目次
こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼住宅診断士の相樂です。
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1.はじめに
1-1.増える初期費用のカード払い
この3月にお引っ越しをした方から、「初期費用はカード払いが出来ますか?」と聞かれました。
時代の流れで上手く使えば、便利なため、私たちも初期費用のカード払いは出来るようにしています。
コロナウイルスの影響だけでなく、ここ2年ほど、政府の施策等もありキャッシュレス決済が急速に広がっています。
クレジットカード払いが一般的になり、ペイドレイター(後払い)や分割払いもますます増えてきました。
ただ、2022年4月からは成人の基準も今までの20歳から18歳へ引き下げられ、今以上に金銭トラブルが起こることも懸念されています。
そして、賃貸や部屋探しの初期費用もクレジットカード払いや分割払いができるケースが増えつつあります。
1-2.10%を超える高い金利手数料
しかし、クレジットカード払いや分割払いをすると、場合によっては10%以上の金利手数料がつくことがほとんどです。
楽天などで分割払いする時もそうですが、カード払いで分割すると、年率15%まで平気で掛かってきます。
引っ越しの初期費用は30万円、40万円と高額なため、年間の金利手数料も3万~5万円ぐらいと、高額になります。
1-3.無駄な手数料を払わないために
ですので、安易にクレジットカード払いや分割払いをせずに、まずは引っ越しの初期費用を抑えることを考えたり、現金払いと組み合わせるなどして、無駄な金利手数料を支払わなくて済むような工夫をして欲しいと考えています。
特に、気分転換など不要不急の引っ越しの場合、現金又はカード払いでも一括払いができる状態になって、引っ越しをした方がその後トラブルが少ないと思います。
そこで、この記事では引っ越しの初期費用に関わる基礎知識と、クレジットカード払いや分割払いについてのメリット、デメリット等をまとめました。
2.引っ越しの初期費用の計算方法と平均・相場
まず、引っ越しの初期費用の定義、計算方法と目安を掴むための平均額や相場について、解説します。
2-1.引っ越しの初期費用とは
引っ越しの初期費用とは、引っ越し時にかかるまとまったお金のことを言います。
賃貸を借りる場合の初期費用は「引っ越しそのものにかかる初期費用」と「賃貸にかかる初期費用」とに大別することができます。
2-1-1.引っ越しそのものにかかる初期費用
引っ越しの多くで必要な初期費用の項目を下記にまとめました。
・引っ越し費用(引っ越し会社に支払うお金)
・家具家電購入費用
1人暮らしから2人暮らしの引っ越し費用は、距離、時期、荷物量によって大きく変わります。しかし、首都圏内で一人暮らしの場合は5〜10万円程度を見積もっておくと良いと思います。
ただし、2〜4月の引っ越しシーズン、土日祝日になると何割か増しになります。
少しでも引っ越し費用を抑えるなら、できるだけ繁忙期を避ける、早めに見積もり・予約を取っておくのが一般的です。
家具家電購入が不要の場合は、その購入費用を軽減できますが、荷物が増えるので引っ越し費用が高くなる可能性があります。
「引越し費用・家具家電購入費用の大まかな目安」についてはこちらのページでも解説していますので、ぜひご覧ください。
2-1-2.賃貸にかかる初期費用
賃貸にかかる主な初期費用は下記の通りです。
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 家賃保証料(50~70%程度)
- 火災(損害)保険料
- 鍵交換費用
- 前家賃
敷金、礼金は必要のないケースもありますし、交渉次第で不要にすることができます。
本記事の後半、「引っ越し&賃貸を借りる際にかかる初期費用を抑える方法」で解説しています。
仲介手数料は仲介した不動産会社に支払うものなので、大家さんと直接契約の場合は必要ありません。
しかし、首都圏や都市部は特に、直接契約できるケースは少なくなっています。あまり大きく期待しすぎない方が良いと思います。
家賃保証料も不要な賃貸物件もあります。しかし、その分、賃貸契約の際に連帯保証人が必要になったりと、必ずしも良いことばかりとは限りません。
火災(損害)保険料は、都心部の賃貸物件であれば、ほぼ入ることが契約条件となっていることが多いです。
鍵交換費用は、ディンプルキーなど鍵のタイプによって金額が1万〜2万円くらいの範囲で変わります。
鍵のタイプによっては交換しなくても、それほどセキュリティに大きな問題が発生しない場合もあるので、鍵のタイプを確認すると初期費用を抑えられるかもしれません。
詳しくは「初期費用を減らす方法」で解説します。なお、賃貸にかかる初期費用については、こちらのページでも詳しく解説していますので、見てみてください。
2-2.引っ越しの初期費用の計算方法
2-2-1.引っ越しの初期費用の計算について
まず「引っ越しそのものにかかる初期費用」と「賃貸にかかる初期費用」を分けて考えてください。
次に「引っ越しそのものにかかる初期費用」は引っ越し会社に直接問い合わせるか、引っ越し費用一括見積もりサイトなどで、概算を出してみてください。
ただし、引っ越し見積もりサイトを利用すると、やたらと営業電話がかかってくることもあるので、利用するサイトや条件(連絡はメールのみにするなど)は、気をつけて欲しいと思います。
以前、実際にあったのは、一人暮らしの女性の部屋であっても、知らない会社から見積もりさせてほしいと、やや強引に約束を取り付けようと連絡があり、結局、一括見積をあきらめ、有名な引っ越し会社に頼んだケースがありました。
費用より安全の方が大切ですよね。
2-2-2.「賃貸にかかる初期費用」について、
最初に月額家賃を出すことが大切です。
そして、東京都心部であれば月額家賃の2〜5倍の範囲を目安としてください。人気エリア、人気物件、セキュリティや設備にこだわるほど、上限の5倍に近くなります。
東京都港区の中でも、人気の麻布十番や赤羽橋で女性が一人暮らしをする場合の初期費用を事例から計算してみたので、こちらの記事も読んでみてください。
2-3.引っ越しの初期費用の平均・相場についての考え方
引っ越しの初期費用の平均・相場については、上記で述べてきたように「引っ越しそのものにかかる初期費用」と「賃貸にかかる初期費用」を分けて考えます。
「賃貸にかかる初期費用」は家賃の2〜5倍の範囲で用意しておけば、引っ越し資金の目処が立つということになります。
2-4.初期費用はいつ払うのか? 払うタイミングと準備
引っ越しの初期費用は、引っ越し費用であれば遅くとも引っ越し当日までに、賃貸にかかる費用は契約時に必要になります。
ただし、賃貸にかかる費用については「前金」、「預かり金」という形で、初期費用の中から一部を支払うことで優先的に本契約が認められることが多いです。
引っ越しを急いでいる、どうしてもその物件を押さえたい、人気のお部屋で今すぐ押さえないと取られてしまう、といった場合、家賃1〜2ヶ月分の現金を用意しておいた方が良いと思います。
とはいえ、うまいことを言って契約を急がせる不動産仲介会社も残念ながら少なくないので、その点は注意して欲しいと思います。
3.引っ越しの初期費用をクレジットカード・分割で支払う時に知っておきたい基礎知識
引っ越しの初期費用をクレジットカード・分割で支払う時に知っておきたい基礎知識についてまとめました。
3-1.引っ越しの初期費用のクレジットカード払い・分割払いが認められるケース
まず、引っ越しの初期費用のクレジットカード払い・分割払いが認められるのは、基本的に不動産仲介業者がクレジットカード払いや分割払いに対応しているケースになります。
大手不動産会社を中心にクレジットカード払いは進んでおり、さらにここ数年のキャッシュレス決済の流行で、中小規模の不動産仲介会社でも対応できるケースが増えてきました。
とはいえ、不動産業界ではまだまだクレジットカード払いは一般的ではないため、不人気な物件のみクレジットカード払い導入することで入居者を増やそうとしていることもあるかもれません。
また、不動産仲介会社によってクレジットカード払いできる支払いの対象が限られていることがあります。そのため、初期費用全てがクレジットカードで払えるか、必ず確認してください。
逆に、賃貸にかかる毎月の家賃もクレジットカード払い可能なことがあるので、ポイントを効率的に貯めたい場合は、クレジットカード払い対応か聞いてみると良いです。
マルイ系エポスカードなどは家賃の支払いでポイントが貯まります。
分割払いについては、不動産仲介会社で対応可能というケースはまだまだ少ないと思います。
しかし、クレジットカード払いが可能であれば、結果的にクレジットカード会社の分割払いサービスを使って分割払いにすることができます。
クレジットカードの分割払いについては注意点もあるので、次項で詳しく解説します。
3-2.引っ越しの初期費用をクレジットカードで分割払いする際の注意点
引っ越しの初期費用に限らず、クレジットカードで分割払いする際に最も注意しなければならないのは「分割手数料」です。
分割手数料はクレジットカード会社によって異なりますが、概ね年利15%前後に設定しているところが多いです。
分割手数料は3回払い以降、支払い回数が増えるごとに段階的に上がる傾向にあります。
2回払いでは手数料を取らないところが多いので、引っ越しの初期手数料の支払い総額を増やしたくない場合は、2回払いまでを選ぶと良いと思います(クレジットカード会社のルールを要確認)。
例えば、引っ越しの初期費用が50万円、クレジットカードの分割払いを利用して10回払いにした場合の、分割手数料と支払総額、毎月の支払額を計算してみました。
利用クレジットカード:三井住友カード
実質年率(%):14.25%(執筆時点)
100円あたりの分割手数料:6.7円
分割手数料:500,000円×(6.7円÷100円)=33,500円
支払総額:500,000円+33,500円=533,500円
毎月の支払額:533,500円÷10回=53,350円
毎月の家賃に加え、毎月53,350円の返済が必要ということになるので、本当に分割払いをしても良いのか、事前によく考えて欲しいと思います。
3-3.引っ越しの初期費用をクレジットカードで支払うメリット
引っ越しの初期費用を、クレジットカードで支払うメリットは下記の通りです。
・まとまった現金が不要。
・手持ちの現金を減らさずに済む。
・分割払いの利用で金銭的負担を分散できる。
・クレジットカードのポイントがたまる。
・クレジットカードの提携サービスで、引っ越し関連費用の優待や割引が使えることがある。
3-4.引っ越しの初期費用をクレジットカードで支払うデメリット
引っ越しの初期費用を、クレジットカードで支払うデメリットと注意点は下記の通りです。
・分割払いの場合、高額な分割手数料がかかる可能性がある。
・高額になりがちなので、クレジットカードの利用限度額に引っかかる可能性がある。
・クレジットカード会社によっては、分割払いやポイント付与対象外のことがある。
・引き落とし日や口座残高の確認が必要。
・支払い時は手持ちの現金が減らないため、お金の管理が大変。(使いすぎに気をつけないといけない)
4.引っ越し&賃貸を借りる際にかかる初期費用を抑える方法
引っ越しや賃貸を借りる際にかかる初期費用を抑える方法を紹介します。
4-1.引っ越しにかかる費用を抑える方法・条件
引っ越しにかかる費用を抑える方法・条件は、以下の通りです。
・2〜4月の引っ越しシーズンを避ける。
・土日祝日や夜間の引っ越しを避ける。
・早めに見積もりを取り、比較する。
・初めての引っ越しなら家具家電は新居に配送してもらう。
・一人暮らしなら、家具のサイズを幅・奥行き100m、高さ170cm程度に抑え単身パックを使えるようにする。
すでに手持ちの家具家電がある場合は、引っ越し費用が高くなりますが、購入費用が軽減できるのでトータルで考えると良いと思います。
4-2.賃貸を借りる際にかかる初期費用を抑える方法・条件
賃貸を借りる際にかかる初期費用を抑える方法・条件は、以下の通りです。
4-2-1.敷金をなくす、もしくは少なくならないか交渉する
賃貸マンションの多くで求められる敷金の相場は、家賃の1ヶ月分。それなりに負担になります。
また最近では都心の物件を中心に、家賃保証会社や賃貸保証会社に加入することが条件になっていることが多いです。
これらの保証は、借主が万が一家賃を滞納した場合などに代わって、貸主に家賃を支払う保険のようなシステムです。
保証内容には家賃の滞納だけでなく、原状回復費用が含まれていることがあるので、「家賃保証に入るなら、原状回復費用なくてもいいのでは」と交渉してみてください。
4-2-2.礼金のいらない物件を探す
礼金についてはインターネットの賃貸検索サイトで探す際に、礼金不要の物件を探してみてください。以前見たように、SUUMOであっても、例えば、山手線付近の賃貸募集が20万件もあったものが礼金なしを選ぶと、9万件になるので、お部屋の選択肢は大きく減ります。
そもそも、礼金のシステムは賃貸物件そのものが少なかった時代に「貴重なお部屋を貸していただき、ありがとうございます」と大家さんに感謝の意を込めて支払っていたものが、慣例的に残っていると言われています。
すでに人口が減少が始まり、一部の人気エリアを除いて物件余りが生じている、現代日本ではそぐわないシステムとなっています。
そのため、現在は借主からもらった礼金を広告費に回してもらうために、大家さんが不動産仲介会社にそのまま支払っているケースが多いです。
よほどの人気エリア、物件でない限りは借主にとっては余計なコストなので、礼金不要の物件をまずは探してみることをお勧めします。
4-2-3.ディンプルキーなら、カギ交換不要でないか聞いてみる
賃貸を借りる際、主に防犯や安全性を目的に「鍵交換費用」が請求される場合があります。
確かに、簡単にコピーが作れてしまうようなタイプの鍵では、前の住人が勝手にコピーを作って持っていたり、その関係者がコピーされた鍵を持ったままになっていたりと、鍵交換した方が良い場合も少なくありません。
実際、鍵交換をせずに犯罪やトラブルに巻き込まれたという事例も聞くことがあります。
しかし、近年では都心や新しい物件を中心に、コピーの作れない「ディンプルキー」が増えています。
ディンプルキーであれば、普通の鍵屋さんでコピーは作れないので、前の住人がきちんと鍵を返却しているなら、必ずしも交換しなくてもいいと思います。
安全性にどこまでこだわるかにもよりますが、検討の上、初期費用削減項目の一つとして考えてみてください。
4-2-4.駆けつけサービスの加入を断る
最近、賃貸物件契約の際に加入を求められることが増えているのが「駆けつけサービス」です。
例えば、鍵をなくした、水漏れした、パイプが詰まったなど、日々の賃貸生活でのトラブルに24時間駆けつけますよ、というサービスです。
「24時間安心サポート」、「住まいの緊急トラブルサポート」などのサービス名称を使っている場合もあります。
>>「駆けつけサポートは実際に使えるのか?」については、こちらのページにまとめておきました。
契約時には「入っていた方がいざという安心ですよ」、「初めての一人暮らしなら。。。」などと言って加入を強く勧められることもありますが、本当に必要なケースははっきり言って稀だと思います。
というのも、24時間サポートと言いながら実際は下請けの事業者によって対応の差が大きく、「鍵をなくして駆けつけサービスに連絡したが、夜中の寒い中外で3時間待たされた」、「駆けつけサービス対応の範囲では解決せず、結局、割高な修理費用を請求された」といったケースが後を絶ちません。
もちろん役に立った、助かったという人もいますが、自分にとって本当に必要なサービスかはよく検討して欲しいと思います。
管理会社の営業時間が短くなっていることもありますが、賃貸契約の条件として、加入が義務付けられているなら、オプションを外すなど安くならないか、礼金を減額できないかなど交渉してみても良いと思います。
4-2-5.部屋の消毒を断る
初期費用に当たり前のように「消毒」の項目が入っていることがあります。
しかし、どうしても気になる、絶対消毒したいというケースを除いて、本当に必要かはよく考えて欲しいと思います。
数年前、ある不動産仲介会社が契約項目に「消毒」を記載していながら実際はキチンと消毒せず、消毒スプレーを廃棄処理していたところガスに引火して、爆発事故を起こしたことが大きなニュースとなりました。
残念ながら、このように消毒が正しく行われているかは借主にはわかりません。
そもそも、一般的に賃貸物件では退去後にプロの清掃が入っており、かなり綺麗になっています。そこに、消毒も入れる必要があるのか・・・本来なら、貸主や前入居者が負担するような内容です。
そのため、消毒が不要であれば、不動産仲介会社に消毒を無くせないか交渉したり、せめて安くならないか相談してみてください。
4-2-6.火災(損害)保険を自由に選べないか聞く
最近の賃貸物件では、火災(損害)保険に入ることが義務付けられるケースが多いです。
火災(損害)保険の加入自体は、必要なことだと思います。
故意、過失にかかわらず、火事や水漏れなど物件の価値を大きく損なうような事態が起こってしまった場合、貸主に補償する義務があるからです。
とはいえ、火災(損害)保険の内容や金額も千差万別。
貸主が望む補償内容がキチンと含まれていて、もっと安い保険がある可能性があります。
やたら割高な保険会社を指定してくる場合、貸主や不動産仲介会社に対して、保険会社からキックバックなどが発生しているかもしれません。
ビジネスなのでキックバックそのものが悪いわけではありません。しかし、借主の利益を著しく損なうような保険への加入を義務づけるのは、個人的にはおかしいと思います。
保険の内容を確認の上、割安な火災(損害)保険を自由に選べないか、ぜひ聞いてみてください。
4-2-7.家賃保証の不加入、もしくは保証会社を自由に選べないか聞く
家賃保証とは、借主が家賃を滞納した際などに、保証会社が代わりに貸主へ支払うシステムのことを言います。
大家さんにとっては家賃の取りっぱぐれを防ぐ保険のようなもので、賃貸契約の条件として義務付けるケースが増えてきました。
家賃保証に加入することで敷金が軽減されたり、なくなったりすることもあるので、借主にとって必ずしもデメリットばかりではありません。
ただし、同じ保証内容で格安の保証が存在する可能性もあるので、保証会社を自由に選べないか聞いてみてください。
また、家賃保証の加入そのものを避ける方法はないのかを聞いてみる価値はあると思います。
連帯保証人を立てれば、加入不要で済むこともあります。
4-2-8.クリーニング代を交渉する
気にならないのであれば、入居時のクリーニングをなくすか、簡単にしてもらうなどして、クリーニング代を削減・軽減できることがあります。
例えば、築浅の物件で管理状態が良い、前の住人が短期間しか住んでいなかった、知り合いが住んでいたなどでは、プロの清掃が入らなくても問題ないかもしれません。
4-2-9.フリーレント・初期費用無料物件を選ぶ
とことん初期費用なしにこだわりたいのであれば、最初からフリーレントや初期費用無料の賃貸物件を選ぶ手もあります。
もちろん、賃貸物件検索サイトで「フリーレント」等の項目をチェックして探せば、該当の物件がヒットします。
ただし、こうした物件は良いことばかりではありません。
フリーレントや初期費用を無料・格安にしてでも、入居者を決めたい事情があるということです。ちなみに、山手線沿線で20万件あった募集数がフリーレントを入れると、一気に2万件代に減ります・・・。
選択肢は圧倒的に減りますが、初期費用を減らしたい方は調べてみて下さい。ただ、個人的には、選択肢の減りが激しく、あまりお勧めしませんが・・・。
というのも、このような物件は立地や日当たりが悪い、騒音がある、近隣とトラブルがあった、長期間空室になっていてとにかく早く入居者に入って欲しいなど、不人気な要因を抱える物件である可能性が非常に高いです。
また、本来かかるはずだったフリーレント分の家賃や初期費用を月々の家賃に乗せることで周辺の似たような物件よりも割高になっていることもあるので、注意して欲しいと思います。
その他、フリーレントを使う場合、短期解約に伴うペナルティを支払う事になりかねません。
1年、2年以上住むようならペナルティを支払う必要がないので、考える必要がありませんが、もし、短期で引っ越す可能性がある場合、例えば、仕事の関係や同棲を始める、親の介護をするかもしれない等ある場合、諦めがつくのか、考えて、フリーレント付きの部屋を選んでください。
この辺り、キチンと説明してくれない不動産会社があるようです。知らされず、契約日になって初めて教えられた。よくわからないうちに契約させられた等あるので、事前に条件を確認し、契約するようにしてください。
この辺り、私たちの場合、誠実保証を付け、運営しているので、もし、ウソの情報で契約に至った場合には仲介手数料は一切頂きません。その分、私たちも真剣に一つひとつの契約に向き合っています。
5.引っ越しの初期費用をカード払いにする時の注意点
引っ越しの初期費用をカード払いにする時の注意点を押さえるには、下記の手順で確認、対応していってください。
5-1.引っ越しの初期費用とは?
下記のお金がかかることを認識し、家賃の2〜5倍の範囲でお金を用意してください。
- 引っ越し費用(引っ越し会社に支払うお金)
- 家具家電購入費用
- 敷金
- 礼金
- 仲介手数料
- 保証料
- 火災(損害)保険料
- 鍵交換費用
- 前家賃
5-2.次に、引っ越しや賃貸を借りる際にかかる初期費用の抑え方
下記の方法で抑えられないか、担当一緒に検討してください。
- 2〜4月の引っ越しシーズンを避ける。
- 土日祝日や夜間の引っ越しを避ける。
- 早めに見積もりを取り、比較する。
- 初めての引っ越しなら家具家電は新居に配送してもらう。
- 一人暮らしなら、家具のサイズを幅・奥行き100m、高さ170cm程度に抑え単身パックを使えるようにする。
- 敷金をなくす、もしくは少なくならないか交渉する。
- 礼金のいらない物件を探す。
- カギ交換不要でないか聞いてみる。
- 駆けつけサービスの加入を断る。
- 部屋の消毒を断る。
- 火災(損害)保険を自由に選べないか聞く。
- 家賃保証の不加入、もしくは保証会社を自由に選べないか聞く。
- クリーニング代を交渉する。
- フリーレント・初期費用無料物件を選ぶ。
交渉するのは初めは勇気がいるかもしれませんが、払わなくていいものはきっぱりと断って構いません。
不動産仲介会社の担当者に丁寧に対応しつつ、相談として減額交渉を行ってみてください。
5-3.それでも初期費用が一括で払えない場合・・・
引っ越しすること自体再度考えなおした方が良いと思います。
「引っ越しの初期費用のクレジットカード決済・分割払いが認められるケース」に書いてあるように、クレジットカード決済による分割払いは、手数料によって支払い総額が高額になるリスクがあるからです。
5-4.どうしても、引っ越さないといけない時
以下のようなケースで初期費用の支払いが一時的に難しい場合には分割払いを使ってください。
- 隣人や騒音トラブル
- パートナーからのDVで身の危険を感じる
- 両親の介護が必要でなるべく早く引っ越したい
等のみ、分割払いを使ってでも引っ越しする理由になると思います。
不要不急、気分転換などの引っ越しで、このような手数料が高い分割を使う必要はないのではないでしょうか?
5-5.金利手数料はなるべく、低い方法を考える
クレジットカードの分割払いを使うなら、なるべく手数料のかからない方法にしてください。
絶対に引っ越さなければならず、しかも初期費用を一括で支払うのが難しい場合、クレジットカードの分割払いを使うこともやむを得ないと思います。
しかし、3回払い以上は手数料が10%を超えてくるクレジットカードがほとんどです。
ですので、できるなら手数料のかからない2回以下でクレジットカードで分割払いをし、残りは現金払いなどすることをお勧めします。
この支払い方法ならクレジットカードのポイントももらいつつ、手数料がかからないのでお得です。
6.トラブルを避けるための部屋探しチェックリスト
これからお引っ越しを検討されている方のために、これまでの400件超のトラブル相談や6,700件を超えるアンケートの事例を参考に、簡単なチェックリストを作りました。
もし、いくつか、該当するようなら、慎重にお部屋探しをされることをお勧めします。
□ 延線沿い等エリアを広げ、自分に合う部屋を探したい
□ 自分に合ったお部屋の条件や優先順位が分からない
□ オンライン内見や広告を見て、お部屋を決めたい
□ 部屋探しの経験が2回以下で相談し、お部屋を決めたい
□ 家賃や初期費用等予算の決め方が分からない
□ 契約や引っ越し後のトラブルは絶対に避けたい
□ 自分のペ-スでゆっくりお部屋を探したい
□ 仲介手数料無料や返金保証が付いている方がいい
もし、3つ以上当てはまる方は慎重に部屋探しを進めて下さい。というのも、トラブルが続くと、仕事や私生活だけでなく、健康も害してしまう事もあります。
もし、気になるようなら、LINEで出来る部屋探しの条件簡易診断もやってみて下さい。3つの質問で、部屋探しに必要な具体的な注意点や対策をご提案しています。
頂いたご相談は社内で共有し、48時間以内に回答いたします。必要な場合には、弁護士や建築士などの専門家と相談し、連絡いたします。
なお、相談は無料です。費用が発生する場合には、事前に必ずご連絡いたします。
過去に頂いたトラブル相談や質問は参考の為、こちらのページにまとめています。
*お名前やメールアドレス等を公開することはありません。
*48時間以内に確認し、回答致します。
*頂いたコメントを参考に、今後の活動を改善していきます。
相樂 喜一郎
株式会社リビングイン 代表取締役
国立大学卒業後、大手証券、総合不動産会社を経て、2012年に住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、リビングインを創業。個人のお客様を中心に賃貸・売買仲介やその管理を行う。
特に、2015年以降全国から住宅ローン絡みのトラブルで200件以上の相談を受け、鹿児島から北海道まで70件以上の任意売却を行う。
1978年生まれ、趣味は読書と素潜り、フリーダイブ。
保有資格:不動産鑑定士補、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士、相続アドバイザー他
有名私立大学卒業後、部品商社を経て、2011年より西東京、立川や吉祥寺エリアを中心に建物の工事・改修を行う。2013年より、相樂と共に不動産の売買、管理・賃貸仲介を始め、現在に至る。
ファイナンシャルプランナーとして、お客様の現状と将来の目標を基に毎月の収支をエクセルで整理し、部屋選びに関して、具体的にどのような数字やアクションをしていった方がいいか、提案しています。
2019年は茨城県の戸建てや板橋区の共同住宅などを仲介。同時に、東京渋谷区の民泊や麻布十番のシェアオフィス向けリノベーションやコンバージョン工事を行う。最近は、台風15号や19号に伴う火災保険の申請サポートやその後の改修工事を積極的に行う。
保有資格:宅地建物取引士、FP二級、防犯設備士、住宅ローンアドバイザー
馬場 紘司
株式会社リビングイン 共同代表
写真付きなので、スマホやPCでも、引っ越しの手順や注意点がすぐに分かります。
初めての一人暮らしを中心に、2,000件超の失敗を基に、引っ越しを賢く学びます。
最新の引っ越し事例とその考察。下見に行ったおすすめのマンションなども参考に。
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