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こんにちは、部屋探しの不安ゼロを目指す、株式会社リビングインの不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。
アットホームが2020年12月に発表した調査によると、30%以上の人がオンラインで内見をしたいと思っていました。時短できて、ウイルス感染の可能性も低くなるので良いと思いますが、正直、後悔しない部屋探しと言う観点から、本当に大丈夫か心配です。個人的には、部屋探しの失敗が今よりもっと増え、引っ越し貧乏な人が増えると思います。最も大切な部分を楽しようとしてるからしょうがない事ですが・・・。
と言うのも、4,500件を超える引っ越しを分析すると、担当に任せ、会社に任せ、現物を見ない・一部屋しか見ないで失敗した人が非常に沢山いるからです。例えば、服にも付く部屋の臭いや音に悩まされないよう壁の薄さをオンラインでもキチンと確認してみて下さい。そこで、今回はちょっと前に質問された、部屋探しに必要な内見の回数について説明していきます。
「このお部屋をもう一度内見したい。」
「でも、内見は何度もしていいものなのか?担当者に面倒をかけないだろうか?」
あなたの不安はごもっともです。なぜなら、複数回の内見は担当者に結構な負担をかけるからです。しかし、たった1度きり、10分程度の内見でそのお部屋の大部分を見通せるはずがありません。
ここでは、2回以上の内見を提案し、そこに遠慮はいらないことを解説します。他にも、『なぜ複数回の内見を提案するのか?』を実際のお客さまから聞いた後悔エピソードをまじえて紹介し、『賢く複数回の内見をするため、どうすればいいのか?』を伝授します。
1.複数回の内見は失礼に当たらないか?
2回までの内見なら失礼に当たらず、むしろ不動産仲介業者としては助かります。内見が1回きりのお客さまは後日トラブルを持ち込んだりするパターンが多いからです。告知義務で損害賠償請求パターンです。
過去に相談があったのは、契約まで済んだ方が入居前に再度見に行ったら、となりのベランダがゴミだらけで虫が飛んでて、ニオイも凄いので即キャンセルしたい、告知義務違反で損害賠償を請求できるかというものでした。後で怒られるくらいなら、2度でも、3度でも部屋を見て満足してもらった方が絶対に良いと思います。
しかし、そういった現状とは裏腹に内見回数は1回が最も多く、2回以上は少ない傾向にあります。さらに、この傾向が強まってきています。2回を超える内見は内見担当者によって手間がかかるため、嫌がられるパターンもあります。しかし、チェックしたいお部屋や箇所があれば、積極的に依頼してください。改めて、2回の内見なら決して失礼には当たりません。
2.一度きりの内見で後悔した女性の話
お部屋には一度きりの内見では見えない不満が多数あります。たとえば、時間帯ごとの騒音です。一度の内見では朝と夜の状況をチェックできないため、時間帯による騒音に悩まされることがあります。
かなり昔にはなりますが、私のお客さまで内見を朝と夜の二度しようか迷っている女性がいました。 彼女は結局、内見に面倒さを覚えたのと私に手間をかけさせるのが嫌?で、一度しか内見をしませんでした。
しかし、入居後、朝の騒音に悩まされると彼女からの話を耳にしました。どうやら隣人と生活リズムが合っていないようで「あのとき、朝も内見に行っていれば…」とグチをこぼしていたことをよく覚えてます。
問題があれば引っ越しですが、引っ越しはお金もかかりますし、手軽に何度もできません。 そのため、たった一度の内見をしないだけでこれから何年もの間、日常生活のストレスがのしかかることになります。わずらわしさや不動産会社のことは気にせず、内見を複数回したいと思ったら、後悔しないためにも内見をお願いしてみましょう。
ちなみに、その女性の経験も踏まえ、私たちは内見の代行サービスを行っています。たとえば1度はあなた自身で内見をして、「夜間の騒音だけ、もう一度チェックしてほしい」という時に代行を使うなどもできます。仕事で忙しい、夜や早朝の内見は不安…などといった場合、ぜひご利用ください。
3.プロの内見担当者から見た一度きりの内見のリスク
ここでは、現役の内見担当者である私が、一度きりの内見におけるリスクをご紹介します。
・時間帯によるリスク
・見過ごしによるリスク
3-1.時間帯によるリスク
内見に行った時間で見られない問題とは?たとえば、朝に内見に行ったら、昼や夜の状況は見られません。 もしかしたら、昼に日差しが入ってこないかもしれませんし、夜は向かいの高速道路が朝まで騒がしい可能性もあります。
以前、3月に転職をきっかけに引っ越す方向けに世田谷の方で一人暮らしの部屋を案内し、申し込んでもらった事があります。その際、決定後に朝一番で再度確認しに行ったことがあります。朝日がシッカリ差し込んでくるのを確認でき、この部屋が良い部屋だと確信できたました。このように、時間帯をずらして、特に朝と夜はシッカリと見た方が絶対に良いと思います。
3-2.見過ごしによるリスク
チェックをしても勘違いや誤りで、コンセントの位置が合わなかったり、採寸を間違えて家具が入らない、オートロックがモニター付きじゃなかった等可能性は色々とあります。 次に、これらのリスクを回避するための方法を紹介していきます。
4.2回の内見でリスクを回避と解決策
マンションの内見を2回することで後悔するリスクを圧倒的に回避できます。たとえば、先ほど紹介した”時間帯によるリスク”は内見時間を変更することで解決できます。
一方で、”見過ごしによるリスク”はチェックリストをくり返しチェックしたり、何かをするつもりになってシュミレーションすることで、発見できます。
自分の生活リズムを思い返し、必要な時間帯に内見にいくことで入居後の問題は驚くほど軽減されます。解決策と呼ぶにはおこがましいですが、注意して内見することも解決策の一つです。
5.2回目の内見で注意すべきポイント2つ
ここまで書いてきた2回目の内見には注意すべきポイントがあります。 注意して接することで不満のない素敵なお部屋に入居できるならいいですね。
5-1.契約は先着順で決まる
内見から契約にいたるまでは、先着順で決まります。 内見したお部屋をおさえる仮予約というシステムがありますが、その実態は早いもの勝ちです。2回目の内見を待っている間に契約されてしまうこともないとは言い切れません。1回目と2回目の内見の間は極力狭くし、なるべく早く内見に取り掛かりましょう。
繁忙期や人気のマンションは本当に順番待ちになる時もあります。同じ日に、同じ内見者と2度も会ってしまうこともありました。大体、皆同じような物件や条件で探しています。
5-2.他のお部屋に目移りし時間が無駄になる
内見をしているといくつものお部屋に目移りすること間違いなしです。特に内見の2回目ともなると、待っている間にいくつものお部屋が目に触れることになります。
そうなると、ついつい入居したいお部屋がぶれてしまい、結果2回目に内見したお部屋に入居しないこともありえます。時間を無駄にすることもあるため、1回目と2回目の内見は手早く実施しましょう。ドンドン、頭の中で妄想だけが膨らみ、部屋がよく見えてきたり、これしかないと思うようになってしまい、キチンと判断できなくなります。
6.後悔から学ぶ適切な室内の内見回数まとめ
このページでは、これまでの失敗談の分析を生かし、同じ部屋の内見を二度する意義やその方法、注意点について書いてきました。はじめの方で書いた通り、内見は面倒なのでオンラインでしたい人が増えています。オンライン内見とリアルな内見を上手に組み合わせ、ムダな引っ越し、ムダな出費が無い様に進めて下さい。以下、今回のポイントです。
6-1.複数回の内見は失礼に当たらないか
・2回までの内見ならよくおこなわれる
6-2.一度きりの内見リスク
・見過ごしによるリスク
・時間帯によるリスク
6-3.2回目の内見で注意すべきポイント
・契約は先着順で決まる
・他のお部屋に目移りし時間が無駄になる
内覧でいかに真剣に部屋と自分が向き合ったかということが部屋に住み始めてから後悔するかしないかを決定づけます。是非、是非、失敗や後悔の無い部屋探しをしてください。今回ご紹介した内容が貴方の失敗を防ぐ一助となれば幸いです。オンライン内見でも担当者に確認してほしいポイントを共有できるチェックシートを作成しました。こちらのシートを先方に送り、問題がないか、効率よく、確認してもらってください。他社のシートも比較につけておきました。後悔しない、損しない、時間を無駄にしないために活用して下さい。
7.トラブルを避けるための部屋探しチェックリスト
これまでのトラブル相談やアンケートの事例を参考に、簡単なチェックリストを作りました。
もし、いくつか、該当するようなら、慎重にお部屋探しをされることをお勧めします。
□ 延線沿い等エリアを広げ、自分に合う部屋を探したい
□ 自分に合ったお部屋の条件や優先順位が分からない
□ オンライン内見や広告を見て、お部屋を決めたい
□ 部屋探しの経験が2回以下で相談し、お部屋を決めたい
□ 家賃や初期費用等予算の決め方が分からない
□ 契約や引っ越し後のトラブルは絶対に避けたい
□ 自分のペ-スでゆっくりお部屋を探したい
□ 仲介手数料無料や返金保証が付いている方がいい
もし、3つ以上当てはまる方は慎重に部屋探しを進めて下さい。というのも、トラブルが続くと、仕事や私生活だけでなく、健康も害してしまう事もあります。
また、気になるようなら、LINEで出来る部屋探しの条件簡易診断もやってみて下さい。3つの質問で、部屋探しに必要な具体的な注意点や対策をご提案しています。
恵比寿や広尾、麻布十番など東京都心のデザイナーズマンションの内見予約や住まいの無料相談はこちらのページから物件や希望の日時を送って下さい。その他、退去時に管理会社と揉め、原状回復費用をムダにしないため、契約者さま限定の入居確認時の保存フォームを作りました。
過去8年間で最も相談件数の多かった騒音問題に関して、お部屋の契約前、平日夜のマンションの内見のメリットについて、失敗例を基にこちらのページにまとめました。もし、時間が許すようなら、仕事終わりにお部屋やその周りを見ることでトラブルが避けられるかもしれません。
あなたの大切な人生と平穏が守られますようにこれからも私たちは4,500件を超える引っ越しの失敗談を基に、住まいのトラブル解消の専門家として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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