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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼住宅診断士の相樂です。
個別面談をしてても思うんですが、2020年後半あたりから、コロナ禍やそれに伴う不況を背景に、不動産の任意売却を選択する方が増えてきています。
住宅ローンの返済が滞った際、もっとも有効な手段は『早い意思決定からの任意売却』です。
けして、放っておくではありません。なぜなら、滞納分の利子や滞納分に伴うペナルティが日々増えていくからです。
そのため、もし、収入や返済に不安がある場合、早めに相談等動く方が良いと思います。私たちの様にオンラインで相談できる場所も増えてきました。
では、通常の売却や競売と任意売却は、どのような点が異なるのでしょうか?
今回は不動産の任意売却 とはどのようなものか、とそのメリットやデメリット、任意売却の実際の流れを解説します。
ローンの返済がきつくなり、東京や埼玉などの首都圏だけでなく、全国で自宅の任意売却をご検討中の方、実際に任意売却の実務をやっている担当が書いたものです。ぜひ参考にしてください。
1.不動産の任意売却とはどのようなもの?
まず、任意売却とはどのようなものか、どのようなタイミングで決断をするのが良いかをお伝えします。
1-1.任意売却とは?できないケースもある?
任意売却とは、『住宅ローンの滞納が原因で一括返済を求められた際に、ローンの支払い残高があるまま抵当権や差し押さえを解除し、売却を認めてもらうのこと』を言います。
債権者である金融機関は、物件を担保としてローンの貸付をおこなっているため、抵当権を解除することは回収へのリスクを伴い、任意売却を認めずに競売を望むケースもあります。
もちろん、債権者や物件の名義人(売却希望者と異なる場合)が任意売却を認めないときは、競売に向かわざるを得ません。
しかし、近年では競売よりも任意売却の方が高く売却できて、回収に有利であるという視点もあり、任意売却が認められるケースが増えてきました。
このほか、固定資産税や都市計画税の滞納が原因で、自治体が差し押さえの登記をおこなう場合があります。任意売却の際にはこの差し押さえも解除を依頼する手続きが必要です。
>>任意売却に関する詳しい説明はこちらのページにまとめておきました。
ちなみに、住宅ローンの返済がうまく行かず、自宅の売却を検討する場合、宅地建物取引士がいる不動産会社に相談する必要があります。
自宅の売却や任意売却を行う事が出来るのは、弁護士や司法書士、税理士ではなく、宅地建物取引士です。稀に、弁護士に全てを任せる方がいますが、自宅を売る・任意売却は弁護士には出来ません。
1-2.任意売却のやり方・進め方について
まず初めに、今後の経済状況(収入減が一時的なものであるかどうか等)や生活を見通し、金融機関への返済計画変更依頼の結果、難しいようならば、家族の話し合いなどを経て、なるべく早く任意売却を決断するほうが良いと思います。
そのつぎに、住宅ローンや固定資産税などの残債や滞納金額、滞納利息などを把握しますが、現状がわかると気持ちも落ち着き、対処がしやすくなると思います。
無料で個別面談をしていると、状況がよく分かったとすごく感謝されます。
そして、住宅ローン残高証明の取得と不動産会社へ相談をおこない、売却までの期間と売却額の目安、結果として現在の住宅ローンがいくら残るかを把握し、売却活動に入ります。
念のため、6,700件のお引っ越しに関する後悔のアンケ-トや400件を超えるトラブル相談を参考に、住宅ローンの返済トラブルに遭わないためのチェックリストを作成しました。
1-3.決断のタイミング
任意売却の決断に至るタイミングは「有利に動けるうちに」という観点から、住宅ローンの引き落としができなかった日から数えて1か月から3か月の間が理想と言えます。
この短期間に色々と判断をするのは大変なのですが、3か月から6か月ほどそのまま滞納し続けると保証会社の代位弁済がおこなわれ、一括返済の要求のあとに競売の手続き開始がおこなわれます。
また、任意売却の取引成立にはタイムリミットがあり、競売の開札日の前日までに契約に至る必要があります。
買主・購入申込書を提出してもダメな時もあります。本当に気を付けて下さい。
ほかにも、代位弁済開始の前にぜひともおこないたいのは、金融機関に返済計画の相談をし、可能であれば滞納分を一部でも入金することです。
基本的に、金融機関である債権者は返済の意思を重視しています。ですから、住宅ローンの滞納を放置しておくことはやめましょう。
この辺り、個別相談で状況やご希望に応じ、対策を提案しています。もし、不安や迷っているようならば、私たち、アリネットのLINE公式やメール等からご連絡ください。
つづいて、任意売却をおこなうことのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
2.不動産の任意売却のメリット
任意売却は通常の売却と近い方法なので、競売などに比べ以下のメリットがあります。
・通常の売買に近い相場で売却できる
・自分の意思で、周囲にも知られずに売却が可能
・経費等の持ち出しがない(売却額から諸経費が払える)
・残債の分割返済が可能
・住み続けられる可能性がある
・競売申し立て前ならば、約70万円承認価格が低い
任意売却後は、たとえば「残ったローンを月額1万円程度に分割して払う」、「30万円程度の引っ越し費用も借りられる」などの可能性もあります。
また、買主の選択肢も自由にできるため、投資物件として購入してもらい、賃貸人として家賃を払って住み続ける(リースバック)ことも不可能ではありません。
さらに、売買価格の3~5%程度になる諸経費についても持ち出しが認められない競売に比べて、任意売却は販売価格から差し引くことが可能で、残る金額を多くできる要因となります。
更に、私たちの場合、住宅ローントラブルによる、自宅の売却の場合、税金、仲介手数料、登記費用などの本来ご負担いただく費用は、売買代金から控除する為、一切掛かりません。場合によって、生活再建や引っ越し費用も仲介手数料からお渡ししています。
相談時に、いくら掛かりますか?と聞かれることがありますが、特殊な事情がない限り、基本的に費用は掛かりません。
2-1.不動産の任意売却のデメリット
任意売却のデメリットとしては、3か月程度の住宅ローン滞納が任意売却の条件となるため、支払い督促を受けるほか連帯保証人にも請求がされるなど、精神的なプレッシャーがあります。
また、信用情報機関(ブラックリスト)に登録される可能性があり、5~7年程度は大きな金額のローンの審査は通らなくなります。
さらに、ローン滞納がない通常の売却と比較した場合、金融機関の承認がない限り売却ができない、残債が残った場合は物件なしで返済を続ける必要がある点なども挙げられます。
2-2.任意売却以外の特徴
債権者の金融機関が主導して進める競売や、自治体が税金滞納の回収のためにおこなう公売は、任意売却に比べ、3割ほど価格が安くなる傾向が強く、残債が多くなってしまう傾向があります。
つまり、家族との日常を取り戻すハードルが高くなると言う事です。個人的にはこの辺りはお勧めしていません。回避するよう、動いています。
また、競売や公売は自分の意思とは無関係に執行されるため、タイミングなどが自由にならず引っ越しや新しい生活の準備の余裕がなく、早々に立ち退きを迫られる場合があります。
さらに、任意競売とは異なり、差し押さえや情報開示で「事情があって家を手放す」という情報が開示されるので、事情を知られずに売却をするということは困難になります。
この辺り、もし分からないことがありましたが、個別面談やLINE公式からご質問下さい。通常24時間以内に回答しています。
3.不動産の任意売却の流れについて
次に、任意売却の活動開始から完了までの流れをご説明します。
3-1.債権者や名義人との交渉
不動産会社に債権者(金融機関)への交渉の内容を作成してもらい、金融機関と交渉し、任意売却が可能かを打診します。
物件の名義人が売却の希望者と異なる場合は名義人の了承も必要となります。
不動産会社から債権回収会社や保証会社に連絡をして、任意売却の申請をおこない、許可を得たら売却活動の開始となります。
3-2.不動産会社と媒介契約をして売却活動がスタート
不動産会社と契約する際ですが、債権者の規定で専属専任媒介か専任媒介の契約しか認められないことがあります。
取引が煩雑にならないようになっています。いずれかの取引態様で1社との媒介契約を結ぶ必要があります。
もし、親族が購入するなどの伝手が無ければ、専属でも専任でもどちらでも良いと個人的には思います。
通常の売却同様、現地調査や査定を受け、売却期間(3か月から6か月が目安)と売却額、経費を差し引いた返済可能額、金融機関からの残高証明を元に最終的な残債を算出します。
インターネットや店頭、雑誌媒体広告などで売却活動もおこない、買い主を探します。
つまり、任意売却を完全にバレずに行うのは非常に難しいです。と言うのも、これらの売却活動は債権者の指示で動いてることが多いからです。
私たちはこれ以外に、特に住み続けたい方向けに潜在的な顧客層である個人投資家に物件の紹介をしています。
資料が出来上がってから、大体週に500人くらいの方に紹介をしていきます。最終的には10,000人ぐらいの方に4~5ヶ月くらい掛けて紹介をしていきます。
また、ハウスクリーニングなどは不要ですが、居住中の物件(住みながら売却を行う場合には)は内覧への対応を兼ねて不要なものを片づけ、掃除をおこなうことで、急な内覧にも対応することが可能です。
>>この辺りの対応は任意売却の失敗事例を踏まえた対策のページにまとめておきました。ご確認ください。
3-3.決済し所有権移転登記をおこなう
買主が決定したら売買契約をおこない、買主の住宅ローン審査が通ったら残金を決済します。
所有権移転までに引っ越しをおこない、金融機関の担保や自治体の差し押さえの登記などを抹消して新所有者に書き換え、カギ渡しなどもおこないます。
もし、ローンの残債がなく、利益が出たり、新住居について3,000万円の特別控除などが必要なときは、売却した翌年に確定申告をおこなってください。
この辺りの組み合わせももし、分からない時は個別相談時に質問して下さい。状況や希望に応じて、回答させて頂きます。
念のため、6,700件のお引っ越しに関する後悔のアンケ-トや400件を超えるトラブル相談を参考に、住宅ローンの返済トラブルに遭わないためのチェックリストを作成しました。
4.不動産の任意売却とは?メリット・デメリットと売却の流れまとめ
今回は過去2年間で大きく件数が増えた不動産の任意売却の相談について、先ず、どのようなものかや、メリットやデメリット、任意売却の実際の流れについて解説しました。
特に、自己破産はせず、「返済を続けながら、生計を立て直したい!」という前向きな選択に寄り添う任意売却をぜひご検討ください。
私たち、アリネットでは、個別相談だけでなく、鑑定士や住宅診断士による不動産の無料査定をおこなっております。
もし、ローンの返済がきつくなってきた場合、不動産の任意売却を考えてる場合など、ご自宅の売却額の目安を知るためにもぜひご活用ください。
2015年以降、私たちは大分県や鹿児島県から北海道まで80件近い債務整理や任意売却を行ってきました。
一般的に、任意売却の問題点や改善方法は個別性が強いため、もし、可能でしたら、LINE公式より、無料の個別相談をお申し込みください。
問題や希望をふまえ、対策を中心にお伝えいたします。なお、LINE公式からご連絡いただいた方には、無料で債務整理や任意売却に成功した15事例をまとめた冊子をプレゼントしています。
5.住宅ローン問題の解消に向けたチェックリスト
念のため、あなたの状況や希望により、これからできる対策が異なります。個別相談の前に、今直ぐに確認出来るセルフチェックをやってみませんか?
2015年以降、実際にあった200件超の住宅ローンの相談を受け、チェックリストを作成しました。
- 毎月の返済が少し厳しく、貯金がなかなか出来ない
- 銀行・裁判所から手紙が届き、対策を考えている
- 転職や病気で、収入が減って、返済に悩んでいる
- 借り入れや返済など、毎月の収支管理が出来ない
- 養育費や学費など生活費が増え、やや苦しい
- ボーナス等一時金が減った又は無くなった
- 離婚や出産で共働きが出来ず、返済が苦しい
- 自宅の買い取りチラシがポストに頻繁に入っている
- 年金だけでは、家賃や毎月の生活が厳しい
もし、2つ以上当てはまる場合、直ぐに専門家に相談するか、近くに相談できる先がない場合、LINE公式から住まいを守る無料の簡易診断も試して下さい。
ご存知の通り、滞納が続くと利子による負担が日々大きくなり、競売による追い出しなど、今の生活を失いかねません。
アリネットでは、2012年以降、70件以上の離婚や住宅ローン問題に伴う自宅の売却を対応してきました。
そのため、自宅に関するトラブルを解決してきた経験や専門的な知識があります。あなたの満足のいく解決に導くことが出来ると思います。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
6.離婚時の自宅売却で手残りを最大化するには?
何でもかんでも一括査定が流行っていますが、対応する時間がある方や相場を知るには良いと思います。
ただ、売却後のトラブルを防ぐため、自宅に住みながら、自宅を高く売るには?仕組みが必要だと思います。
6-1.査定価格はそんなに大切なのか?
この写真の通り、有名な東急リバブルが出している資料でも、3カ月未満の売り急ぎは売却価格が低くなりがちです。
そのため、まず、査定価格を意識する方がいますが、車と異なり、個別性の強い不動産では大切なのは相場より、一人の購入者です。
マンションですら、方位や階数で価格が変わってきます。
査定価格は仕事を取るための引っ掛けに過ぎないので、あまり信じない方が良いと思います。
6-2.マンションより、戸建の場合、査定価格より、大切なのは売出価格
*首都圏不動産流通市場の動向(公益財団法人東日本不動産流通機構)参照
多くの人が、査定価格から売り始め、売れないから値段を下げていく事を普通に受け入れています。
大切なのは、査定価格より高い値段で売り出し、半年程度時間をかけ、丁寧に情報を開示することです。特に、マンションより、個別性の強い戸建の場合は顕著です。
こうすることで、売却後にトラブルに巻き込まれ、思わぬ損失を被ることが圧倒的に少なくなります。
例えば、離婚のため、急いで売りたいために一括査定で出された価格で売り出した事例があります。いきなり、電話が掛かってきて、物件をよく調査せず、机上査定の価格をそのままに売り出して、売れないからもっと価格を下げましょうと言われ、夫婦間でトラブルに巻き込まれた事例です。
6-3.なぜ、住宅診断士による調査が自宅の売却に有効なのか?
2018年より、中古住宅の売買において、住宅検査を紹介・あっせんできるか告知する事が義務化されています。
と言うのも、ホームインスペクションを行うことで、仲介業者が通常の注意を尽くせば、自宅の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査することが出来、買主への情報提供もし易くなります。
実際に、裁判判例があり、東京地裁平成16年4月23日判決で「仲介業者には、通常の注意を尽くせば、物件の外観から認識することが出来る範囲での瑕疵の有無を調査し、その情報を買主に提供すべき契約上の義務がある」として、確認義務違反を認定した裁判例があります。
自宅の売却は一生に一度あるか無いかです。焦って、バタバタと進め、後悔しない様、慎重に進めて下さい。
頂いたご相談は社内で共有し、48時間以内に回答いたします。必要な場合には、弁護士や建築士などの専門家と相談し、連絡いたします。
なお、相談は無料です。費用が発生する場合には、事前に必ずご連絡いたします。
過去に頂いたトラブル相談や質問は参考の為、こちらのページにまとめています。
*お名前やメールアドレス等を公開することはありません。
*48時間以内に確認し、回答致します。
*頂いたコメントを参考に、今後の活動を改善していきます。
西門 えみ
【執筆・監修】
相樂 喜一郎
株式会社リビングイン 代表取締役
国立大学卒業後、大手証券、総合不動産会社を経て、2012年に住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、リビングインを創業。個人のお客様を中心に賃貸・売買仲介やその管理を行う。
特に、2015年以降全国から住宅ローン絡みのトラブルで200件以上の相談を受け、鹿児島から北海道まで70件以上の任意売却を行う。
1978年生まれ、趣味は読書と素潜り、フリーダイブ。
保有資格:不動産鑑定士補、宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士、ファイナンシャルプランナー2級、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士、相続アドバイザー他
写真付きなので、スマホやPCでも、引っ越しの手順や注意点がすぐに分かります。
初めての一人暮らしを中心に、2,000件超の失敗を基に、引っ越しを賢く学びます。
最新の引っ越し事例とその考察。下見に行ったおすすめのマンションなども参考に。
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