斜線規制とは、建物周辺の日当たりや風通しなどを確保するために設けらた、建物の各部分の高さを制限する規制のことです。 建物を真横から見たとき、空間を斜線で切り取ったような形になることから、その名が付けられています。マンション探しをしていると、屋根部分を斜線で切り取ったような形の建物に出会ったことがあるかもしれません。 あの斜めの屋根は、斜線規制に沿ったことにより生じます。
斜線規制は、『都市計画区域』内で建物を建てる際に適用されます。周辺の条件によって、建物が超えてはいけない高さが定められ、設計する際には建物の各部分の高さがそれを超えないようにしなければなりません。ちなみに、斜線規制には、『隣接斜線規制』『道路斜線規制』『北側斜線規制』があります。
1.隣接斜線規制
隣接斜線規制は、隣り合う建物の日当たりや風通しなどを保つために設けられた規制です。隣地境界線上から一定の高さを起点とする一定の勾配による斜線の内側が建物の各部分の高さの上限になります。第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域には適用されません。
2.道路斜線規制
道路斜線規制は、向かい合う建物や道路面の日当たりや風通し、開放感を保つための規制です。前面道路の反対側の境界線から一定の勾配による斜線の内側が建物の各部分の高さの上限になります。
3.北側斜線規制
北側斜線規制は、北側隣地の日当たりや風通しを保つため規制です。北側の隣地境界線上(北側が道路の場合は、道路の反対側の境界線上)から一定の高さを起点とする一定の勾配による斜線の内側が建物の各部分の高さの上限になります。なお、北側斜線制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、中高層住居専用地域に適用されます。
マンション探しをする上で、斜線規制の内容を細かく理解しておく必要はないものの、目的や適用範囲などをおおまかに把握しておくと、疑問や誤解などが少ないと思います。
>>多くの人が引っ越し先を選ぶときに条件に上げる日当たりに関して、『一級建築士に聞いた賃貸マンションの内見時に確認したい、日当たりの有無やその大切さ』についてはこちらを見てみて下さい。主なポイントとしては、以下の通りです。
・3種類の日当たりとは?
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担当 相楽
▶関連用語:都市計画区域、隣接斜線規制、道路斜線規制、北側斜線規制、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、中高層住居専用地域、セットバック
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