こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている住宅ローンアドバイザー兼宅地建物取引士の大和田です。
離婚の際、自宅で組んでいた住宅ローンの残債をどのようにすれば良いかが気になると思います。
共有財産として折半するか?どちらか一方が債務を引き受けるか?現状調査による確認と専門知識がないと答えが出し切れません。
今回は、離婚時の不動産売却でローンの支払いはどうなるのか?
不動産業者がよくやる現状調査から売却までの対策を解説していきます。
1.離婚時のローンの支払い問題は現状調査が最優先
離婚時に不動産の扱いを決めるため、まず最初におこなうことは現状調査です。
1-1.所有名義人の確認
最初に確認すべき事柄は、これだけあります。
- 不動産の登記上の名義(所有名義人)
- 不動産の住宅ローンの名義(ローン名義人)
- ローンの連帯保証人
- ローンの残債額と残りの返済期間
- 売却する場合の見積額
まず、登記上の所有名義人は登記簿謄本で確認でき、単独、夫婦共同の両方があり得ます。
一般的に、所有名義人は住宅ローンが残っている場合でも金融機関の同意があれば、変更することができます。
不動産会社でもこのことを知らないで「住宅ローンが残っている家は売れない」と今でも言っている人がいるようです。
実際には売れます。担当者が分かっていない、又はやったことがないだけだと思います。
>>念のため、住宅ローンにおけるオーバーローン状態とは?
こちらの名義が影響を及ぼすのは、売却などの際に誰の同意が必要かという点です。
住宅ローンが残っている場合、謄本の権利部(乙区)という欄に、金融機関の抵当権が記入されています。
この抵当権を外すことで、売却などの行為が可能になります。
続いて、不動産会社の査定によって、売却した場合に住宅ローンが幾ら残るかの概算をおこないます。
1-2.住宅ローンの契約内容
続いて、住宅ローンの契約内容についての確認をおこないます。
住宅ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)には、ローンの名義人と返済条件が書かれています。
返済条件は金額や返済期日、返済方法、利息、連帯保証人、抵当権などですが、ここで重要なのは名義人と連帯保証人です。
ローンに関して、誰がどんな責任を持つかという点です。
連帯保証人がどのような責任があるかを以下にまとめます。
- ローン名義人が支払いできなくなると、残りのローン全額の一括返済を求められる
- ローン名義人の支払い義務や、支払い能力について抗弁する(訴える)権利がない
- ローン契約の解除を求める権利がない
つまり、支払いが終わるまでローン名義人と同等の責任を負い続ける立場なのです。
ペアローンの場合は、この契約書がもうひとつ存在することになりますので注意してください。
1-3.住宅ローンの残額や残りの期間
住宅ローンの残額や残りの期間については、金融機関に照会するか、年に2回ほど自宅に送られる「住宅ローン残高証明」で確認をして下さい。
住宅ローン残高証明では、そのまま完済した場合の返済期間(いつ終わるか)と現在の残額、変動金利の場合の現在の利率などを確認することができます。
現在の残額はあくまでこのまま完済する前提のものですので、一括返済の場合とは異なります。
利子を含まない残額を知るには、金融機関へ「〇月〇日時点での、一括返済の残高を教えてください」という確認が必要です。
2.離婚時の住宅ローンの支払いは名義人が重要
ここまで情報を集める中で家を残すか、売却した方が良いか、判断のポイントとなるのは、住宅ローンの名義人です。
2-1.共同名義の場合
住宅ローンがどちらかの単独名義であれば、ローンの名義人に支払い義務が継続します。
売却後にローンが残る状態であった場合、財産分与の対象外となり、基本的にローンの残債を分ける必要もありません。
共同名義の場合、双方の支払い義務となりますが、実際のところは単独名義であっても、話し合いで金額負担の割合を定めて折半するケースが多いです。
また、これらの財産分与は夫婦で共同で取得したものが対象なので、結婚前の財産や、一方が相続したものはふくまれない点を注意してください。
2-2.連帯保証人の場合
一方が支払い名義人、もう一方が連帯保証人というケースは、そのままにしておくと、トラブルの原因になることがあります。
というのも、前述のように連帯保証人は、名義人が支払ができなくなって返済が滞った場合、残債の全額を1人で返済する必要に迫られます。
このような事態を避けるためには、事前の一括返済、借り換え、連帯保証人の差し替えのどれかが必要ですが、どれもかなり困難です。
売却の形をとれれば比較的シンプルに解決できますが、いったん住宅ローンの一括返済をすることは必要です。
2-3.ペアローンの場合
ご自宅の債務返済を夫婦別々に組んだローンでおこなうペアローンは、ローンの一本化が課題となります。
ペアローンは、売却のために夫婦の同意のほか、それぞれのローンについて金融機関の承認が必要です。
一方のローンを一括で返済し、借り換えをおこなうなど、ローンの残額と見積もり価額と照らし合わせた検討が必要となります。
>>ペアローンを組んで買った自宅を任意売却した事例はこちらです。
3.離婚時の住宅ローンの支払い問題の対策は?
離婚後のトラブルを避けるためにローン支払いに関する対策は、どのようなものでしょうか?
3-1.ローンの名義は?
前述のように、ローンの支払い義務は、ローンの名義人にあります。
どちらか一方が住み続ける場合は、ローンの名義人の一本化や、連帯保証債務を外すことが大事な対策となります。
また、登記上の所有名義人についても、売却や相続のための意思決定は、所有名義人しかできません。
権利関係をシンプルにするため、話し合いのうえで所有名義人も統一するのが望ましいです。
ただ、相続に関してなどの合意事項は、公正証書などにしておくのが良いと思います。
3-2.ローンの支払い割合は?
夫婦の共有財産であった不動産に住宅ローンが残った場合、夫婦で折半して負担するのが原則ではあります。
しかし、これまでの経験では、実情は異なる場合がほとんどです。
いままで専業主婦だった妻が、自分の生活を維持する上にローンの支払いまでするというのは現実的ではない場合も考えられますね。
また、財産や負債を養育費や慰謝料と相殺することがあります。
ローンの残額を折半するところを慰謝料として相殺し、夫が支払いを継続する形で納める、などのやり方です。
3-3.住宅ローンを確実に支払ってもらうには?
ローンの残債が多く、すぐに自宅を売却するのは無理そうな場合も考えられます。
たとえば、ローンの名義人をあなたに統一したうえで、奥様が住み続けるケースが実際にあります。
以前、神奈川県で行ったケースでは奥様とお子様が住み続け、ご自身は引っ越すケースがありました。
ただし、旦那様の経済状況が悪化してローンが滞った場合、どちらにしろ、立退きを余儀なくされる場合もあり得ます。
この場合で、奥様やお子様が安心して住み続けるために、住宅ローンの支払いの確実性を上げるためにとられる対策があります。
- 住み続ける旨や支払いできなくなったときは給料や資産から差し押さえをおこなうなどを公正証書で約す。
- ローンが以前のままの場合は、借り換えなどで連帯保証人を外れる。
- 一括返済をしてローンをなくす。
3-3-1.公正証書で約す
先ず、公正証書はローンを払う側にも、ローン支払いや養育費等について、自分の責任範囲をはっきり限定できるメリットがあります。
この辺り、どのくらいの養育費や慰謝料を支払うか等、言われるがまま書面にしてしまう人が結構います。
個別性が強いので専門家にキチンと相談し、進めた方が良いと思います。
知り合いや近くにそのような専門家がいない場合、私たちのLINE無料相談をご利用ください。
お近くで離婚問題を扱ったことのある司法書士の紹介やお金を掛けたくない場合には、面談を踏まえ、協議書をひな形を作成いたします。
3-3-2.連帯保証人を外す
次に、もしも、ローンの借り換え等をおこなっていない状態であれば、連帯保証人を外す点はトラブルを減らすという観点から、実行する方が圧倒的に良いと思います。
また、そもそもローン残債がない場合は抵当権も外れ、金融機関の意向は考えずともよくなります。
3-3-3.ローンの一括返済
しかし、言うまでもなく、可能かどうかは返済する側にその資力があるかという問題に尽きます。
3-3-4.賃貸物件として、貸し出す
もう一点、ローン支払いを継続しながら賃貸物件として貸し出して返済に充て、残債を減らしていくという手段があります。
ただ、これはローン契約者が誰も居住していない点、居住用以外の物件利用をしている点などで、ローン契約違反となる可能性が非常に高いのです。
これまであったケースでは、電気ガス水道の請求・支払い名義の提出を迫られたり、担当者と面談し、真実を伝える誓約書を書かされるケースがありました。
その上で、もし、住宅ローンで自宅を購入し、貸し出しをしている場合、残債の一括返済か、住宅ローンを投資用ローンへ変更され、期間短縮や金利が2%程度上がってしまうことがあります。
この辺り、本当に個別性が強く、交渉の仕方で変わってくるため、もし、お悩みの場合には私たちのLINE公式の無料相談をご利用ください。
あなたの状況に合わせ、過去事例や専門家と相談し、対応させて頂きます。
3-3-5.もし、金融機関にばれてしまった場合
この場合、住宅ローンに契約書を確認するか、金融機関に賃貸に出すと違反になるかどうかの確認が必要になります。
その上で、銀行との交渉が必要になり、一人では正直難しいと思います。
そのため、経験のある専門家に相談し、融資条件の変更や物件の売却を進めた方が今後の人生を考えるといいのではと私は思います。
3-4.住み続けるのはトラブルが多い
このようにどちらかが住み続けるには越えるべき障壁が多いため、すっきりと再出発できるよう、ご自宅の売却や買取りなどを希望する方が多くいらっしゃいます。
これまでの感覚では、慰謝料や財産分与の公平性の問題もあり、離婚前にご自宅の売却を行うケースが70%以上だと思います。
4.離婚時の住宅ローンの注意点まとめ
今回、実務の中で良く聞かれる離婚時の不動産売却でローンの支払いはどうなるのか、現状調査から売却までの対策を解説しました。
離婚時の不動産売却は、専門的なサポートのもとで、ローンの扱いや財産分与などの状況判断を下す必要があります。
以前の生活を早期に取り戻すため、この辺り、効率的に動いてみて下さい。
2012年以降、離婚に伴う100件近い相談を基に、離婚でローン破産しないためのチェックポイントをまとめました。
- 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)等で自宅を購入
- ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
- 頭金なしのフルローンやオーバーローンで自宅を購入
- ローン金利は変動や当初固定で30年以上の長期で契約
- ボーナス払い年2回を使い、月々の返済を減らした
- 学費など毎月の生活費が高く、貯金が出来ない
- 借り入れの他、自宅の権利も夫婦で共有
- 夫婦間の会話が減り、子供と話す事が増えた
もし、2つ以上当てはまる場合には、専門家や私たちのLINE公式から離婚時の失敗診断をやってみて下さい。どのような対策が取れるのか、その場でわかります。
私たち、アリネットは2012年以降、200件近い、不動産取引を担当し、どのような不動産を購入・売却すべきか、理解しつつあります。
例えば、地方だけでなく、東京においても高齢化による住み替え相談が増えており、今後も私たちの強みを生かせる案件を丁寧に見つけ、紹介していきたいと思います。
特に、お仕事などで忙しい男性は言われるがままの方が多く、離婚問題で奥様との条件の書式化やご自宅の売却や買取りで悩んでいる方、簡単無料のLINE相談にご連絡ください。『LINE公式の無料相談』や『電話相談』からお気軽にお問い合わせ下さい。
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