1.SLDKとは
リビングダイニングキッチン(LDK)に、サービスルーム(S)が付き、アイロンがけ等ちょっとした家事ができるちょうどいい間取りです。不動産会社によっては、「LDK+S」と表現することもあります。
ちなみに、サービスルームとは、採光性や通気性が建築基準法で定める基準を下回り、『居室』として認められないお部屋のことをいいます。たとえば、「2SLDK」「2LDK+S」であれば、
- 居室が2つ
- リビングダイニングキッチン
- サービスルーム
という間取りになります。サービスルームという位置づけの為、居室と認められていないとはいえ、書斎や収納スペースとして使うのに十分なケースも多いです。
特に、コロナウイルスの環境下、自宅で仕事をするリモートワークが一般化した現在であれば、このようなサービスルームが付いている部屋を上手に使うのもいいと思います。
2.「S」の使い方や間取りの具体例
現在、“ミニマリスト”という言葉は流行りだしたように、リビングに物を置かないことを習慣づけされている方も増えて来ています。元々、このミニマリズムというのは、完成度を追求するために、装飾的趣向を凝らすのではなく、むしろ、それらを必要最小限まで省略する表現スタイルのことを指します。その為、生活感を出さないように片づけたい方には収納ができます。
ただし、とりあえず「とりあえず収納しちゃおう」と思ってしまわないようにすることが大切です。常に動線を確保しつつ収納をしないと、いざ自分が取り出したい荷物があった時にも取り出せないなんていうことにもなりかねません。
収納ボックスの奥行や幅を整理できると非常にきれいに活用できる納戸ですので、最大限に活用する工夫をしてください。例えば、以下のようなものが収納としてはオススメですので是非参考にしてください。
・オフシーズンの寝具や衣類
・扇風機やストーブなどの季節家電
・ゴルフ道具や釣り竿、自転車などの趣味道具
2-1.納戸の活用パターン
2-1-1.書斎や趣味部屋に使う
窓がないことが納戸のデメリットですが、逆に直射日光の影響を受けにくいというメリットも存在します。そのため、保管しておきたい書籍のヤケを心配する必要もなくなるため、“何かを保管する”という意味においても納戸を書斎や趣味部屋に使うのはオススメです。
2-1-2.子どものプレイスペース
子どもの遊び場として活用されている方も多くいらっしゃいます。実際に子育てを経験されていらっしゃる方は悩まれているのではないでしょうか?子供はなかなか“遊んでいるおもちゃを直して、次のおもちゃで遊ぶ”ことができないものなんです。
ですので、リビングや居室スペースにおもちゃを置いておくと気が付いたら、おもちゃでいっぱいになってしまっているということも多くあります。特に絵本やおパーツの細かいおもちゃは放っておくとビリビリに破られたり、数ピースだけどこかに行って見つからなかったりなんていうこともしばしば・・・。
一番のメリットはスペースが決まっているので子供としても片付けがしやすいこと、急な来客時にもおもちゃをとりあえず直しこむことができること、何より秘密基地感覚で遊べるため、子どもと親にとってWin-Winの関係になります。
2-1-3.シアタールームやプラネタリウム部屋
採光が少ないことを逆に活用して真っ暗だからこそできる方法を取り入れてみると面白いです。シアタールームは真っ暗の中で映画を見ると迫力があって、たとえ同じ映画を見るとしても臨場感が溢れます。
また、プラネタリムとしての利用には最適だと思います。一級の遮光カーテンを利用したとしても、マンションの場合は共用灯が、戸建ての場合は街灯などで、若干光が入ってきてしまうものです。
“採光”が取れないのであれば、デメリットをメリットに変えて“最高”の環境に仕上げてみてください。
2-2.他の表記について
「S」はサービスルームということで、頭文字を取っていることが分かりますが、その他にもMやU、Mなどの表記も見かけます。これらについて少しだけ解説しておきます。
S(Service Room) サービスルーム
*「サービス」、「ルーム」のSRとして表記されることもあります。
M(Multi Room) マルチルーム
U(Utility)ユーティリティルーム
F(Free Room)フリールーム
N(Nando)
*納戸、納屋のNもあります。
DEN(DEN)デン
*洞穴という意味ですが、間取り図上では隠れ家的な意味を指します。
以上のように、単にサービスルームと言っても表記や表現が多種多様でぱっと見だと分からないこともあります。納戸だけ日本語で威圧感がありますが(笑)意味は同じですが、一つの部屋で呼び方がこれだけ変わるのは面白いですよね。
ちなみに、日本では「納戸」や「納屋」の頭文字の(N)の方が馴染みやすいようにも感じますが、「S」を採用している理由の一つとして、単にかっこよくてオシャレだから。だそうです・・・。
3.ただ、お部屋全体の広さが同じであっても・・・
3LDKよりも家賃が低くなることも多いので、比較の為にも気になるお部屋がある時には内見(下見)してみると良いと思います。個人的には、窓がないため、時間の感覚が分かりづらいですがなんとなく落ち着き、作業をする時は籠れるので好きです。
また、居住スペースとして使えると言っても、室内の設備は必ずチェックすることが大切です。確認しておくと便利な項目をいくつかご紹介します。
3-1.エアコンの取り付けが可能かどうか
光が入らなくても部屋として使うことはできますが、夏の暑い日や冬の寒い日に空調設備無しで生活するのは辛いものがあります。できるかどうかはさておいても、最初から設置が出来るか出来ないかを把握しておくだけでも気持ちは変わります。
もし書斎として閉め切った状態で使いたいとお考えの場合は必須の条件だと思いますが、このサービスルームがエアコンの設置してあるリビングや洋室の横に隣接しており、送風機で空気を循環させて利用することを検討されている場合には問題なく活用できます。
3-2.コンセントの数や位置
例えば趣味の部屋にしたりパソコン利用の部屋にしたりと、用途を選ばず使えることがメリットではありますが、パソコンのようにコンセントを多数利用するような状況であればコンセントの数と位置は必ず確認が必要になります。
また、パソコン利用をする場合は、電源を付けている間はパソコン本体のファンが回り熱風が出ることが考えられますので、閉め切った状態で使うには、3-1.の空調設備が必須だと言えます。
3-3.テレビが見られる環境かどうか
サービスルームを子供部屋として、おもちゃを片付けておく部屋として利用される方も少なくありません。その時に、もしDVDを見る為にテレビを設置する場合には関係ありませんが、テレビをする場合にはアンテナを挿し込むための環境が必要になります。
もし、設備としてついていない場合は、無線で受信するという環境を作ることができるキットも販売されていますが、設置場所によって電波が入らないというケースも考えられます。
4.SLDKはどんな家族に向いているの?
SLDKは荷物を多くお持ちの方や子育て世帯の方に非常にオススメできる間取りだと言えます。なによりも居室をきれいに保つために、収納はあるに越したことはありません。見せる収納という言葉も流行っていますが、ミニマリストの方にとっては言語道断ですよね。
前述しましたが、収納力があるからと言ってどんどん荷物を放り投げこんでしまう。これでは“荷物置き場”ではなく、“ゴミ捨て場”と化してしまいます。誰が見てもここには何が収納されているか、取り出しやすい位置に配置されているか、動線を考えみて使いやすいかを確認することが本当に大切です。
担当 相楽
▶関連用語:リビングダイニングキッチン、LDK、サービスルーム、S、建築基準法、居室
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