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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す白金の不動産屋(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している不動産鑑定士補兼住宅診断士の相樂です。
この記事では、空き家になり、放置されていた栃木県小山市の戸建ての売却事例を基に、売却成功のため、事前に考慮してほしいポイントを具体的に説明しています。
特に、相続した不動産を売却する場合、税金の特例は絶対に意識して下さい。売却後、すごい税金が掛かって来てしまう事もあるため。
同じように、相続で引き継いだ戸建てを売却した事例はこちらです。
1.はじめに
相続で母親から引き継いだ実家が空き家のままになっている・・・。
どうやって売却すれば良いのか分からない。。
古い建物で荷物も残っているし、近所の目も気になる。
できるだけ高く売って生活費に充てたいけど、果たしてそんなことができるのだろうか?
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回紹介するのは、栃木県小山市にある築40年の戸建てを相続した方が、どのようにしてこの不動産を高値で売却したのか、その具体的な事例です。
2.物件と相談者の概要
2-1.物件詳細
売却年:2024年
売却価格:900万円
取得年:2022年
築 年:40年
竣工年:1984年
地 域:栃木県小山市
最寄駅:小山駅
建 物:戸建て
階 建:2階建て
間取り:5LLDDKK
広 さ:180㎡
2-2.相談者の背景
相談者は50代の会社員男性です。
母親から相続した実家が空き家のまま放置されており、このままではトラブルが発生するのではないかと不安を感じていました。
家は古く、残された荷物も多い状態。
地元の不動産業者には更地にして売却を勧められました。ただ、追加でお金をかけたくないとのことで、私たちに相談されました。
2-3.売却の目的
相談者は、相続した実家を売却し、その代金を生活費として活用したいと考えていました。
また、古い建物で売却後の責任を追いたくない、虫や雑草の手入れなどの負担から解放されたいという思いもありました。
さらに、売却を近所に知られることなく、できるだけ高値での売却を希望していました。
3.売却の過程と結果
3-1.相談と戦略
相談者は、私たちのホームページを通じて、相続した戸建ての売却事例を見つけ、私たちの実績を信頼して相談に来られました。
本物件は最寄り駅からは少し距離があるものの、新興住宅地として整備されており、周辺には新しい戸建ても多く立ち並んでいました。
私たちは、売却活動の初期段階から、直接購入希望者リストへの紹介だけでなく、業者の競争入札による買い取りも並行して行う戦略を採用しました。
これにより、高値での売却を目指しました。
3-2.売却期間
結果的に、売却活動開始から引き渡しまで、約7カ月がかかりました。。
時間は掛かってしまいましたが、通常の売却活動に加え、業者間での入札を行ったことで、最終的には更地開発を目指す業者が最も高い価格を提示し、契約に至りました。
3-3.成功要因
3-3-1.購入希望者リストと競争入札:
購入希望者リストに基づく直接紹介に加え、業者間の競争入札を併用したことが、今回の高値売却の要因となったと思います。
3-3-2.売り急がない姿勢:
相談者は資金的に困っていないため、買主に対して売り急いでいないことを明確に伝え、足元を見られることなく、交渉を進めることができました。
3-3-3.感情的な価値の強調:
実家である売り物件に対する相談者の思い入れを購入者に伝えることで、ただの不動産以上の価値を感じてもらい、購入者の心を動かし他と思っています。
4.相続した戸建てを売却する際に使える税金の特例
4-1.相続税の取得費加算の特例
4-1-1.概要:
この特例は、相続によって得た不動産を売却する際に、相続税を支払っている場合、その相続税額を売却時の取得費(購入価格)に加算できるというものです。
4-1-2.適用条件:
-相続または遺贈によって取得した不動産であること。
-相続税の申告期限までに、その不動産が売却されること。
-相続税の申告が必要であること。
4-1-3.効果:
売却時の譲渡所得は、「売却価格」から「取得費(購入価格)」および「譲渡費用」を引いた額で計算されます。
この特例を適用することで、相続税額を取得費に加算でき、譲渡所得を減らすことができるため、譲渡所得税が軽減されます。
4-1-4.注意すべきポイント:
-相続税の申告が必要であること:
相続税を支払っていない場合、この特例は適用されません。
-相続税の申告期限までに売却すること:
相続税の申告期限(相続開始から10か月以内)までに売却を完了する必要があります。
4-1-5.対策:
-相続税の申告を確実に行う:
相続税の計算や申告を適切に行うため、相続税の専門家(税理士など)に依頼することを検討してください。
-売却スケジュールを事前に計画する:
相続税の申告期限を意識し、売却活動を早めに開始することが重要です。売却までのスケジュールを不動産業者と共に緻密に計画して下さい。
4-2.3,000万円特別控除
4-2-1.概要:
不動産を売却した場合、その譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。
4-2-2.適用条件:
-売却する不動産が「居住用財産」であること(相続で取得した実家が該当)。
-その不動産に売主が以前に住んでいたことがある(相続の場合は、相続人が住んでいなくても適用されるケースもある)。
-売却相手が親族や特定の関係者でないこと。
4-2-3.効果:
譲渡所得から最大3,000万円を控除することができるため、譲渡所得税が大幅に軽減されます。
4-2-4.注意すべきポイント:
-売却する不動産が居住用であること:
居住用財産として扱われるためには、被相続人がその家に居住していたことが求められます。
-売却相手が親族や特定の関係者でないこと:
親族への売却ではこの特例が適用されません。
4-2-5.対策:
-不動産の居住用財産としての要件確認:
売却する不動産が被相続人の居住用財産であったかを確認し、要件を満たしているかを税理士に相談して下さい。
-売却先の選定:
親族や特定関係者以外の第三者に売却することが必要です。不動産業者を通じて、一般市場での売却を進めて下さい。
4-3.長期譲渡所得の特例
4-3-1.概要:
不動産の所有期間が5年以上の場合、長期譲渡所得として税率が軽減される特例です。
4-3-2.適用条件:
-売却する不動産の所有期間が5年以上であること(相続による取得の場合、被相続人の所有期間も通算される)。
-譲渡所得税の申告が必要であること。
4-3-3.効果:
通常5年未満の短期譲渡所得では、譲渡所得税率が約39%(所得税30%+住民税9%)です。
一方、5年超の長期譲渡所得では税率が約20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税)が適用されます。これにより、税負担が大幅に軽減されます。
4-3-4.注意すべきポイント:
-所有期間が5年以上であること:
相続による取得でも、被相続人の所有期間と通算して5年以上であることが必要です。
-売却前に所有期間を確認すること:
早急に売却を進める前に、所有期間の確認を行うことが重要です。
4-3-5.対策:
-所有期間の確認:
相続した不動産の所有期間を確認し、被相続人の所有期間と合わせて5年以上経過しているかを確認します。
-売却タイミングの調整:
所有期間が5年未満の場合は、長期譲渡所得の特例を適用するため、売却時期を遅らせることも検討する価値があります。
4-4.小規模宅地等の特例
4-4-1.概要:
相続税の計算において、居住用または事業用の宅地等の評価額を最大80%減額できる特例です。
4-4-2.適用条件:
-相続開始前に、被相続人がその宅地を居住用または事業用に使用していたこと。
-相続人が相続税の申告期限までに、その宅地を引き継ぎ、居住または事業を継続していること。
4-4-3.効果:
宅地等の評価額が大幅に減額されるため、相続税が軽減されます。
ただし、この特例は相続税の計算時に適用されるものであり、売却時に適用されるものではありません。
4-4-4.注意すべきポイント:
-相続税の申告期限までに引き継ぎ、居住または事業を継続していること:
相続税の計算時に適用される特例のため、相続税の申告期限までに適用条件を満たす必要があります。
4-4-5.対策:
-居住または事業の継続:
相続した宅地を売却する前に、相続税申告期限までに居住や事業を継続するかを検討します。
条件を満たしてから売却を進めることで、特例の適用を確保します。
5.今回の売却における挑戦と対応
5-1.他社からの提案と売却の難航
今回の物件は、建物が古く、他社からはリノベーションを行うよりも更地にして新築をした方が良いと提案されていました。
しかし、半年以上売却が進まず、私たちに相談がありました。
5-2.私たちの対応の柔軟さ
大手不動産会社では、厳格なプロセスや規則に縛られ、個別の事情に対応する柔軟さが欠けることが多いです。
私たちは、小規模な不動産会社ならではの「柔軟な対応力」と「きめ細やかなサービス」を駆使し、相談者様のニーズに応えるべく動きました。
5-3.相談者様の不安への対応
相談者様は不動産売却の経験がなく、初めての売却に対する不安を抱えていました。
特に、ダマされないかという不安が大きかったため、私たちは初めての方でも安心して進められるよう、電話やメール、LINEを活用して丁寧に連絡・報告を行いました。
5-4.迅速な対応と結果
相談者様のご事情に合わせ、通常のプロセスを短縮し、迅速に売却を進めました。
結果として、引き渡しまでには7カ月かかりましたが、最終的に、業者間の入札を行い、最も高い価格で購入者を見つけることができました。
5-5.学びと成功の要因
この経験を通じて、古い建物でも戦略次第で高値売却が可能であることを再確認しました。
私たちが信じ、提案した戦略で相談者様の希望を満たすことができ、本当に良かったです。
6.他社との比較と当社の強み
6-1.これまでの実績と成功の要因
他社は更地にするよう提案していましたが、私たちはこれまでに同様の相続物件の売却経験があり、購入希望者のリストを持っていました。
また、業者間の競争入札を過去に成功させた経験もありました。
これにより、通常の売却よりも高値で売却できたと考えています。
6-2.柔軟な価格設定とサービス
私たちは仲介手数料の柔軟な設定も可能であり、無料相談をご利用いただいた場合には、通常よりも低い仲介手数料を半額にするなどのサービスも提供しています。
このような「柔軟な価格設定」と「個別ニーズへの対応力」が評価され、今回のご相談につながったと考えています。
6-3.特殊な物件への対応力
地方で小さく、古く、一般的に扱いづらいとされるような特殊な物件でも、私たちは積極的に取り扱い、お客様のご要望に応じた最適な提案を行うことができます。
6-4.一貫したサポート体制
担当者の異動が少なく、売却の全プロセスを通じて一貫したサポートを提供できる点も、信頼の一因となっています。
このように、大手不動産会社にはない「柔軟な対応力」や「きめ細やかなサービス」、「信頼関係を築くための直接的なコミュニケーション」が、相談者様が私たちを選んだ理由だと思います。
6-5.今後の展望
これらの強みを活かして、今後もお客様に満足いただけるサービスを提供していきます!
7.無料相談のご案内と締めのメッセージ
今回、更地として、売却を促した他社と異なり、私たちはお金を掛けず、現況のまま、個人投資家又は業者の買取を提案しました。
と言うのも、建物自体が古く、自身が住む実需の購入者を見つけるのは建物の状況から難しいと判断したからです。
また、首都圏と異なり、地方では購入者の競争状態を作り出す事が難しく、業者同士の競争入札の方が価格が出ると判断したからです。
結果的に、いらずらに売れないまま市場に放置するより、高い価格での売却が実現できたのではと思っています。
7-1.無料相談について
この記事を読んで、マンション売却についてもっと詳しく知りたいと感じた方は、ぜひ無料相談をご利用ください。
無料相談は可能であれば、対面やオンラインで2時間くらいじっくり行い、しっかりと状況を理解したいと考えています。
さらに、無料相談後に売却依頼をいただいた場合、仲介手数料を1.5%と半額にしています。
と言うのも、相談を通じて相談者さまの状況をきちんと理解し、最適な戦略・ストーリーを立てやすくなります。
結果的に、高いで値段で売ることが出来たり、トラブルなく、ご満足いただける事が多いため、手数料を半額に割引しています。
7-2.無料相談の推移と成功事例
2012年から続けてきた無料相談では、これまでに1,200件を超えるケースを受け、その中から250件以上の不動産取引を成功させています。
この成功が可能だった主な理由は以下の二つだと思っています。
7-2-1.経験と事例の活用
長年にわたる豊富な経験を基に、個々の状況に応じた最適な対応を提供。
このアプローチは多くのお客様に信頼されています。
7-2-2.戦略的なアプローチの確立
無料相談を通じて、お客様一人ひとりのニーズを深く理解し、適切な戦略を立てることができました。
相続したマンションの売却は重要な決断だと思います。
7-3.創業10年を超え、取引件数も250件を突破
2011年以降、250件以上の不動産取引を担当し、どの不動産を購入・売却すべきか、そして、その注意点への理解を深めています。
7-3-1.住み替え相談が増えています
現在、地方のみならず、東京においても相続や高齢化に伴う住み替え相談が増加しています。
今後も、これまでの経験・強みを活かし、丁寧に対応し続けていきます。
7-3-2.住宅ローンの滞納相談
さらに、住宅ローンの返済に不安を感じる50代、60代の方々に対して、LINE公式アカウントや電話での無料相談を通じ、実務担当が直接対応しています。
成功事例の詳細は解決事例まとめに、私たちのGoogleの口コミもまとめてあります。
注)これらの事例はトラブル解決の参考として掲載しております。ただし、個人情報保護のために価格や場所の詳細は変更しています。詳細はメールや面談でご説明いたします。
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