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1.質問:隣人トラブルに合わないためにどのようにすればいいのでしょうか?
今住んでいるマンションの隣人と騒音トラブルになってしまい、なるべく早めに引っ越そうと考えています。すごく怖い&嫌な思いをしているので、同じようなことは繰り返したくありません。
2.回答:内見時に確認するポイントを押さえ、トラブルの可能性を減らすのが良いと思います。
内見時にどんな住人かが分かる場所をなるべく多く確認して下さい。例えば、以下のようなポイントです。
・共用部分(例えば、ポスト、廊下、自転車置き場、もしあれば、ゴミ置き場)
・同じく、共用部分ですが両隣のベランダがゴミ置き場かしていないか
をよく確認して、お部屋を決めてください。一刻も早く引越したいお気持ち、お察しします。“隣人トラブル”というくらいですから、物件そのものではなく、隣に住む人に生活が左右されるということが辛いところです。
隣人トラブルを避ける方法としては、自分と同じような人が住んでいるマンションを選ぶことや、三井、三菱など大手デベロッパーが運営している入居審査が厳しいマンションに住むというのが一つの手だと思います。例えば、私たちの管理物件ですと、経済状態の他に家賃保証会社を経由して、就業状況や身元確認などもしっかりさせていただいております。
例えば、以前、ペット不可のマンションなのにペットを持ち込んだ入居者の方がいらっしゃり、騒音や臭いで近隣トラブルになったことがあります。この時は入居者の方が一方的に悪いため、緊急連絡先であったご両親に連絡し、現地で契約書及び状況確認の面談をしました。
結果的に、ご両親がその状況を理解して下さり、そのテナント様はペット共に退去されました。ペット礼金や敷金の積み増しをしていなかったので、追加で請求させて頂き、ご本人はすぐに払えないとのことだったので、同じくご両親に掛け合い、その場で支払って頂きました。
>>色々な人が住むマンションは隣人トラブルになりやすく、騒音だけでなく、ゴミやタバコ、そして、駐車場での事件などもあります。トラブルに遭って、大きな揉め事にしないための対処方法などはこちらのページにまとめておきました。
3.実際にはどんなトラブルが考えられるのか?
3-1.よくある隣人トラブルの例
3-1-1.騒音
これが一番多い事例です。単に騒音と言っても多岐に渡ります。ドアの開閉、テレビや音楽、洗濯機や掃除機の音、足音、子どもの泣き声などです。中には、就寝時に不注意で頭をぶつけただけなのに、隣人は壁を叩かれたと勘違いをしてインターホンを鳴らしてドアノブをガチャガチャとしてきたり、ベランダの仕切り板をバンバンと叩いてきて怒鳴ってきたりするケースまで発展した方もいらっしゃいます。
あと意外と見落としがちなのは、「ペット飼育可能」の物件に入居する場合です。ペット可能な物件は一般のアパートに比べて希少性が高いため、過半数の入居者がペットを飼育しています。しつけができておらず、夜中に吠えたり犬が走ったりすると足の爪の音が結構響きやすいので注意してください。
3-1-2.ゴミ
ゴミ出しのルールを守らない人がいるとトラブルに発展しやすいので気を付けてください。ゴミ出しで問題になるのは、ルールを守っていないがために、ゴミが収集されずに残り、そのゴミを猫やカラスが漁って散乱してしまうことです。
自分は守っているのに、あの人だけ勝手に出すのは許せないと思って直接注意をされる方がいらっしゃいますが、絶対にトラブルに発展しますので管理会社に連絡する程度にしておくことをオススメします。中には、ゴミを出しているのを見かけたら、その入居者が家に入ったのを見計らって、玄関前にそっと戻すという方も、聞いたことがあります。これもあえて危険を冒すぐらいなら放置した方が無難です。
3-1-3.タバコ
1990年代半ばの喫煙率は50%を超えていましたが、健康面とタバコの値段の上昇からだんだんと減少してきており、今では30%を切っています。それでもまだこの問題は無くならないため、もうしばらくトラブルとしては続く傾向にあると思います。事例として、ベランダやバルコニーで喫煙して臭いが入ってくるパターンです。夏場は窓を開けて生活する人も多く、臭いがしてくると絶対エアコンを付けなきゃいけなくなるから電気代が上がってしまうという点でも悩まれている方が多い問題の一つです。
喫煙者の方は、「換気扇の下で吸えばいい」と思われる方が多くいらっしゃいますが、それでも少なからず室内からベランダに漏れ出てしまいます。喫煙者にとっては肩身の狭い思いをすることになった今の世の中ですが、非喫煙者は多少の臭いでさえもクレームを言ってくる可能性があると思った方がいいかもしれません。
3-2.被害について
トラブルと一概に言っても、今回の騒音問題から始まり多岐に渡ります。一体どのようなケースが考えられるのか例を挙げてみます。
- ポストに異物を入れられる
- 自転車の空気を抜かれる
- 大声を出される
- 庭やベランダにゴミを投げ込まれる
- 壁を叩かれる
などと、私が実務上経験しているだけでもこれ以上の例がたくさんあります。ここに羅列していないだけで、もっと陰湿な嫌がらせをして困らせてくる人もいます。
たとえ些細なトラブルであっても、近年では重大な事件に発展するケースもありません。自分には全く非がないとしても、恋おった悪質な被害に遭う可能性もありますので、「自分は大丈夫」と思わずに最悪のケースを想定して行動することが大切です。
特に、一人暮らしの場合は注意が必要です。一人暮らしの場合、出入りする人数が基本的に一人ということが多く、ドアの開閉音だけで在宅状況が分かってしまいますし、一人だと緊急自体で助けを呼びにくいという状況が考えられます。事例としてファミリー物件より一人暮らしの物件の方が嫌がらせ率が高いということも実務上経験しています。
4.引っ越し後に隣人トラブルに遭わない為に
このように、隣人とのトラブルで無用なストレスを抱えて、再度の引っ越しで時間やお金をムダにしないため、入居前の確認が大切になってきます。もし、隣人の方の方が一方的に悪い場合や一度話を聞いてみないと分からないケースには直接行って、対応しているケースが多々あります。
ただ、入居時にはこのような状況が分からないケースが多いので、
4-1.不動産屋さんに入居者を確認してもらう
個人情報の兼ね合いで詳細をお伝えすることはできませんと言われる可能性が高いですが、「以前、トラブルがあったので簡単でもいいので性別や人数だけでも教えてくれませんか?」と尋ねると教えてくれる確率は少し上がります。
4-2.インターネットで建物名や住所名を確認する
お客様によく伝えているのが、ネットで検索すると、物件ごとに以前の入居者や現入居者の生の声を見ることができる「マンションノート」というサイトがあります。
ここでは物件に住む前に分かっていればよかったという情報をまとめてありますので、一度検討している物件名で検索してみると、少しでもトラブルに遭う可能性は低くなるかもしれません。
4-3.内見時にポストや駐輪場、ゴミ置き場を内覧時に確認する
入居しているにも関わらずポストにチラシが溜まりっぱなしになっていたり、駐輪場では自転車が綺麗に並べて駐車してあるかどうか、ゴミ置き場には未回収のゴミが残っていたり、虫などが湧いたりしていないかを確認しておくと、入居者の情報を少しでも知ることができます。
4-4.建物付近にタバコの吸い殻が無いか確認する
エントランス前などの共用部分では喫煙を禁止されていることが多いのですが、ルールを守っていない入居者がいると平気でポイ捨てをする方もいます。もちろんゴミがある=入居者と限りませんが一つの参考情報にはなるためオススメです。
4-5.掲示板や共用部を確認
これは4番に共通して言えることですが、「注意書き」の張り紙をされている掲示物を見かけたら、実際にその行為をやっている人が現在も住んでいるか過去に住んでいた可能性が高いという証明になります。
私も色々と物件を見て回りますが、2つ驚いたものがありました。
「エレベーター内は共用部分です。おしっこはしないでください。」というものと、「エレベーター内はみんなの持ち物です。カッターなどの刃物で傷を付けないでください。見つけ次第警察に通報します。」というものでした。どちらもひどい内容で思わずお客様と一緒に笑ってしまいました。
4-6.どんな車が停まっているか確認する
偏見といえばそうなってしまうかもしれませんが、車高を極限まで下げている車やフルスモークやナンバーを折り曲げている車には注意が必要です。車が好きというだけの方もいらっしゃるとは思いますが、確認するに越したことはありません。
4-7.部屋の内見を昼と夜の2回に分ける
これは非常に有効な作戦で、夜に内見に行くと、昼間は仕事で外出していた隣人が帰ってきている可能性が高いので、予め入居者の把握をすることができます。不動産屋さんが時間外で対応できない場合、外観や前述の4-6.の車を確認してみてください。きっと昼間には分からなかった情報が入ってくると思います。
これらを確認してみるとある程度状況が分かることもあります。良く確かめてください。入居する際の厳しい入居審査は面倒だと思われるかもしれません。しかし、逆にいうと、同じマンション住人もその厳しい条件をクリアした人ということです。
実際に、私たちの管理物件では、入居時だけでなく、日常清掃や駐輪場の管理等を定期的に行っているため、入居後のトラブルが非常に少ないと思っております。入居者様の満足度も高いので、入居審査は一定の効果がある大切なことだと認識しております。
5.トラブルに遭った時の対処法として
しかし、どんなに審査の厳しい物件に入居したとしても、隣人トラブルというものは隣に住む人の属性や動機によって住環境が大きく左右されます。その時々に応じた対処が必要になりますので、いくつか解決法をご紹介します。
5-1.管理会社に連絡する
まず、思い浮かべてほしいのは管理会社に連絡をすることです。間違っても絶対に自分で直接話し合いをして解決しようと思わないようにしてください。というのも、当事者同士で話し合いをしたところでは、自分の主張を言い合うだけで感情論になってしまうことが多いからです。
その為、まずは管理会社に連絡をして、騒音に悩んでいるといった相談をしてみることをオススメします。
5-2.仲介業者に連絡する
管理会社に電話しても解決できないという時には相談相手の一つとして、連絡するのはありだと思います。とは言っても仲介業者は直接当事者に連絡をして解決することはできないため、こういう場合にはどうしたらいいと思うかというアイデアを聞くための連絡だと割り切って相談してみてください。
5-3.警察に連絡する
トラブルが大きくなってものを壊されたり、室内に侵入されて窃盗されたりした場合には刑事事件として扱うことが有効です。少しでも怖いな、何かされそうだなと思った時点でお住まいの地域を管轄している警察署の生活安全課まで連絡行ってください。こうすることによって相談記録がなされ、緊急事態で連絡した際に有利に働いたり、警察署や担当者の判断で立件されなかったりというケースを防ぐことに役立ちます。
5-4.弁護士に連絡する
警察に電話すると大抵のことは解決しますが、それでも解決しない場合には弁護士の利用を検討してみてください。第三者を間に挟むことによって感情論ではなく、落ち着いて話し合うことができて効果的です。
場合によっては、トラブルを原因として、精神的苦痛を理由に慰謝料の請求をしたり、引っ越し費用の一部を支払ってもらうように請求したりすることが解決策として考えられます。一人で悩んでいてどうしようもないという時にはこういった専門家を利用してみることも大切です。
5-5.引っ越しをする
一番手っ取り早い方法が引っ越しをしてしまうということです。なぜ自分が出て行く必要があるのだろうと思いますが、精神的苦痛を強いられている状況で住み続けるということにメリットが一切ないからです。
賃貸物件は売買物件と違い、費用はかかりますが、容易に引っ越しをすることができるというメリットも備えています。精神的苦痛というデメリットを抱えたまま日常生活を行うよりも、一日でも早く関係を断ち切ることで安心を手に入れるという方法は私のオススメでもあります。
前述しましたように、入居する前に見極められるポイントも多く存在しますので、「何度も失敗しない」胸に決めていい物件探しを行うことも大切です。
念のため、隣人からの仕返しや嫌がらせの対処方法を3つ、司法書士の西門とこちらのページにまとめました。他にも、住まいのトラブルを専門に扱っている弁護士の方と共に、隣人トラブル発生時、お部屋を紹介した不動産会社の告知義務について、その程度などをまとめておきました。
あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して、結果と原因のみ、記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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