HOME > 1. お客様の声 > 1−4. インタビュー > 内見から引っ越しまでの手順と内覧後の賢い断り方をまとめました(その6)
こんばんば、六本木で取引の不安ゼロを目指す不動産屋、(株)リビングインで建物管理やトラブル解決を担当している不動産鑑定士補兼宅地建物取引士の相樂です。
これまで、東京ではじめての一人暮らしする方向けに、4,000件を超える部屋探しの失敗例を見てきた我々が考える満足度の高い部屋をいかに効率よく探すかとその注意点に特化して、口コミや失敗談から分かった内見とは?から、内見のメリットやデメリットや内見なしで引っ越しても大丈夫か?そして、揉めない内見のキャンセルの方法を中心に説明してきました。加えて、アクセスが多い、内覧時に出来る隣人との騒音トラブル対策はこちらです。
特に、データを分析すると、引っ越し経験の少ない男性の遠方への引っ越しは後悔する可能性が高いので、面倒な内見の必要性を理解し、部屋探しを始めた方が失敗や後悔は圧倒的に減ると思います。
今回は、基本的なところから失敗談や実例を基に、満足できる引っ越しが出来るよう内覧から申込、又は断る時の賢い連絡方法についてまとめました。個人的には、部屋探しから引っ越しまで一ヶ月や二ヶ月と時間を掛け、30万、40万と高額の費用を払って、せっかくするなら、将来の時間やお金をムダにしないよう、長く住めそうな、自分にとって、上手に成長できる部屋を選んで下さい。
ちなみに、繁忙期など稀にあって哀しくなる、スマホから物件の問い合わせで無視されないメールでの内覧希望の書き方はこちらにまとめています。
1.内覧して契約すると決めた場合
内覧が終わると最終的に契約を申し込むか、断るかの二択になります。ここから、それぞれの手順と方法を解説していきます。内覧後、お部屋の申込、契約すると決めたら、次のようなスケジュールと手続きが必要になります。空室だったとして入居できるまでに、2〜3週間程度見ておきましょう。
※大抵、今住んでいる部屋の退去予告が一ヶ月前だと思います。その為、次の契約が始まるのはなるべく遅くしてもらった方が重複して家賃を払うことが無いので、無駄がありません。もし、実家又は寮に住んでいる場合にも、引っ越し日や賃料の発生日は担当の人に事情を話し、スケジュールに無理が無い様に進めて下さい。
1-1.内覧から申込までの流れとスケジュール
内覧から申し込み、入居までの流れは以下の通りです。それぞれかかる日数の目安も書いています。
- 内覧(1日〜)
- 申込み(1日):申込者や連帯保証人(不要な場合もあり)の情報、署名、捺印、収入証明書の提出など
- 保証会社等による審査、保証会社及び大家さんの承諾(1日〜3日)
- 初期費用等の振り込み又は手渡し
- 重要事項説明、契約、領収書の受領、必要書類(住民票、印鑑証明、勤務先証明書など)の提出(1日)
- 引っ越し当日又は前日に鍵の受け渡し、引っ越し・入居(1日)
- 引っ越し後のインフラの名義変更や住民票の変更等各種手続き
この順序は不動産会社によって多少変わることがあります。最近多いのは重要事項説明を早い段階で行うことです。重要事項説明を早く受けることにより、契約に値する物件かを早く判断できます。もし契約をしないと決まれば、無駄な手続きや書類の準備等に時間をかけず、次の物件を探すことができます。
もちろん、オンライン化も進んでいます。書類は郵送、説明はオンライン。内覧もオンライン化しつつありますが、現時点ではお勧めしていません。無駄な内覧を減らすためにオンラインを使うのは良いと思います。なお、審査や承諾について、主に下記の点で判断されます。
・収入や貯金額等から家賃の支払い能力があるか?
・過去に事件、事故を起こしたことがあるか、入居中に問題を起こす人物ではないか?
前者について会社員で定期的な収入があり、身の丈にあった物件を選んでいればほぼ問題ないです。後者は内覧や問い合わせ時の対応などが見られていることもあるので、気をつけてください。他にも、進んでいる不動産会社さんでは、SNSを確認している先もあります。変な投稿を残し、自分を下げるようなことは避けた方が良さそうです。
>>こちらの記事も参考に「担当から契約を急かされています。内覧から入居完了まで賃貸契約の正しい手続きを教えてください。」
1-2.内覧当日に申し込んだ方が良いの?
お世話になったから申し込まないと申し訳ないという借り手側の気持ちや早く契約させたい担当者の気持ちが合間って、内覧当日の契約を焦ってしまうことがありますが、慌てる必要はありません。引っ越しはもっとたくさんのお金も労力もかかります。失敗したからと言ってそう簡単にやり直せるものではありません。新しい生活で後悔を残さないためにも、しっかり検討と比較を重ねてください。時間が必要ならその旨といつまで返答するかを担当者に伝えれば大丈夫です。
ただし、検討しているお部屋がいつまでも空いているとは限らないことは十分に意識しておいてください。新型コロナ等の影響で不動産の動きが鈍くなっているとはいえ、人気エリアや物件は依然競争が激しいです。特に下記の条件のお部屋などはすぐに埋まってしまいます。コロナウイルスの影響でどうなるかまだ分かりませんが、12月から4月の引越しシーズンもお部屋が早く埋まってしまう傾向があるので注意して下さい。
・家賃が相場に比べて安い
・築年数が浅い
・駅に近いなど立地が良い
一方で、残念なことに不動産会社の中には不安を煽って早く契約させようとするところもあります。他にも内覧者や問い合わせがあることをチラつかせて来る場合は、真意を確かめましょう。事実として情報をくれるなら親切ですが、契約を焦らせるような担当者なら別のシーンでも問題が起こる可能性があります。
>>人気物件だからと不動産会社に急かされて、賃貸借契約してみたけど・・・
1-3.内覧して申込後キャンセルのリスク
申し込み後のキャンセルによる違約金の発生についてはとても難しい問題です。民法上、口頭で契約の意思を伝えた時点で契約が成立したとみなされるため、不動産会社によって以下のように判断が別れるケースがあります。
・申込みもしくは重要事項説明を受けた時点で契約となり、それ以降のキャンセルは違約金が発生する。
・書面による契約の締結がなされていない状態では契約未成立なので違約金は発生しない。
不安な場合は『申込み前に手続きのどの時点からキャンセルに対して違約金が発生するのか事前に確認しておくのが良い』と個人的には思います。
1-4.契約まで何部屋見るのが一般的?
一般的に多いとされているのが、1日に2、3件程度です。この理由としてはこれ以上の物件を見てしまうと目移りしてしまうこと、一件だけの内覧だと比較ができないから不安ということです。もちろん、一日に5、6件見るパワフルな方もいらっしゃいますが、1日では3、4件を見るのがベストだと思います。最後の方は本当に分からなくなってきます・・・。
そして、内見をしたら、良いのか、ダメなのか、出来るだけ早めに答えを出すことを個人的にオススメします。
これは営業マンのためではなく、ご自身のためです。気に入る物件が見つかったとしても、不動産は日用品と違って一つとして同じものはないからです。エリアや間取り、家賃や設備など何かしら条件が変わってくるため、「自分がいいと思っているということは他の人も狙っている可能性が高く、申し込みが入ってしまうこともある」と考えてください。
焦って決める必要はないと思うんですが、良い部屋は本当にすぐ、契約になってしまいます。
2.内覧して契約を断りたい場合の方法
直接断るのが苦手・・・、でも契約しないと決めたならはっきりと断ってもらった方が良いです。正直、お部屋をご案内し、断られることには多くの不動産会社が慣れています。その為、断ることにそれほどストレスを感じる必要はありません。淡々とメールや電話で連絡すれば、終わりです。
2-1.当日その場での断り方
内覧した上で、この部屋は絶対にないな・・・と思ったら、その場で「この物件は契約しません」と言って構いません。引き続きお部屋探しをする場合、契約しない理由を担当者に伝えておくと、より条件に合うお部屋を新たに見つけてくれたりするので理由も併せて伝えてください。
2-2.後日メールや電話で断る方法
ちょっと考えたい・・・そんな場合は考えたい旨に加え、以下の点も併せて担当者に伝えましょう。また、下記の内容で不動産会社側も問題がないか確認してください。もし回答日までに他の人の内覧予定が入っていたら教えてくれることもあります。
・どのお部屋を検討(比較)したいのか
・いつ回答するのか
・回答の方法(メール、LINE、電話など)は何か
>>内覧後のメールでのキャンセルに関して、テンプレートを作りました。
3.内覧から引っ越しまでの手順と内覧後の断り方まとめ
お部屋探しの失敗・後悔を防ぐには「正しい方法で内覧をすべき」です。その際、すでに多くの人が経験した失敗・後悔のポイントを知ることが、効率の良いお部屋探しに繋がります。また、仮に内覧をして契約に至らなくても不動産業界では慣れていることなので心配いりません。契約しない旨をはっきりと伝えてください。以下、簡単に失敗を防ぐ、内覧の流れを簡単にまとめました。
1)内覧の予約を取る。
2)内覧に最低限必要な7つの持ち物や便利なアプリを用意する。
3)内覧当日は本記事でまとめたチェックポイントやチェックリストの内容にしたがって物件やお部屋の設備などを確認する。
4)契約申込、もしくはお断りする。
5)契約する場合は必要書類を集めたり、手続きに進む。
1)〜5)まで最短で2週間、平均すると1ヶ月程度を見込んでおいてください。基本的に賃貸契約の流れは会社によって大きく変わることはありません。一つのお部屋に対して多くの不動産会社が仲介に入っています。
つまり、お部屋探しを成功するのに本当に大切なのは、申込や手続きよりも不動産会社や担当者の仕事に対する姿勢や相性だったりします。その為、一連の対応で少しでも不誠実さや疑問を感じたら、思い切って会社や担当者を代えてしまうのも重要なことだと考えています。引っ越しはお金も時間も使いますし、あなたの毎日の生活を左右するものです。妥協することなく決めてほしいと思います。念のため、失敗例を参考にしたストレスフリーなお部屋を見つけるための内覧・内見項目はこちらの記事にもまとめています。
>>ストレスフリーなお部屋を!一人暮らしをはじめる社会人向け、失敗例を参考にチェックすべき内見の確認項目
ここまで読んで頂き、ありがとうございます。あなたの部屋探しがもっと効率的になるように参考にしてもらえると嬉しいです。ただ、自分で色々と確認するのが面倒な場合には、担当者に色々な確認をお願いする方が簡単に効率的になると思います。
もし、動いてくれない、連絡くれない又は遅い担当なら、他の不動産屋に行った方がいいと思います。星の数ほど、不動産屋はありますから・・・。もし、それでもなんか、ダメな感じがする場合にはメール✉で連絡をもらえれば、何かアドバイスできると思います。特に、これまでの引っ越しの失敗インタビューを生かし、事件・事故に遭わない部屋探しの手順を基に回答や対応していきたいと思っています。
4.無料で今すぐダウンロードできる引っ越しの手順チェックリスト
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。ご紹介した内容が将来の失敗やトラブルを防ぐ一助となったら、嬉しいです。年末に引っ越し前後のの手続きを他社のチェックシートを含め、オンライン内見でも担当者に確認してほしいポイントを共有できるチェックシートをリニューアルしました。
部屋探しや引っ越しで不安な場合には、こちらのシートを担当者に送り、お部屋や手続きに問題がないか、効率よく、確認してもらってください。他社のシートも比較につけておきました。後悔しない、損しない、時間を無駄にしないために活用して下さい。今後もあなたの大切な人生と平穏が守られますよう、4,600件を超える引っ越しの失敗談を基に住まいの問題解決のトップランナーとして、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
その他、【建築士と考える】住んでもいい事故物件の見分け方、内覧時に使える方法を建築士さんにレクチャーしてもらいました。最後に、【元弁護士と考える】シリーズ、告知義務の必要な事故物件を選ばないための賢い対策他以下の通りです。
>>【元弁護士と考える】事故物件を契約する前の告知義務?その確認方法や注意点は?
>>【元弁護士と考える】不動産屋からウソを教えられた時の対応は?
>>【元弁護士と考える】騒音、地震、虫などないと言われたのに、嘘だったら
>>【元弁護士と考える】仲介手数料の支払い無効裁判(2019年夏)
>>【元弁護士と考える】騒音や悪臭、ナンパ等『隣人トラブル』の対処と引っ越し代は?
その他、事故物件に関する記事はこちらです。
>>麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その1)
>>麻布十番の事故物件を見に行って、その場で原因分析(その2)
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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