最寄駅の再開発に伴う、周辺環境の改善を利用し、価値ある不動産の長期で保有したい方へ、
こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。
2016年の春、東京都板橋区にある再建築不可の戸建てを1,100万円で購入・改修し、2020年3月に転売した事例を紹介します。
1.案件概要
1-1.物件情報
売却年:2020年
売却価格:1,800万円
取得年:2016年
購入価格:1,100万円
築年:30年
竣工年:1986年
地域:板橋区上板橋
最寄駅:上板橋駅(徒歩10分圏)
建物:3階建て木造戸建て
間取り:2LDK
面積:120㎡
1-2.相談内容と目的
2016年、上板橋駅徒歩10分の準角地に位置する再建築不可の戸建て物件を投資目的で購入したお客様の事例です。
築30年の建物を改修してシェアハウスとして丁寧に運用し、2020年に中華系の外国人投資家に1,800万円で売却出来ました。
正直、最寄駅の上板橋で行われる再開発自体はこれからなので、あと5年、10年後にもっと売却利益が狙えたかもしれません。
しかし、お客様には一旦、手元資金を厚くし、次の物件へ投資を行うため、不動産市況にまだ勢いがあり、再建築不可の戸建てを購入してもらえる内に売却をして頂きました。
保有中のインカムゲイン(年間利回り19%)と、売却時のキャピタルゲイン(60%)を実現した成功事例です。
2.購入の背景と物件の特徴
2-1.購入時の状況
・接道条件:
区道と私道に面した準角地で立地は良好。ただし、敷地面積の要件を満たしておらず再建築不可物件とされていました。
しかし、『接道状況から将来的に、建築基準法43条の但し書き規定を利用し、建築審査会の審査及び許可を得て、新築の建物も建築可能になるのでは?』と思い、お客様に購入してもらいました。
・購入価格:
売主が高齢で介護施設に入るため、売却を急いでおり、周辺の市場価格より低い1,100万円で購入できました。
・上板橋駅の再開発:
2004年に事業決定されていた南口再開発。最寄駅である上板橋駅の南側は住友不動産を中心に、バスターミナルの新設を踏まえ、駅前の大規模な再開発が予定されていました。
そのため、『駅、川越街道、そして、城北中央公園までのエリアは生活環境の向上を踏まえ、不動産の資産価値が上昇する』と、将来的な資産価値向上が期待されていました。
2-2.購入時の懸念点
・再建築不可物件のため、将来的な転売や出口戦略に対する不安がありました。
・築年数が経過しており、外壁や内装が劣化していたため、購入後に大規模な改修工事が必要でした。
3.物件の再生と運用
3-1.外装・内装の改修
購入後、以下のような改修工事を実施しました:
・外壁と屋根の修繕:
売主が直していなかった台風被害を火災保険を利用して修繕。特に雨樋や屋根の破損箇所を修復し、外壁と屋根全体を塗り替えました。
・内装のフルリノベーション:
信用組合の制度融資を活用し、2LDKの間取りをゲーミングシェアハウスとして再生。内装は全面改修を行い、PCゲーミング環境を整備しました。
・設備の強化:
高速インターネットや防音設備を導入し、若年層向けにターゲットを絞った特化型シェアハウスとして改修しました。
3-2.運用方針
板橋区では・・・改修が終わった後もファミリー用賃貸戸建てとして、貸しても賃料が伸びないため、改修後は物件を若年層向けのゲーミングハウスとして運用しました。
PCゲーム愛好者やプロゲーマーをターゲットに、賃料収入として年間約210万円(年間利回り約19%)を実現しました。
また、ゲーミングハウスという特異性から読売新聞に取り上げられるなど、高い注目度を得ました。
4.売却と結果
4-1.売却の経緯
2020年春、コロナウイルス拡大直前に中華系個人投資家へ1,800万円(利回り12%)で売却できました。立地に対して、比較的、利回りが良かったため、30件を超える問い合わせがありました。
結果的に、購入価格1,100万円に対し、約60%のキャピタルゲインを実現しました。
4-2.売却までのプロセス
・満室稼働:
ゲーマー向けシェアハウスとして、読売新聞に取り上げられたことや満室稼働中の事と強調しました。
・再開発のアピール:
上板橋駅南口再開発によるエリアの資産価値向上を強調し、購入希望者の興味を引きました。
・競争原理の活用:
複数の購入希望者が現れるよう販売活動を展開し、最終的に4社から買い付けが入り、満額での売却に成功。
4-3.保有期間中の収益
インカムゲイン:年間利回り19% × 4年 = 約840万円
キャピタルゲイン:売却価格1,800万円 – 購入価格1,100万円 = 約700万円
合計利益:約1,540万円
5.担当者の感想と教訓
本事例は、再建築不可物件という制約を逆手に取り、立地の良さと差別化された運用プランで成功した案件です。
火災保険や制度融資を活用して改修費を抑え、ゲーミングハウスとしての特化型運用が功を奏しました。
また、再開発エリアの可能性を見据えた投資戦略が高いリターンを生み出しました。
再建築不可物件の取引には不動産の知識だけでなく、法的なリスクや運用計画を慎重に立てる必要があることを再認識しました。
この物件だけでなく、2018年以降、投資用マンションへの融資が厳しくなり、2017年や2018年あたりまで出来ていた利回りが低い物件を買ってしまった場合、利回りが高い案件を追加購入し、返済の帳尻を合わせるような特殊な事が今は出来ない世の中になってしまいました。
そのため、現在は一つ一つ不動産の可能性を吟味し、購入して頂いております。
特に、融資環境の悪化により、返済が厳しくても市場価格での売却では残債が無くならないため、売れずに保有し続けている方が増えている気がします。
そのような状況下で、誤って、将来の出口が見えない物件を紹介しないよう、現在は慎重に不動産の紹介を進めています。
6.他社との比較
弊社では再建築不可物件や築古物件の取り扱いにも強みがあります。
・購入後の再生プラン提案:建物の再生から運用、売却まで一貫してサポート。
・エリア特性の分析:再開発エリアの将来性を踏まえた投資計画を提案。なるべく、自分が良く行く場所や既に取引をしたことがあり、周辺業者とのネットワークが出来ている地域を攻めていきたいなと思っています。
・広範なネットワーク:国内外の個人投資家リストを活用し、早期売却を実現。現在、10,000人近い個人投資家のリストがあり、物件の直接紹介も行っています。
多くの仲介業者が避ける再建築不可物件でも、適切な改修プランと運用方針を提案することで、高い利回りと売却益を実現できた事例でした。
7.最後に
本事例は、不動産投資を通じたインカムゲインとキャピタルゲインの両立を目指す方にとって、非常に参考になる案件です。
再建築不可物件や築古戸建てなど難しい条件の物件でも、立地や再生計画次第で大きな成果を得られる可能性があります。
「再建築不可物件をどう活用すれば良いか分からない」「築古物件でも高い収益を得たい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、今回の案件のように、最後まで安心できる不動産の取引には、不動産のみの知識だけでなく、会計や税金、法律の知識を知りつつ、専門家に確認できる状況が必要だと思います。
去年の12月に受けた空き家になった実家の今後の管理に関する相談を基に、単に売却するのではなく、タイミングや売却先を考えることで払う税金を減らす事が出来ます。
闇雲に一括査定で高い査定で売るのもいいですが、タイミングや権利関係を整理し、進めた方が結果的に手元に現金が残る場合もあります。
7-1.取引件数300件突破しました
今後も、築古物件の再生・運用、売却において、高い価格を維持するため、丁寧な対応と広いネットワークを活かしていきたいと思います。
2011年以降、300件以上の不動産取引を担当し、どの不動産を購入・売却すべきか、そして、その注意点への理解を深めています。
7-2.無料相談の件数1,600件超えました
2012年から続けてきた無料相談では、これまでに1,600件を超えるケースを受け、その中から、300件以上の不動産取引を成功させています。
この成功が可能だった主な理由は以下の二つだと思っています。
7-3.経験と事例の活用
長年にわたる豊富な経験を基に、個々の状況に応じた最適な対応を提供してきました。
このアプローチは多くのお客様に信頼されています。
7-4.戦略的なアプローチの確立
無料相談を通じて、お客様一人ひとりのニーズを深く理解し、適切な戦略を立てることができました。例えば、相続したマンションの売却は重要な決断だと思います。
最後に、成功事例の詳細は解決事例まとめに、私たちのGoogleの口コミもまとめてあります。
同じ、上板橋の再開発を狙い、購入して頂いた事例はこちらです。
注)これらの事例はトラブル解決の参考として掲載しております。
ただし、個人情報保護のために価格や場所の詳細は変更しています。
詳細はメールや面談でご説明いたします。
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