C.解決事例(お客様の声)

賃貸マンションで生活に支障が出るほどの漏水、先方を急かすには?

繁忙期の終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。仕事があり、忙しく、難しいと思いますが、引っ越し後に後悔しないため、部屋探しの経験が少ない方ほど担当者に条件等の確認をきちんとして、契約・引っ越しを進めてください。


先日、部屋の漏水問題に関し、以下のような相談を受けました。

1.生活に支障が出るほどの漏水、先方を急かすには?

賃貸マンションの天井から水漏れし、範囲はダイニング、トイレの天井、お風呂は壁の中から伝って下の隙間から漏れ出てくる、壁紙の隙間から溜まった水が垂れてくるなどの被害状況です。

管理会社に連絡しています。昨日から水漏れが始まりどんどん範囲が広がってるのですが、5日後まで対応できないとのことで、ボウルや雑巾で適宜交換したりしている状態です。

専門の業者が5日後まで対応できないとのことですが、生活に支障が出ているため早急に対応してほしいです。どうしたらいいでしょうか。

2.漏水は、保険対応になるため時間を要することも。

2-1.まずは管理会社へ催促を。

漏水が起きた場合は、貸主が保険会社に確認をとったりしている場合があり、対応が遅れるケースがあります。しかし、そのような事情は入居者に関係ありません。

まずは、現状水漏れで大変な思いをしていて、急を要する旨を管理会社に伝え、5日後まで待つことが出来ないため、一刻も早く業者を手配するようにお伝えください。

管理会社の使用している業者が動けないのであれば、ご自身で直ぐに動ける業者を手配して良いか(最終的に費用負担を貸主側でしてくれるか)も打診してみる事をおすすめいたします。

また、入居時に加入した火災保険や付帯の駆け付けサービスがあれば、その内容も確認してみるなど少しでも早く現状を改善出来そうなところへ連絡してください。

家具家電・衣服等、水濡れで被害を受けてしまった家財があれば、処分をせずに写真に撮るなど記録に残しておいてください。

2-2.期待する対応がされなかった場合。

管理会社へ連絡しても、期待した対応がされなかった場合は、民法606条の修繕義務を果たすよう抗議して修繕工事を急かしたり、修繕が完了するまでは貸室・設備等の不具合による家賃の減額ガイドラインを参考に、減額を求めたりしてみてください。

ガイドラインによると、漏水被害の場合は5~50%の賃料減額請求ができます。
割合の算出方法ですが、被害を受けている範囲の㎡数を図っていただき、その範囲が部屋全体の㎡数の何%に当たるのかを計算します。

例えば、賃料10万円、部屋全体が50平米の部屋で漏水範囲が20㎡程の場合。
20㎡(漏水範囲)÷50㎡(全体の㎡数)=40%(減額割合)
10万円×40%=4万円(減額請求する金額)
以上のような算出方法になります。

2-3.漏水が原因で部屋に住めない場合、代わりのホテル代は保険適用できるか?

漏水が原因で部屋に住める状態ではなく、代わりにホテルへ宿泊しなければならない場合、保険で宿泊費用は下りるのでしょうか?

このようなケースは、保険会社の判断にはなりますが宿泊費用が下りることが多いです。

また、原因は問いませんが、どこから漏水したかによって賠償責任を負う主体が変わります。

共有部なら貸主の保険か管理組合、部屋内部の配管(専有部分)なら個人賠償保険で対応していくことになります。

3.このようなトラブルに巻き込まれたら。

上記の2-1.で記載した通り、修繕に至るには時間を要することがあります。また、工事の際も天井からの水漏れの場合、天井解体等をする必要があるため大がかりな工事になり、工事業者と入居者の日程調整もあるので管理会社も動きたくても動けない状況にもなります。

とはいえ、状況が悪化すると一人暮らしで不安があると思いますので、ご面倒かと思いますが、悪化状況の写真を撮影し現状を管理会社に伝え急かすことが大切です。

また、最終的に工事が完了するまでに時間を要した場合は、2-2.でも記載した計算方法で賃料減額請求を行ってみてください。

念のため、これまでの相談事例を基に、遠方への引っ越しや部屋探しの経験が少ない方向けに、トラブルを未然に防ぐ三つの注意点をこちらにまとめておきました。

ーーー

あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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大和田 豊

この記事を書いた人

大和田 豊

事例を参考に失敗の少ない不動産取引を目指し、2012年以降90件以上の不動産取引を経験。現在はコロナウイルスの影響を受け、ローン返済に悩んでいる方向けに、生活の早期の改善に向け、債務整理に注力。宅地建物取引士、任意売却取扱主任者、住宅ローンアドバイザー。>>その他詳しい実績はこちら

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