後悔について見てきました。これらを踏まえて理想的な家賃の結論を出すならば、僕たちは『手取り4分の1』を目安にすることをお勧めしています。
ここまでで述べてきたように、30代になると昇給の伸びもやや緩やかになり、結婚や家族などリアルな生活も視野に入ってきます。カツカツせず堅実に、かつ住環境がストレスを招かない生活を送るには『手取り4分の1』程度の家賃とし、将来のための積立や貯蓄に回す余裕を持って欲しいと思います。
ただ、30代は一番脂の乗っている頃。小さくまとまりすぎるのではなく、今後のキャリアアップや成長のために自己投資やほんの少しだけ背伸びが必要な住まいを選ぶという選択肢もあります。引っ越しという機会を将来設計の見直しに使ってみるのも良いのではないでしょうか?
念のため、6,700件のお引っ越しに関する後悔のアンケ-トや400件を超えるトラブル相談を参考に、安心できる部屋探しに向けたチェックリストを作成しました。
5.手取り収入から最適な家賃を決める方法
5-1.月給・月収・手取り収入とは?
『手取り4分の1』をお勧めしましたが、念のため収入にまつわる言葉を整理したいと思います。特に30代は年収がグイグイ伸びるにつれて、引かれる税金や社会保険料もガンガン上がっていきます。
30代の平均年収付近はちょうど税金や社会保険料がグンと上がるタイミングであり、年収が上がった割にはなんか生活に余裕が出ない…となりやすいです。よく年収1,000万円の人はお金が貯まらず、生活がカツカツなんて話を聞きますが、そのロジックもここに隠されています。年収が上がっても案外、手取り収入は増えないのです。
月給 | 基本給+固定の諸手当 |
月収 | 年収を12で割ったもの。ボーナスや残業代、成果報酬など変動する手当も含まれる |
手取り収入 | 月給-税金-社会保険料-天引きされる積立金 |
5-1-1.<月給>
月給とは、基本給と毎月固定で支給される下記の一般的な諸手当を合わせたものです。
・職能給
・役職給
・成果給
・住宅手当
・資格手当
・皆勤手当 など
5-1-2.<月収>
月収とは、年収を単純に12ヶ月で割った金額を言います。月給に加え、ボーナス(期末手当)や通勤手当、残業手当、成功報酬など変動のある手当も含まれるので、一般的に月給より大きな金額になります。ただ単純に割った数字なので、実際に毎月手にしている額と結構な差が出たりします。
5-1-3.<手取り収入>
手取り収入とは、文字通り実際に手に入れた収入のことです。これが一番生活に直結する重要な数字になります。会社員は月給から税金や社会保険料などを差し引かれてから受け取り(『給与天引き』と言います)、以下のようなイメージです。
【手取り収入=月給-税金(住民税、所得税など)-社会保険料(健康保険、雇用保険、厚生年金など)】
天引きされる費用やその内訳は給与明細に書かれているので、よく確認してください。まだ明細をもらっていなくて手取り収入がいくらかわからないと言う場合は、だいたい月給に8~9割を掛けたくらいの金額をイメージしておくと良いと思います。例えば、月給が35万円の独身なら、なんだかんだで30万円くらいが手取り収入となります。
なお、会社によっては退職積立金や財形貯蓄、持ち株会費などの積立金が天引きされていることがあります。将来的にはあなた自身のお金ですが、現在の手取り収入に影響するので金額の確認を忘れないでください。
5-2.収入と家賃の目安
グラフから以下ように年収と家賃の関係を考えています。徐々に守りも必要な30代男性は『手取り4分の1』をベースにしつつ、積極的に成長していきたいなら『少しだけ背伸びをしたお部屋を選ぶ』こともお勧めしています。具体的には、一年ぐらい先の収入をイメージしてそれに見合った家賃やお部屋を決めると良いと思います。
もう一つ、お部屋選びのポイントとして、その構造や家賃以外の固定費にも目を向けてください。例えば一般的に木造<鉄骨造<RC造の順で家賃は高くなっていきます。しかし、同じ順で冷暖房効率や防音効果も高まります。つまり、一見家賃の安い木造や鉄骨造を選んだら光熱費が嵩み、結果トータルでRC造に住んだ場合と生活コストが変わらなかった、といったことが起こり得ます。
ガスもプロパンガスより安い都市ガスを選ぶのがマストですし、近年は電気やガスの自由化により、同じ都市ガスでも競争が激しくなっている関係で業者選び次第で大きく光熱費を下げることもできるのです。この辺り、提携事業者も紹介できるので個別に相談してください。
6.一人暮らし30代男性の一般的な生活費
総務省の「家計調査(2019年)」によると、34歳以下男性の単身世帯(うち勤労者世帯)の生活費の平均は下記の通りです(100円以下四捨五入)。
合計 | 内訳 | ||||||||
食費 | 住居費 | 水光熱費 | 家具・家事用品 | 被服・履物 | 保険医療 | 交通・通信 | 教養娯楽 | その他 | |
17万円 | 4万7千円 | 3万6千円 | 8千円 | 3千円 | 6千円 | 3千円 | 3万1千円 | 2万1千円 | 1万5千円 |
次に、家賃を含めた全体の生活費コストを具体的にイメージしてみます。総務省統計局「家計調査(平成30年)」による全国34歳以下の単身世帯の1ヶ月あたりの支出をまとめました。(100円以下四捨五入)
月給が35万円の独身なら、30万円くらいが手取り収入となったので、一人暮らしの場合、多少余裕のある生活をしたとしても毎月10万円くらいは自己投資や資産形成に回せるということになります。
7.カツカツな生活を避け成長に繋げるお部屋選びのポイント
堅実な30代男性のお部屋選びのポイントは次の通りだと思っています。正直、潤いが無いと続けていくのは相当大変です。
・手取り収入の4分の1が目安。ただし成長意欲が高いなら、1年先の収入を見越した家賃にするのもアリ。
・マンションの構造や光熱費などトータルコストを考慮したお部屋選びをする。
・収入が上がった分、年金や社会保険料も増えるので手取り収入を意識し、余剰金は自己投資や貯蓄に回す。
なお、自動貯金サービス「finbee(フィンビー)」を運営するネストエッグが2020年10月2日〜5日行った「貯金に関する調査」によると、30代の貯蓄方法は多い順に以下のようになったそうです。貯金箱や定期預金など古典的な方法が結構使われていました。
1位:金融商品(23%)
2位:メイン口座から貯金用の別口座へ移し替える(22%)
3位:貯金箱(13%)
4位:銀行の自動積立・定期預金(11%)
5位:財形貯蓄制度活用(9%)
8.30代男性の一人暮らしの生活感まとめ
せっかく東京で働いているのに、消耗しすり減らす使い捨ての人生は絶対に嫌ですよね。僕も絶対に嫌です。将来の為に堅実に貯蓄や投資をしながら、毎日楽しく過ごしたいと思います。
一方で、堅実という言葉に囚われすぎで我慢我慢の生活はいつか爆発します。堅実であることと同じくらい、日々の生活には潤いも絶対に必要です。だからこそちょっとした工夫でコスパの良いお部屋に住み、程よい潤いを与えながら、将来を見越した資産形成や自己投資をしてもらいたいと思っています。
毎日、毎月、毎年、自分の資産やスキルが積み上がっていく実感が大切です。アプリを使ったり、数字が見えるようなものを貯めてみたりしてみてください。もちろん、それに合わせ、生活をグレードアップしていくのは大いにアリだと思っています。頑張った分、楽しい毎日になるように事前に正しい準備して、後悔しないお部屋を探して下さい。以下、今回のまとめです。
- 30代男性の平均年収は、436万円〜530万円。
- 2020年4~6月の貯蓄現在高は729万円(内、通貨が516万円、有価証券が50万円)。
- 30代以下では年間50〜100万円を貯蓄している世帯がもっとも多い。
- 家賃は『手取りの4分の1』を目安にする。ただし成長意欲が高いなら、1年先の自分の成長をイメージした家賃のお部屋を選ぶのもアリ。
- 家賃も含め生活コストは最低でも月に17万円は見積もっておく。
- マンションの構造による冷暖房効率やトータルコストを加味し、賢くお部屋を選ぶ。
- 電気やガスの自由化を使って光熱費をカットする。
9.トラブルを避けるための部屋探しチェックリスト
これまでのトラブル相談やアンケートの事例を参考に、簡単なチェックリストを作りました。
もし、いくつか、該当するようなら、慎重にお部屋探しをされることをお勧めします。
□ 延線沿い等エリアを広げ、自分に合う部屋を探したい
□ 自分に合ったお部屋の条件や優先順位が分からない
□ オンライン内見や広告を見て、お部屋を決めたい
□ 部屋探しの経験が2回以下で相談し、お部屋を決めたい
□ 家賃や初期費用等予算の決め方が分からない
□ 契約や引っ越し後のトラブルは絶対に避けたい
□ 自分のペ-スでゆっくりお部屋を探したい
□ 仲介手数料無料や返金保証が付いている方がいい
もし、3つ以上当てはまる方は慎重に部屋探しを進めて下さい。というのも、トラブルが続くと、仕事や私生活だけでなく、健康も害してしまう事もあります。
また、気になるようなら、LINEで出来る部屋探しの条件簡易診断もやってみて下さい。3つの質問で、部屋探しに必要な具体的な注意点や対策をご提案しています。
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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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