B.豆知識(相場、法律)

内見時に使える、引っ越し後のトラブルや騒音をチェックするアプリはありますか?

こんにちは、宅地建物取引士の相樂です。

今までに「うるさい」と隣人から苦情を受けたことはありませんか?

隣人からの壁ドンとかも実際にあります。生活音を全て消すのは無理ですし、室内での会話のボリュームを下げるのは実にストレスがたまると思います。次のお引っ越しでは、そんなストレスを感じたくないものですよね。

ちょっと前に、相談があったマンションの隣人からの仕返しや嫌がらせに対する対処法を3つこちらのページにまとめておきました。

そこで今回は、騒音問題で悩んだ、もしくは悩むかもしれないあなたに向け、内見で音が通りやすいお部屋かどうかをチェックする方法をご紹介します。特に、室内で楽器をたしなんだり、友達や彼氏をお部屋に呼ぶことがある人は、必見です。

オンライン内見でも担当者に確認してほしいポイントを共有できるチェックシートを作成しました。こちらのシートを先方に送り、問題がないか、効率よく、確認してもらってください。他社のシートも比較につけておきました。後悔しない、損しない、時間を無駄にしないために活用して下さい。

1.騒音とは?

さて、隣人はどれくらいの音から騒音と感じるのでしょうか? 会話の音でしょうか?それとも、子供が走ったり、掃除機をかける音でしょうか?結論は、どちらも騒音になりえます。なぜなら、隣人がうるさいと感じたその音が騒音だからです。しかし、人によって基準が変わるのなら、騒音かどうかを判断することはできません。

そこで、騒音かどうかを判断する方法として数字を利用します。ここで利用する単位がデシベルです。デシベルは音の強さを示す単位で、人の話す大きさが60デシベル、電車内での駆動音が80デシベル、ピアノを弾く音が100デシベル程度で表現されます。そして、130デシベルを超えると聴覚に異常をきたすと言われています。

2.隣人はどれくらいの音を騒音と感じるのか?

デシベルがどのくらいの数値だと、騒音に感じられるのでしょうか? 一般的には、60デシベルより大きいと騒音に感じられると言われています。すなわち、隣人から苦情が来る音の大きさは、60デシベルより大きい音に対して来ると考えていいと思います。その為、会話をしているだけでは騒音になりませんし、うるさいとも思われません。

お部屋で話をしていると、その音は壁一枚をへだてるのでさらに小さくなります。より詳しく、騒音は何デシベルからかなのかを調べたい場合は、環境省(騒音に係る環境基準について)を参照してください。

楽器をするとなると騒音対策として防音室を準備する必要がありますが、会話程度なら騒音を心配する必要はありません。しかし、それでも隣人との騒音トラブルが心配なあなたのために、次はお部屋から出る音が大きいかどうか、調べる方法をご紹介します。

3.騒音の調べ方

騒音かどうかを調べるためには騒音計を用意しなければなりません。騒音計とは、音をデシベル単位で表示をする計器です。騒音計についてはスマホアプリで代用することができるので、準備するモノとしてはスマホとアプリだけで問題ありません。内見時に、騒音を調べる手順としては以下の通りです。

  • 隣の空き部屋に行く(もしくは玄関の外)
  • 騒音計を準備
  • 内見の担当者に音を出してもらう

内見時に隣が空き部屋なら、ぜひ入室させてもらってください。 壁をひとつまたいだ音をチェックするためには入室した方が確かな音の大きさを収集することができます。すでに、隣に入居者がいるのであれば、玄関の前で騒音計を構えても効果があるでしょう。

4.騒音計アプリをご紹介

ここではiPhoneとAndroidのそれぞれでインストールできる騒音計アプリをご紹介します。

  • デシベルメーター – ノイズと音量の測定 (iPhone)
  • 騒音測定器:Sound Meter(Android)

スマホを利用しているので、40デシベルから70デシベルの音は正確に測ることができます。しかしながら、それ以上の大きさになると数値がぶれやすいので注意をしてください。

>>トラブル対応時によく使う、内容証明と簡易書留や普通郵便、一番バレにくく、リーズナブルなのはどれ?

5.内覧で使える騒音を計測するアプリのまとめ

引っ越し後に隣人とトラブルになることなく、平和に暮らすために内見時に使ってほしいアプリについて、整理しました。以下、今回のまとめです。

先ず、隣人がうるさいと感じる音の大きさは60デシベルより大きい音。次に、騒音をチェックするためのアプリは以下2つ。

  • デシベルメーター – ノイズと音量の測定 (iPhone)
  • 騒音測定器:Sound Meter(Android)

最後に、内見時騒音をチェックするための手順

1.隣の空き部屋に行く(もしくは玄関の外)

2.騒音計を準備

3.内見の担当者に音を出してもらう

その他、家にいることが多く、騒音に悩まされたくない方は幹線道路や線路以外にも、建物の用途地域に気をつけてください。

世田谷区の方で実際にあった騒音に関する相談を参考に、準工業地域は工場や倉庫が近くにありつつ、マンションや戸建ても建つエリアで騒音問題が起こりやすいです。

また、準工業地域は倉庫や工場へ荷物を運ぶトラック等の大型車が行き来するため、お子様がいるご家庭には準工業地域にあるマンションはあまりお勧めできません。この辺りは仲介時の説明事項にも入っていないので、内見時に周辺環境などをご自身で確認する必要があります。

>>実際に騒音トラブルに遭い、管理会社や警察に相談した方にヒアリングを行い、こちらにページにまとめました。また、実際にあった裁判事例を基にマンションのトラブル対策や相談先、注意点についてはこちらのページにまとめておきました。

内覧でいかに真剣に部屋と自分と向き合ったかということが部屋に住み始めてから後悔するかしないかを決定づけます。是非、是非、失敗や後悔の無い部屋探しをしてください。今回ご紹介した内容が貴方の失敗を防ぐ一助となれば幸いです。

ちょっと前に、相談があったトラブルに対して、内容証明と簡易書留の使い方や注意点3つ、こちらのページにまとめておきました。

あなたの大切な人生と平穏が守られますようにこれからも私たちは4,500件を超える引っ越しの失敗談を基に、住まいのトラブル解消の専門家として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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