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ペアローンを組んで購入した自宅の売却で悩んでいる方へ、
こんにちは、住まいのお悩み無料相談、アリネットで住まいのお悩み相談を受けている住宅ローンアドバイザー兼宅地建物取引士の大和田です。
ペアローンは夫婦や親子の収入源から支払いができ、賢く使えば、資産形成に有利な住宅ローンだと思います。
実際、リクルートのアンケートを見ると、全体の3割がペアローンを使っています。
特に、新築住宅は価格が高騰し、ペアローンの割合がさらに高くなっているようです。
メガバンクの一角を担う、三菱UFJ銀行に聞いてみました。
そもそも、三菱UFJ銀行の場合、独自の住宅ローンの金利タイプなどがあります。
住宅ローン利用者のうち、おおむね2割程度がペアローンで、特に30代の利用が多い様です。
次に、ネット専用住宅ローンを扱う住信SBIネット銀行にも聞いてみました。
彼らの特徴はチャネルが複数あることだと思います。
住宅金融支援機構との提携ローン【フラット35】、ネット専用住宅ローン、対面型の住宅ローンなどがあります。
ただ、【フラット35】ではペアローンは利用できません。
【フラット35】のほかの住宅ローン利用者で言えば、ペアローンの利用は2割程度で、そのうち6割程度が30代でした。
リクルートの調査結果では、全体の3割がペアローンで両行よりも多くなっています。
これは新築マンション購入契約者がアンケート対象になっていたと考えられます。
というのも、新築マンションは他の住宅タイプより価格が高くなっているので、ペアローンの利用したい方が多くいたと思います。
しかし、夫婦や親子でペアローンを組み、その後に離婚や同居の解消などでペアローンで買った自宅を売却したいとき、通常の売却より複雑になります。
そこで今回は、ペアローンを解消して売却するにはどのようにすればよいか、その注意点、選択肢を解説していきます。
>>ペアローンを組んで買った自宅を任意売却した事例はこちらです。
1.ペアローンの共有名義を解消して、自宅を売却する際の注意点
ペアローンで共有名義の物件を売却する際に、どのような点に注意が必要なのでしょうか?
1-1.ペアローンとは?
ペアローンとは、夫婦や親子などで共同で組むローンのことをいいます。
ただ、それぞれが住宅ローンを組み、お互いの連帯保証人になることが多いです。
そのため、万が一片方が支払えなかった場合、もう片方が支払いの責任を負います。
共同でローン借りることで、金額の大きな物件を購入でき、1人の名義で返済するよりも期間を短くすることが出来ます。
支払いの比率も、たとえば「夫3:妻1」というように、収入額に応じてローン金額を設定することが可能です。
また、それぞれの所得に対し、住宅ローン控除を受けられる点もメリットです。
ただ、ペアローンの物件を売却する際の注意点には、以下のようなものがあります。
1-1-1.お互いの同意がないと売却できない
ペアローンの物件を売却するとなった際には、ローン名義人双方の同意が必要となります。
ペアローンでは、お互い別々にローンを組んでいる形となるため、どちらにも家の所有権があります。
つまり、話し合いによって売却への結論を出す必要があるのです。
片方が家の売却に反対した場合や、話し合いがつかない場合、最終的に競売となってしまう場合もあります。
1-1-2.お互いが連帯保証人となっている
記述の通り、ペアローンを組む際にはほとんどのケースで、お互いが連帯保証人となります。
つまり、ローンの名義がそのままである限り、どちらかの返済が滞ってしまったときに、パートナーに返済義務が発生します。
ある日、突然相手の滞納に対する返済の催告が届くという場合もあります。
また、変更なく別居していた場合などは、ローン契約違反に問われる可能性があるため注意してください。
上記のようなデメリットがあるため、私たちは離婚などで同居や婚姻を解消する際には、ペアローンも清算する方がトラブルは少ないと思います。
1-2.お互いが共有物分割請求できる
話し合いの結果、片方が売却に反対した場合の最も避けたい結末が競売です。
とにかく、これ以上もめたくない、関係を解消したいという思いから、安価に自宅を落札されてしまう前に、訴訟をおこなう手段もあります。
これが、共有物分割請求といわれるものです。
調停の形で共有物分割協議のうえ、話がまとまらない場合、裁判に移行します。
このように、ペアローンの名義人は、お互い売却に同意しないことも、売却の意思を訴えに出ることもできるようになっています。
ただ、共有持分を競売で第三者に落札された場合、他の共有持分の価値は当初と比べ、落ちます。
また、第三者に対して、家賃を払う必要があり、絶対にこのような形態になる事は防がないといけないと思います。
2.オーバーローンでも離婚時にペアローンを解消して家を売れるか?
ペアローンの共有名義の物件を売却するうえで、お互い売却の意思でまとまっても、もうひとつの問題になるのがオーバーローン(残ローン>住宅価格)です。
2-1.オーバーローンとは?
住宅ローンはどのようなものでも、物件を売却する際には、一括返済をする必要があります。
オーバーローンとは、物件を売却したと仮定して、販売の利益から住宅ローンの残債を差し引いてもなお、ローンの債務が残ってしまう状態のことをいいます。
売却益で住宅ローンを返済することができるアンダーローン(残ローン<住宅価格)の状態であれば、双方の同意だけで問題なく市場で売却ができます。
もし、物件を売却した場合の査定金額が住宅ローンの残りよりも低い場合(オーバーローン)、金融機関から売却に同意してもらえない可能性があります。
同意をしてもらえなければ、物件の権利関係から金融機関の抵当権を外すことができないため、不動産を売却することができません。
この「売りたくても、売りに出せない」状況に対応するために、以下のような対応をします。
2-2.オーバーローンの物件の売却方法
不動産売却の際には一括返済が必要です。
しかし、オーバーローンの物件の場合、ローンの残債がどの程度残っているか、それぞれが一括返済をすることが可能かという点が重要になります。
売却のためには、オーバーローン分をそれぞれが現金清算するか、新しい住居の住み替えローンに転嫁する必要があります。
ただ、一般的に転嫁することは難しいと思ってください。
共働きで、双方に相応の収入がある夫婦はローンを清算できる可能性があります。
しかし、親子のペアローンで親が単独で自己のローンを清算するのは、資産がない場合など難しいです。
ただ、オーバーローンの物件を売却する方法として、2020年のコロナウイルス以降増えているのは、ローン返済を滞納した際におこなえる任意売却という選択肢です。
任意売却には金融機関の許可が必要です。
しかし、経済状況の問題でローンが支払えないのであれば、金融機関も同意して、少しでも高く売却する方向に転換できます。
特に、ペアローンの場合、一方のローン滞納であれば、もう一方が連帯保証人として返済を求められるため注意して下さい。
もちろん、様々なケースが考えられますので、離婚問題や任意売却に詳しい不動産会社のサポートを受け、金融機関と生活改善に向け、交渉を行ってみて下さい。
3.ペアローンを解消して売却する際にとれる選択肢は?
ここから具体的に夫婦や親子の共有関係を解消して、問題を解決する方法を説明していきます。
3-1.共有名義と2つのローンを一本化して売却する
理想的な解決法として、ローンを片方の名義と支払いに一本化する方法があります。
ローンの一本化には「債務引受型」と「借り換え型」の2種類があります。
3-1-1.債務引受型
一方がもう一方のローンをすべて引き継いで一本化し、名義も支払いも受け持つ方法です。
例えば、離婚後も自宅をこのまま使いたい場合、奥様のローンをすべて引き継ぎ、一本化する等があります。
3-1-2.借り換え型
現在の残債を別のローンにまとめて借り替える方法です。
残債額にもよりますが、返済を受け持つ方には高い返済力が求められる他、新たに連帯保証人を立てるということも必要となってきます。
また、単独名義への借り換え自体をおこなっていない金融機関も多く、債務引受型は借り換え型よりもさらに審査が厳しくなっています。
最後に、家のローンの債務を引き受けた側に、贈与税が課税される可能性があることにも注意が必要です。
3-2.共有名義のまま賃貸物件とする
そのほかの方法として、売却に先立ち、オーバーローンの状態を解消するために不動産を賃貸物件として出し、賃料を返済に充てる方法もあります。
ローンの残債が少なくなって、アンダーローンの状態となるのを待つ方法ですが、この選択肢も注意すべき点があります。
賃貸物件として出している間にも、時間と共に建物の資産価値は一般的に下がっていくため、その辺りもきちんと計算しておく必要があるのです。
建物だけでなく、場所によっては土地価格も下がっているところが多くあります。
また、ローンが元のままの場合、賃貸物件として扱えない可能性があります。
今までの居住用ローンのまま賃貸物件として出すと、基本的にローン契約違反となるため、金融機関への相談や借り換え、一括返済が必要となります。
以前あったケースでは、金利を2%引き上げたり、ローンの一括弁済を求められたことがあります。
3-3.そのままどちらかが住み続ける
共有名義のままで、一方が住み続けてローンも全額支払っていた場合、経済的負担も大きく滞納リスクが高いです。
あるいは、離婚の場合などは、慰謝料や養育費的な意味あいで、家を出た方がそのまま自分のローンを払い続けている場合もあります。
いずれにせよ、どちらかがローンの支払いを滞納したり、支払い拒否があった場合には、もう一方が連帯保証人として返済を求められることになります。
以上のように、ペアローンの場合の売却は、さまざまな問題があるため、対策やきちんとした計画が本当に大切です。
>>念のため、ペアローンを組んで買った自宅を任意売却し、毎月の返済を1万円まで減らした事例はこちらです。
4.ペアローンを解消して家は売れますか?その注意点や選択肢まとめ
このページでは、過去にあった離婚時の相談を基に、ペアローンを解消して売却するにはどのようにすればよいのか、注意点やとれる選択肢を解説しました。
4-1.ペアローンの解消は専門家を
債務者や保証人が複雑なペアローンを利用した物件の売却には専門知識に基づいた検討の上、さまざまな手段の中から方針を決め、進めるのが良いです。
そのため、離婚問題やローン整理の実績がある不動産会社に相談し、対策の確認をすることが最上の手だと思います。
4-2.離婚に伴うご自宅の売却で悩んでいる方へ
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