不動産売却時の司法書士の役割は?依頼するメリットや費用について解説

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不動産売却時の司法書士の役割は?依頼するメリットや費用について解説

不動産の売却を検討されている方へ、

こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている不動産鑑定士補兼相続アドバイザーの相楽です。

作業中の相楽

不動産売却時には権利の移動がつきものなので、それに応じた登記が必要になります。

その際、登記簿の書き換えをサポートするのが司法書士です。

しかし、なぜ司法書士に依頼する必要があるのでしょうか?

そこで今回は、不動産売却時の司法書士の役割はどのようなものか、依頼するメリットや費用について解説します。

1.不動産売却時の司法書士の役割は?

並んで歩く男性

司法書士の資格と仕事は、どのようなものでしょうか。

1-1.司法書士とは?

司法書士は、専門的な法律知識に基づき、登記や供託の代理行為を行う国家資格者です。

1-1-1.司法書士試験は狭き門?

司法書士の試験は、毎年の合格率が約3%という難関で、国家試験の中でも最難関に入る狭き門を突破しているのです。

1-1-2.司法書士の主な業務

法務局に登記を申請するための申請書類を作成するほか、裁判所や検察庁に提出する書類を作成する業務も行います。

不動産売却関係では、土地や建物の所有者が変更された際に、所有権移転の登記を行います。

また、抵当権が設定されている場合には、それらの抹消や新しい抵当権設定登記も行います。

登記の義務は売主と買主が分担するべきもののため、司法書士の役割のうち、今回は売主のサポートを行う場合にスポットを当ててご紹介します。

1-2.売却時にはどのようなことを依頼する?

1-2-1.抵当権の抹消登記

売却時に、司法書士が売主のサポートをする代表的な例は、抵当権の抹消登記です。

売却に伴って、完済の形を取った住宅ローンには、債権を担保するための抵当権が付与されています。

ローンの完済によって、この抵当権を抹消することができますが、反対にこの抵当権が残ったままでは売却することができません。

1-2-2.その他の手続き

このほかに、売主の現況が結婚や転居で氏名住所の変更がある場合、一度これらの変更を登記簿に反映させる必要があります。

また、売主が相続した不動産を売却しようとしている場合、一度売主の名義に変更した後に、相続目的の売買を行うという順序が必要となるため、相続の登記も必要になります。

1-3.不動産売却時の登記とは?

1-3-1.所有権の変更や抵当権の設定

この他、売却時における登記の全体像では、買主の義務において、売却対象である不動産の所有権を買主の名義とすることになります。

また、買主が物件の取得のために住宅ローンを借り入れた場合は、その住宅ローンの抵当権設定をすることになります。

1-3-2.いつ行う?

これらの権利関係の移動は、売却の残金決済日に、すべて同時に行うのが原則です。

売主の相続と抵当権抹消、買主の所有権移転、抵当権設定などが同日に設定されます。

司法書士は、これらすべての申請書類の事前準備を行い、決済当日に残金着金やローンの実行を確認しながら、当日中に法務局で登記の申請を完了させます。

この日に必要な書類が揃わなかったり、不備がある場合には決済の諸手続きに影響しますので、不動産会社とよく事前打ち合わせをしたうえで、準備をしましょう。

2.不動産売却時に司法書士に依頼するメリットは?

調べ物をする夫婦

登記は自分で行うことも可能です。それにもかかわらず、司法書士に依頼する理由やメリットとはどのようなものなのでしょうか?

2-1.詐欺やトラブル防止

高額な不動産取引において、売主は権利証や権利移動を委ねる必要があり、買主は高額の支払いが生じます。

双方がそれぞれの立場で詐欺や、話が違ったなどのトラブルに関する不安を抱えているでしょう。

そこに最初に介入するのは不動産会社ですが、司法書士もこの状況を預かって、国家資格を背景に双方が公平かつ安全確実な所有権移転の登記を行います。

また、司法書士は売主と買主双方の本人確認だけでなく、双方から提供された書類が間違いなく本物であるかなどの確認まで行い、詐欺やトラブルを防止する役割も担います。

これらの点が、司法書士に依頼するメリットのひとつ目です。

2-2.時間と労力の節約

もうひとつのメリットは、専門知識が無いことでかかってしまう余計な時間と労力を節約できる点です。

2-2-1.なぜ時間と労力を節約できる?

まず、法務局は毎日24時間業務を行っているわけではないため、勤め先がある方は休みを取って手続きに出向く必要があります。

慣れていないため、まず事前に登記相談を行い、必要な書類や手続きを明らかにしてから登記の手続きに進みます。

さらに、不備が見つかれば訂正のためにまた法務局に行かなくてはなりません。

また、不動産は最寄りの法務局が管轄するため、売主の方の住所地から物件が離れている場合は、その都度遠方の法務局を訪ねることになるのです。

境界確定や相続などの問題も考え合わせると、遠方の物件の変更登記を司法書士へ依頼をせずに進めるというのは大変な作業です。

このような状況を考えると、報酬を支払って司法書士に代理を依頼した方が、安心安全に進めることができます。

2-2-2.ご相談は不動産会社へ

依頼する先によって一律ではありませんが、料金についても大きな差はありませんので、不動産会社に相談してみてください。

3.不動産売却時に司法書士に依頼する際の費用は?

請求書を確認する様子

最後に、不動産売却をする際、司法書士に依頼することでかかる売主の費用負担について解説します。

3-1.抵当権抹消登記

3-1-1.抵当権抹消登記にかかる費用

抵当権抹消手続きは、住宅ローン完済後に金融機関が設定していた抵当権を抹消するものですが、司法書士の報酬は1万円から2万円です。

その他に、法務局に収める登録免許税が、実費として不動産の数×1,000円かかります。

不動産の数に対して1,000円かかるため、一戸建てを売却する際には土地と建物それぞれが対象になり、費用は2,000円となります。

3-1-2.登記の際に必要な書類

抵当権抹消登記の際は、金融機関からの「住宅ローンの返済が完了していますので、抵当権抹消をお願いします。」という主旨の書類が必要です。

ローンの完済時に送付されているものですが、紛失している場合には再発行が必要となります。

金融機関が合併や支店統廃合している場合などは、かなりの手間を要するので要注意です。

3-2.住所変更登記・氏名変更登記

住所変更登記・氏名変更登記は、戸籍謄本上では古くなっている住所や氏名を、一度現時点の内容に変更する手続きです。

不動産登記上の住所・氏名が現在のものと一致しない場合は、登記以前にその不動産の売買契約の締結ができないことになります。

前述したように、家を購入した当時の住所で登記していたり、結婚前の旧姓で登記していた場合は、住所や氏名の変更登記を行う必要があります。

住所や氏名の変更登記の場合、司法書士の報酬は1万円から2万円です。

3-3.相続登記(所有権移転登記)

相続登記は、相続によって自己所有物件になった際の、所有権の移転を行う手続きです。

一度相続を完了させた後、自分の名義にする必要があるために登記を行います。

そのためにかかる司法書士の報酬は、4万円から5万円となっています。

また、法務局に収める登録免許税は、他のケースと計算が異なり、その物件の「固定資産評価額×0.2%」で計算することになっています。

4.今回のまとめ

現地調査する相楽と大和田

今回は、不動産売却時の司法書士の役割はどのようなものか、依頼するメリットや費用について解説しました。

4-1.まずは専門家に相談を!

司法書士は、もちろん依頼者の代理人ではあるのですが、円滑で公平な権利関係の移動に寄与してくれる存在です。

そのため、不動産会社を通してうまくサポートを受けましょう。

スムーズで理想に近い形の売却のためには、専門知識に基づいた検討の上、さまざまな手段の中から方針を決めて進めることをおすすめします。

4-2.離婚に伴うご自宅の売却で悩んでいる方へ

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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