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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まい、無料相談を担当している不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。
以前、相談を受ける際に「自宅の住宅ローンが残っていると、離婚は出来ないのか?」と、聞かれたことがありますが、そんなことはありません。
その他カーローンやカードローンを含め、残っていても離婚は出来ます。
他にも、夫婦それぞれが契約者になる住宅ローン(ペアローン)の返済をしている状態で婚姻関係を解消を計画している方の中には、『自宅がオーバーローン(不動産価値よりも住宅ローンの残債が高い状態のこと)だと、離婚することができないのでは?』と思われている方がいます。
一般的に、「住宅ローンの残債が残っており、オーバーローンの状態だと離婚することができない」と言われていることが主な原因だと思います。特に、首都圏以外の不動産会社では、不動産の値段が下がっているため、住宅ローンが残っていると、売却できない、だから、離婚も出来ないと説明されることが多いようです。
本当に自宅がオーバーローンだと、離婚することができないのでしょうか?
結論から言うと、婚姻関係を解消する際にオーバーローンの住宅ローンが残っている場合でも、離婚自体は行うことができます。
ただし、オーバーローンの住宅ローンが残っている状態で離婚に至ってしまうと、何らかのトラブルに巻き込まれる危険性があります。
そのため、結婚中に住宅ローン問題を対処したうえで、婚姻関係を解消することが重要だと思います。
この記事では、『自宅がオーバーローンの状態で離婚に至るリスク』や『離婚時にオーバーローンの自宅を抱えていてもトラブルにならないための対処方法』について、解説していきます。
現在、離婚を検討中の方、自宅の売却に悩んでいる方、最後まで読んで、ぜひ参考にしてみてください。
1.自宅がオーバーローンの場合でも、離婚自体はできるか?
冒頭でも述べた通り、自宅がオーバーローンの場合でも、離婚自体を行うことはできます。
と言うのも、離婚はあくまでも夫婦の個人的な問題であり、住宅ローンの契約や債権者(住宅ローンの借入先)には関係がないためです。
ただし、離婚が成立したからと言って、夫婦間の住宅ローンの返済義務が無くなる訳ではありません。
上記でも解説した通り、離婚は個人的な問題であり債権者には関係のないことなので、婚姻関係解消後も契約形態によっては夫婦それぞれが返済義務を負う必要があることを覚えておいてください。
1-1.そもそもオーバーローンとは?
オーバーローンとは、一般的に、『自宅(不動産)の不動産評価額よりも住宅ローンの残債が高い状態』のことです。
住宅ローンの残債が不動産の価値よりも多い状態であるため、通常、自宅を売却してもローンを完済することができません。
残念ですが、住宅ローンが残ってしまうからです。
そのため、自宅がオーバーローンの状態である場合、基本的に離婚後も夫婦どちらかがローンの返済を継続する必要があります。
1-1-1.自宅がオーバーローンかを調べる方法
離婚時に自宅がオーバーローンなのかを知るには、以下の2つの情報を把握することで可能です。
・住宅ローンの残債
・自宅の不動産評価額
『住宅ローンの残債』は、住宅ローンの借り入れを行なっている金融機関に確認を行い、『自宅の不動産評価額』は、不動産会社に査定を依頼することで正確な情報を把握することができます。
なお、『自宅の不動産評価額』を把握するために不動産会社に査定依頼する際は、二社、三社と複数の業社に依頼するのがおすすめです。
不動産会社によって査定額が異なるため、最も高い業者の査定額ではオーバーローンではない可能性があります。
なお、私たち、アリネットでは住宅ローンの返済でトラブルに遭っている男性の為、いかに手残りを増やすかに着目し、地域を踏まえ、30社以上の不動産会社に直接ヒアリングし、ご自宅の無料査定を行っています。
これにより、一括査定のようなしつこい電話営業や自宅での押し売りに遭うことなく、ご自宅の査定結果と住宅ローンを比較し、どのように動くべきか判断することが出来ます。
もし、離婚によるローンの返済やご自宅の売却でお悩みの方、ご自宅を高く売り、ローンを整理し、人生の再出発を効率よく行う為、まずはお気軽にご連絡下さい。
>>なぜ、自宅の一括査定を行うとしつこい電話営業に遭うのか?その対策や注意点は?こちらのページにまとめておきました。
なお、私たちはクレームになり、トラブる方が信用を落とすことになるので、ご自宅の一括査定には登録していません。
1-2.離婚後も住宅ローンの返済は継続する必要がある?
前述した通り、オーバーローンの住宅ローンを抱えたまま離婚に至る場合、婚姻関係解消後も完済するまでローンの返済を継続する必要があります。
離婚はあくまでも夫婦それぞれの問題であり、婚姻関係を解消したからと言って住宅ローンの契約が無効になる訳ではないためです。
もし、オーバーローンの住宅ローンを抱えたまま離婚に至る場合は、結婚中に夫婦でしっかりと話し合いをしたうえで、適切な対処を講じるようにしてください。
事前に適切な対処を講じておくことで、後々トラブルに発展するリスクを減らすことができます。
1-3.自宅がオーバーローンの場合の財産分与は?
自宅がオーバーローンの場合、基本的に自宅は財産分与の対象にはなりません。
と言うのも、法律上、資産(自宅など)よりも負債(住宅ローンの残債)が多い場合、財産分与の対象外になると考えられているためです。
ただし、住宅以外の財産がある場合は別です。
例えば、住宅ローンの残債を貯蓄などで完済してもまだ貯蓄が残っている場合は、財産分与が必要になります。
このため、一般論で恐縮ですが、自宅がオーバーローン状態で財産分与を行う際は、まず『オーバーローンの状態を解消したうえで、どの程度の財産が残るのか?』を見極めるようにしてください。
1-3-1.財産分与の対象となる財産
財産分与は、『共有財産』と呼ばれる『結婚中に夫婦の協力により築き、維持した財産』が対象になります。
具体的に、財産分与の対象になる主な財産は、以下の通りです。
- 自宅や土地などの不動産
- 貯蓄
- 株式証券
- 退職金
- 生命保険の返戻金 など
結婚期間中に夫婦の協力のもと維持・形成した財産は、名義人を問わずに財産分与の対象になります。
例えば、自宅の名義人が夫の単独名義であっても、結婚中に購入した不動産であるならば、夫婦の協力のもとで購入・維持してきたと判断されるため、妻に財産分与として資産額の半分を分与することが必要です。
ただし、資産が全て財産分与の対象になるわけではありません。
例えば、自宅を購入する際の頭金をあなたの両親に出してもらった場合は、『夫婦の協力とは無関係に得た財産』になるため、受け取った額分の資産は妻に分与する必要がないことを覚えておいてください。
2.自宅がオーバーローンだと離婚ができないと言われている主な理由
一般的に、自宅がオーバーローンだと離婚自体ができないと言われています。離婚時に自宅を一般的には売却できないからです。
このように言われている主な理由は、以下の4点です。
- 自宅から名義人が出ていくと契約違反にあたるため
- 基本的に住宅ローンの名義変更は行えないため
- 夫婦どちらか一方の連帯保証人の立場を解除できないため
- 離婚後に様々なリスクが生じる危険性があるため
それぞれに詳しく解説していきます。
2-1.自宅から名義人が出ていくと、契約違反にあたるため
住宅ローンは、『住宅ローンの名義人本人が居住するための住宅(不動産)に融資されるローン』になっているため、自宅から名義人が出ていくと契約違反にあたる可能性があります。
仮に、金融機関に無断で名義人が自宅を出たのがバレてしまった場合、契約違反として、現在の返済方法や契約を解除されてしまい、残債を一括で返済するように要求されてしまう危険性があるため注意が必要です。
このため、離婚成立後にあなたが引っ越して妻が自宅に住み続ける予定の方は、事前に金融機関に相談を行うようにしてください。
忘れてしまう方が多いので、この辺りは離婚前にキチンと対応しておいた方が良いと思います。
2-2.住宅ローンの名義変更は基本的に行えないため
自宅がオーバーローンの状態だと離婚できないと言われている理由の一つに、『基本的に住宅ローンの名義変更は行えない』ことが挙げられます。
住宅ローンは、名義人の信用力や経済力、勤務状況などを考慮して、その方を信用して銀行側は融資を行なっているため、ほとんどの金融機関は名義人を変更することを認めていません。
このため、自宅がオーバーローンの状態で離婚に至る場合、名義人が自宅から新居に移ることができず、離婚ができないと言われています。
とはいえ、必ずしも名義人を変更できないとは限りません。
例えば、離婚する奥様があなたと同等以上の収入を得ている場合、稀に金融機関が名義人変更に応じてくれる可能性もあります。
また、応じてくれなくても、妻の名義で借り換えてしまうという方法もあるため、状況を見極めて最善の方法を取るようにしてください。
ここの進め方について、ただ闇雲に進めても上手く行かないことがあるので、専門家に事前相談し、後でトラブルにならない様、進めるようにしてください。
>>念のため、離婚で悩む方向け、離婚時の不動産対応のチェックリストはこちらのページにまとめておきました。
2-3.夫婦どちらか一方の連帯保証人の立場を解除できない?
夫婦どちらかが連帯保証人となる住宅ローンを返済中に離婚する場合も、一般的に離婚することができないと言われています。
連帯保証人は、『名義人が返済不能になった際に代わりに住宅ローンの返済義務を負う立場』にあり、名義人同様に離婚するからと言って、その立場が解除される訳ではないことが原因です。
もちろん、夫婦どちらかが連帯保証人であっても、離婚自体は行うことができます。
しかし、連帯保証人の立場を担ったまま離婚に至った場合、知らぬ間に名義人が返済不能になっており、金融機関から一括で返済するように要求されてしまう危険性があるため注意が必要です。
夫婦どちらかが連帯保証人となる住宅ローンがオーバーローン状態の場合、離婚前に貯蓄などで完済をするか、他の方に連帯保証人になってもらうなどの対策を講じることをおすすめします。
2-4.離婚後に様々なリスクが生じる危険性があるため
自宅がオーバーローンの状態で離婚してしまうと、後々さまざまなリスクが生じる危険性があります。
例えば、夫婦それぞれに返済義務がある住宅ローンを契約していて、離婚後は元妻が返済する場合に、元妻側の支払いが滞ってしまうなどです。
仮に、相手方が返済を滞ってしまうと、住宅ローンの契約を解除されてしまい、一括で残債を支払うように要求されてしまうかもしれません。
このため、自宅がオーバーローンの状態で離婚をする際は、まず『どのようなリスクが生じるのか?』を把握したうえで、適切な対処を講じてから婚姻関係を解消することが重要だと思います。
3.自宅がオーバーローンの状態で離婚に至るリスク
自宅がオーバーローンの状態で離婚した場合、以下の3つのリスクが生じる可能性があります。
- ペアローンの場合、適切な対処をしないと競売に掛けられる危険性がある
- 完済できるだけの貯蓄がない場合、離婚後も返済義務が生じる
- どちらが住宅ローンを返済するかで揉める可能性がある
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1.ペアローンの場合、適切な対処をしないと競売に掛けられる危険性がある
ペアローン(夫婦それぞれが契約者となる住宅ローンのこと)で契約した住宅ローンがオーバーローンで離婚に至った場合、将来的に元妻が返済をできなくなり、滞納する危険性があります。
仮に、元妻が返済不能になってしまうと、一括で返済を求められたり、自宅を競売にかけられてしまう可能性があるため、あなた自身が路頭に迷ってしまうかもしれません。
このため、離婚成立後も夫婦それぞれが返済を継続するのであれば、事前に『取り決めた内容を公正証書に残す』などの対策を講じてから婚姻関係を解消するようにしてください。
公正証書は法的効力の強い書類になるため、しっかりと取り決めた内容を書面に残しておくことで、万が一、元妻が支払いを拒否しても給与を差し押さえるなどの対処を施すことができます。
協議書の作成や役場に行き、公正証書にすることは司法書士などに依頼しなくてもご自身で出来ます。
そのあたりの具体的な方法に関して、詳細が必要な場合には、ご連絡ください。協議書の条件やどのように役場で確認してもらうかを無料でご説明いたします。
3-2.どちらが住宅ローンを返済するかで揉める可能性がある
離婚時に住宅ローンがオーバーローンであなたが契約者だった場合、自宅をそのまま売却することは難しいため、離婚後もあなたが返済を継続する必要があります。
先ほども述べた通り、名義人が離婚することは金融機関にとっては関係のない話であり、完済するまで支払う義務を負わなければならないためです。
しかし、あなたが住み続けるのであれば、あなた自身で住宅ローンを返済するのに異論はないと思います。
しかし、元妻が自宅に住み続ける場合、「なぜ住まない自宅の住宅ローンを支払わなければならないのか?」と違和感を感じると思います。
実際、どちらが住宅ローンを返済するのかで揉めるケースは珍しくありません。後で揉めないためにも、離婚成立前に夫婦でよく話し合い、動くようにしてください。
オーバーローンの状態であってもご自宅を任意売却で処分することは出来ます。そのための手続きは状況を踏まえ、面談等でご説明いたします。
3-2-1.オーバーローンの残債を貯蓄で完済したものの、離婚係争に至った判例
ここでは、オーバーローンの残債を貯蓄で完済したものの、夫婦間で揉めた判例を紹介します。
この判例は、結婚時に妻が所有していた自宅の住宅ローンがオーバーローンで500万円の債務が残ることが判明し、夫が無利息で貸し付ける合意をしたうえで、自身の貯蓄などから捻出して完済、自宅を売却しました。
しかし、妻は月々の返済を行わなかったため、離婚係争中に夫が全額返済するように要求した裁判です。(東京地方裁判所判決/平成28年(ワ)第29296号)
結果的に、二人の間でどのように分担負担していくかは、同居後の生活費拠出の負担予定やその他の要素も十分に考慮したうえで、夫が貸付合意及び期限合意を認めるに足りる証拠はないとして請求が棄却されました。
上記のように、離婚時に住宅ローンの残債を貯蓄で完済したとしても、そのお金を巡って夫婦間で揉めてしまうケースがあります。
このため、オーバーローンの住宅ローンを貯蓄などで完済する際は、夫婦でしっかりと話し合ったうえで、双方同意の元で支払い手続きを行うことが重要です。
3-3.完済できるだけの貯蓄がない場合、離婚後も返済義務が生じる
先述したように、住宅ローンの残債が残っている場合、離婚後にどちらが支払い義務を負うのかで揉めるケースは珍しくありません。
そのため、離婚成立後も継続して自宅に住む方がローンを返済すると取り決めて解決に至るケースが多いです。
しかし、それはあくまでも個人間の取り決めであり、仮に元妻が支払うという形で同意したとしても、あなたの返済義務が消失する訳ではありません。
元妻が返済を滞った場合、あなたに請求がくることを覚えておくようにしてください。
なお、こういった事態を避けるためには、『離婚時の住宅ローン問題に精通している方』に相談することがおすすめです。
『離婚時の住宅ローン問題に精通している方』に相談することで、根本的に解決できる対処方法を教えてくれます。
念のため、私たち、アリネットの口コミはこちらのページにまとめてあります。
4.離婚時にオーバーローンの自宅を抱えていることでトラブルに発展した事例
ここでは、離婚時にオーバーローンの自宅を抱えていることでトラブルに発展した事例を2つ紹介していきます。
4-1.ペアローンで組んだ住宅ローンが離婚時にオーバーローン状態だったために夫婦間で揉めた事例
【事例内容】
夫婦は、夫婦それぞれが名義人・連帯保証人となるペアローンを返済中に離婚に至ることになりました。
しかし、妻が離婚後も継続して支払いを行うことを拒否し、夫婦間で話し合うこともままならなくなってしまったため、夫側が調停で争うことにした事例です。
【解決方法】
上記のようなケースの場合、まずは金融機関側に相談を行なったうえで、夫のみの単独名義の住宅ローンへ乗り換えることで住宅ローン問題を解決できる可能性があります。
ただし、ペアローンの住宅ローンから乗り換えを行う場合は、夫婦同意のもとで乗り換えるための手続きを行うことが必要です。
仮に、上記の事例のように夫婦間で話し合いがままならない場合は、手続き自体を進めることが困難であるため、弁護士などに対処してもらう方が賢明だと言えます。
4-2.離婚時に妻が連帯保証人になる住宅ローンを巡って揉めた事例
【事例内容】
夫婦は、夫が名義人、妻が連帯保証人となる住宅ローンがオーバーローン状態であるため、自宅の売却を希望していましたが、結果的に手放すことができませんでした。
また、銀行側との交渉がうまくいかず、妻の保証人としての立場を解除できなかったため、夫が継続して自宅に住み、離婚後も夫婦それぞれが協力して返済を継続することになったのです。
しかし、妻側は夫が離婚後に住宅ローンの支払いを滞納することを懸念し根本的な解決を望んだため、夫婦間で揉めてしまいました。
【解決方法】
上記のようなケースは、妻の代わりに連帯保証人になってくれる方を用意したうえで、金融機関に解除の交渉を行ってみてください。
例えば、妻よりも高い収入を得ている夫側の両親や兄弟などに、連帯保証人になってもらうなどです。
基本的に金融機関は連帯保証人を解除することに対して消極的な考えを持っていますが、上記のような方を用意しておくことで、同意してもらえる可能性が高まります。
5.離婚時にオーバーローンの自宅を抱えていてもトラブルにならないための対処方法
離婚成立後にオーバーローンの自宅を抱えても元妻とトラブルを避けるためには、以下の6つの対処方法を講じてみてください。
- 住宅ローンの借り入れ先に相談をする
- ペアローンの場合は単独名義の住宅ローンに乗り換える
- どちらかが連帯保証人の場合は金融機関に交渉して連帯保証人の立場を解除してもらう
- 住宅ローンを滞納している場合は任意売却を利用して自宅を売却する
- 夫婦間で取り決めた内容は公正証書に残す
- 自宅のリースバックを利用する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
5-1.住宅ローンの借り入れ先に相談をする
離婚時に住宅ローンの残債が残っている場合、まずは借り入れ先に相談する必要があります。
離婚は個人間の問題であるとはいえ、借入先に相談なく婚姻関係を解消してしまうと、場合によっては契約違反にあたる可能性があるためです。
このため、夫婦同意のもとで離婚が決まった際は、まず借り入れ先となる金融機関に事情を説明したうえで、今後どのように対応すれば良いのか相談を行うようにしてください。
5-2.ペアローンの場合は単独名義の住宅ローンに乗り換える
ペアローンを契約中に離婚する場合、単独名義の住宅ローンに乗り換えることで、元妻に迷惑をかけるリスクを無くすことが可能です。
万が一あなたが離婚後に返済不能に陥ってしまっても、元妻の財産が差し押さえられてしまうなどの事態に陥るリスクを回避できるため、将来的なトラブルを避けることができます。
この辺り、金融機関との交渉方法がポイントになるので、事前に専門家に相談し、進めた方がスムーズだと思います。もし、どうするか分からない場合、私たちのLINE公式などにご連絡ください。状況を踏まえ、個別に対応させて頂きます。
5-3.どちらかが連帯保証人の場合は金融機関に交渉して連帯保証人の立場を解除してもらう
私たちは、夫婦のどちらかが住宅ローンの連帯保証人になっている場合には、婚姻期間中に金融機関に交渉を行って、連帯保証人の立場を解除してもらうことをおすすめしています。
と言うのも、連帯保証人の立場を解除しておかないと、支払いが滞ったことで財産を差し押さえられるなど、後々のトラブルになりかねないためです。
とはいえ、金融機関側にとって連帯保証人を解除することは、債権を回収できないリスクを高めることになるため、解除してもらうのは容易ではありません。
連帯保証人の立場を解消してもらうには、事前に金融機関側が納得のいくような代替え案を用意したうえで、適切な交渉を行う必要があります。
例えば、妻が連帯保証人になっている場合は、あなたの両親や兄弟などの安定した収入を得ている方に、妻の代わりに保証人の立場になってもらうことを金融機関に提案してみてください。
5-4.住宅ローンを滞納している場合、任意売却を利用して自宅を売却する
住宅ローンがオーバーローンだった場合でも、住宅ローンを一定期間滞納し、『任意売却』という方法を活用して自宅を売却することが可能です。
『任意売却』とは、『債権者(金融機関)に同意を得たうえで、通常の売却方法で自宅を処分できる方法』になっており、買主が見つかれば婚姻関係を解消する前に自宅を処分することができます。
>>任意売却に関する詳しい説明はこちらのページにまとめておきました。
ただし、一見メリットしかないように感じる『任意売却』でも、デメリットが存在するため注意が必要です。
『任意売却』を活用して自宅を処分したいと考えている方は、事前に『任意売却を行うことでどのようなメリットとデメリットが生じるのか』を把握したうえで検討するようにしてください。
>>任意売却のメリットやデメリットについて、こちらのページにまとめておきました。
5-4-1.任意売却を利用するメリット
通常、自宅がオーバーローンである場合は、金融機関が不動産に付いている抵当権(借金で言う担保のこと)を外してもらえないため、売却自体を行えません。
その点、任意売却なら債権者の同意を得ることで自宅の売却活動を行うことができ、買い手が見つかれば離婚成立前に自宅を処分することができます。
また、任意売却を利用した場合は、売却に伴う費用を自宅の売却金の中から捻出できるうえに、仮に完済できなかった部分は分割払いで返済できることも嬉しいポイントです。
あくまで債権者の同意は必要ですが、通常では売却できない自宅を処分することができるため、新生活を開始しやすくなります。
5-4-2.任意売却を利用するデメリット
離婚時に『任意売却』を利用して自宅を売却することで生じるデメリットは、『信用情報に記録が残ってしまう』点です。
任意売却を利用するには、住宅ローンの滞納が絶対条件になるため、信用情報に滞納した記録が残ってしまいます。
仮に、信用情報に滞納した事実が記録されてしまった場合、クレジットカードを作成できなかったり、再婚時に住宅ローンを組めなくなってしまう可能性が高いため、新生活に支障をきたしてしまう可能性が高いです。
このため、余程の理由がない限りは、別の対処方法を検討した方が賢明だと言えます。
5-5.夫婦間で取り決めた内容は公正証書に残す
アリネットでは、離婚成立後も夫婦で返済を続ける場合、取り決めた内容を公正証書に残すことをおすすめしています。
そのためのひな型も私たちの方で作って、お渡ししています。詳しくはLINE公式より、ご連絡いただき、作成に向け、いくつか確認させてください。
なお、公正証書とは、『法務大臣に任命された公証人が作成する法的効力の強い書類』になっており、この書類を作成しておくことで、万が一、元妻が離婚後に支払いを拒否した際に財産を差し押さえるなどの対処を講じることが可能です。
結婚中にしっかりと取り決めを行なっても、再婚などの理由により、慰謝料だけでなく、ローンの返済を拒否するケースも少なくありません。
このため、夫婦で住宅ローンの返済などについて取り決めを行なう場合は、その内容を法的効力のある書面に残すようにしてください。
忘れてしまうことが多いので、その辺り、意識して、動くようにしてください。
5-6.リースバックを利用する
離婚後に住宅ローンの支払い義務を無くした状態で、継続して自宅に住みたいと考えている方は、『リースバック』という方法の検討をおすすめします。
リースバックとは、『不動産投資家やあなたの親族などに自宅を買い取ってもらい賃貸契約を締結することで自宅に住み続けられる方法』で、買主と賃貸契約を締結することで、夫婦それぞれの住宅ローンの返済義務を無くした状態で住み続けることが可能です。
ただし、『リースバック』を利用したからと言って、永久に自宅に住み続けられるとは限りません。
買主が賃貸契約を更新することを拒否する場合があるためです。
このため、リースバックを利用して永久に自宅に住み続けたいと考えている方は、自身の親族などに買い取ってもらえないか打診してみるのも一つの手段となります。
私たちは、10,000人近い潜在的な購入希望者のリストがあり、売却後も住み続けて頂くため、ご依頼いただいてから、毎週500人づつ紹介し、価格だけでなく、家賃やスケジュールなど条件を詰めていきます。
6.離婚時にオーバーローンの自宅を抱えていてもトラブルにならないための対処方法の注意点
離婚時にオーバーローンの自宅を抱えていても、トラブルにならないための対処方法を講じる際は、以下の5点に注意するようにしてください。
- 住宅ローンの連帯保証人は簡単に解除することはできない
- 条件の良い住宅ローンに乗り換えられない可能性がある
- 住宅ローンの乗り換えを行う際は、他の負債を精算しておく
- トラブルを回避するために対処を講じる際は、事前に住宅ローン問題に関する知識を持っている方に相談する
- 住宅ローンの名義人が自宅から退去した場合、住宅ローン控除を使えない
重要な内容になっているため、それぞれ詳しく解説していきます。
6-1.住宅ローンの連帯保証人は簡単に解除することはできない
前述した通り、住宅ローンの連帯保証人は簡単に解除することはできません。
金融機関側は、夫婦2人の信用力などを考慮して住宅ローンの融資を行なっており、仮に連帯保証人を失ってしまうと、ローンの残債を回収できなくなるリスクを負うためです。
このため、基本的にどの金融機関も連帯保証人を外すことに対して、否定的な考えを持っています。
したがって、離婚時に夫婦どちらかの連帯保証人の立場を解除したいのであれば、事前に『連帯保証人の解消や金融機関への交渉に関する知識を持つ方』に相談してみてください。
これらの知識を持つ方に相談を行うことで、どのように交渉を進めていけば高い効果を期待できるのかなどの助言を行なってくれます。
6-2.条件の良い住宅ローンに乗り換えられない可能性がある
単独名義の住宅ローンに乗り換えを行う場合、条件の良い住宅ローンに乗り換えられない可能性があります。
夫婦共同名義の住宅ローンから単独名義の住宅ローンに乗り換える場合、1人分の収入で融資を受けられる金融機関を見つける必要があり、選り好みができないためです。
とはいえ、住宅ローン問題を抱えたまま婚姻関係を解消した後に生じるリスクを考慮すると、仮に希望に合う条件でなくても乗り得た方が賢明だと言えます。
6-3.住宅ローンの乗り換えを行う際は、他の負債を精算しておく
面談では、住宅ローンの乗り換えを行う際は、事前に車やクレジットカードなどの支払いを完済しておくことをおすすめしています。
住宅ローンの審査では、収入以外にこれらの返済状況も考慮されるため、他の負債があると審査に通過できなくなる可能性があるためです。
このため、現在車のローンやクレジットカードの支払いを滞納している方は、住宅ローンの申し込みを行う前に全ての支払いを済ませておくようにしてください。
6-4.トラブルを回避するために対処を講じる際は、事前に住宅ローン問題に関する知識を持っている方に相談する
離婚後に住宅ローンを巡るトラブルを回避するために対処を講じる際は、事前に住宅ローン問題に関する知識を持っている方に相談するのがおすすめです。
こういった方に相談を行うことで、あなたの状況に合った対処法を見極めてくれるため、後々住宅ローンを巡るトラブルに巻き込まれるリスクを大幅に軽減することができます。
ただし、『住宅ローン問題に関する知識を持っている方』に相談を行う際は、信用できる方なのが大前提です。
仮に、信用できない方に相談をしてしまうと、適切な対策を講じることができないばかりか、事態が悪化してしまう危険性があるため、必ずこういったトラブルをいくつも解決してきた実績がある方に相談を行うようにしてください。
6-5.住宅ローンの名義人が自宅から退去した場合、住宅ローン控除を使えない
離婚時に住宅ローンの名義人が自宅を退去した場合、住宅ローン控除を利用できなくなってしまいます。
住宅ローン控除には、『名義人が住宅ローンのかかる住居に居住している』ことが利用する条件の一つになっているためです。
このため、現在住宅ローン控除を利用しているのであれば、離婚後も継続して名義人が住み続けた方が賢明だと言えます。
7.自宅がオーバーローンの場合、離婚できるのかまとめ
今回は、『自宅がオーバーローンの場合、離婚できるのか?』について、対処方法や注意点を交えて詳しく解説しました。
以下、『自宅がオーバーローンの場合、離婚できるのか?』のまとめです。
- 自宅がオーバーローンの場合でも、離婚自体はできる
- 離婚後も返済をする必要があるため、一般的にオーバーローン状態のときは離婚ができないと言われている
- 自宅がオーバーローンの状態で離婚に至った場合、契約形態によっては、後々元妻に迷惑をかけたり、自身の給与などが差し押さえられる危険性がある
- 離婚時に単独名義のローンへ乗り換えたり、元妻の連帯保証人の立場を解除することでローン問題を処理できる可能性がある
- 離婚時にオーバーローンの住宅問題を処理する際は、6つの注意点を把握しておく必要がある
離婚時に自宅がオーバーローンの状態でも、問題なく婚姻関係を解消することができます。
しかし、住宅ローン問題を解決せず、離婚してしまうのは非常に危険です。というか、本当に面倒なことになりかねません。
例えば、どちらか一方が返済不能になってしまうことで、資産や給与などを差し押さえられてしまう危険性があります。
このため、今回は『離婚時に自宅がオーバーローンの場合の対処方法』について、詳しく解説してきました。
この記事で紹介した対処方法を講じることで、離婚成立後に起こり得るトラブルを回避することができます。
オーバーローンの住宅ローンが残っている状態で婚姻関係を解消しようと考えている方は、この記事で解説した内容を参考に適切な対処を講じるようにしてください。
なお、私たち、アリネットでは、離婚時の住宅ローン問題に関する無料相談を行なっています。
これまで数多くの住宅ローン問題を解決してきた経験や知識があるため、『離婚時に自宅がオーバーローンの場合にどのような対処方法を行えば良いのか?』や『どのように交渉すれば連帯保証人を解除してもらえるのか?』などを個別に助言してきました。
もし、離婚時に自宅がオーバーローン状態で困っている方は、ぜひアリネットまでご相談ください。
これまでの経験を踏まえ、対策をご提案いたします。
念のため、私たち、アリネットの口コミはこちらのページにまとめてあります。
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