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契約期間満了での退去なのに違約金?こんな賃貸契約普通ですか?

繁忙期の終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。仕事があり、忙しく、難しいと思いますが、引っ越し後に後悔しないため、部屋探しの経験が少ない方ほど担当者に条件等の確認をきちんとして、契約・引っ越しを進めてください。


先日、賃貸の契約内容に関し、以下のような相談を受けました。

1.契約期間満了での退去なのに違約金?こんな賃貸契約普通ですか?

賃貸契約を検討している物件の契約内容について、1つ引っかかる事がありました。
契約期間は二年で、その後二年ごとに更新なのですが、何故か、管理会社が二年二ヶ月以内の解約をした場合に違約金が発生すると言っています。

それだと、例えば二年住んで更新しないとなった場合に、更新料はかからないけど違約金がかかるということです。
逆に、更新すれば違約金はかからないけど更新料がかかる事になります。これって有り得るのですか?

二年住み、契約期間満了で解約しても違約金がかかる、違約金がかからないようにするには更新料を払うしかないなんて。
こんな契約普通ですか?

2.契約内容自体は一般的ではないです。

2-1.賃貸契約の違約金について。

賃貸契約における違約金として多く見られるのが、「契約後一年以内に解約した場合は、賃料一か月分の違約金を支払うこと」という内容です。これは、二年という契約期間に対し、一年未満の解約はあまりにも短期間であることから設定されます。

しかし、今回のケースは契約期間満了で退去しても違約金が掛かるという内容です。要するに、最低でも一回の契約更新を半ば強制させるような内容に感じます。

これは、明らかに借主が一方的に不利になるような契約内容であり一般的であるとは言えません。
しかし、契約内容に記載すること自体は自由なため、これを強制的に違約金が無い契約にすることは難しいです。

2-2.どうしても住みたい物件の場合は?

どうしてもその物件が気に入っていて入居したいということであれば、以下のことも想定して契約してください。
まずは、下記消費者契約法10条の内容をご確認ください。

第10条
・消費者の利益を一方的に害する条項の無効
消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を
したものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して
消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、
民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

上記の消費者契約法第10条は、消費者が一方的に不利になるような契約は無効であるという内容です。
もし、その物件に入居し、契約内容通りの違約金が請求された場合は、この消費者契約法10条に基づき無効になる可能性があります。そのため、弁護士に相談し訴訟を起こす等の対応が必要になります。

しかし、訴訟を起こして契約が無効になるかどうかは、司法の判断になるため確証はできません。契約書にサインをしている以上、その内容に同意したとみなされてしまう場合もあります。

以上のことを覚悟した上で、契約は慎重に行ってください。

3.このようなトラブルに巻き込まれないために

2-1.でも記載したように、今回のような契約内容は一般的であるとは言えません。
将来的に、トラブルに巻き込まれる可能性があるような物件はなるべく避けるべきだと思います。

また、それでも契約したいということであれば、最悪は訴訟を起こさねければならない可能性があることも頭に入れておかなくてはなりません。
訴訟を起こすのは、時間やお金、労力もかかります。

同様のケースで悩んでいる方は、訴訟を起こすようなリスクを負ってまで契約するべき物件なのか、今一度ご検討いただければと思います。

念のため、これまでの相談事例を基に、遠方への引っ越しや部屋探しの経験が少ない方向けに、トラブルを未然に防ぐ三つの注意点をこちらにまとめておきました。

ーーー

あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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