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失敗談に学ぶ、部屋を押さえる内見と入居申し込みに必要な持ち物は?

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで建物の管理や住まいのトラブル解消を担当している不動産鑑定士補兼管理業務主任者の相樂です。今回は意外と直前になって聞かれる入居申し込み時に必要な物について、失敗談を踏まえ、説明していきます。

この時期、3月中のお引っ越しを目指し、お部屋の内見が本当に多いです。特に、良い部屋は内見前に先行申し込み・契約、支払いを要求されますケースがあります。

タワーマンション等、初期費用が高い部屋は正直、個人的に内見なしで申し込みを入れるのはお勧めできません。入居後に日当たりや臭い、床の色がおかしい等、かなりの確率でトラブルになるので・・・。

ただ、良い部屋は本当にすぐに申し込みが入るので、内見をしてから申し込みをするまでに時間がかかってしまうとどんなデメリットがあるのか?

そして、内覧後に入居の申し込みをスムーズに行い、良い部屋を抑えるために必要な物を説明します。

1.内見から入居の申し込みまで

必要な持ち物の前に内見から入居の申し込みまでのスケジュールをザクっと説明します。20代、30代の方も含め、引っ越しに慣れしている人はそんなに多くないと思うので。

まず、気持ちよく暮らせる部屋に住むため、必ず内見にいってください。

これまで4,600件以上の引っ越し例を見てきて、内見に行かずにインターネットや情報誌だけでお部屋を決め、引っ越し後に初めて部屋を見てみたら、「隣りのベランダがゴミ屋敷だった・・・」、「もっと明るい部屋だと思ったのにイメージと違った」、「持っている家具が入らなかった」などの失敗談は本当によくあります。

内見をしておけば、絶対に選ばなかった部屋、結構あります。聞いてないという人も沢山いました。一般的にスマホなどで下調べをして内見して、お気に入りのお部屋が見つかったら、すぐに入居の申し込みをします。なぜなら、賃貸契約はこちらの意向だけではなく、管理会社や大家さんとの双方の合意があって成り立つからです。

つまり、あなたがこの部屋にすぐに住みたいからと言って、必ず契約ができるわけではありません。そのため、入居の申し込みをして、入居審査後に契約を結ぶことができます。大抵の場合、マンションの内見後、不動産屋さんに戻り、申し込み用紙の記入、必要書類の提出をします。

2.時間を無駄にしてしまった失敗例

不動産の契約については複雑で難しいことも多く、失敗し、私たちに相談する人がたくさんいます。ただ、本当に気に入ったお部屋があれば、一旦その日に申し込みをしてください。なぜなら、多くの不動産屋さんが申し込みの順番で審査に手続きに進みます。

ちなみに、たまに聞かれるのが、他の不動産屋さんに同時に相談しても良いのか?複数の部屋に同時に審査に出して良いのか?と聞かれますが、個人的には審査に時間が掛かるようなら、その間、他の部屋を探したり、見に行く事も出来ます。

人気の物件では入居審査が終わるまでの間、何件もの問い合わせや申し込みが入ることは珍しくありません。繁忙期などは現地で他の方と会ってしまうケースもよくあります。

その為、気になるお部屋を見つけたら、内見の予約をする際に申し込みが入っているのか?もしくは、あなたが内見する前に内見の予約が入っているのかを聞いてみると良いと思います。なぜなら、そのような他の人にも人気がありそうなお部屋なら、内見後にすぐ申し込みができるよう準備をしておく必要があるからです。以下、よくある失敗談をご紹介します。同じ失敗をしないよう準備の役に立ててください。

2-1.申し込みの書類に不備があって失敗

申し込み時に必要な書類を忘れた、または準備が内見の当日までに間に合わず、その日に申し込みをすることができなかった。申込書を持ち帰り、必要書類を揃えた後に郵送で対応してもらったが、申し込みの順番が2、3番目になってしまった・・・。

>>せっかく室内の内見までしたのに、結局先に申し込みされた方に契約されてしまい、下調べの時間が水の泡・・・、事前に不動産屋さんに書類の内容をしっかり確認しておけば防げる失敗でした。

2-2.連帯保証人の情報を知らなかった

内見後、申し込みをしようと思ったけど、連帯保証人を決めていなかった。家族の方に保証人になってもらったが、勤務先の名前は知っているけれど、住所や社員数、勤続年数などまでは知らなかった。

>>申し込み中に連帯保証人の方とすぐに連絡を取れるケースであればなんとかなります。しかし、連絡がつかないと後日申し込みとなり、2月や3月等の繁忙期は先約が入ってしまう可能性が高いです。

2-3.印鑑を忘れた・・・

当日、印鑑を忘れ、書類を持ち帰り、郵送対応にしてもらった。しかし、時間が余計にかかってしまった。認印でも構わないので、ハンコ屋に買いに行こうとしたけれど、珍しい苗字だったため、気付いてから買いに行ったが売っていなかった。

その為、後日不動産屋さんにもう1度足を運ばなければいけなかった。本当に面倒くさいし、申し込みたい部屋も無くなってしまい、後悔した。

>>案外うっかり忘れが多いのが印鑑です。引越しの前後は賃貸契約以外で役所などの登録でもよく使うので三文判、認印はカバンに入れておくことをオススメします。

3.失敗しないために持っていくべき物

これまでの失敗談を踏まえ、あなたが内見に行き、申し込みまで行う場合、失敗しない持ち物を紹介します。

3-1.身分証明書

運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど顔写真がついているものを用意してください。もし顔写真付きの身分証明書を持っていない場合、保険証と証明写真を提示します。

3-2.印鑑

申込書に押印するには、基本的に認印で大丈夫です。もし忘れてもサインで受け付けてくれる不動産屋さんもあります。しかし、ダメだった場合、後日郵送することになり、申し込み順が2番手、3番手になる可能性があるのでしっかり持っていきましょう。

3-3.収入証明書

在職証明書、あなたの収入を証明できるものを準備します。源泉徴収票や給与明細3ヶ月分など、自分で用意できない場合、勤務先の会社にお願いしなければいけない場合もあるので、早めに準備してください。

3-4.連帯保証人の情報

連帯保証人になってもらう家族などに情報を聞いておきます。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 賃貸、持ち家などの住居形態
  • 勤務先名称
  • 勤務先住所
  • 業種
  • 年収
  • 社員数
  • 勤続年数

必要な情報や提出書類は不動産屋さんによって若干異なります。内見の予約をするときに、申し込み時に必要な情報や書類を必ず確認してください。

内見までに知っておいてほしい、お部屋のチェックリストはこちらのページにまとめておきました。特に、引っ越し経験が2回以下の方やお仕事などで急いで引っ越しを考えている方はチェックリストを使った方がモレなく、早くなると思います。

4.内見から契約までのタイムスケジュール

物件探しから契約まで、個人差はかなりあります。しかし、早い人で1週間、時間がかかる人は3ヶ月程度掛かった事もあります。希望条件によりますが、遅くても引越し予定日の1〜2ヶ月ほど前からお部屋探しをはじめてください。

4-1.内見〜お部屋決め(1日〜1ヶ月)

複数のお部屋を見てから決めることをオススメします。が、お部屋をたくさん見過ぎて、かえって迷ってしまうことがあります。可能であれば、エリアや家賃帯が似ているお部屋を3〜4件程度内見しておくと良いでしょう。

4-2.申し込み〜入居審査通過(3日〜1週間)

お気に入りのお部屋を見つけたら、契約に進むための申し込みをします。入居審査は最短翌日、通常3日から1週間程度で結果が届きます。

改修工事が入る場合、先行申し込みや審査を行い、工事完了後にお部屋の状態を最終確認し、契約するケースもあります。

他にも、室内を見ずに先行契約しか、受け付けない所もあります。人気の物件なのか?ともかく、空室期間を無くすため、家賃や条件が相場と比較して、安くしている可能性もあります。

4-3.重要事項説明を受ける(1日)

入居にあたって、注意点や契約の内容に不備がないかを不動産屋さんのスタッフの方と一緒に見ていきます。不明な点があったら、必ず質問し、明確にしてください。

例えば、インターネットの利用条件や猫・犬等ペット飼育の可否等希望の条件に合致しているのか、キチンと押さえておいてください。

4-4.契約書に署名、押印する(1日)

重要事項説明を受けた同じ日に契約まで結ぶことが殆どです。契約書に押印する前に、敷金・礼金などの初期費用を払わなければいけないこともあるので、確認しておきましょう。契約後は条件を変えることが出来ません。後々トラブルになりやすいので、キチンと条件を確認し、進めて下さい。

4-5.契約〜物件引き渡し、入居日(1週間〜1ヶ月)

契約後に引越しのための準備や引越しに伴う手続きなどを進めていきます。その他チェックリストで分かる引っ越しに伴う面倒な手続きはこちらのページにまとめておきました。退去時のガスや電気、水道などの立会いの要否についてもこちらに。

5.内見当日に入居申し込みをするケース

ここからやっと、内見当日に申し込みをする時の持ち物について、説明していきます。スマホ・インターネットなどで気になるお部屋が見つかったら、次に行うのが内見です。

不動産会社の担当者さんと現地に出向いて、写真や間取り図、地図などでは分からない臭いや雰囲気、共用部分の管理状況など、細かいところをチェックします。

一般的に、内見は比較の為、複数のお部屋に対して行います。内見の後は比較・検討するための時間を設けるケースが多いです。しかし、内見をした方の中には、下記のような事情から、当日すぐに入居申し込みをされる方もいます。

  • 仕事で忙しいため、今しか時間がとれない
  • 4月から会社が始まるので、3月中に引っ越したい
  • 遠方に住んでいて、なるべく交通費を節約したい
  • 今住んでいるところから、いち早く離れたい
  • 魅力的なお部屋だから、いち早く入居したい
  • 魅力的なお部屋で、他の方に先を越されたくない

他にも、GWまでの繁忙期などいい部屋がどんどん埋まっていく状況が考えられます。ちなみに、入居申し込みをすると、「家賃を支払っていける人かどうか?」などといった観点で審査が行われます。審査にかかる時間は大体1日から3日、長い場合で1週間ほどです。審査に通過すれば、いよいよ契約です。

では、入居申し込みをする前提で内見に行く際、どのような物を用意しておけばよいのでしょうか?これまでの失敗談を参考に具体的に見ていきます。

6.入居申し込みをする前提でなくても持っていきたい物

6-1.メジャー

メジャーは持ち込み予定の家電・家具をお部屋内に搬入することができるかどうか、置きたいところに置けるかどうかを確認するために使います。

6-2.図面のコピーとペン

図面のコピーとペンがあると、

・サイズ

・扉の内開き、又は外開き

・コンセントの位置

・図面と実際の感じとの違い

などを自由に書き込むことができます。

6-3.自宅にある家具・家電のサイズのメモ

内見をする前に、あらかじめ、自宅にある家電や家具のサイズを測っておき、それを紙やスマホなどにメモしておきましょう。 配置のシミュレーションなどをする際に役立ちます。

6-4.ライト

ライトは、特に冬場すぐに暗くなってしまい場合や仕事の後に内見を行う際には絶対に必要です。暗くて、何も見えない室内では何も決められません。他にも以下のようなケースがあります。

・何件も内見をしていたら、暗くなってきてしまった

・内見をしたいお部屋が改装中であるため電気が通っていない

といったケースでライトは本当に役立ちます。

6-5.カメラ

カメラはお部屋の状況、構造や雰囲気を記録するために使います。何か確認し忘れたことがあっても、カメラで撮った写真があれば、後で補完できることがあります。

他にも、入居前に修繕をお願いする箇所や退去時に当初から壊れていた等を報告するために使うことが出来ます。退去時の解約精算等面倒なことにならないために絶対にカメラで記録を取り、写真を管理会社と共有しておくと良いと思います。

6-6.スマホ

メジャーやライト、カメラなどは、スマートフォンに付いているもので代用することができます。ただ、それぞれを同時に使うことを考えると、単独に用意した方がよいケースもあります。

稀にあるのが、夕方内見でスマホの電池がもうないケースです。写真が撮れないというお客様がいました。担当のカメラで撮影し、後でメールを送り、対応したことがあります。

他にも、スリッパなどがあると良いと思います。気の利く、担当なら持ち歩いてくれますが、稀に鍵ぐらいしか用意してくれない先もあります。クリーニング前の部屋など足が汚れたり、物が落ちてたりするので、自分で持っていくのもありだと思います。

7.入居申し込みをする前提の内見で持っていきたい物

7-1.入居申込書に記載する情報

不動産会社さんが用意する入居申込書には、下記のような情報を記載します。

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 連絡先
  • 勤務先情報
    名称、住所、連絡先、設立年月日
  • 勤続年数
  • 年収

勤務先の住所、連絡先、設立年月日については入居申込時に把握していないケースが少なくありません。あらかじめ、情報を確認しておきましょう。

7-2.印鑑

入居申込書には印鑑の押印が必要です。お金を払う立場の為、三文判や認印でOKの場合が多いです。また、サインだけでOKな場合もあります。

7-3.身分証明書

写真付きの免許証、保険証、パスポートなどで、本人確認を行います。

7-4.収入証明書

家賃の保証会社等を利用する場合、給与証明書、源泉徴収票、課税証明書などで、収入の確認を行います。本人の自己申告でOKな場合もあります。

7-5.在職証明書

収入証明書と同様に、社員証、在籍証明書、健康保険証などで、在職確認を行います。

8.入居申し込みをする場合、内見時に持っていった方が良いもの5つ

ここでは、内見のスケジュール確認から、失敗しないために内見時に持っていった方が良い物、そして、内見直前に聞かれることが多い、入居申し込みをする前提で内見に行く際の持ち物をご紹介しました。

実際、お部屋の案内をしていると何を持っていけば良いか分からないケースがよくあります。個人的には、事前に不動産屋さんにそれらの物を確認できると良いですが、案外確認できず、当日、あたふたしている方が居るので、今回はキチンとまとめておきました。以下、今回のまとめです。

まず、お気に入りのお部屋を見つけたら、他の人に取られてしまわないようにすぐに内見や入居の申し込みをしましょう。申し込みをするために必要なものはこちらです。

  • 身分証明証
  • 印鑑
  • 収入証明書
  • 連帯保証人の情報

ただ、ご紹介した持ち物はあくまで一般的な例であって、実際は、お部屋や不動産会社さんによって変わるものです。その為、申し込みや契約、引っ越しをスムーズに進め、キチンとした部屋に引っ越しができる様、あらかじめ不動産会社さんにLINEやメールで申し込みには何が必要か確認後、内見をして下さい。

残念ですが、良い部屋は本当にすぐに無くなります。ムダな内見で時間や体力を浪費しない様、気を付けて下さい。

ちなみに、内見時の確認・チェックリストもよく聞かれます。これまでの失敗談を参考に無料で使えるものを作りました。ぜひ、内見時に使ってみて下さい。4,600件の失敗談を基に作った内見時のチェックリストはこちらのページです。なお、人気のある他社の内見チェックリストも同様にまとめています。最近、お客様に聞かれた、「内見の申し込み後のキャンセルって、罰金ありますか?」について、こちらのページにまとめました。

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念のため、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法をレクチャーしてもらいました。最近流行っているカスタマイズ賃貸についても、こちらにまとめました。不動産トラブル専門の弁護士による、契約直後の事故物件発覚時の告知義務違反等の対応についてはこちらのページにまとめました。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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