不動産売却時にかかる仲介手数料とは?譲渡所得税やケース別の計算方法も解説

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不動産売却時にかかる仲介手数料とは?譲渡所得税やケース別の計算方法も解説

不動産売却を検討中の方へ、

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼相続アドバイザーの大和田です。

打ち合わせ中の大和田
不動産を売却する際は、そのための経費や税金がかかります。

その中でも代表的なものが、仲介手数料と譲渡所得税です。

そこで今回は、不動産売却時にかかる仲介手数料や譲渡所得税について、ケース別の計算方法などを解説します。

1.不動産売却時にかかる仲介手数料と譲渡費用について

書類を確認する様子

まず仲介手数料と、所得税の経費について解説します。

1-1.仲介手数料とは?

仲介手数料は、不動産会社が売主と買主の間で取引のために行った業務に対する報酬です。成功報酬のため、成約した際に初めて発生します。

※手付解除や違約解除の場合は、非成約でも仲介手数料が発生します

1-1-1.業務内容

業務の内容は、無料の査定から、金融機関との交渉、売却手段の検討、売却の広告宣伝活動、内覧のフォロー、契約時の書類作成、決済のサポート、そのほか各種ご相談などです。

1-1-2.仲介手数料の上限や追加費用について

仲介手数料の上限は、物件の成約価格に応じて、宅地建物取引業法で定められています。

ただし、成約価格が400万円以下の低廉な物件の場合、調査費用などの名目で、法定で最大18万円までの仲介手数料が認められる場合があります。

また、売主が事前に合意した場合に限り、特別な広告費用や交通費などの実費が、追加経費として認められます。

1-1-3.支払いのタイミング

仲介手数料は不動産会社と媒介契約を結んでから、売買契約が成立して決済が完了するまでの期間に対する報酬のため、契約時に半分、決済時に残りの半分を支払うのが一般的です。

1-2.譲渡費用とは?

不動産売却後に発生する譲渡所得税には、控除対象として譲渡費用と取得費の2種類の経費が認められており、売却価格から差し引いて課税譲渡所得とします。

このうち譲渡費用は、物件を譲渡(売却)するためにかかった費用のことです。

1-2-1.譲渡費用として認められるもの

その代表例は前項の仲介手数料です。その他に金額の大きいもので、建物の取り壊し費用、土地の境界確定のための測量費用などがかかった場合、譲渡費として認められます。

そのほかに、売買契約書に貼る収入印紙代や、住宅ローンの抵当権の抹消登記でかかる印紙税と司法書士への手数料、不動産会社に支払った追加の経費なども含みます。

1-2-2.リフォーム費用なども認められます

また、買主からの依頼で行った場合に譲渡費用に認められるものとして、リフォーム、ハウスクリーニング、修繕、ホームインスペクションなどの費用が該当します。

1-3.取得費とは?

取得費は、売却した不動産を取得(購入)するときにかかった費用のことで、代表的なものは以下の通りです。

  • 不動産の購入代金、建築代金
  • 購入時の税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税など)
  • 購入時の仲介手数料
  • 測量費、整地費、取り壊し費用

1-3-1.注意点①

ここで注意点として、建物の購入代金や建築代金は減価償却費を差し引いた金額となり、減価償却費の計算方法は以下の通りです

建物の購入費もしくは建築費×90%×償却率×経過年数

償却率は建物構造によって異なるため、国税庁のホームページなどで確認しましょう。

土地と建物の購入額がひとつになっている場合は、建物単独の購入費用を算出する必要があります。

1-3-2.注意点②

また、売却するにあたって最近行った造成にかかった費用は、取得費に該当するため注意が必要です。

築年数の古い不動産を相続した場合等、書類を紛失しており取得費が不明な場合は、売却額の5%を概算取得費として計上することができます。

2.不動産売却時にかかる仲介手数料と譲渡所得税の計算方法について

書類を確認する男性

続いて、仲介手数料と譲渡所得税の計算方法を解説します。

2-1.仲介手数料の計算

仲介手数料の上限は、以下のように物件価格をもとに計算します。

  • 200万円以下の物件:(売買価格×5%)+消費税
  • 200万円を超え、400万円以下の物件:(売買価格×4%+2万円)+消費税
  • 400万円以上の物件:(売買価格×3%+6万円)+消費税

したがって2,500万円の物件の場合は、「(2,500万円×3.3%+6万)×10%」で、仲介手数料は89万1,000円となります。

前述のように、空き家の流通促進のために、400万円以下の低廉な物件を売買した場合には、最大18万円の仲介手数料が発生する場合もあります。

2-2.譲渡所得税の計算

譲渡所得税は以下の順番で、物件ごとの価格や税率を当てはめて計算します。

①「売却価格-取得費-譲渡費」で、譲渡所得を計算
②「譲渡所得-特別控除」で、課税譲渡所得を計算
③「課税譲渡所得×税率」で、譲渡所得税額を算出

まず、計算上の大きなポイントとなるのは、3,000万円の特別控除です。

①で算出した譲渡所得が3,000万円を超えていない場合に、控除が適用できれば譲渡所得税は発生しません。

税率は、居住用財産の場合、取得から5年以内の短期譲渡で39%、5年を超えた長期譲渡で20.315%、さらに10年を超えると譲渡所得の6,000万円の部分については14.21%まで軽減されます。

2-3.不動産売却で発生するその他の費用

不動産売却で発生するその他の費用として、譲渡費用の項でも取り上げた費用について、ここでも再度取り上げておきます。

建物の取り壊し、土地の境界確定の測量、収入印紙代、抵当権の抹消登記費用、リフォーム、ハウスクリーニング、ホームインスペクションなどです。

これらは金額もまちまちで、不動産の状況に応じて発生する場合としない場合があります。

3.不動産売却時の仲介手数料・譲渡所得税のケース別シミュレーション

書類を確認する夫婦

では最後に、ケース別で仲介手数料と譲渡所得税のシミュレーションをおこなってみましょう。

3-1.木造一戸建てを売却したケース

「20年前に購入価格4,000万円(土地部分考慮せず)、その他の取得費が200万円だった木造の一戸建てを、売却額5,000万円、譲渡費用100万円で売却した例」

減価償却費=4,000万円×0.9×0.031(木造の償却率)×20=2,232万円
取得費=4,000万円-2,232万円+200万円=1,968万円
譲渡所得=5,000万円-1,968万円-100万円=2,932万円
課税譲渡所得=2,932万円-3,000万円(特別控除)=68万円となり、譲渡所得税は非課税
仲介手数料=(5,000万円×3.3%+6万)×10%=171万6,000円

3-2.鉄筋コンクリート造のマンションを売却したケース

「4年前に購入価格3,000万円、その他の取得費200万円だった鉄筋コンクリート造マンションを、売却額500万円、譲渡費100万円で売却した例」

※購入価格の内訳は土地1,500万円、建物1,500万円

減価償却費=1,500万円×0.9×0.015(鉄筋コンクリート造の償却率)×4=81万円
取得費=3,000万円-81万円+200万円=3,119万円
譲渡所得=6,500万円-3,119万円-100万円=3,281万円
課税譲渡所得=3,281万円-3,000万円(特別控除)=281万円
譲渡所得税額=281万円×39%(短期譲渡の税率)=109万5,900円
仲介手数料=(6,500万円×3.3%+6万)×10%=221万1,000円

3-3.シミュレーションの考察

上記の2つのシミュレーションでは、建物構造の違いにより減価償却率が異なり、所有年数の違いで譲渡所得税額に差が出ました。

マンションのケースでは、所有期間が5年以内での売却のため、39%という高い税率がかかっています。

これらとは別に、相続した家を売却する際は、居住用財産と同様の3,000万円特別控除が認められるケースもあります。

また、被相続人が所有していた年数も計上できるため、長期譲渡の税率を適用できるのが一般的です。

4.今回のまとめ

打ち合わせ中の大和田と相楽

今回は、不動産売却にかかる仲介手数料や譲渡所得税について、ケース別の計算方法などを解説しました。

4-1.まずは専門家に相談を!

不動産売却には多額のお金が必要となるうえ、専門的な知識を必要とします。

実際の売却時には、不動産会社や税理士のサポートのもとで計算する事をおすすめします。

4-2.離婚に伴うご自宅の売却で悩んでいる方へ

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事例を参考に失敗の少ない不動産取引を目指し、2012年以降90件以上の不動産取引を経験。現在はコロナウイルスの影響を受け、ローン返済に悩んでいる方向けに、生活の早期の改善に向け、債務整理に注力。宅地建物取引士、任意売却取扱主任者、住宅ローンアドバイザー。>>その他詳しい実績はこちら

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