1.WICとは?
ウォークインクローゼットのことで、人が歩ける広さを確保した収納スペースのことをいいます。寝室に隣接する形で設置されることが多く、広さは2~4畳が一般的です。間取り図では、『WCL』と書かれることもあります。一般に、衣類や小物を収納するもので、あらかじめハンガーバーや棚が備え付けられていることが多いです。
過去の失敗事例を鑑み、コートやジャケット、Yシャツなどを収納したい場合はハンガーバーが充実しているタイプを、帽子やマフラー、バックなどを収納したい場合は棚が充実しているタイプを選ぶのが個人的にはオススメです。もちろん、必要に応じて、ご自身でハンガーパイプや棚を用意してもよいでしょう。
2.WICのメリット・デメリット
2-1.ウォークインクローゼットのメリット
一般的に、ウォークインクローゼットのメリットとしては以下のようなものがあります。
- 身に付ける物を1ヵ所にまとめて収納できるため、管理がしやすい
- 扉を閉めることで独立したスペースになるため、他の人の目を気にすることなく身支度ができる
- 寝室内にタンスなどの収納家具を置く必要がなくなるため、寝室がスッキリする
- 広さにより、ストーブや扇風機といった季節家電、キャリーバック、ゴルフ用品、スキー用品といった大きい物を収納することができる
2-2.ウォークインクローゼットのデメリット
逆に、デメリットには、以下のようなものがあります。
- 人が歩ける広さを必要とする分、居住スペースが狭くなる
- 適当に詰め込んでいくと、広さがあるだけにどこに何があるか分かりにくくなったり、不要なものでいっぱいになってしまうことがある
中には、ファッションにこだわりのある方や趣味道具をたくさん持たれている方も多いと思います。そのような場合には、ぜひウォークインクローゼットの活用も検討してみてください。きちんと整理整頓できる方にとっては、WICのあるお部屋はたくさんのメリットがあります。
3.WICにはどんなタイプがあるか?
ウォークインクローゼットは大きく分けて4種類の形があり、それぞれ使い勝手や用途が異なります。
- 1型:片側の壁だけにハンガーパイプや棚を配したタイプ
- 2型:両側に収納スペースのあるタイプ
- コの字型:通路の両側の収納に加えて奥の壁の3面に収納できるタイプ
- L字型:片側の壁と奥の壁、正面に収納を設置した片面の壁が空いているタイプ
その他、収納棚全面タイプ、ハンガーメインタイプ、ユニット棚タイプなどがあり、普段からスーツをお召しになる方やアパレル関係にお勤めで洋服をたくさん持っている方はハンガータイプがオススメです。
2型の場合は2畳ほどの広さで通路の狭いタイプが多く、通路を確保しないと使い勝手の悪い収納になってしまうため、上下の収納をうまく活用するように意識することが大切です。
ここの収納についてのワンポイントアドバイスとして、出来るだけ「重いものを下に」置くことを意識して収納しましょう。例えば下部に収納ケース、ハンガーパイプにコートやスーツ、礼服などを掛け、上段には帽子やバッグ、靴などを収納するように心がけておくと、急な地震の際も安心できる収納になります。また、1型やL字型の場合には奥行きが浅く、高さのある収納を採用すると収納がしやすくなりますので上手に活用しましょう。
4.WICはどんな人に向いているか?
荷物が多く、しまう場所に困っている人や片付けが苦手でとりあえず片づける場所が欲しい人には非常にオススメだと言えます。しかし、整理整頓が出来る人でないと活用することは難しいと思われます。
ウォークインクローゼットの最大の魅力、それは普通のクローゼットよりの収納力が高いこと、急な来客時にも押し込んで対応できるという点で、これを活かすためには几帳面さが必要になります。
なぜなら、空間が広い分、ボックスを重ねたり洋服の配置を決めたり取り出しやすいようにする必要があるからです。どうしても無造作に収納していくと、探し物をする時に見つからない、動線の悪化にも繋がり、ウォークインクローゼットの最大の魅力を打ち消してしまいます。
ですので、見えないところにはついつい物を放り込んでしまいたくなる気持ちは非常によく分かりますが、このメリットを最大限活かせる方には非常にオススメの収納だと言えます。
5.WICの具体例や活用方法は?
WICが使いようによって本当に使い勝手もよくなりますし、逆に物を押し込めてしまって動線の悪くなるケースも考えられます。ハンガーラックやジャケットなどを吊るした時には約50cmから60cmの長さになるため、デッドスペースを作らない為に奥行きを同じサイズに揃えてみましょう。
また、ハンガーラックの下に設置すると、上下空間の有効活用にもなります。なにより収納棚の面が揃っていない状態だと片付けにも力が入らない、片付けの気持ちが乗らないという方のモチベーション維持の為にも、誰に見せても綺麗な収納を目指しましょう。
更に、高さを活用したい時や棚の数が少なく活用方法に迷われている方には『メタルラック』の購入をオススメします。比較的安価に手に入りますし、容易に高さ調節が可能で自分流にカスタマイズも可能です。
メタルラックの他には、『ディアウォール』という商品を利用することで、WIC内に柱を作れるため収納棚を作ることもできます。また、工具も脚立も不要なので、誰でも簡単に施工ができますし、壁や天井に穴をあけないので賃貸にお住まいの方も安心してご利用いただけます。WICの中は、「いかに壁を見せないか」ということが収納力アップのコツになります。
「WICが良いのは分かっているけど、自分が住んでいる地域でWICのあるお部屋がそもそもありません」と、こう言う方もいらっしゃいます。今、1Kにお住まいで、引っ越しをご検討中の場合、2DKや2LDKなど少し広めの間取りを探してみて、余った一部屋を丸々一つの大きなWIC代わりに使用するという荒業もあります。
私のご紹介したお客様の中でも、このアイデアを取り入れられて、オシャレにアレンジされている方もいらっしゃいます。
6.最後に、ウォークインクローゼットに似たものとして、『ウォークスルークローゼット』があります。
お部屋とお部屋の間に設置されているウォークインクローゼットのことで、どちらの部屋からでも自由に出入りができるようになっているため、同居する方と共有することができます。ただし、賃貸マンションには設定されているケースは非常に稀です。
担当 相楽
▶関連用語:WCL、クローゼット、ウォークスルークローゼット
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