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離婚後の共有名義やペアローンをどうするか悩んでいる男性へ、
財産分与後のローンの名義整理で上手く行った事例を基に対策を説明していきます。
こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている住宅ローンアドバイザー兼宅地建物取引士の大和田です。
離婚で要らなくなった家を売却する際に問題になるのが、住宅ローンをどうするかです。
本当によく聞かれる問題で、アンダーローンなら、調整できますが、オーバーローン(住宅価格<住宅ローン残)の場合、足りない分を現金で補うか、任意売却を検討する必要があります。
通常、それぞれのケースの事情に応じて最善策を検討します。
・・・が、基本的な疑問ほどよく聞かれます。
そこで今回は、離婚の際に住宅ローンはどうすれば良いのか、財産分与や売却などの疑問について解説をします。
1.離婚の際の残っている住宅ローンは財産分与の対象になるか?
自宅を売却しても住宅ローンが残ってしまうオーバーローンの対応についての疑問です。
1-1.住宅ローンの残債とは?
まず、住宅ローンの残債と残高は違います。
自宅を売却する場合、売却額からローンの一括返済額を差し引いたものが残債として残ります。
残債 = 売買価格 ー 住宅ローン残高
ローンの残高は返済完了までの利息を含んだものなので、一括返済時以降の利息を含まない金額を出す必要があります。
これを一括返済額です。
なお、ローンの一括返済額は、金融機関に確認するか、返済予定表を参照します。
10年固定の住宅ローンを借りられている方は短期解約のペナルティが掛かる場合もあります。
トラブルを大きくしないため、担当者によく確認し、進めるようにして下さい。
1-2.離婚による財産分与は負の財産も対象
住宅ローンの残債を試算するためには、さらに自宅の査定をおこなって、およそいくらでご自宅が売れるのかを試算します。
そこから、売却のための経費(税金、手数料、司法書士費用)を差し引いた売却益と一括返済額を比較します。
この結果がマイナスになれば、住宅ローンの残債がある状態となり、オーバーローンともいいます。
住宅ローンの残債 = ローンの一括返済額 ー(自宅の売却益ー諸経費)
夫婦の共同財産である自宅の住宅ローンの残債は、負の財産であっても財産分与で分けるのが原則です。
しかし、たとえば、一方がギャンブルで作った借金など、個人的な借金は、分担して返済する必要はありません。
当たり前ですね。
1-3.現実的な対応
負の財産も、財産分与するのが原則です。
しかし、一方が専業主婦であったり、育児や介護をおこなうなどの事情で返済の資力に欠ける場合もあります。
また、離婚に対する慰謝料が発生する場合もあります。
財産分与は、これらすべての事情を勘案したうえで決定されます。
したがって、必ずしも『住宅ローンの残りを2分して、支払うわけではない』というのが答えです。
2.離婚の後も自宅に住み続けられる?
続いて、自宅を残すという選択肢についての疑問です。
2-1.離婚しても今の家に住み続けたいケース
現在の住まいを移したくない事情は色々あると思います。
例えば、子どもの学校や勤務先の事情、周囲に知られたくないためや親族の手前、今の家が気に入っているなどが挙げられます。
住まいを変えるということは、それだけで出費やストレスの元ともなります。
離婚で夫婦関係を清算している最中に、転居のことまで考えたくないという事情もあると思います。
いずれももっともなのですが、『実利的なことや離婚後の生活など、将来のことを考えると、家を手放して他へ移ったほうが良い』と個人的には思います。
- ローンの名義変更
- その後のローン支払い
- 家の改修費用
- 広い家をどう使うか?
という選択肢も出てきます。
2-2.自宅に住み続けるために必要なこと
住宅ローンは、借りたときの状態で安定して返済を継続してほしい。
それが難しいのであれば、一括で返してほしいというのが金融機関の立場です。
また、住宅ローンの名義人変更や、連帯保証人の変更は原則として認められません。
そこで求められるのは、以下の条件です。
- その家に住んでいる人が債務者として、ローンを支払うこと
- 家の名義(所有権)が住んでいる人のものであること
- 離婚後、家を出た人が連帯保証人でないこと
金融機関との住宅ローン契約上では、『家の登記上名義とローンの債務者名義が住んでいる人が一致している』ことが約束です。
異なる場合は契約違反を問われます。
2-2-1.ローンの連帯保証人に関して
というのも、住宅ローンの滞納で家を退去した人が一括返済を求められる事態を避けるためです。
このように、たとえば元妻と子どもが住み、ローン支払いや名義は元夫というような場合、元妻名義でローンを借り換えるのが本来の解決策です。
もしくは、今までの家は売却して、近隣に引っ越すかが現実的には最もトラブルが少ない方法です。
2-2-2.ペアローンを組み、住宅を購入している場合
一人でローンを負担する、又はご両親など親族に借り入れをしてもらうのが一般的です。
ただ、数年で終わる借り入れと異なり、住宅ローンは今後20年、30年と続くことが一般的です。
そのため、私たちの個別面談では離婚のタイミングで一人でローンを組める額を超えている場合、ご自宅の売却を強く勧めています。
自宅を売却したとしても、リースバックという方法で住み続ける事も出来ます。
2-3.ご自宅の売却をおすすめする理由
上記の例で、元妻が自宅に残る場合、その名義でローンを借り換えるには、元妻にローンを組めるだけの資力や収入が必要となります。
2-3-1.ローンの一括返済の必要性
また、現在のローンを一括返済する必要も出てきます。
ただ、現在のローン残債額によっては、新しい金融機関がまとめて貸してくれない場合も考えられます。
2-3-2.リースバックで住み続ける
他にも、近年、普及しているリースバックですが、これも難しい点が多いです。
リースバックは、投資家を見つけ、家を売却したあとに引っ越さず、家賃を払い、賃貸物件として住み続けるものです。
リースバックを実行するためには、一般的に自宅の評価額が住宅ローンの残債を上回ることが条件です。
そのため、一定以上住宅ローンの返済が進んでいるかどうかが問われます。
つまり、どうしても利用したい場合は、ローンの残債と評価額の差額を現金で埋める必要があるのです。
さらに、売却額が安いこと、賃料が相場より高めに設定されることなども注意が必要です。
最悪、ご自宅の評価額<住宅ローンの残債の状態でも任意売却を行い、住み続ける事は出来ます。
そのあたりの詳細は私たちのLINE公式より、ご相談ください。
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2-3-3.自宅を売却する場合
自宅の売却であれば、金融機関の承認を得ることで、現在の住宅ローンを完済する形がとり安くなります。
自宅を売却することは残念ですが、離婚後の将来に、最もトラブルの要素を残さず、新たな毎日を早期に取り戻す安全な方法だと言えます。
このように、一方が家に住み続けるための要件をクリアするのが難しい場合、ご自宅を売却したほうが良いというのが私の答えです。
3.離婚の後の養育費はローンの支払いで相殺できる?
財産分与については、柔軟な分割の取り決めが可能です。
しかし、養育費についてはどうでしょうか?
3-1.住宅ローンと養育費は性質が違う
住宅ローンも養育費も、毎月必要な、大切な費用には変わりありません。
まず、養育費とは、『自立していない子(未成熟子)が成長していくうえで必要な衣食住に関する費用、教育費、医療費など親としての扶養義務を果たす支払い』です。
20歳などの年齢だけでなく、大学に行っている場合、卒業までが対象になってきます。
ちなみに、厚生労働省の『全国ひとり親世帯等調査の結果』によれば、養育費の平均月額は、母子世帯で約4万3,000円となっています。
離婚前に、夫婦間で話し合っている際に、「養育費の代わりに住宅ローンを払って」という約束をすることがあります。
たしかに一見、合理的な方法のように見えます。
ですが、そもそも養育費と住居費はその使途が全く異なります。
そのため、支払いについて、公正証書で取り決めをおこなったとしても、時間が経過するにしたがって不満がつのり、トラブルの元になる可能性を残します。
そのほかにも、この相殺は元夫婦の双方にとってとてもリスクの高い約束なのです。
3-2.住宅ローン滞納のリスク
まず、住宅ローンを払う人が失業など経済事情の変化により、滞納をしてしまった場合、住むところがなくなってしまう場合があります。
住宅ローンの滞納が続くと、1年以内に自宅は競売にかかり、強制的に退去となってしまいます。
任意売却などの手段はありますが、進め方次第では家を出ていかねばならないことに変わりはありません。
3-3.住宅ローンのルール、契約違反
もう一点、このケースで考えられるのは住宅ローン契約違反のリスクです。
前述のように、住んでいる人と住宅ローンの名義、支払者などが一致しなければ、ローン契約違反として金融機関から調査が入ります。
過去に問題ありとなった場合、ペナルティとしてローンの一括返済を求められています。売却して、現金を作るしか方法がありません。
他にも、バレたことで金利を2%も上げられ、毎月の返済が出来なくなった方もいました。
今までのローン契約のまま、家を賃貸物件として貸し出すことも、ローン契約違反となるため、できません。
このようなリスクを考えて、『養育費と住宅ローン支払いは絶対に切り離して取り決めるほうが良い』というのが答えになります。
4.離婚の際に住宅ローンはどうすれば良い?財産分与や売却の疑問まとめ
ここでは過去の相談であった質問と回答を基に、離婚の際に住宅ローンはどうすれば良いのか、財産分与や売却などの疑問について解説しました。
4-1.離婚問題の専門家に相談し、進める
離婚に伴う自宅の扱いは、繊細な問題なうえ、専門的な知識を必要とするため、離婚問題に強い不動産会社を選ぶとスムーズに進めることができます。
弁護士先生への相談と比べ、成果報酬であることから効果的で、時間やお金が掛からないと思います。
お近くに離婚に伴う自宅の売却を行っている不動産業者がいれば、話しを聞いてみるもの良いかもしれません。
インターネットを使い、その筋の専門家を探すことも出来ると思います。
4-2.離婚に伴うご自宅の売却で悩んでいる方へ
2012年以降、100件を超える離婚に伴うご自宅の相談を基に、離婚でローン破産しないためのチェックポイントをまとめました。
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以下、離婚をきっかけにご自宅を売却した事例です。
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