繁忙期の終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。
先日、入居者の生活マナーに関し、以下のような相談を受けました。
1.入居者が善管注意義務を守らない。強制的に清掃することは可能ですか?
管理会社の者です。
東京ルールの善管注意義務について、住居を賃貸している人が床を油まみれにしたまま生活しており、室内もごみ溜めにしています。
これは管理会社として、賃貸借契約書にて善管注意義務を伝え、賃貸中ですが、強制的にきれいにすることはできませんか?
また、たとえ10年間住んでいた場合でも、油汚れは通常損耗とは言えず、退去時に原状回復の改修費用として、請求することが出来るのでしょうか?
2.公益社団法人賃貸住宅管理協会に確認しました。
2-1.所有物の侵害として是正勧告をすることは真っ当な主張です。
貸室を善良な管理をせず毀損や損傷が発生している場合は、所有物の侵害
として是正勧告をすることは真っ当な主張となります。
期限付で清掃をするよう内容証明を送り、対応がなされなければ明渡の訴訟
も可能です。居住中に強制的に清掃をするためには、そのような対応が有効
ではないでしょうか。
2-2.退去時の費用請求は可能です。
10年居住をしていた場合でも、通常の使用を超える破損や汚損は「善管注意義務違反」となり入居負担での修繕となります。
しかし、借主から「善管注意義務を果たしていた」という主張をしてくる可能性もあるため、再三勧告していたことがわかれば、善管注意義務違反であったことが証明しやすいので通知は重要になります。
3.今後、このようなトラブルに遭わないために
今回のケースは、「入居者の善管注意義務違反」により建物が汚損したり、
他の住人に迷惑をかけてしまう可能性がある事案です。
再三の警告にも応じない場合は、明け渡し訴訟も視野に入れ弁護士に相談してみましょう。
また、退去時にも同様の状態だった場合は、修繕費用の負担は入居者になります。
国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にし、適切な費用請求を行ってください。
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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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