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こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている住宅ローンアドバイザー兼宅地建物取引士の大和田です。
2022年1月に栃木県真岡市にお住いの男性から離婚とご自宅の売却について、どうしたら、良いかと相談がありました。
奥様とは3年付き合って、結婚したものの妊娠後に豹変し、モラハラ鬼嫁に・・・。
自宅での生活やお小遣いの管理など、厳しくもうこれ以上やっていけないと思い、価値観の違いから傷口が深くなる前に離婚を決断したそうです。
男性の方は特に悪いことをしている記憶がなく、今、離婚協議をしていて、養育費や書式、自宅の分け方で悩んでいました。
実は自宅購入後5年以内に売却する際に気になるポイントとして、オーバーローンが大きな問題になります。
とくに離婚の際は財産分与が関係するため、自宅の売却額や住宅ローンの対応方法には大きな関心があるのではないでしょうか?
今回は、離婚による不動産売却時のオーバーローン対応をどのようにおこなうか、ローンの状況の調べ方やオーバーローンの際、ご自宅の売却方法を解説します。
1.離婚時の不動産売却前に確認!オーバーローンとは?
まず、住宅ローンの確認とご自宅との関係について、ご説明します。
1-1.オーバーローンとアンダーローンとは
売却する自宅のローンの残りの金額が、売却益より多かった場合をオーバーローン、少なかった場合をアンダーローンといいます。
1-1-1.アンダーローンの場合
売却するうえで障壁は少なく、売却益からローンを返済した残りを、財産分与とすることもできます。
1-1-2.オーバーローンの場合
売却してもローンの残債を支払う必要があり、その返済も負担にならざるを得ません。
もし、共働きの場合には、負の財産分与として財務を分担することも選択肢としてはあります。
しかし、これまであなただけの収入で生活していた場合、この方法を使うのは難しいと思われます。
1-2.なぜオーバーローンの確認が大事?
このように、住宅ローンの残債は、離婚後の新生活への影響が大きいため、早い段階から計画を練る必要があります。
また、オーバーローンの状態では、そのままでの売却ができないため、対策をとることになります。
しかし、なぜオーバーローンの物件はそのまま売却ができないのでしょうか?
1-3.金融機関の立場
住宅ローンの債権者である金融機関は、ローンが完済するまでのあいだ、対象の物件に抵当権を有しています。
この抵当権で、ローンの返済が滞ったときには、担保となっている不動産を差し押さえ、競売にかけ売却することもあります。
抵当権によって、金融機関はその立場を主張することができます。
金融機関の立場は以下です。
- 最後まで毎月ローンを支払ってほしい
- 家は、ローンの名義人が、居住目的に使用してほしい
- 家を売る際には、ローンを完済してほしい
したがって、これらと違う流れを希望する場合は対策を提示して金融機関の承認を得たうえで、抵当権の解除をしてもらう必要があるのです。
2.離婚時の不動産売却前に確認!オーバーローンかどうかの調べ方
それでは、オーバーローンとなるかの調べ方を解説します。
2-1.住宅ローンの残高
まず、住宅ローンの現状の残高を確認します。
調べ方は、固定金利の場合にはローン借入時のローン返済表、変動金利の場合には6か月以内に届いたローン返済表をもとに確認をします。
一括返済予定の月以降の元金の合計が、ローンの残債額となります。
一括返済の際には手数料と司法書士に支払う抵当権抹消登記の費用がかかります。
2-2.自宅の価格査定
つづいて、自宅を売却した場合、いくらくらいの価格になるのかの査定を受けます。
不動産会社に相談し、まずは机上査定でエリア内の相場や過去の成約価格の実績をもとに価格を算出します。
その後、必要に応じて訪問査定で実際にお宅を拝見して精度の高い金額を決めます。
2-3.売却時の経費も試算
そのほかに、売却時に必要な経費も見積もっておくと、より正確な試算ができます。
まず、不動産会社に支払う仲介手数料ですが、3,000万円の物件の場合で、105万6千円が上限となります。
譲渡にかかる税金ですが、財産分与前提の売却の場合、売却益に譲渡所得税や贈与税はかかりません。
このほかに所有権移転登記の費用、売買契約書の印紙税、売却のための特別な広告費、ハウスクリーニングなど物件の品質向上に要する費用を見積もります。
このようにして売却益からローンの残債を差し引いて、オーバーローンかどうかの確認をします。
3.離婚時にオーバーローンの不動産を売却する方法
オーバーローンのまま売却することは、基本的にはできませんが、方法はあるのでしょうか?
3-1.住宅ローンの一括返済の対策
ローンを一括返済すれば売却はできると言っても、資金が必要ですし、簡単にはできないケースが多いでしょう。
一般的に、離婚問題に詳しい不動産会社と融資元の金融機関との相談からスタートするのが良いですが、予備知識として以下のような方法もありますので覚えておいてください。
3-1-1.買い替えローンは?
まず、買い替えローンといって、新居の購入資金と残っている住宅ローンをまとめて借りるローンがあります。
これが利用できれば、今の自宅に残っている住宅ローンすべてを返済でき、売却ができます。
3-1-2.無担保ローンは?
また、無担保ローンでオーバーローン分を補う方法もあります。
無担保ローンは住宅ローンに比べて金利は高いのですが、借り入れまでのスピードが早く、話を早く進められるのが利点です。
ちなみに、無担保ローンは銀行のもので期間7年~10年、金額300万円~1,000万円ほどで利用できます。
そのため、まずは現在の住宅ローンの銀行に相談をしてみる形になります。
これらの手段に手持ちの資金も加えて、ローンの一括返済ができないか検討してみて下さい。
3-2.オーバーローン解消まで所有する
3-2-1.住み続ける
ローンの残債が減るまで、どちらかが住み続けることもできます。
しかし、離婚後も清算しない資産を持ち続けることと、名義や居住者、連帯保証人の問題を解決できるかが課題となります。
この辺りはトラブルになり、相談を受けることがあるので、個人的には離婚の際は自宅も財産分与の対象としたり、売却し、精算しておいた方が良いと思います。
離婚したら、赤の他人です。
連絡が取れなくなったり、書類の対応がおざなりになったり、郵送先が分からない等よくあります。
3-2-2.賃貸に出す
また、ローンの残債が減るまでのあいだ賃貸に出して、賃料をローン返済に充てれば良いのでは?と思われるかもしれません。
しかし、これは居住用の金利で借りたローンでは契約違反となってしまうため、やはりそのままではできないのです。
転勤など特殊な場合を除き、住宅ローン返済中の家を貸すことはできないため、賃貸事業用のローンを組み直す必要があります。
金利が事業用として2%前後高くなるほか、他行で組み直した場合、融資手数料(融資金額の1~2%)などの経費も必要となります。
そして、年数を経てから売却する場合、建物は経年劣化により、価格が下がることも考える必要があります。
特に、地方都市の場合、土地に価値が少ないため、建物の価値が落ちると、売買金額に大きな影響を与えます。
そのため、居住中、定期的なリフォームなどをしなければ、基本的に家の価格もいくらでも下がっていくことも覚えておいてください。
3-2-3.任意売却
最後に、現在のローンのまま売却する唯一の方法は任意売却です。
ただ、一定期間の住宅ローンの滞納が前提となります。他にも、ブラックリスト掲載などでカードの更新や新居のためのローンが組めないなどの支障が出ます。
そのため、いきなり任意売却へ行く前に、親族によるお金の融通や借り換え、自身の現金で何とかならないかを検討した後、任意売却を選択肢として、考える方が私は良いと思います。
3-3.売却の方法
オーバーローンの問題にめどが立ったら、自宅の売却をおこないます。
市場に物件情報を公開して買主を探すのですが、弊社では情報非公開のまま、投資家ルートで直接売却する方法をしてきました。
周りに知られたくない、早く現金化したい方などご相談ください。
ご存じの通り、売却期間を長くとるほど、希望に近い価格で販売しやすくなります。しかし、離婚のスケジュールの兼ね合いで、売却の目安期間とその価格を調整していきます。
このほか、金額よりもとにかく早い売却を希望される場合は、不動産会社による買取も可能です。
査定から1か月ほどの期間で決済まで終了でき、不動産会社への仲介手数料や売却後の建物や設備の不具合など契約不適合責任を負うことはありません。
例えば、離婚時の財産分与を急いでいる方や建物が築30年以上と古く、設備も含め、売却後の責任を取りたくない方向けに買取希望の不動産業者を競わせ、競争入札で最も高い先に売却した経験もあります。
単純な売却との両面でご相談いただくことも可能です。
他にも、「どうしても周囲に知られたくない方から買取で済ませたい」とお願いされたこともありました。
4.住宅ローンが残っている場合の自宅の売却方法まとめ
4-1.オーバーローンに限らず、離婚時には専門家を使ってください
ここでは、特に、自宅を購入して、5年以内の方向けに、離婚による不動産売却時のオーバーローン対応をどのように行うかやローン状況の調べ方、オーバーローンの際の売却方法を解説しました。
直ぐにイメージできると思いますが、離婚時の不動産の取り扱いは専門的なサポートのもとで下す状況判断の有無で満足のいく結果になるかが変わってきます。
特に、お仕事が忙しい男性ほど、離婚の手続きがおざなりになりがちです。
財産分与だけでなく、養育費等協議条件の相場を知ったり、協議書のひな形をキチンと作成するためには、経験のある専門家にお願いする方が後々トラブルが少なく、以前のような生活を取り戻しやすいと思います。
なお、弊社ではご自宅の無料査定だけでなく、離婚に伴う条件、協議書の作成、引っ越し先のご紹介なども行ってきました。
離婚時の手続きを含め、分からないことがある方は、簡単無料の『LINE公式の無料相談』や『電話相談』からお気軽にお問い合わせ下さい。
*私たちはたらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。
4-2.離婚に負けないチェックポイント
2012年以降、離婚に伴う100件近い相談を基に、離婚でローン破産しないためのチェックポイントをまとめました。
- 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)等で自宅を購入
- ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
- 頭金なしのフルローンやオーバーローンで自宅を購入
- ローン金利は変動や当初固定で30年以上の長期で契約
- ボーナス払い年2回を使い、月々の返済を減らした
- 学費など毎月の生活費が高く、貯金が出来ない
- 借り入れの他、自宅の権利も夫婦で共有
- 夫婦間の会話が減り、子供と話す事が増えた
もし、2つ以上当てはまる場合には、専門家や私たちのLINE公式から離婚時の失敗診断をやってみて下さい。
どのような対策が取れるのか、その場でわかります。
特に、お仕事などで忙しい男性は言われるがままの方が多く、離婚問題で奥様との条件の書式化やご自宅の売却や買取りで悩んでいる方、簡単無料の『LINE公式の無料相談』や『電話相談』からお気軽にお問い合わせ下さい。
*私たちはたらい回しなく、実務担当が直接対応いたします。
私たちは2012年以降、200件近い、不動産取引を担当し、どのような不動産を購入・売却すべきか、理解しつつあります。
地方だけでなく、東京においても高齢化による住み替え相談が増えており、今後も私たちの強みを生かせる案件を丁寧に見つけ、紹介していきたいと思います。
>>これまでうまく行った解決事例はこちらのページにまとめてあります。
また、私たち、アリネットのgoogleでの口コミはこちらのページにまとめてあります。
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