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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の設備やそれらの改修を担当している、防犯設備士兼宅地建物取引士の相樂です。
今回は、これから一人暮らしをはじめる方向けに、部屋探しで本当に意識してほしい、日当たりと冬期うつについて、私たちは自力対処のリスクに関する注意喚起を含め、賃貸だけでなく、売買を含めた部屋探しを担当している大和田とポイントをまとめました。
SUUMOが2017年に発表したアンケートで、一人暮らしをはじめた方々の内、部屋探しで70%近い人が後悔していると出ているので、自宅にいる時間が長くなるこれからはもっと慎重に部屋探しをしてもらいたいと思っています。
私たち、アリネットは住まいのトラブルを減らすため、2000年以降、引っ越しを経験された方、累計4,600人超の方にアンケートを行い、様々な部屋探しの体験談や失敗談を集計し、分析してきました。
時間がない、対処の経験がない方ほど、他人の失敗やトラブルから学び、早期に対応・解決できるよう動いてください。
1.冬期うつって何?
突然ですが、「冬期うつ」という言葉を聞いたことはありますか?地域によっては「冬うつ」と言われることもあるみたいです。季節性の「うつ症状」の一種で医学的には「季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder:通称「SAD」)と名前がつけられている立派な疾病」です。
例えば、冬になると気分が滅入る、朝なかなか起きられない、つい食べ過ぎてしまう、など冬に限定して起こる様々な症状を指しており、誰でもかかり得るものです。
ちなみに、春になり、日照時間が長くなり、暖かくなってくると症状は軽減することがあるようです。
1-2.冬期うつの症状
冬期うつの具体的な症状は、
・メンタル
・睡眠
・行動
・食欲
に現れます。これから一人暮らしをはじめる社会時の方向けにそれぞれ具体的に症状を挙げていきます。
1-2-1.メンタル
冬期うつになると、メンタル面ではこんな症状が出ます。
・気分が落ち込む
・やる気が出ない
・いつもだるくて身体が重く感じる
・涙もろくなる
・人と会いたくないと思う
・仕事が手につかない
1-2-2.睡眠
冬期うつにより、睡眠に影響が出る人もいます。
・朝起きられない(いつまでも眠気を引きずる)
・昼間なのに眠くなる(ボーっとして集中力が切れる)
このようにとにかく眠くて、眠くて仕方ないという状態になります。これは、冬眠の名残とも言われています。確かに冬になると日の出が遅くなり、朝日が差し込む時間が遅くなりますし、寒くて布団から出られなくなりますよね。
ただ、寒さや暗さだけでなく、うつの症状が原因で「起きられない」という症状が出ている人もいるようです。
1-2-3.行動
冬期うつになると、とにかく何をするのもおっくうになります。
・出不精になる
・人と会うのが面倒になる
・学校や会社に遅刻する
・動きが鈍くなり怪我をしやすくなる
・家に引きこもる
・会社に行きたくない
・テレビばかり見たり、ゲームばかりしたりする
このように、活発性が無くなり、ひとつひとつの動作が緩慢になります。
1-2-4.食欲
これはあまりイメージが無いかもしれませんが、冬期うつは食欲にも影響を与えます。
・食べ過ぎてしまう
・特に甘いものや炭水化物を食べたくなる
・お腹が空いていないのに何か食べたくなる
実は、これらの食欲も「冬眠の名残」という説があります。生物が栄養を蓄えて春まで体力を温存するために、秋から冬にかけて、とにかく食べたくなるという本能が備わっており、その名残が強く出るタイプの人は冬期うつの症状が出やすいとも言われています。
1-3.冬期うつの原因
ここまで説明してきたように、人間が動物であることを思い出させてくれる冬期うつですが、現実の生活では冬眠していられません。冬期うつの主な原因は「日照時間が短くなり、太陽光を浴びる時間が足りなくなるから」とされているのが一般的です。冬は日が短くなり、太陽の光を浴びる時間が減ります。
また、寒さゆえに外出しなくなり部屋に籠っていると太陽光を浴びる機会そのものも少なくなります。実はこの「太陽」が重要なキーポイントとなっており、太陽の光を浴びることによって発生するセロトニンという幸せホルモンが減少することで「うつ」の症状が出ると研究されているのです。
もうひとつ、前述の通り「冬眠の名残」も冬期うつの原因のひとつなのではないかという説があります。元来、冬場は食糧が減少することから、冬眠して体力を温存しながら春を待つという生物が非常に多い中で、人間にもこの「冬眠」の本能が備わっていたのではないか、という説です。
ただ、この「冬眠説」は医学的には証明されていないため、あくまでも説のひとつとして捉えておくのが良さそうです。
2.太陽光に秘められた力が「うつ」を予防・軽減できる?
冬期うつの原因が「太陽の光が足りない」ということならば、その対策、対処法としては「太陽の光を浴びる」ことが一番です。
冬は日照時間が短くなりますが、日が出ないというわけではありません。日が出ている時間帯にしっかり太陽の光を浴びることで、冬期うつを予防し、その症状を軽減することができます。
2-1.太陽光を浴びると「幸せホルモン」が分泌される
少し触れましたが、人間は太陽光を浴びるとセロトニンという物質が脳から分泌されます。正確には、太陽光が網膜に入ると、脳内のセロトニン神経というものが刺激され活性化し、セロトニンを分泌します。
このセロトニンは別名「幸せホルモン」を呼ばれており、気分を上げて明るく快活にする効果を持っています。セロトニンをたくさん分泌させることができれば、前向きで明るい気分になれて、冬期うつの症状を抑えることができます。
この辺りの医学的な情報は以前しくじれいない東京への遠方引っ越しの記事で日当たりを特集した際にまとめています。ご興味がある方は見てみて下さい。
2-2.電気の光ではダメ
光という意味では、蛍光灯やスマートフォン、パソコンなどの光でも良いのでは?
と思うかもしれません。
セロトニンの分泌には2,500~3,000ルクスの照度が必要で、蛍光灯などの人工の光では足りません。太陽光でなければ意味がないのです。
雨の日や曇りの日に気分が落ち込むような気がするのも、例え室内で電気をつけていても太陽光を浴びられないことが原因と言えます。
2-3.日光浴によってメンタルを正常に保つ
冬期うつを予防したり、その症状を軽減するためには、日光浴が一番おすすめです。
午前中、太陽の光が強くなり暖かくなってくる10時前後から正午を経て14時ごろまでのどこかで、太陽の光を存分に浴びることで、セロトニンの分泌を促しメンタルを正常に保ちます。
10時から14時なんて仕事中で日光浴なんてできない!という方は、お昼休みに少し外出してみるとか、日当たりの良いスペースで少し休憩を取るとか、そういった方法で日光を浴びてください。
ちなみに、太陽の光は、直接浴びる必要はなく、室内にいても日光が差し込む場所で日光浴ができれば十分な効果が得られます。
3.冬でも心身ともに、健康でいられる部屋?
セロトニン、通称「幸せホルモン」の分泌を促してくれる太陽光。その太陽光をたっぷり浴びることで、冬期うつを防いだり症状を軽減することができます。
つまり、冬でも心身ともに健康でいられる、冬期うつとは無縁の部屋は「たっぷり太陽光を浴びられる部屋」、すなわち「日当たりの良い部屋」になります。
日当たりの良い部屋は、太陽の通り道である東・南・西に窓がついている部屋で、周りに遮るものがないことが条件となっています。
具体的に、「日当たりの良い部屋」の特徴を4つに分けてみました。
3-1.南向きの部屋
太陽が最も高くなり、光の強さも熱も最高になる南に窓がある部屋は最高の日当たりが確保できます。
周りに遮るものがなく、しっかりと日光が入ってくる部屋であれば、日中は暖房をつけなくてもポカポカと温もりが感じられることもあります。
逆に、南向きの部屋であっても、周辺に高い建物があったり、太陽を遮るものがあったりすると日当たりが悪くなるので注意が必要です。
また、夏には日当たりが強すぎて暑くなることが予想されるため、夏の間は遮光カーテンで日光を遮るなどの工夫が必要になります。
>>南向きの部屋に関する考察はこちらのページでまとめています。
3-2.東向きの部屋
東向きに窓がついている部屋は、朝日を浴びられる部屋です。冬期うつの症状のひとつに「朝起きられない」というものがありますが、朝日を浴びると交感神経が活性化して目覚めが良くなります。
もともと朝が苦手で、冬になると特に起きられなくなってしまうという悩みを抱えている方は東向きの部屋を探すのがおすすめです。
3-3.二面採光の部屋
二面採光の部屋とは、2つ以上の窓がある部屋を指しますが、ここでは「2方向に窓がある部屋」を二面採光の部屋と定義します。
2方向に窓があるということは、当然それだけ多くの日光を取り入れられるということです。
東向き、南向きに窓がついていれば、朝日が差し込み、昼過ぎ頃までずっと明るく暖かい部屋になり、冬期うつの予防や対策にはピッタリです。
南向き、西向きに窓がついていれば、朝日は入りませんが、夕方の西日を受けられるため、夜になっても温もりが残っていることがあります。ただ、夏の西日は非常にきついです。
二面採光の部屋でしっかりと日当たりを確保したい場合は、必ず「南向き」が含まれていることを確認してください。「東・北」や「西・北」に窓があると、日当たりが良いとは言えない部屋になります。
>>二面採光の部屋に関する考察はこちらのページでまとめておきました。
3-4.窓が大きい部屋
日当たりをしっかり確保したければ、窓の向きだけでなく大きさにも注目してください。窓が大きい方が採光できる面積が広くなるため、太陽の光をたっぷりと取り入れられます。
ただ、窓が大きいと外気の影響を受けやすく、外気が暑いと部屋も暑くなり、外気が寒いと部屋も寒くなるため、その点は注意してください。
4.日当たりが悪い部屋に住む場合、まず意識したいこと
もし、十分な日当たりが確保できない部屋に住んでいる場合、冬期うつにならないように、あるいはなってしまった場合の対策としては、どのようなことをすべきなのか、3つのポイントにまとめました。
4-1.なるべく引きこもらず外に出る
冬期うつの症状に「何もかもおっくうになる」「出不精になる」などがありますが、このような状態になっていても、無理やりにでもなるべく外出するようにしてください。引きこもって光を浴びない生活が続くと余計に症状を悪化させてしまいます。
軽く運動することで、うつの症状が軽くなるという医学的な研究結果も出ているため、散歩、ウォーキング、ジョギングなどで少しの時間でも外出して太陽光を浴びてみてください。
個人的には、室内で仕事をするよりは近くのカフェなどに意図的に出て、仕事をすることが出来る方に向いていると思います。
4-2.部屋を暖かく保つ
冬期うつの原因は「太陽光不足」と述べましたが、冬に活動性が落ちるもう一つの原因に「寒い」というものが挙げられます。
寒いと筋肉が固まり、身体が動きにくくなります。そして「寒さ」を感じると、人は余計なエネルギーを消耗しないように活動しようというヤル気のスイッチをオフにしてしまいます。
そこで、暖房を入れたり、ホッカイロを貼ったり、厚着をしたり、熱いお風呂に入ったりして、身体を温めることで活動性を復活させることができます。
身体が十分に温まれば、気分も前向きになりますし、外出意欲も湧いてきます。この辺り、電気代を考えると、なるべく南向きの部屋にしておいた方が室内の温度が上がるのでおすすめです。
4-3.規則正しい生活を送る
冬期うつの症状の特徴は「朝起きられない」や「甘いものや炭水化物を食べたくなる」など、生活の乱れに直結するものです。
これらの症状に引きずられて乱れた生活を送ってしまうと、ますます悪化してしまいます。
多少無理してでも規則正しい生活を心掛けるのがポイントです。
部屋を暖めて自分自身を活発化させ、太陽光を浴びて「幸せホルモン」を分泌させ、規則正しい生活を送って健康状態を保つこと、これが冬期うつにならないために大切なことです。
5.東京では朝日をしっかり浴び、冬期うつと無縁の生活を送ろう
冬に気分が滅入ったり、起きるのが億劫になったりするのは、寒さのせいだと思っている人がほとんどですが、実は「冬期うつ」にかかっているかもしれないということが、本記事で分かったかと思います。
冬期うつの原因である「太陽光不足」を日当たりのいい部屋を選んで日光浴を行ったり、積極的な外出などで解決して、心身共に健康に冬を乗り切ることが大切です。
そのためにも、日当たりの良い部屋に住むことがひとつの予防策、解決策となります。特に、これから東京で一人暮らしをはじめる方には、部屋探しの際、自分自身の健康のこともよく考えてもらいたいと思います。なぜなら、自宅で仕事をする時間が増え、仕事が上手くいかない事等も考慮し、気が滅入ることも多々あるからです。
そんな時に、日当たりの良い部屋は圧倒的に役に立ちます。その為、お部屋の紹介や内見時など、担当者と共に日当たりの重視度をよく考え、部屋探しをしてみてください。ちなみに、人手不足で弁護士さんにトラブルを相談しても動いてくれないケースが増えています。そのような新たなトラブルについて、司法書士の西門と一緒に解決策と注意点とこちらのページにまとめました。
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人気のある他社の内見チェックリストを含め、4,600件の失敗談を基に作った内見時のチェックリストはこちらのページです。今回同様、最近、お客様に聞かれた「内見の申し込み後のキャンセルって、罰金ありますか?」についてはこちらのページにまとめました。
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私たちは、2012年より地域に根付いた不動産屋として、住まいのトラブルに特化し、住宅ローンの返済問題だけでなく、マンションの騒音や隣人、契約条件のトラブル等、300件近く、相談を受けてきました。これまで多くの住まいの問題を解決した経験や知識を活かし、あなたの力になれると思います。
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今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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