日当たり良好物件の条件と各方位別にトラブルを避けるためのポイントは?

こんにちは、部屋探しの不安ゼロを目指す、株式会社リビングインのファイナンシャルプランナー兼宅地建物取引士の馬場です。

突然ですが、部屋探しをする時に何を重視しますか?家賃?間取り?立地(最寄り駅までの距離や、最寄り駅そのもの、周辺環境など)?

これら3つは部屋探しの条件や重視ポイントの上位に食い込むものですが、この他にも気になるポイントは沢山あります。バス・トイレ別が良い、セキュリティを重視したい、3階以上はエレベーターが無いとダメ、ペット可物件が良い…などなど……、そんな条件の中に「日当たり」も挙げられます。

スーモを使った賢い検索方法について、実際の検索数を基にその手順をこちらのページにまとめました。敷金、礼金、手数料が安い部屋を優先するより、2階以上、風呂トイレ別などの条件を優先して、検索した方が変な部屋を選ぶことはなくなります。

物件の広告なんかを見ていると「日当たり良好!」といったキャッチコピーがついていることがよくあります。

そのくらい日当たりは魅力的な条件であり、これを気にする人もいます。スーモを使って、東京23区で募集中の物件92万戸の内、南向きの物件数を調べると、40万戸ありました。当然、日当たりの悪い部屋よりも日当たりの良い部屋の方が家賃も高くなりますし、倍率も高くなり、すぐに埋まってしまいます。

では、実際に日当たりが良いとはどのような部屋を指すのでしょうか?また、「寝に帰るだけだから日当たりとか関係ない」という人にとって、日当たりは全く無視して良いものなのでしょうか?

今回は、繁忙期前に焦って、気持ちが滅入る部屋をあなたが選ばないために、日当たりと窓の向き、日当たりを重視すべきか否か、などについて一級建築士の先生に確認したことを踏まえ、詳しく解説していきます。

1.「日当たり良好」物件の定義や条件とは

「日当たり良好」の定義、条件などは何なのでしょうか?実は、明確で具体的な定義や条件はありません。

1日の日照時間が何時間以上とか、窓の面積がいくつ以上とか、そういったものは無いんです。だから、日当たりが良いとか悪いとか、まずまずとか、そこそことか、そういった「程度」については、大家さんや不動産屋の主観に委ねられています。

ただ、一般的に「日当たりが良い」とされる部屋の特徴があるので、それをこれから具体的に紹介していきます。

1-1.南向きの部屋

まず、南向きのお部屋です。この「南向き」というのは「玄関が南向き」というわけではありません。玄関が南向きでもリビングの大きな窓が反対側の北向きだったら全く意味が無いですからね。この「南向き」とは、居住空間(主にリビング)のメインの窓が南を向いている、ということになります。

太陽は東から南を通って西に沈む・・・これは学校でも習うことですが、要するに朝は東からの日差しが差し込み、昼近くなると南からの日差しとなり、夕方には西からの日差しとなります。最も太陽が高くなり、気温も上がるのが、ちょうど太陽が南のあたりに到達した頃になるため、南に窓がついている部屋は「日当たり良好」となるわけです。

1-2.3面採光の部屋

3面採光とは、主に「東・南・西」の3方向に窓がついている部屋を指します。上述の通り、太陽は東から昇って南を通って西に沈むため、3面採光の部屋は日中ずっと太陽光が差し込むことになります。

東に窓がついているとなると、朝日は差し込むものの、昼近くからは日当たりが悪くなってしまいます。西は逆になり、朝日が差し込まないため午前中は暗い印象になります。南だけに窓がついている場合は、比較的1日通して明るく採光時間も長くはなりますが、やはり3面採光には劣ります。

ただ、3面採光にはメリットだけでなく、デメリットもあります。それは「夏の暑さ」です。1日中太陽の熱を吸収し続けるわけですから、当然室内の温度は上がり、熱もこもります。冬はポカポカ温かいですが、夏は暑さ対策が必要になります。例えば、屋上からの熱を避けるため、最上階を選ばない、周りの建物や植栽から風通しも意識するなどが考えられます。

1-3.周辺に高い建物のない部屋

日当たり良好物件の条件は、窓の向きだけではありません。周辺に日差しを遮る高い建物や、陰になってしまうような大きな建造物が無いことも重要になってきます。いくら南向きに窓がついていたとしても、目の前にそびえたつようにマンションやビルが建っていたら、邪魔になって日光が入ってきません。

「目の前」ではなく少し離れた場所であっても、その建造物が陰を作ってしまうと、日当たりが悪くなります。そのため、周辺に日光を遮るようなものが無い物件が良いのです。

どうしても初期費用を抑えたい、敷金礼金ゼロじゃないと引っ越せない方はコチラのページを見てみて下さい。スーモでお部屋を検索時に初期費用を抑えることでどれほど選択肢だ減っているのか、わかると思います。

2.北向きや西向きの部屋はダメ?各方位の部屋の日当たり事情

日当たり良好物件の一般的な目安として「南向き」や「3面採光」という条件を挙げましたが、3面採光にも当然「南」は含まれているわけで、東や西、また北に窓がついている場合は、どうなのでしょうか。

北向きや西向きの部屋は「日当たり」という面ではダメな物件なのでしょうか?ここから、それぞれの方位で日当たりがどう違うのか、解説していきます。

2-1.東向き

実は、東向きに窓がついている物件は、日当たりという側面で考えると、「非常に健康に良い」お部屋となります。ともすれば、南向きよりも、東向きの部屋の方が健康面では良い影響があると言っても過言ではないくらい、良い条件です。

その理由は「朝日が与える心身への影響」にあります。朝日を浴びることにより、体内時計を調整して目覚めを良くしたり、起きるタイミングで体温を上げる効果があったり、といった様々なメリットがあります。朝早くに出勤が必要な方はこちらの記事に朝日を浴びられる部屋をおすすめする理由が詳しく書かれていますので、是非チェックしてみてください。

2-2.西向き

続いて西向きの部屋ですが、西向きの部屋は「朝に弱くライフサイクルが全体的にスロースターターの人向け」の物件と勝手に決めつけています。一体どういうことなのかというと、一般的には東~南に窓がついている部屋が日当たり良好物件となるわけですが、これは普通の会社勤めの方であったり、学生さんだったり、といった「朝から活動する人」を基準に考えた見方です。

西向きに窓がついている部屋は朝日は入ってきませんが、午後から夕方にかけて、日差しが差し込んできます。朝が弱く起きる時間が遅く、昼過ぎに洗濯ものを干すような人にとっては、西側に窓やベランダ(物干しスペース)がある方が、生活リズムには合っているのです。

また、午後から夕方にかけて採光できて、明るさや温かさを吸収することができるため、ゆっくり起きて午後から活動したい人にとっては向いているお部屋です。

2-3.南向き

南向きのお部屋は、言わずもがな、「日当たり良好」物件です。ただ、気を付けなければならないのは、日差しを遮るようなものが周辺に無いかどうかという点と、窓の大きさです。南向きに窓がついていても、部屋の大きさに対して窓が小さすぎると、十分に採光できません。ある程度の大きさが必要になりますので、必ずチェックしましょう。

また、南向きのお部屋は日当たりが良すぎると、夏場に暑くなったり、カーテンやソファの生地が日焼けしてしまうリスクがありますので、その点も注意しましょう。

2-4.北向き

北向きのお部屋は、残念ながら「日当たり」という側面においては、おすすめできません。太陽は北は通らないため、季節問わず日当たりは悪いことを覚悟しなければなりません。夏は涼しく過ごしやすいのですが、冬はとても寒く暗くなります。

北向きのお部屋のメリットとしては、日当たりが良くないため、日当たり良好なお部屋よりも若干家賃が安くなる可能性があるという点が挙げられます。場合によっては、同じような間取りの部屋で、日当たりが違うのに家賃が同じ立った場合、交渉材料として用いることもできます。

3.窓の向きだけじゃない!?他に気を付けるべき点

「日当たり良好」というキャッチコピーや、窓が南向きについているという窓の方向だけで、日当たりを判断してはいけません。日当たりには「直射日光」と「部屋全体の明るさ」の2種類があり、それぞれのもたらす役目がことなります。

中でも、直射日光は「朝日を浴びて目覚める」ことや「洗濯物がよく乾く」ことなどを考える時に重要になり、明るさは「部屋の雰囲気」や「電気をつける必要の有無」などを考える時に重要になります。こちらにより詳しく解説した記事がありますので、是非読んでみてください。日当たりを重視して部屋探しをする際に窓の向きだけではなく気を付けたい点をまとめてみました。

3-1.どの部屋の日当たりを重視するのか

ワンルームを探しているならば、その部屋の日当たり条件だけ考えれば良いのですが、複数の部屋がある物件を探しているならば、どの部屋にどのような光が欲しいのかということを考えましょう。

寝室には朝日が差し込むように、リビングには日中帯に十分な明るさが保てるように、など、具体的な「光の当たり方のイメージ」を思い描いて内覧や間取りのチェックをすると効果的です。

3-2.周辺環境に日差しを遮ったり陰を作ったりするものは無いか

これは前述の通りですが、部屋の窓だけでなく、必ず周辺環境にも注目しましょう。高い建物や、高架などがあると、日光を遮ってしまいます。

また、開けた土地の中の物件を検討する時も、その土地に何か建物が建つ予定が無いかどうか確認することも忘れないでください。工事中は特に建物よりも高い囲いで覆われるため、日当たりがとても悪くなる可能性があります。

3-3.明るさを重視するならば部屋の色合いにも注目

部屋の明るさを重視したければ、窓の位置や大きさ、周辺環境だけでなく、部屋の内装の色合いにも注目しましょう。白や、クリーム色など、明るい色を使った壁や床だと、部屋全体が明るくなります。逆に濃い茶色や、灰色、藍色など、シックなダークカラーを用いている部屋だと、少し暗い印象になってしまいます。

同じ日差しが差し込んでも、部屋の色によって明るさが大きく変わってきますので、しっかりとチェックするようにしましょう。

>>内見の時間帯別、確認できるポイントや騒音、日当たり、臭い等を確認できる時間帯について、馬場と一緒にこちらのページにまとめました。

4.寝るだけの家だからといって日当たりをナメるのはNG!?

さて、ここでひとつとても大事なことを言います。

「どうせ残業ばかりで寝に帰るだけだから、日当たりはどうでも良い」

そうお考えですか?もし、そうならば、必ず、この記事を読んでください。こちらの記事では、日当たりを軽視すると思わぬ失敗をするということについて、非常に詳しく、科学的根拠も用いて解説しています。

  • 寝に帰るだけでも、日当たりを軽んじてはいけない理由
  • コロナウイルスなどにより在宅勤務が増えて日当たりへの不満が噴出している
  • 日当たりが悪いと電気代がめっちゃかかる!?

など、気になる日当たり事情が満載ですので、是非チェックしてください。

>>トラブル対応時によく使う、内容証明と簡易書留や普通郵便、一番バレにくく、リーズナブルなのはどれ?

5.定義や条件が無いからこそ「自分の目で」確かめることが重要

日当たりについて様々な観点から見てきましたが、「日当たり良好」の具体的な定義や条件が無いからこそ、また、人により必要とする日当たりの種類や、部屋、時間帯などの条件が異なるからこそ、自分の目でしっかりと確かめることが重要になってきます。

ここで気を付けたいのが確かめる時間帯や季節ですね。お仕事が忙しくて、合間を縫って部屋探しをしている場合、どうしても夜間の内覧となってしまうことが多くなりますが、日が沈んでからの内覧だと、日中の日当たり状況が全く確認できません。できれば、日中帯に内覧して直接自分の目で見て、肌で日当たりの感触を確かめて、検討するのが一番です。

日中帯の写真を掲載している物件がほとんどですが、まぁ…写真は…いくらでも…盛れますので……。アテにするな、信じるな、とまでは言いませんが、「えっ写真だとめっちゃ明るかったのに、実際はそんなに日当たり良くないじゃん!」ということも、現実には十分起こり得ることです。

それに、温かさまでは写真では伝わりませんので、やはり実際に訪れて、「チェックしたい時間帯にその場でチェックする」ことが重要になります。それが難しい場合は、写真を過信しすぎずに、不動産屋さんや大家さんに、日当たり状況について詳しく確認してみてください。

5-1.場合によっては西向きの部屋でも日当たりを確保できることも

西向きの部屋についてのメリットは、前述の通り、比較的遅い時間帯に行動するようなタイプの人に向いている、という点でした。動画職人さんや、漫画家さん、ライターさん、イラストレーターさんやデザイナーさんなど、自宅で自由な時間に仕事ができるようなタイプの人が多いと思いますが、このような、少し他の人とライフサイクルが異なる生活を送っている人にとっては、西向きの部屋が好都合になることがあります。

また、西向きの部屋であっても、窓が大きく十分に採光できるような造りになっていれば、午後から夕方にかけて部屋に十分な日差しが差し込みますので、ある程度の明るさや温かさは確保できます。

朝日の性質と、夕日の性質は異なり、身体の反応も変わってくるため、やはりどうしても朝日をきちんと浴びたいという人には向きませんが、人によって、場合によっては、西向きの部屋も悪くないと言えるでしょう。

5-2.自分のライフスタイルに合わせて日当たりにもこだわろう

このように、ライフスタイル、ライフサイクルによって、必要な日当たりは人によって大きく異なります。また、お部屋の構造によっても、どの部屋にどのような光が必要なのか、ということをじっくり考えると、その価値観だったり生活の理想だったりによって、「その人にとっての理想的な日当たり」というものは変わってきます。

もちろん一般的な「東~南に窓がついている」物件が、いわゆる「日当たり良好」な物件となるわけですが、その中でも細かく条件は分かれてきます。

どのような日当たりを望んでいるのか、ということについては、自分で1日の理想的な生活を思い描いて、その中で日当たりがどのような役割を果たしているかということを考えてみてください。自分のライフスタイルに合った日当たりの部屋を選ぶことが最も大切なことです。

6.どのような見極め方をすべきか分からなければプロの助言を

日当たり状況については、自分の目で確かめるのが一番ですが、時間帯や季節によって、日当たりの様子は変化するため、なかなか見極めが難しいところです。例え、日中帯に内覧ができたとしても、それが夏であった場合には、冬の日当たり状況までは確認できませんよね?

また、一番日の高い時間帯に内覧に行った際には、朝日がどのように差し込むのか、西日はどのくらい強いのか、という細かいところまでは確認できませんよね?かといって、日がな1日ずーっと内覧の部屋にこもっているわけにもいきません。

それでは一体どうしたら良いのか…こんな時こそ、上手にプロの力を頼ってください。長年の経験と部屋探しアドバイスの技術があるプロのスタッフは、部屋の日当たり状況について見抜く力もつけています。朝日がどのように差し込むのか、西日の強さはどのくらいなのか、冬の日照時間は十分とれるのか等、自分の目で確かめるのが難しいポイントはお部屋を案内してくれる担当の方などに相談してみて下さい。

実際にあった裁判事例を基にマンションのトラブル対策や相談先、注意点についてはこちらのページにまとめておきました。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。あなたの大切な人生と平穏が守られますようにこれからも私たちは引っ越しのトラブル・失敗談をベースに賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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馬場 紘司

この記事を書いた人

馬場 紘司

事例を基に後悔のない取引を目指し、2013年以降40件以上の不動産取引を経験。現在は投資や居住用の不動産を中心に売却価格を上げるリノベーションなど建物の改修に注力。宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー。>>その他詳しい実績はこちら

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