繁忙期の終わった、4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。
先日、以下のような相談を受けました。
1.近隣からの籾殻による被害に関する相談です。
アパートに住み始めて一年が経ちます。
昨年もそうでしたが、この時期になると近隣のお米農家さんだと思うのですが、
お米を脱穀した籾殻粉が空き地に山積み(3m程)になっており、風向きによって車全体を籾殻粉が覆いとても汚くなる、窓を開けておくと籾殻粉が部屋の中に入ってくるため窓を開けておけない、夜通し脱穀機が動いており機械音がうるさいです。
また粉塵による体への影響も心配です。
管理会社に相談したところ、以前にも問い合わせがあり農家の方と話しをしたことがあるそうですが、対応拒否と回答があったそうです。
一応ネットが設置されてはありますが、あまり効果がない状況です。
過去にもこのような問い合わせがあったにも関わらず、管理会社、
仲介業者からは契約の際説明がありませんでした。
ここでお聞きしたいのは、下記の2点です。
①これらの内容に告知義務はないのでしょうか?
②籾殻によって車が汚れる、部屋に入ってくるに関してはどうしようもないでしょうか?
2.ご相談いただきました件に関しまして、私たちからの回答です。
2-1.①に関する回答 今回のケースの場合、告知義務違反を問うのは難しいです。
告知義務に関しては明確な線引きが無く、近隣に農家があることが明らかな環境的な瑕疵に該当しないため告知は義務であるとは言い切れず、現状では管理会社及び仲介会社に告知義務違反を問うのは難しいです。
環境省が定めた騒音の基準が昼間(午前6時~午後10時)に55db以上、
夜間(午後10時~午前6時)が45db以上となっているので、それを超えるようでしたら受忍限度を超えた騒音を発しているとして、農家の方を相手に家裁での民事調停から話合いをしてみても良いのではないでしょうか。
2-2.②に関する回答 法テラスや弁護士の無料相談にご相談を。
写真撮影や記録はしっかりとしていただいて、農家の方に直談判されるのが一番早い方法ではあります。
車が汚れたのであれば洗車費用を、微細な傷がついたのであれば塗装費用を、健康被害がでたのであれば治療費や慰謝料を請求できる見込みがあると思われます。
やはり直談判はしにくいものかとも思いますので、記録されたものを法テラスや弁護士の無料相談にご相談されてみて、その見解を武器にされてみても良いかと思います。
3.今後、このようなトラブルに遭わないために
2-1で回答した通り、告知義務に明確な線引きはなく、入居後に周辺環境に問題があるとわかっても、契約書に捺印をしてしまった場合、承諾したものであると認識されてしまいます。
そのため、契約書に記載の無い問題に関しては基本的には貸主に損害賠償請求等はできません。
また、入居前や内見の際に、不動産会社に隣人住民に関して聞いてみて、怪しい点がないか確認することが大切です。
説明時に分からないことや説明を受けていたことと食い違う点がある場合は、納得がいくまで遠慮なく不動産会社へ質問して下さい。
入居後の面倒なトラブルを避けるために、しっかりと周辺状況を確認し、問題点をクリアにしましょう。
念のため、これまでの相談事例を基に、遠方への引っ越しや部屋探しの経験が少ない方向けに、トラブルを未然に防ぐ三つの注意点をこちらにまとめておきました
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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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