C.解決事例(お客様の声)

一人暮らしには慣れていたが、上京で部屋探しを急ぎ失敗

東京芸術大学を卒業し、東京大学大学院を卒業後、建築家として、自由に色々な作品を作ってきた宮脇檀さんが40年近く前に書いたエッセイ集、日曜日の住居学(住まいのことを考えてみよう)で今でも刺激を受けるところがあり、まとめました。

特に、コロナ禍の今だからこそ、もっと考えたい密集して都市に住むについても書かれていました。都市を選ぶことで集合住宅に住む結果、日当たりがどうしても悪くなる、部屋そのものも狭くなる。部屋が狭くなり、ほしい物も置けなくなる。

それでも、通勤を含め、都心へのアクセスは良好で、周りにはスーパーやコンビニ、そしておしゃれなレストランや病院、公園がある。ちょっとした息抜きにはちょうどいいものが全て揃ってる。イベントは毎日どこかしらで行われており、お店の出退店が日々行われ、人生の幅を広げてくれる。

インターネットがこれだけ普及し、自宅でも世界中、宇宙の今さえも除くことが出来る。でも、やっぱり、都市で味わう体験とはどこか違う。都市に来て、自分をさらに磨き、成長することを一度してみることがとても大切だと思います。

・・・前置きが今日も長くなってしまいました。すみません、引越しの失敗例スタートです。

第3935回目の今回は、サービス業をしている20代の男性会社員の方にお話を聞きました。2013年11月の就職を機に、近畿地方から関東地方への1Kでの一人暮らしに向け、はじめての引っ越しを行った時のエピソードを詳しく教えてくれました。

引っ越し経験者から部屋探しの失敗やトラブル、良かった点を聞き、自分の今後に生かす。効率よく、満足度の高い部屋探しをして下さい。

【今回のポイント】

近畿地方から関東地方へ、就職を理由に引っ越しされた方で、近隣や隣人への騒音トラブルに関して、強い不安を感じていたようです。

実際、どのような 部屋探しだったのでしょうか?事前のトラブル対策や事後対応は可能なんでしょうか?

1.引っ越しの理由と生活

1-1.引っ越しの理由を教えて下さい。

海外の大学を卒業後、関西の実家に戻り、就職活動を行っていたところ、東京の企業から内定を貰い、東京の事務所での就職が確定したため。

1-2.引っ越し後はどんな生活をイメージしていましたか?

学生時代に一人暮らしの経験があったので、特に新しさは求めていませんでしたが、東京での生活は初めてでしたので週末は新宿・渋谷などで買い物を楽しめればと想像しておりました。

2.引っ越しまでの期間とその理由

一ヶ月程度掛かりました。おそらく短いかと思いますが、急に就職が決まり、その2か月後に就業開始だったのでスピード重視で行動する必要がありました。

3.引っ越しの不安

3-1.どんな不安がありましたか?

趣味でギターをやっているので隣人の方々の迷惑にならないかどうかの不安、また空き巣などの被害にあわないか投下の不安は多少感じておりました。

3-2.不安になった理由を教えて下さい。

終業時間が17時までの企業に就職するのなら問題ありませんが、そうでない場合は駅の近くに夜遅くまでやっているクリーニング屋があるかどうかが非常に重要だと思い知りました。

もし、20時までの営業のところだと平日は出しに行けず、週末も当日や翌日仕上げなどのサービスがないと翌週まで引き取りにいけません。自分はこの問題のおかげで毎週徒歩30分ほど離れたクリーニング屋まで通う必要がありました。

4.部屋探しの失敗

4-1.失敗を教えて下さい。

就労時間を考え、家の周りに生活に必要なお店がきちんとあるか確認せず、遠くまで歩いていく必要があった。

4-2.失敗の理由を教えて下さい。

就職確定から就業開始日までの短い期間で賃貸を決めねばならず、部屋や最寄り駅へのアクセスの確認だけで満足していたため、周辺地域の生活環境の確認まで頭が回っていなかったためと存じます。

4-3.失敗再発への対応は?

家から勤務地まで往復、日用品の買い物、ごみ出し、繁華街へのアクセスなどは必要最低限確認しておいたほうが良いでしょう。

4-4.その他何かあれば、教えて下さい。

今日、明日で決めなければいけない物件でない限りは最低でも1日かけて引っ越し先の周辺で暮らすシミュレーションはしておいたほうが良いかと思います。

5.引っ越し後のトラブル

特に大きなトラブルではなかったですが、全室禁煙でベランダでの喫煙も禁止しているマンションだったのですが、隣の部屋に住む方が毎晩のようにべランダでタバコを吸っていたことには腹が立ちました。

6.引っ越しして、良かった事

6-1.部屋探しの良かった点

学生時代は隣や上の階に住む人たちが物音を立てるとすぐに腹を立てて壁をたたいたりしてしまっていましたが、ある時自分も同じようにうるさくしてしまっているかもしれない、と自身の行動を振り返ることができるようになった点でしょうか。

6-2.そう思った理由は?

他の人の音が響く場合、自分の音も同様に響いてるのではと思ったため。

6-3.他に頭の片隅に入れておいた方がいい事はありますか?

気になった点があれば躊躇せずに担当の営業の方に聞いてみることでしょうか?担当者も仕事ですので何かを隠してまで賃貸を勧める必要もないので、親切にすべて答えてくれると思います。

7.部屋探しのアドバイス

上の回答でも少し触れていますが、それ以外ですと鉄筋コンクリート造、24時間アクセスできるごみ捨て場があるというのは絶対に必要な条件かと思います。鉄筋でないと隣人の歩く音が丸聞こえで集中できない、また生ごみが出たらすぐその日中に処理しないと夏場は外注に悩まされます。

8.仕事絡みの部屋探しの失敗

日用品の買い物をどこでするのがいいのかという情報が仕入れにくいことが不満に感じました。野菜は商店街の八百屋で買えばいいのかスーパーで買えばいいのかなど、小さいことですが日々の暮らしには欠かせない問題です。

特に、就職、転勤というバックグラウンドがあると大抵は短い期間で引っ越し先を決めないといけない場合が多いと思います。職場まで乗り換えなしの駅の近くで部屋を来ましたが、実際はその時間は満員電車で毎朝のように遅延が発生し、距離が少し離れている別の路線のほうが職場まで早く到着するということがありました。

9.不動産会社の選び方

9-1.選んだ理由を可能であれば、教えて下さい。

紹介している物件は不動産屋によって大きく変わりませんが、ローカルな物件はローカルな不動産屋が得意としていることが多いので、全国区に展開している不動産屋よりそちらを選ぶようにしています。ローカルな不動産屋の方が地域の情報を知っている気がします。

9-2.不動産会社に期待する事は?

実際自分がその地域で暮らしていればここに行く等といったローカルな視点の情報を提供していただけると助けになると思います。

10.部屋探しの失敗を聞いての考察について

実家暮らしから自立ということで、初めてのお引っ越しで色々と不安も多かったかも思います。今回は、室内と交通の面ばかりを気にして、周辺環境にまで気が回らなかったとを後悔されていました。ポイントは二つあると思います。

10-1.鉄筋コンクリート=遮音性抜群ではない

昨今、アパートの建て方や材質の変化によって目まぐるしく建物の精度も上がっています。ここでお伝えしたいのは、鉄筋コンクリート造は万能ではないということです。多くの人がマンションを希望されるので、鉄筋コンクリート造は人気だと思いますが・・・。

「遮音性、耐火性に優れたRC造」とよく見たり聞いたりすることもあるかと思いますが、良くあるRC造でも築年数が古い建物だと意外と響くんです。

実際に体験してみないと分からないものにはなりますが、実際に鉄骨造なのにRC造よりも遮音性が高かった物件をいくつも知っています。古くなっても表層だけでなく、断熱や防音をキチンと改修している部屋も多くなってきました。

他にも、技術の進歩により、築年数の新しい木造や鉄骨造でも音が響かないように工夫をされていることもありますので是非、他の構造の建物もご検討いただけると物件の探し方も変わり、家賃なども上下します。

10-2.周辺環境はGoogle mapを活用を!

初めてのお引越しでこだわりを決め、お探しされたことは大変素晴らしいことだと思います。周辺環境は知らない土地に行くときには必須の条件として加えた方がいいのでまずは「Google map」を利用してみて下さい。

自分の気になる物件の住所で検索すると、検索欄の下部に「付近を検索」をいうボタンが出てきます。ここに、例えば”スーパー”や”コンビニ”、”病院”などで検索すると、地図で表示されている範囲でたくさんの施設が確認できます。

これで予め自分の住みたいエリアに何があるかを知ることが出来ますし、逆に施設が充実しているエリアを確認して、その周辺で物件を探すということも可能になります。 これらの事を踏まえ、次回のお部屋探しでは良い物件に巡り合われることを願っています。

沢山の部屋探しの失敗例を分析していく中でいつも思うのが、いつの時代も情報弱者は引っ越しだけでなく、仕事でも、私生活でも、損をする可能性が非常に高いと言うことです。その為、時間がない人は別ですが、せっかく何十万円もの大金をかけて、引っ越すなら、将来後悔しないために、正しい情報を身に付け、部屋探しをするようにして下さい。

私たちはこれまでの経験やセンスを先行させ、お客様の満足度を下げたり、上げたり、サービスの質をブラさないように、先ずは経験者のデータを使ってゴミや地雷部屋を除去する方が自分に合った部屋を探し、充実した毎日を過ごすというゴールに圧倒的に早く、近づく事が出来ると思っています。もう何も武器を持たず、竹やりやこん棒ぐらい??で圧倒的な物件数と戦う時代はもう終わったのでは?と個人的には思っています。

もし、それでもなんか、ダメな感じがする場合には、メール✉で連絡をもらえれば、何かアドバイスできると思います。特に、これまでの引っ越しの失敗インタビューを生かし、事件・事故に遭わない部屋探しの手順を基に回答や対応していきたいと思っています。最後に、他にも同じような部屋探しの失敗エピソードがあります。部屋探しで失敗して、損をする前に読んでみませんか?

念のため、これまでの相談事例を基に、遠方への引っ越しや部屋探しの経験が少ない方向けに、トラブルを未然に防ぐ三つの注意点をこちらにまとめておきました。

ーーー

あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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