B.豆知識(相場、法律)

【司法書士監修】離婚後、勝手に出て行った妻に内緒で自宅は売却できますか?

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の大和田です。

今回は、2020年10月に、離婚後に自宅の売却を検討するため、面談をした方のお話です。

結婚と同時に、群馬県で自宅のマンションを夫婦共有で購入していたため、売却の手続きが最後まで進まず、どうしたら良いかと相談を受けました。

既に奥様は退去され、実家に帰っており、旦那様から連絡を取るのも面倒なので奥様に知らせず、勝手に売却できないかとのご相談でした。無事に決済が終わるまで7ヶ月かかった案件です。最後まで無事に行き、良かったです。

物件価格の高騰でなのか、離婚時の共有・名義変更に関する相談は増えています。今回、「共有名義の場合」と「単独名義の場合」、さらに住宅ローンの有無によってどういった売却の手続きになるのか、よくいただく質問などを含め、まとめました。

1.マイホームを共有名義で持っている場合、旦那様一人で自宅を売却できません。

まず、結論から言います。

ご自宅を共有で持っている場合、名義人全ての承認が必要になります。そのため、「夫だけ」や「妻だけ」の独断で売却を決めることはできないと決まっています。しかし、共有持分の売却はできるので、少しだけお話しします。

1-1.自宅の共有持分のみ、売却はできるの?

「え?どういうこと?」と思われる方もいらっしゃると思います。簡単に申し上げると、

“家全体の売却はできない”でも、“持分の売却はできます”。

という意味に言い換えると、分かり易いかもしれません。

例えば、3,000万円の家をお持ちだとして、共有持分が2分の1だとします。この場合、単純計算だと1,500万円分を売ることができ、3分の1だと1,000万円分を売ることができます。

ここで、買い手の気持ちになってみてください。

① 離婚をされた片方のパートナーの方と、一緒に共有持分を持つ

② しかも、元配偶者の承認を得なければ、売却もできない

買い手側としてもデメリットしかありませんよね・・・。こうなると、相場よりも遥かに低い金額で売買する事になってしまいます。絶対にやめた方が良いと思います。

1-2.民法でも「夫婦は同居し、互いに協力し扶助」と記載され・・・

e-Govポータル「民放第752条」によると、『夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない』と書いてあります。

結果、マイホームは共有持分を売却してしまうと、配偶者がそこに継続して住めなくなる可能性も出てくるため、扶助義務に反する形となります。そのため、あまり声を大にして、「できますよ!」とは言えませんが、持分のみの売却は可能ということです。

2.配偶者に相談をせず、自宅を売却するとどうなる?

共有名義の場合、奥様に相談することなく売却ができるのかについてです。これは前述のように一般的にはできません。売買の契約までは奥様に内緒でできたとしても、実際は抵当権等の担保権を抹消しない限り、新しい買主に所有権を移転することができません。

以下、“東京都宅地建物取引業保証協会”の不動産契約書に記載されていますので、抜粋します。

(負担の消除)第11条 売主は、本物件の所有権移転の時期までに、抵当権等の担保権及び賃借権等の用益権その他買主の完全な所有権の行使を阻害する一切の負担を消除する。

つまり、引き渡しをするまでに借入れをしている銀行にはお金を全部払ってしまい、買主側に何も負担がない状態で引き渡ししてくださいという意味合いです。ちなみに、これが守れなかった場合、買主側から決済後“違約金の請求”を受ける可能性があります。

これは契約が守られなかったときに発生するもので、共有名義が理由で売却ができないというものは、売主側に責任があるものとしてみなされます。例えば、2,000万円の物件で10%の違約金でも、200万円の支払いとかなり大金を支払うことになりますので、いくら急いでいても配偶者と話し合いをしてから物事は進めるようにしてください。

特に、離婚でのご自宅の売却の場合、気持ちだけ急いでしまって、普段だったら考えられるようなことも判断が鈍くなり分からなくなりがちです。契約事は急がず気持ちの整理をしてから行動に移すようにしてください。

これまでの感じでは、離婚が成立してしまうと元夫婦と言っても他人になってしまうので、自宅をどうするか等は成立前に決めておいた方が良いと思います。別居後は連絡が本当に取りづらくなり、交渉がスムーズに行かないことが多いです。

3.離婚はどこまで財産を分配(財産分与)する必要があるか?

3-1.離婚は最後まで手続きを終え、スッキリするまでに大変な時間と労力を要します。

以下、補足的な意味合いでご紹介しておきます。この財産分与には、現金や預金以外にも株の投資をしている方は有価証券、自動車、生命保険の積立金など多岐に渡ります。全て共有の財産から購入した“モノ”であるならば、名義人は関係なく分配する必要があります。

離婚することになったが、配偶者と連絡を取るのが億劫であったり、話し合いの場を設けたりすることが難しい場合には、弁護士に代理交渉を依頼してみてください。弁護士に限らず、第三者を間に入れて進める方がスムーズに行くケースが多々あります。

3-2.“共有物分割請求”という方法で配偶者と連絡を取ることができるの?

このような方法で連絡を取るのはどうかと思いますが・・・ちょっとドライな感じがしますが、冷静に対処できることも増えるはずです。

この方法は自分に離婚の原因があって、直接顔を合わせて交渉することが難しいときなど、弁護士を利用することで冷静な状態で話し合いを進めることができますので、活用して早期解決に努めてください。

弁護士を入れ、やや強制的に法的な処理を進めるのも良いですが、個人的には女性の場合、感情的なもつれから離婚に向けた話し合いが難しい場合があります。

その為、法的に進めるよりは軟化しやすいよう、話を聞いてくれる第三者を入れるのがスムーズだと思います。弁護士が間に入ったことで、やや冷たい感じがしたと言われたことがあります。

4.結婚して二人で培った共有の財産は分配する必要がある?

妻は専業主婦で住宅ローンの返済には関与していないけど、配分する必要があるのか?と相談を受けることがあります。

これは“男性が稼いで、女性は家事”という昔の古い考えに基づくわけですが、法律ではこのような考えを一切取っておらず、基本的に財産は2分の1ずつという割合に統一されています。

なぜなら、これを逆で言うと、

“女性が家事をしたからこそ、男性が稼ぐことができた”

と理解されるからです。

この財産分与には不思議なもので、離婚が成立してから2年以内に意思表示をすると、有責配偶者(離婚の原因になった人のこと)であっても財産分与を求めることができるとされています。

相手の不倫や浮気など不貞行為によって離婚をすると言うのに、財産分与を請求されると考えるといたたまれない気持ちになりますよね。

5.自宅を共有で持っている(住宅ローンが残っている場合)

離婚が決まったら、まずは自宅を査定していくらで売却ができるか(自宅の価値)を知ることも大切です。

また、住宅ローンの残債が自宅の価値が上回っている(オーバーローン)のか、住宅ローンの残債が住宅の価値を下回っている(アンダーローン)のかでも、今後の売却方法は変わってきます。

5-1.オーバーローンで売っても、ローンが残りそうなケース

オーバーローンの場合、財産分与の対象にはなりませんが、離婚後は自宅に住まないケースが多く、特に、共有名義で保有していた場合、毎月のローン返済が一人だと厳しい事が多いため、売却する事をお勧めします。

その際に、ローン残債で足りない部分を現金で補完できるかが大きな問題になります。

もし、どうしても住宅ローンが残る場合、後腐れしないため、地域や建物によっては自宅の売却を速やかに検討した方が良いと思います。

5-2.離婚成立前に自宅の対応を決めておいた方が後々スムーズです

実際、過去6年間で離婚後のローン破産案件を10件程度対応してきましたが、ほとんどのケースで、離婚時に自宅やローンを整理しておけば、破産等起きませんでした。

正直、離婚成立まで色々と対応しないといけませんが、分与の対象にならなくても、住宅ローンが残っている場合には、特に自宅の処理についても、予め決めておく方が良いと思います。

6.離婚時に司法書士に頼めることは?

離婚の際、自宅の名義変更という手続きが必要になります。この辺りは司法書士に依頼をした方が圧倒的にスムーズです。なお、相場は5万円から10万円ほどの費用がかかることが一般的です。

中には、節約のためと自分で登記をされる方もいらっしゃいます。この作業は資格を持っていなくてもできる作業ではあります。

しかし、それなりの知識と時間を要します。その為、余程の知識を持っていないとミスがあったり、トラブルに発展したりと余計な手間が掛かりかねません。

司法書士への依頼は簡単に相見積もりで比較することはできるため、クチコミなどを見つつ、ご自宅近くで登記の仕事を専門業とされている信頼できる司法書士事務所を選択されることを強くお勧めします。

7.離婚時に銀行へ連絡することは?

7-1.オーバーローンで自宅を売っても、ローンが残りそうな場合

既述の通り、マイナス評価になるため、自宅は財産分与の対象になりません。ただ、抵当権が取れないため、勝手に売却することができません。その為、借入れをしている銀行に売却をしてもいいかの許可を得る必要があります。

これは売却で得たお金を住宅ローン残債に充て、残った分を現金払い、又は分割返済の可否をお願いするといったものです。後者の場合、“任意売却”と言って借入れをしている銀行さんとお話し合いが必要です。

>>詳細はこちらのページにまとめておきました。

7-2.アンダーローンで自宅を売ったら、現金が残りそうな場合

アンダーローンの場合、財産分与の対象として、自宅を売却して残ったお金を夫婦で折半になります。これは購入のときに旦那様が半分以上出していたから、何割以上だからという話ではありません。自宅の価値から住宅ローンを控除した残りの部分を半分にします。頭金を出していた場合も一緒くたに処理され、分割されます。

例えば、5,000万円のマンションを両親から頭金1,000万円出し、住宅ローン4,000万円を借りて、購入した場合でも売却価格から残債と諸費用を控除した残り約1,000万円を二等分する事になります。残念ですが、両親からもらった頭金を取り返す事が出来なくなることもあります。

これも前述しましたが、「結婚してから築いた財産は夫婦二人で協力して築いたものである」というものだからです・・・。

>>詳細はこちらのページにまとめておきました。

8.離婚したら、自宅はどうしたらいいか?

以下のような、3つのパターンがありますが、離婚と共に自宅は売却して、別々の場所に住む方が精神的にも経済的にもスッキリします。

・売却したお金でローンを返済する
・名義人がそのまま住み続ける
・名義人の元配偶者がそのまま住み続ける

というのも、住宅ローンの名義人と居住者が違った状態のまま生活をすること自体が、銀行の住宅ローンの規約に抵触する可能性があります。

最悪の場合、ローンの一括返済を求められ、返済できない場合には家を差し押さえられて競売になる可能性もあります。

借入れをしている銀行によって対応が変わりますので、事前に銀行の担当者に相談することを強くお勧めします。

8-1.共有名義はできるだけ解消した方がいい?

特別な理由がない限り、多少の費用はかかっても離婚時に共有名義は解消しておいた方がいいメリットをご説明します。

8-1-1.離婚後もお互いの関係が続いてしまう

離婚後も自宅を共有で持っていたとしても、連絡を取ることなく物件を担保に抵当権設定はできません。そして、共有の為、室内のリフォームも簡単に行うことができません。何かある度に、連絡をして協議をするのはお互いにとってメリットがあるとは言えません。

また、ちょっとしたことが火種で更なるトラブルに発展しないとも言えませんので、できるだけ解消することをお勧めします。例えば、離婚時は評価が出ず、財産分与の対象にならなかったのに、時間が経って、アンダーローンになった場合、後から揉めるケース事もありました。

8-1-2.物件が放置されたまま維持費がかかる

賃貸物件とは違い、不動産を持っている場合、管理費や修繕費だけでなく、毎年固定資産税が発生します。これも片方が納税した後に、配偶者に清算を求めても支払ってくれなかったり、税金を支払わず、差し押さえを受け、自由に売買できなくなり、トラブルになっている事例が東京でさえ、ありました。

その為、離婚直後は問題なかったとしても、元配偶者に新しいパートナーができると、相手の懐事情次第で、うやむやにして、支払ってくれないというケースにもなり得ます。その為、離婚時に後腐れなく名義問題は解消した方が得策と言えます。

8-2.単独名義で持っていたら、勝手に売却できる?

自宅を旦那様お一人で所有されているときは、奥様の立ち会いや承諾は全く必要ありません。これも怖い話なのですが、不動産を売却するときには、

① 不動産の査定をしてもらう(自分、不動産屋)

② 不動産屋と媒介契約を結ぶ(自分、不動産屋)

③ 買主が見つけ、売買契約を結ぶ(自分、不動産屋、買主、買主側の不動産業者)

④ 決済日(引渡日)を迎える(自分、不動産屋、買主、司法書士)

この流れまでに一切奥様がその場にいる必要がないため、連絡を取り合うことなく勝手に売却可能です。

8-3.勝手に売却されるのを防がれることも?

勝手に自宅を売却できるということを知っていて、そのまま放置する方もいらっしゃいますが、弁護士などに相談をされているケースでは、簡単に物事が進まないケースがありますので注意が必要です。まずは以下の内容を確認してみてください。

① 手元に登記識別情報(とうきしきべつじょうほう)があるかを確認する。

② ネット掲載されているのを奥様に見られる可能性もある。

※即座に販売する場合、買取業者に売ってしまうと相場よりも低く買取りをされてしまいますが、知人を含め、知られることなく売却が可能です。また、第三者から苦情を入れられると、ネットから落とすほかないため、早めに売れないと危険です。

③ 仮差押(かりさしおさえ)が入っていないかを確認する。

離婚問題が解決するまでに勝手に自宅の売却ができないよう、登記されていると不動産屋もネットから掲載を落とす必要があります。裁判所や弁護士、司法書士に依頼する必要があり、費用が多くかかるため、簡単にはできないのが現状ですが、それでも確認を事前にしておいた方がいいと思います。

いずれにしても、単独名義であれば、自宅を勝手に売却できます。しかし、あくまでも先ずは財産分与をすることが原則です。その後、奥様から売却したお金についての請求があった場合、場合によっては裁判所に調停を申し立てて、勝手に処分しないようにする仮処分の申請をされかねません。

こうなると戦いが長引く可能性が高いため、後腐れしないためにも離婚成立前に早めに話し合いをして、自宅の売却する方がお勧めです。特に、自宅は金額的にも大きなものであるため、早めに話し合いをしておいた方が良いと思います。

9.離婚後、勝手に自宅を売ってしまう事は出来るのか?

9-1.“共有財産はキッチリと配分をしてから”

いずれにしても、最終的に離婚をする流れになるのであれば、“共有財産はキッチリと配分をしてから”ということを念頭において物事を進めるようにしてください。

これまで何件か、自宅を共有してて、離婚となったケースを担当しましたが、ローンの整理も含め、離婚に伴う手続きも煩雑になり、共有のままにしておいても経済的なメリットもありません。

その為、離婚を考えるようになったら、自宅をどうするかについて、先ずはお二人で話し合ってください。

と言うのも、実際に売却してみないと、財産分与の方法や計算が複雑ですし、大きな金額が動くため、更なるトラブルに発展してしまうと無駄な時間と労力を要してしまいます。

できれば早めに、第三者に相談し、最善の対処方法を聞くことと、物件を売却する流れになれば、早めに不動産屋に連絡をし、査定や売却プロセスを確認してみてください。

9-2.離婚で不要になったマイホームのご売却をされる方は少なくありません。

実際に、売却のご相談いただくお客様で離婚が原因という方は半分近くいらっしゃいます。一回の相談で終わるものではないため、親身になってくれる不動産屋探しも大切なステップの一つです。

その為、気持ちは急がせることなく、なるべく落ち着いた行動をとるようにしてください。あなたが離婚して、気持ちよく新生活の第一歩が始められることを願っています。

9-3.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?

何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。

9-3-1.査定価格はそんなに大切なのか?

まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。

9-3-2.査定価格より、大切なのは売出価格

多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。大切なのは、高い値段で売り出し、時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。

こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。

例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、売れないからもっと価格を下げましょうと言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。

9-4.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?

2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。

と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。

実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。

自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。

10.離婚で悩む方へ、チェックリスト

念のため、2012年以降、離婚後の自宅の対処に関する相談を基にチェックリストを作成しました。

  • 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)やペアローンで自宅を購入した
  • 頭金なしのフルローンやオーバーローンを組み、自宅を購入した
  • ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
  • 金利は変動や当初固定で、30年以上の長期で住宅ローンを組んだ
  • ボーナス払い年2回を使い、月々の返済は賢く減らした
  • 学費など毎月の生活費が高く、万が一に備え、貯金ができていない
  • 借り入れ外に自宅の名義や権利を夫婦で共有にしている
  • 最近、夫婦間のコミュニケーションが減り、子供と話す事が多い

2つ以上当てはまる場合、手続きや資産の整理がスムーズに行かない可能性が高いです。

その場合の無料の簡易対策診断などをLINE公式の方に作成しました。不安な方は試してみて下さい。他にも、LINE公式に登録して頂ければ、弁護士監修の離婚問題解消に関する手引きと、実際に離婚問題で自宅を売却した7人の事例を無料でプレゼントしています。

なお、この記事で解説した手順を行なっても、自宅の売却がスムーズにできるか判断できない場合は、アリネットの無料相談をご利用ください。

アリネットでは、2012年以降、70件以上の離婚や住宅ローン問題に伴う自宅の売却を対応してきました。そのため、自宅に関するトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。ぜひ、お気軽にご相談ください。

11.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?

何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。

11-1.査定価格はそんなに大切なのか?

この写真の通り、有名な東急リバブルが出している資料でも、3カ月未満の売り急ぎは売却価格が低くなりがちです。

そのため、まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。

マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。

査定価格は仕事を取るための引っ掛けに過ぎないので、あまり信じない方が良いと思います。

11-2.マンションより、戸建の場合、査定価格より、大切なのは売出価格

戸建の売出価格と成約価格の乖離

*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照

多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。

大切なのは、査定価格より高い値段で売り出し、半年程度時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。特に、マンションより、個別性の強い戸建の場合は顕著です。

こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。

例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、売れないからもっと価格を下げましょうと言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。

11-3.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?

2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。

と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。

実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。

自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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大和田 豊

この記事を書いた人

大和田 豊

事例を参考に失敗の少ない不動産取引を目指し、2012年以降90件以上の不動産取引を経験。現在はコロナウイルスの影響を受け、ローン返済に悩んでいる方向けに、生活の早期の改善に向け、債務整理に注力。宅地建物取引士、任意売却取扱主任者、住宅ローンアドバイザー。>>その他詳しい実績はこちら

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