繁忙期の終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。
先日、告知義務に関し、以下のような相談を受けました。
1.告知義務違反に該当するのでしょうか?
8月に引っ越しをしたのですが、その理由が下の住人からの加害行為でした。
具体的な行為としては、壁をガンガンと叩いてくるようなものでした。
管理会社や警察にも相談しましたが解決しなかったため、引っ越しを決めました。
今回の相談内容としては、違約金を支払わなければいけないのかをお伺いしたいと思っています。
管理会社の人に相談した際に、私の前の住人は入居してすぐに下の住人から加害行為をされたため、引っ越しをしたとお話しをしていました。
しかし、契約時にそのようなお話は一切されなかったため告知義務違反なのではないかと考えています。
2.ご相談いただきました件に関しまして、私たちからの回答です。
2-1.告知義務とは?
まずは告知義務に関して下記に説明します。
告知義務とは、対象物件が、事故物件をはじめ、何らかの瑕疵がある物件である場合に、借主・買主に対して貸主・売主が取引に際し、その事実を伝えなければならないとする義務のことです。
2-2.今回のケースは告知義務違反には該当すると言い切れません。
告知義務は2-1の説明の通り、明確な線引きが無く、このような件が告知義務に該当するということが言いきれません。
違約金に関しては契約書に定義されている以上、支払いはしなければなりません。
このような理由で引っ越しされる旨を管理会社や貸主に相談して、情状酌量があれば良いですが、今回の件では管理会社や貸主に落ち度は無いように思われますので、解約金の支払いも致し方ないと思われます。
最終的な敵は下階の方なので、あとは下階の方を相手に今回の引っ越しでかかった費用や短期違約金を損害賠償請求として民事調停にてお話をされるのが残された手かと思います。
法テラスや弁護士の無料相談へご相談されても良いかと思います。
3.今後、このようなトラブルに遭わないために
下の階の住民からの嫌がらせで退去とのことで、短期間の入居期間での引っ越しはとても大変なことだと思います。
しかし残念ながら、入居後に隣人に問題があるとわかっても、基本的には貸主に損害賠償請求はできません。なぜなら、入居前に賃借人は原則、内見をします。その際に時間によっては難しい事もありますが、
騒音について気づくことができると考えられるからです。
そのため、不動産会社に隣人住民に関して聞いてみて、怪しい点がないか確認することが大切です。
入居後の面倒なトラブルを避けるために、内覧時や契約前にしっかりと周辺状況を確認し、問題点をクリアにしましょう。
現在では、オンライン内見などが取り入れられておりますが、実物をしっかり自分の眼で見て納得のいく契約をすることをおススメします。
今後の物件探しや契約をするときの参考にしてみてください。
念のため、これまでの相談事例を基に、遠方への引っ越しや部屋探しの経験が少ない方向けに、トラブルを未然に防ぐ三つの注意点をこちらにまとめておきました。
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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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