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こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットの相樂です。
早速ですが、2020年に前橋市でバイクの修理店で働いている40代の男性から離婚に伴い、ペアローンで買った自宅はどうすればいいかと、相談を受けました。
面談中、
「ローン控除とかあって、ペアローンで買った自宅って、離婚後、売却できますか?」
と聞かれました。
今回、公正証書の作成など、見てもらっている司法書士の先生と一緒にこの疑問について解説していこうと思います。
念のため、私たち、アリネットのグーグル上の口コミはこちらのページにまとめてあります。
1.急激に増えたペアローン離婚
2013年のアベノミクススタート以降、都心のマンション価格の高騰から、ここ2年で一気に利用者が増えたペアローンです。
ところが、離婚と共にこの融資方法を利用したことを後悔する男性からの相談が計30件を超えました。
3組に1組のカップルが離婚する世の中で、ペアローンで組んだ住宅ローンを最後まで返済するのは本当に難しくなっています・・・。
特に、自宅より住宅ローン残高の方が多い、オーバーローン状態だったため、ペアローンをスムーズに解消できず、離婚を巡って、住宅ローンの借り換えや返済で大変な思いをされている方から数多くの相談が寄せられています。
1-1.オーバーローンの場合、自宅の財産分与は必要か?
残念ですが、オーバーローンの場合は、住宅ローンを控除した自宅の価値はマイナス評価になってしまいます。
そのため、もし、売却する場合には、預金などの財産からも差し引く必要が出てきてしまいます。
しかし、こう言った場合は離婚時に揉めることが多く、財産分与が滞る可能性が高くなってしまいます。
1-2.マイナスの場合、他の資産に影響しますか?
面談時に聞かれる内容としては、「自宅がマイナスの場合、自宅は分与の対象にならず、他のプラス資産を分割する流れですか?
それとも、プラスの資産から、自宅のマイナス分を控除する形でしょうか?」です。
まず、自宅の価値から住宅ローンの残りを控除して、マイナスの場合は、当然他の資産に影響します。
なぜなら、財産分与は相続と同じく、総合資産で計算するためです。
したがって、後述しますが、下記の例だと、オーバーローン分の200万円を預金から相殺する形になります。
普通なら、1,000万円-200万円=800万円。
その為、800万円÷2=400万円を奥様に渡すのが妥当です。
しかし、私たちが2016年に八王子で経験した際は、住宅ローンを今後抱えて生活をしていかないといけない点を時間をかけ、奥様に交渉し、300万円で納得して頂きました。
>>念のため、『オーバーローンだと、離婚が出来ない』っていうのは本当か?こちらのページにまとめておきました。
1-3.離婚をする際、財産分与で揉めたケース
2020年春に相談を群馬県前橋で受けた事例でも、共同ローンの返済中に42歳(夫)と36歳(妻)、子供2人の家族が離婚をする際、財産分与で揉めたケースがありました。
このケースでは、自宅と住宅ローンの関係から400万円のオーバーローンだったため、自宅を資産として考慮することが出来ない上、住宅ローンが多額なこともあり、困り果てて私たちにご相談にいらしたそうです。
結果的に、旦那様が親族から連帯保証人を別に立てることで、単独名義の住宅ローンを組み直し、夫婦共同の貯金1,000万円からオーバーローン分の400万円を差し引いた、300万円を財産分与として渡すことで、解決することが出来ました。
奥様が共同ローンの返済の心配が無くなった一方で、旦那様も本来500万円しか残らない所を700万円残すことが出来、住み慣れた家に残ることができた形です。
なお、現在、旦那様は別の方と再婚され、住み慣れた家で暮らし、幸せな毎日を過ごす事が出来ています。
1-4.住宅ローン問題は複雑で解決することが出来ない方は珍しくありません。
ここまでの案件は、このように無事解決することが出来ました。
ただ、離婚で住まいのトラブルに発展した際、対処法が分からず、住宅ローン問題を解決することが出来ない方は珍しくありません。
そのため、この記事では、これから離婚を考えている旦那様向けに、『ペアローンの返済中に離婚に至った際の対処方法』や『離婚時の財産分与をどのように行えば、有利に進められるか?』について、司法書士と共に詳しく解説していきます。
ペアローンを組み、ご自宅を購入された方、ぜひ最後まで読み、財産分与の参考にしてみてください。
ここで大きく損をすると、以前の暮らしを取り戻すのが本当に難しくなってしまいます。
2.自宅の財産分与を行うなら、先ず、住宅ローンの状況を確認を
婚姻関係を解消する際、財産分与を行う場合、まず『現在、あなたが借り入れを行っている住宅ローンの状況を確認』することが重要になります。
現在の住宅ローンの契約形態を把握しておくことで、自宅を売却し現金化できるかなど、問題なくローン問題を解決し、財産分与を行えるのかを見極めるためです。
また、一口に住宅ローンと言っても、様々な契約形態(債務形態)があるため、事前にそれぞれの違いを把握しておく必要もあります。
事前にそれぞれの違いや特徴を把握しておくことで、より具体的にあなたが組んでいる住宅ローンの状況を知り、適切な対処を講じることが可能なので、違いを把握しておくようにしてください。
なお、主に利用されている住宅ローンの契約形態は、以下の3点です。
・ペアローン
・連帯債務
・連帯保証
ここから、それぞれの特徴や連帯債務と連帯保証の違いについて、解説していきます。
2-1.ペアローンとは?
ペアローンとは、『1つの物件に対して、夫婦それぞれが名義人(契約者)として住宅ローンを契約し、お互いの連帯保証人になるローンの借入方法』のことです。
ペアローンを利用している場合、夫婦それぞれが住宅ローンの契約者として自宅の購入資金などを借り入れているため、ローンを完済するまで借入額を返済し続ける必要があります。
つまり、離婚が成立してもお互いに支払い義務が生じるため、婚姻関係を解消したからと言って、双方の返済義務がなくなる訳ではありません。
そのため、冒頭で紹介した事案と同様、婚姻関係を解消する前に、借り換えや名義変更など適切な対処を講じる必要があることを覚えておいてください。
2-2.連帯債務とは?
住宅ローンにおける連帯債務とは、『片一方が主債務者(金融機関から住宅ローンの借り入れを行なった本人のこと)として住宅ローンを契約し、もう一方が連帯債務者(主債務者と同等の債務を負う人のこと)となる借り入れ方法』のことです。
例えば、夫が主債務者として住宅ローンを組んだ際に、妻が連帯債務者となることで、夫婦それぞれの収入を合算した金額を審査してもらうことができるため、希望した金額のローンを借り入れることが出来ます。
ただし、連帯債務の契約形態を利用していた場合、ペアローンと同様、夫婦それぞれに債務義務が生じるため注意が必要です。
相談を受けていると、連帯債務の契約形態を利用している方の中には、主債務者にしか返済義務が生じないと考えている方がいます。
しかし、実際は離婚後もお互いにローンの支払い義務を負わなければなりません。
このため、連帯債務の契約形態を利用して住宅ローンを組んでいる状態で、離婚をする場合には婚姻関係を解消する前に金融機関に相談し、根本的な対処を講じることが重要です。
2-3.連帯保証とは?
連帯保証とは、借金と同様、『主債務者(契約者)が住宅ローンの返済不能になった際に、代わりに返済義務を負う立場の人』のことを指します。
例えば、夫が主債務者、妻が連帯保証人として住宅ローンを契約した際に、契約者が返済不能になった場合、妻側が代わりにローンの返済義務を負う必要があります。
もちろん、離婚が成立したからと言って、妻(夫)の連帯保証人の立場が解除される訳ではありません。
離婚はあくまでも夫婦間の個人的な問題であって、債権者(金融機関などの住宅ローンの借入先)は関係がないためです。
このため、仮に婚姻関係解消時に夫婦どちらかの連帯保証人の立場を解消したいのであれば、『金融機関などの債権者に事情や意思を伝えたうえで、保証人を親や兄弟に変えるなど、代替案を提案』してみてください。
と言うのも、金融機関側、特に担当者にとって、連帯保証人を解除することは、債権を回収できなくなる危険性が高くなり、リスクが大きいため、代替策を提示しなければ受け入れてもらうことは出来ないと、基本的には考えておく必要があるからです。
2-4.連帯債務と連帯保証の違いは?
連帯債務と連帯保証は、どちらも似たような契約形態になっているため、混同している方が数多くいます。
たしかに、大まかな内容は似ていますが、実際は『住宅ローン控除が適応される人が異なる』など、細かい部分に違いがあります。
例えば、『連帯債務』は、夫婦どちらも住宅ローンの名義人(債務者)として契約をするため、双方が条件を満たしていれば、別々に『住宅ローン控除』を行うことが可能です。
さらに、『連帯債務』の契約形態で住宅ローンを組んだ場合、借入先の金融機関によっては、夫婦それぞれが団体信用保険に加入できるケースもあります。
一方で、『連帯保証』は、例えば夫が契約者の住宅ローンに対して、妻は連帯保証人という立場であり債務者ではないため、名義人になる夫側しか住宅ローンを控除するが出来ません。
このように、『連帯債務』と『連帯保証』は、一見同じような借入方法だと思われることが多いですが、それぞれの契約上の立場が異なることで、利用できる制度が異なることを覚えておく必要があります。
2-5.どうすれば、自宅を賢く売却することができるの?
これまでうまく行ったケースでは、離婚し、自宅を売却して財産分与を行う場合、『自宅の売却想定価格と住宅ローンの残債を比較する』ことが必要です。
現在、あなたの住宅ローンの残債が、アンダーローンなのか、もしくはオーバーローンなのかを把握することで、それぞれの状況に応じた対処方法を講じることが出来るため、問題なく自宅の売却ができるのかを見極めることが出来ます。
特に、自宅の売却だけでなく、その後住み続けたい場合などは売却想定での査定をテクニカルに行う必要があります。
この辺りは実績のあるデキる担当者にキチンと相談し、進めるようにしてください。
というのも、初動を間違えると、そのままズルズルと進み、大きなロスにつながってしまうからです。
>>住宅ローンの連帯債務に関する詳細はこちらのページにまとめておきました。
3.自宅の売却想定価格と住宅ローンの残債を比較して、オーバーローン・アンダーローン時それぞれの財産分与の方法
前述した通り、離婚時に財産分与する際、自宅の売却想定価格と住宅ローンの残債を比較して、『現在のあなたの自宅・住宅ローンの残債状況が、アンダーローンなのか、オーバーローンなのかを明確にする』必要があります。
事前に正確な情報を把握しておかなければならない理由は、以下の通りです。
・現在のあなたの状況によっては、通常の売却方法では自宅を処分できず、円滑に財産分与を行えない可能性がある。
・現在の住宅ローンの残債を把握しておくことで、「売却価格で完済することができるのか」を見極めることが出来る。
・状況によって、財産分与の方法が異なる。
したがって、『現在のあなたの自宅・住宅ローンの残債状況が、アンダーローンなのか、オーバーローンなのかを明確にする』ことは非常に重要です。
しかし、オーバーローンか、アンダーローンかを知っただけでは、それぞれの適切な財産分与の方法は分かりません。
そのため、ここではそれぞれの財産分与の方法について解説していきます。
3-1.自宅のアンダーローン状態とは?
アンダーローンとは、『不動産の売却想定価格よりも住宅ローンの残債が少ない状況』のことです。
つまり、自宅(不動産)を売却すれば、住宅ローンを完済できる状態であるため、残った売却金を財産分与として分けることが出来ます。
ただし、不動産の売却想定価格は変動するため、必ずしも売却金を財産分与として分けられるとは限りません。
場合によっては、住宅ローンの残債に全てあてなければならず、財産分与できる分が残らない可能性もあります。
3-2.自宅のオーバーローン状態とは?
オーバーローンとは、『不動産の売却想定価格よりも住宅ローンの残債が多い状況』のことを指します。
自宅の売却想定価格(不動産評価額)が住宅ローンの残債よりも低い状態であるため、仮に売却を行っても、残債が残ってしまい離婚後もお互いに返済義務を負わなければならない状況です。
さらに、不動産の売却想定価格より住宅ローンの残債が多い場合、そもそも通常の売却を行うこと自体が出来ません。
金融機関が抵当権(契約者が返済不能になった場合に、債権者が自宅を担保に出来る権利のこと)を外すことに、基本的には応じてくれないためです。
そのため、現在ご自宅と残っているローンの関係がオーバーローンになっている場合、通常の売却方法とは違う対処法を講じる必要があります。
3-3.それぞれのケース別の財産分与の方法
離婚時に自宅を売却して財産分与を行う場合、現在のあなたが契約している住宅ローンが『アンダーローンなのか?』、『オーバーローンなのか?』によって、適切な対処方法が異なります。
それぞれのケース別に財産分与を行う方法について、解説していきますので、参考にしてください。
3-3-1.住宅ローンがアンダーローンの場合の財産分与
現在住宅ローンがアンダーローンの場合に財産分与を行う際は、問題なく通常の売却方法を行うことができるため、『売却価格から住宅ローンの残債を差し引いた分を双方で二等分に分けて財産分与を行う』ことが可能です。
そのため、まずは不動産会社などに依頼し、自宅の査定・売却を進めることから始めてください。
ただし、不動産業者の中には、自社の利益を多く得ようと考える悪質な会社が存在するため、しっかりと信用できる業者なのか、見極めることが重要です。
そうすることで、あなたが損をするなどのリスクを減らすことが出来ます。
ポイントは、実績があり、信用できる担当者を見つける事です。
あなたの話を聞いてくれる担当者も大切ですが、それよりも実績があり、この手の話を分かっている担当者が非常に大切です。
3-3-2.住宅ローンがオーバーローンの場合の財産分与
住宅ローンがオーバーローンの場合に財産分与を行う際は、そもそも自宅を売却することが出来ないため、売却価格から双方の取り分を分けるなどの方法を行うことが出来ません。
このため、離婚成立後も、双方またはどちらかが返済を継続する必要があります。
とはいえ、万が一成立後にどちらか一方が返済不能になった場合、片一方にも悪影響を及ぼす危険性が高いため、そのままの契約形態を継続するのは非常に危険です。
仮に、どちらか一方が返済不能になった場合、片一方の財産や給与などが差し押さえられてしまうなどの、最悪の事態に陥る危険性があるためです。
したがって、離婚をする際に住宅ローンがオーバーローンの場合は、『夫婦どちらかが単独で住宅ローンを組めるように乗り換え』の検討がおすすめです。
債務者を単独にすることで、離婚後に相手方に迷惑をかけてしまうなどの心配をする必要がなくなり、お互いに気持ち良く新しい生活を始めることが出来ます。
>>ペアローンを組んで買った自宅を任意売却した事例はこちらです。
4.離婚時に住宅ローンを単独債務者に乗り換えを行うメリットやデメリット
離婚時に住宅ローンを単独債務者に乗り換えを行うことは、お互いにとってメリットが大きい反面、デメリットも存在します。
そのため、実際に住宅ローンの乗り換えを行う際は、事前にどのようなメリット・デメリットが生じるのか把握したうえで、手続きを行うことが重要です。
そうすることで、後々「思っていたのと違う・・・」などと後悔したり、裁判に発展するなどのリスクを減らすことが出来ます。
そのため、ここから『離婚時に住宅ローンを単独債務者に乗り換えを行うメリットやデメリット』について、『実際に離婚時に住宅ローン問題で揉めた判例』を交えて解説していきます。
4-1.離婚時に単独名義の住宅ローンに乗り換えるメリット
離婚時に単独名義の住宅ローンに乗り換えを行うメリットは、『夫(妻)どちらか一方の債務や連帯保証人を解除できる』点です。
例えば、冒頭で挙げた2020年に行った離婚相談の事例でいくと、夫婦でペアローンを組んでいた住宅ローンを、夫の単独名義に乗り換えを行なったことで、妻の債務や返済義務を無くすことが出来ました。
このため、妻側は「夫が返済を滞ったらどうしよう?」などの不安を抱く必要が無くなったのです。
一方で、夫側も住宅ローンは残るものの、住み慣れた家に住み続けることが出来るうえに、オーバーローン分を預金の財産分与から差し引くことができ、本来なら500万円支払うところを、300万円で合意することが出来ました。
このように、オーバーローンである場合に、単独名義の住宅ローンに乗り換えることは、双方にとってメリットがあるケースが多いです。
4-1-1.実際に、離婚後に自宅の明け渡しを命じられた判例
実際に、離婚時に住宅ローン問題を根本的に解決できず、元夫婦間で裁判に発展した事例をご紹介します。
この裁判は、元妻が協議離婚の際に、元夫と共有していた不動産を同意のうえで、元夫の持分を自身に譲渡させ、10年間無償で該当する物件・敷地の貸与していました。
しかし、使用賃借期間が満了しても、元夫が建物の明け渡しを行わなかったため、不動産の明け渡しと賃料相当損害額を請求した判例です。
結果的に、『同意に基づく該当不動産の使用貸借の終了』が認められ、元夫に対して、建物の明け渡しと賃料相当損害額として、明け渡し済みまでの期間分1ヶ月40万円を支払うように判決が下されました(東京地方裁判所判決/平成28年(ワ)第31210号)
上記の判例のように、離婚成立後も住宅ローン問題を残したままでいると、どちらか一方に不利な事態に追い込まれてしまう危険性があります。
そのため、このようなトラブルに発展させないためにも、離婚を成立させる前に、根本的に住宅ローン問題を解決するようにしてください。
この辺りも分かっている担当者と、そうでない担当者に頼むかで大きく変わってきます。
離婚問題を理解している担当者に相談し、時間を含め、損失の拡大を絶対に防いでください。
4-2.離婚時、単独名義の住宅ローンに乗り換えるデメリット
次に、離婚時に単独名義の住宅ローンに乗り換えを行うデメリットは、『条件の良い金融機関の乗り換えができるとは限らない』点が挙げられます。
ペアローンから単独名義の住宅ローンに乗り換えを行う場合、1人分の収入で借り入れできる金融機関を見つける必要があり、希望に沿う条件で乗り換えを行えない場合があるためです。
とはいえ、住宅ローン問題を解決せずに離婚を成立した後に起こり得るトラブルを考慮すると、双方に生じるリスクが大きいため、仮に希望条件に合わなくても乗り換えた方が賢明です。
5.離婚時に住宅ローンの乗り換えをして、財産分与を行う際の注意点
離婚時に住宅ローンの乗り換えをして、財産分与を行う際は、以下の3点に注意する必要があります。
・単独で契約する方の収入によっては、乗り換えを行えない可能性がある
・譲渡所得税が課せられる可能性がある
・住宅ローンの連帯保証人を解除するのは困難なのが実情
それぞれについて、詳しく解説していきます。
5-1.単独で契約する方の収入によっては、乗り換えを行えない可能性がある
単独で住宅ローンを契約する場合、その方の収入や信用情報の記録などによっては、乗り換えを行えない可能性があります。
例えば、希望借入額に対して、単独契約をする方の収入が見合ってない場合は、乗り換えることが出来ません。
そういった場合は、『住宅ローン問題に精通している不動産屋』などに相談することを検討してみてください。
こういった会社であれば、審査に通らなかった場合の対処方法などを詳細に把握しているため、適切な助言を行ってくれるはずです。
5-2.譲渡所得税が課せられる可能性がある
通常、自宅を売却し、譲渡益が出た場合、『3,000万円の特別控除』を利用することが出来ます。
しかし、夫婦間で自宅の売買を行った場合は適応外になっているため、譲渡所得税を納めなくてはなりません。
ただし、婚姻関係解消後に元夫(妻)に対して持分の譲渡を行う場合は、この制度を利用することが可能です。
このため、『3,000万円の特別控除』の利用を希望している方は、離婚成立後に譲渡を行った方が良い場合もあります。
この辺りの詳しい解説は、無料のLINE相談で受けています。
LINEから無料相談のご連絡いただけると、整理が早くでき、助かります。
5-2-1.離婚後、すぐに3,000万円特別控除を利用することが出来ますか?
もちろん可能です。
離婚は受理された日を境に判断します。
5-2-2.離婚により、夫婦間で売買を行った場合も譲渡所得税は必要でしょうか?
夫婦間の売買(財産分与分以外の権利でしょうか?)も当然、譲渡所得税の対象です。
5-2-3.贈与税などは不要と考えて、よろしいでしょうか?
贈与税は売買でなければ必要です。比較的贈与税は高額なので、避けることがおすすめです。
ただし、婚姻期間が20年を満たすなどの条件を満たせば、贈与の方がお得な場合もあります。
この辺りの詳しい解説は、無料のLINE相談で受けています。
LINEから無料相談のご連絡いただけると、整理が早くでき、助かります。
念のため、私たち、アリネットのグーグル上の口コミはこちらのページにまとめてあります。
5-3.住宅ローンの連帯保証人を解除するのは困難なのが実情
債務者に住宅ローンの連帯保証人を解除してもらうことは、非常に困難なのが実情です。
金融機関側は夫婦それぞれの経済力などを考慮して融資を行なっています。
そのため、仮に解除してしまうと、住宅ローンの残債を回収できないリスクを抱えなければならなくなってしまうためです。
当たり前ですが、基本的にどの金融機関も連帯保証人を外すことに対して、消極的な考えを持っています。
したがって、住宅ローンの連帯保証人を解除してもらうためには、親族を連帯保証人とするなど、金融機関側が納得できるように適切な交渉を行うことが重要です。
6.離婚時に住宅ローンの乗り換えをして、財産分与を行う際のまとめ
今回は、離婚時に住宅ローンの乗り換えをして財産分与を行う際のメリットやデメリットについて、判例を交えて詳しく解説してきました。
以下、この記事のまとめです。
- 自宅の財産分与を行う際は、現在の住宅ローンの状況を把握する必要がある
- 自宅の不動産評価額や住宅ローンの残債を明確にすることで、売却できるのかを知ることが可能
- アンダーローンの場合、問題なく自宅を売却して現金化することが可能
- オーバーローンの場合、夫婦のどちらか一方が返済を継続する必要がある
- 離婚時に住宅ローン問題を解決するなら、乗り換えを検討するのがおすすめ
- 離婚時に住宅ローンの乗り換えをして、財産分与を行う際は事前に3つの注意点を把握しておく必要がある
離婚時に自宅の財産分与を行う際は、現在の住宅ローンや自宅の売却想定価格を把握したうえで、それぞれの状況に応じて適切な対処を講じることが重要です。
そうすることで、仮に売却価格から財産分与分の取り分を確保できなくても、根本的に住宅ローン問題を解決することができるため、お互いに不安を抱えずに新しい生活をスタートすることが出来ます。
そのため、今回は、これまで実際に私たちが解決に導いてきた事例を基に、財産分与を行う際の対処方法について、それぞれのケース別に注意点などを交えて詳しく解説してきました。
この記事で解説した方法を講じることで、根本的に住宅ローン問題を解決することができると思います。
なお、仮にペアローンや連帯保証人の解消や金融機関への交渉など、どのように進めていけば良いのか分からない方は、私たち、アリネットまでご相談下さい。
奥様との交渉に必要な書面のひな型等、ご希望に応じ、作成し、お渡しいたします。
2012年以降、30件以上、婚姻解消による住宅ローン問題を解決に導いてきた経験や知識があるため、あなたの力になることが出来ます。
価格の査定だけでなく、離婚の協議の条件設定など自宅の売却も併せ、まとめて対策を検討したい方、ぜひアリネットまでご相談ください。
>>念のため、離婚で悩む方向け、離婚時の不動産対応のチェックリストはこちらのページにまとめておきました。
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