こんにちは、防犯設備士の馬場です。
もし、あなたが『事故物件』や『心理的瑕疵物件』について調べたことがあるならば、『告知義務は一度だけ』と聞いたことがあるかもしれません。
告知義務の有無の基準に関して、国土交通省が先日出したガイドラインを弁護士さんと話し合いました。まだ、案の段階で、これから本決まりですが、こちらのページにまとめておきました。
だから、事故が発生しても2人目以降の住人だったら、事故物件かどうかを教えてもらえないのでは?と心配している人もいるでしょう・・・、安心してください。
1.「告知義務は一度だけ」というのは都市伝説
そのような決まりはありません!しかし、不動産会社の中には「一度誰かが住めば、いいだろう!」と安易に考える人が今でもいるのも事実です。ですので、やはり、
・契約前に、マンションや部屋について、担当者に具体的かつしつこく聞く!
・契約書などの書面に、事実をしっかり残してもらう!
ことが普通に生活するために重要になると思います。なお、契約前のお部屋の内見など、今も残る重度の事故物件か、そうでないかを見分ける具体的な方法を建築士さんに聞きました。現地に行くときは実際に試してみて下さい。他にも、管理会社だけでなく、交番や町内会などにも確認してみるといいと思います。結構親切に教えてくれます。
万が一、不動産会社が一度誰かに貸したことを理由に事実を隠していて裁判を起こした場合、借主であるあなたが勝つ可能性は非常に高いです。ただ、今はこうしたリスクを犯してまで、嘘をつく不動産会社も少ないでしょうから、やはり聞いてみることが大切だと思います。
2.告知の期間について、明確な基準はありません。
たとえば、自殺で回転の早い都市部のシングル向け賃貸の場合、2年以上経てば告示義務はないとされた判例があります。一方、他殺では、50年経っても告知義務があるとされた判例もあります。
このように、事件や事故後に住んだ住人の数や期間による告知義務のあり・なしはケースバイケースと言わざるを得ません。事故物件に住まないために、基本的に自分で動き調べるしかないと思います。たまに、気の利く、担当者がエリアの事故物件を把握してて、教えてくれる場合もありますが、稀だと思いますので・・・。
ちなみに、私たち、リビングインのメンバーが下見をしているマンションやそのエリアに関しては交番と区役所にヒアリングを極力行っています。そのため、ご紹介できるお部屋は事故物件にどうしても住みたいと言われない限りは、日当たりと風通しを重視し、毎日気持ちよく住める部屋を優先的に紹介しています。
3.告知義務の必要な事故物件を選ばないための賢い対策【元弁護士さんと考える】
最後に、不動産業者のウソではありませんが、報告しなかった告知義務違反について事件・事故物件以外にもあります。例えば、入居直後に気づいた隣人トラブルが告知義務違反になるかどうか、また、騒音トラブルが告知義務違反になるのか、そして、オンライン内見で引っ越しを決めた場合の告知義務について、弁護士に確認しています。この手のトラブルはルールが変わった時や繁忙期などの忙しい時期によく起きています。
洪水や大雨発生時のハザードマップを用いた説明に関しても2020年8月末から義務化されています。この辺りも今後事件発生時には問題になるかもしれません。念のため、契約前にご自身でキチンと確認しておいてください。
最後に、国土交通省が事故物件の告知義務について、やっとガイドラインを出したので私たちなりの理解を含め、その内容をこちらのページにまとめておきました。よっぽどのことが無いと、契約後のキャンセルは出来ない部屋探しの経験が少ない人など、慎重に進めて下さい。
また、これまでの相談事例を基に、遠方への引っ越しや部屋探しの経験が少ない方向けに、トラブルを未然に防ぐ三つの注意点をこちらにまとめておきました。
なお、6,700件を超える部屋探し・引っ越しの失敗例の中には、事故物件の取り扱い等をあいまいなまま契約してしまう不動産会社の話もいくつもありました。 そのため、貸す側も借りる側も事故物件に関するキチンとした知識を持たないまま契約してしまい、あなたが後悔することがないよう、正しい知識を持った不動産会社で、マンションなどの契約を行うことを私は強くお勧めしています。
>>事故物件を契約する前の告知義務?その確認方法や注意点は?
>>賃貸契約後に『事故物件』と判明、解約や損害賠償できます?
その他、事故物件に関する記事はこちらです。
>>【現地写真付き】麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その1)
>>【現地写真付き】麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その2)
>>【引っ越し実例】事故物件を紹介されたりしないかと不安で・・・
最後に、「日管協短観」の「心理的瑕疵物件(事故物件等)による成約賃料の減額割合」や【建築士監修】内覧時に使える、住んでもトラブルが起こらなそうな事故物件の6つの判断方法はこちらにまとめています。自宅にいる時間が増えた環境下で個人的にはなおさらお勧めしませんが、こういった機会を上手に使い、利便性を生かした生活するのはアリなのかもしれません。
あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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