C.解決事例(お客様の声)

隣人から嫌がらせを受けています。引っ越し費用の請求は可能ですか?

繁忙期の終わった4月と10月はトラブルの相談件数が一気に増えます。

去年の11月に引っ越し後の隣人トラブルに関して、以下のような相談を受けました。

1.隣人から嫌がらせを受けています。引っ越し費用の請求は可能ですか?

引っ越し3日目で隣人トラブルになり、扉を蹴られ出てこいと叫ばれ、警察を呼ぶ事態になりました。その後も、郵便ポストから郵便物が無くなったり、数時間外出した間に玄関の化粧飾りが壊されたりしました・・・。

警察に行くよう管理会社に言われたので、すぐに警察には行きましたが、被害届は大家さんから提出するようで帰宅しました。

この家に住み始めてまだ約2ヶ月半ほどです。2年以内の解約は家賃1ヶ月分の違約金と記載がありましたが。しかし、管理会社より違約金は免除で良いので引っ越しする際は1ヶ月前までに告知してくださいと言われ、まだ回答していない状況です。

相談内容なのですが、ネットで検索すると『隣人トラブルが頻発していることを情報開示せず、説明義務違反で損害賠償を求められたケースもある』と、書いてありました。

この家を契約する前、契約書に「他の住居者との間で生じた紛争等については原則当事者同士で誠意をもって解決していただきます」と記載があったり、「短期契約(2年以内の解約)は違約金がかかる」等、契約時から隣人トラブルがあるのでは?と感じる点がいくつかありました。

その点を仲介業者に聞いたのですが、管理会社ではないためわかりませんと言われてしまいました・・・。

そして、管理会社に1度目のトラブルの時に前の住人もこれが原因で出て行ったんじゃないんですか?と聞いた際、そんなクレームは一度もないと言われました。しかし、他の住人に話を聞いたところ、問題の住人は半年前に引っ越してきて、その頃から扉を蹴る、壁を殴る音が聞こえていたそうです。

今回解約するに当たり、引っ越し費用の負担、初期費用の返還、損害賠償の請求をしたいと考えているのですが可能なのでしょうか?

2.弁護士や宅建協会へヒヤリングしました。

2-1.今後の対策について

この手のトラブルは証拠が大切です。その為、警察への被害届をご自身の名義でも出した方が良いです。ご自身で出しておくと、訴訟や調停になった時、開示請求をすることができるためです。

いつ、だれが、どうしたかが分かるようにメモを残し、写真や録音などもキチンとした方が良いと思います。一人で行くと怖い場合、友人やご両親と共に対応するといいと思います。

2-2.管理会社は以前から知っていた可能性が高い

今回の場合、管理会社は以前から知っていた可能性が高いと思います。重要事項説明書への記載に関して、仲介会社がキチンと状況を確認していなかったと思いますので、一度仲介会社にその辺りをキチンと聞いた方が良いと思います。

管理会社は無免許でも出来るため、都庁の指導は難しいですが、仲介会社への行政指導は出来る可能性があります。ただ、本当に知らなかった場合は行政指導は出来ません。その辺り、ご本人から都庁の不動産課に相談してみて下さい。

2-3.損害賠償請求について

損害賠償請求に関しては、まず弁護士さんに依頼し、状況の把握や賠償金額の確認をすることになると思いますが、弁護士さんを動かすと費用が掛かるので、一旦、仲介会社と話し、請求内容の落としどころを探った方が良いと思います。

上記を踏まえ、仲介会社の重要事項説明書記載内容の不備に関して、彼らに都庁の不動産課から行政指導を入れられるより、交渉の中で賠償を請求した方が良いと思います。その際は以下の通り、なるべく広めに伝え、かかる費用を請求するのが良いと思います。

  • 即日退去を無料にしてほしい(又は退去迄フリーレントにしてほしい)
  • 短期解約違約金は無料にしてほしい
  • 仲介手数料は返してほしい
  • 退去時の清掃等の原状回復は無料にしてほしい
  • 怖くて戻れないのでその間のホテル代をほしい
  • 次の部屋への引っ越し代及び初期費用を払ってほしい

3.同様のトラブルに遭わないために

今回のケースと同様のトラブルに遭わないために、契約前の段階で、過去に近隣トラブルがなかったかを必ず確認しましょう。

事前に確認したにもかかわらず、不動産会社が隠している場合もあります。内見時や契約書面上で不審に思う点があり、契約までにその点がクリアにならなければ、契約しないことをお勧めします。

また、同様のトラブルに巻き込まれてしまった場合、証拠を残したうえで警察署の生活安全課に相談し、記録を残しておいてください。生活している中で、ちょっとでも怖いと思ったら、110番しても問題ありません。通報をすれば、警察は来てくれます。

また、このようなトラブルが原因で引っ越しをする場合、防犯ブザーの準備や警察署へ事前に相談しておくとより安心だと思います。

ーーー

あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。

今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。

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相樂 喜一郎

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相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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