住宅を強制的に売却する競売とは?メリットはあるのか?

1-1.競売とは

競売とは、主に住宅ローンを返済できなくなった時に、債務を回収するため法的手続きのもと、抵当権が設定された住宅を強制的に売却することを言います。

債権者(金融機関)が裁判所に申し立て、認められると競売の手続きに入ります。

の住宅売却価格はオークション形式で決まりますが、大抵の場合、市場売買価格の7割程度で取引されます。

そのため競売にかけられた後も住宅ローン残債が残り、債務者(住宅ローンを組んだ人)は、住まいが失われ、借金が残るという状況になることが多いです。

1-2.競売の手続きに入るのは滞納何ヶ月目か?

債権者(金融機関)との契約内容によりますが、住宅ローンを滞納し始めて3〜6ヶ月後に、「期限の利益喪失通知」が届きます。

これは「住宅ローンを分割で返済する権利を失ったので、全額一括で返済してください」という意味の通知です。

返済ができない、通知を無視する等すると、ここから4〜6ヶ月後には自宅は競売にかけられ、明け渡さなくてはならなくなります。

なお、競売は債権者に認められた権利のため、住宅の所有者の意向に沿う必要はありません。

売却額も売却のタイミングも、家を出て行くタイミングも全て決められてしまい、それに従うしかない状態になってしまいます。

2.競売5つのデメリット

馬場さん

単刀直入に言って、競売にメリットはありません。中でも、特に大きなデメリット5について解説します。

2-1.競売後も残債が残ることがほとんど

競売の場合、市場取引価格の7割前後の価格で売却されるケースが多いため、売却後も住宅ローン残債が残ることがほとんどです。

プラス、競売費用も請求されます。

競売後の残債や競売費用については、債権者から全額一括で返済を求められることが多く、ほとんどの人が支払うことができません。

結果、自己破産に追い込まれることもあります。

さらに自己破産を望んでも連帯保証人を立てていた場合、返済義務が連帯保証人にいくために、自己破産すらできない…

二進も三進も行かない状況になるのです。

分割での返済が認められても、競売後は住む場所を失いながら、返済を続けなくてはならないため、生活を立て直すのに非常に困難が伴います。

2-2.周囲にバレてしまう可能性が高い

競売の情報は、新聞、インターネット等で公開されてしまうため、バレてしまう可能性が高いです。

また競売への入札を考えている人(主に不動産会社)が、物件調査のため近所をうろついたり、聞き取りをしたりといったこともあります。

2-3.債務者に選択権や自由はない

完全に競売まで進んでしまった場合、債務者に選択権や自由はありません。

売却額や売却のタイミングはもちろん、明け渡しも全て裁判所からの命令に沿うしかないのです。

万が一、明け渡しを拒否すれば不法占拠となり、警察の厄介になる可能性もあります。

担当 馬場

▶関連用語:任意売却後順位の抵当権差押

私たち、アリネットは住まいのトラブルを減らすため、2000年以降、引っ越しを経験された方、累計6,700人超の方にアンケートを行い、様々な部屋探しの体験談や失敗談を集計し、分析してきました。

同様に、住まいのトラブルに関する最新の裁判判例を弁護士や司法書士と共に理解し、データ化しています。今後もこのようなデータを生かし、トラブルを予防し、より失敗や損失の少ない部屋探しを私たちは提供していきます。

有名私立大学卒業後、部品商社を経て、2011年より西東京、立川や吉祥寺エリアを中心に建物の工事・改修を行う。2013年より、同代表の相樂と共に不動産の売買、管理・賃貸仲介を始め、現在に至る。

2019年は茨城県の戸建てや板橋区の共同住宅などを仲介。同時に、東京渋谷区の民泊や麻布十番のシェアオフィス向けリノベーションやコンバージョン工事を行う。最近は、台風15号や19号に伴う火災保険の申請サポートやその後の改修工事を積極的に行う。

保有資格:宅地建物取引士、FP二級、防犯設備士、住宅ローンアドバイザー

馬場 紘司
株式会社リビングイン 共同代表

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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