B.豆知識(相場、法律)

妻とペアローンで自宅を共有名義に、離婚後、住宅ローンはどうすれば?

こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当しているファイナンシャルプランナー兼宅地建物取引士の相樂です。

ニュースにもなっている通り、コロナ禍にあって、何らかの理由により離婚を考えている世帯は少なくありません。

2020年3月、オンライン面談を行ったケースでは、婚姻解消後に住宅ローンをどうするのか話し合わないまま、離婚してしまった栃木県にお住いの男性からの問い合わせでした。

しかし、住宅ローンは一般的な借金と同様、『婚姻関係を解消したからといって支払い義務が無くなる訳ではない』ため、何の対処もせずに離婚してしまうのは非常に危険です。

特に、夫婦名義のペアローンで住宅ローンを組んでいる際、離婚した後、元パートナーのどちらかが滞納してしまうと、片一方に負担が重くのしかかり、路頭に迷ってしまう可能性もあります。

このため、住宅ローン返済中に離婚を検討している方は離婚成立前にパートナーと『今後住宅ローンをどうするのか?』について、しっかり対策を講じるようにして下さい。

参照:厚生労働省が発表した、2020年の離婚統計より

中には、「1人でも問題なく返済をできる」と考える方もいますが、過去に実際にあったローン破綻の様に、今まで夫婦の収入で賄っていたものを長期間、1人で返済することは容易ではないため、早期に対策を講じることが非常に重要です。

そのため、今回は『住宅ローン返済中に何も対処せずに離婚することで生じるリスク』や『夫婦でペアローンの住宅ローンを組んでいる際に離婚する場合の対処方法』について、詳しく解説していきます。

離婚することで、住宅ローンの返済を今後どうしたら良いのか困っている方は最後まで読んで、ぜひ参考にしてみてください。

>>2013年に行ったペアローンで購入した自宅の任意売却した事例はこちらです。

起業に失敗し、離婚とペアローン破産から自宅を売却し、返済を1万円にした事例

1.離婚後の住宅ローンの支払い義務は誰に生じるか?

結論から言うと、離婚後も住宅ローンは『住宅ローンの契約者(名義人)』に支払い義務が生じます。

例えば、旦那様名義で住宅ローンを組んでいた場合、奥さん側に支払い義務は無く、旦那さんにのみ返済する義務が残る形です。連帯保証人になっている場合には、話しは別ですが・・・。

一方で、ペアローンのように夫婦共同名義で住宅ローンを組んでいた場合、婚姻状況に関係なく、お互いに支払い義務が生じます。どちらも住宅ローンの名義人として、お金を借りているためです。

このため、夫婦共同名義で住宅ローンを借入している方は、離婚成立前に今後の返済をどうするのかを話合い、対策を絶対に講じるようにして下さい。

円満離婚であっても、揉めてしまうケースが本当に多いです。

1-1.夫婦どちらかが連帯保証人になっている場合

夫婦のどちらか一方が連帯保証人になっている場合、離婚が成立したからといって連帯保証人の立場が解消される訳ではありません。

離婚はあくまでも夫婦個人間の問題であって、債権者(住宅ローンの借入先)は関係ないためです。

このため、仮に離婚時に連帯保証人の契約を解除したいのであれば、『債権者にその旨を伝えたうえで代替策を提案する』必要があります。

連帯保証人を解除することは債権者側にとってはデメリットにしかならず、代替策なしではほとんどの金融機関で認められることはありません。

1-2.ペアローン(夫婦共同債務者)で借りていた場合

ペアローン(夫婦どちらも住宅ローンの名義人)で住宅ローンを借りている場合、離婚成立後もお互いに支払い義務が生じます。

連帯保証人と同様、婚姻関係が解消したからといって、契約が無効になる訳ではないためです。

また、仮に離婚協議中に夫婦のどちらか一方が1人で支払うと約束を交わしても、片一方の支払い義務がなくなることもありません。

万が一、返済を約束した方が滞納した場合、お互いの給与や資産を差し押さえられてしまったり、信用情報に傷が入る可能性があるため、本当に注意が必要となります。

そのため、ペアローンで住宅ローンを組んでいる際に離婚する場合は、お互いに迷惑がかからないように、離婚成立前に何らかの対策を講じておくことが重要です。

1-2-1.そもそも、住宅ローンの共同債務者とは?

共同債務者(ペアローン)とは、その名の通り『夫婦それぞれが住宅ローンの名義人として借入を行う』ことを指します。

夫婦が個々で住宅ローンを組み、お互いの連帯保証人となるケースが多いです。

1-2-2.一方で、連帯保証人とは?

一方で、連帯保証人は『債務者(住宅ローンの名義人)が返済不能になった際に、代わりに支払い義務を負う立場の人』のことを指します。

例えば、夫名義で住宅ローンを組んだ際に妻が連帯保証人となった場合、万が一債務者が返済不能になった際に、代わりに住宅ローンの返済義務を負わなければなりません。

上記のように、共同債務者と連帯保証人はそれぞれの立場が異なります。

しかし、結果的にはどちらも返済義務を負わなければならないリスクが生じるため、離婚が成立する前に対策を講じることが必要です。

2.離婚時に住宅ローンに起こりやすいトラブル3つ

離婚時に住宅ローンの残債が残っている場合、以下の3つのトラブルが起きやすいため、注意が必要です。

・名義人がローンを滞納し、連帯保証人となる元パートナーに支払い義務が生じる

・どちらが支払い義務を負うのかで揉める

・住宅ローンなどの債務の財産分与で揉める

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1.名義人がローンを滞納し、連帯保証人となる元パートナーに支払い義務が生じる

夫婦のどちらかが住宅ローンの連帯保証人になっている状態で離婚した場合、名義人がローンを滞納した際に、元パートナーに支払い義務が生じるリスクがあります。

前述した通り、離婚は夫婦の個人的な問題であるため、婚姻関係の有無に関わらず連帯保証人は支払い義務を負わなければならないためです。

このような事態に陥らないためにも、銀行の担当者と共に離婚成立前に連帯保証人を解除するための対策を講じる必要があります。

これまでの経験から主な対策としては、『代わりの連帯保証人を用意する』や『繰り上げ返済で返済額を大きく減らす』などが有効です。

2-2.どちらが支払い義務を負うのかで揉める

夫婦共同名義の住宅ローンの残債が残っている場合、離婚後にどちらが支払い義務を負うのかで揉めるケースは少なくありません。

特に、どちらか一方が継続して自宅に住む場合に、自宅を出る方が支払い義務を負いたくないと考えるケースが多いです。

こういったケースは、継続して自宅に住む方が返済すると取り決めて解決する場合が多いです。

しかし、それはあくまでも個人間の取り決めであるため、契約上の返済義務が無くなる訳では無く、根本的に解決したとは言い難いのが実情となります。

このため、どちらかが返済を継続するかなどで揉めたり、片一方が返済を継続すると約束した場合は、法律や住宅ローンに関する知識を持つ方に相談をしてみてください。

こういった方に相談することで、どのように対処すれば良いのか適切な助言を行なってくれます。

2-3.住宅ローンなどの債務の財産分与で揉める

ペアローンなどで住宅ローンを借りた際に、借入金額の割合に差があった場合、債務の財産分与で揉める可能性があります。

離婚することで、借入額の割合が多い方が「離婚をするなら返済額の割合を平等にするべきでは?」などの不満を感じる場合があるためです。

しかし、基本的に債務(住宅ローンなどの借金のこと)は、名義人が返済義務を負う必要があります。

話し合いで割合を決めるのは自由ですが、あくまで支払い義務は名義人にあることを忘れないようにしてください。

2-4.実際に、財産分与により住宅ローンの負債割合を無くすように求めた判例

実際に、財産分与により住宅ローンの負債割合を無くすように求めた判例をご紹介します。

この裁判は、離婚後に元夫が元妻に対して財産分与を求めた際に、双方が連帯債務として借りた住宅ローンの妻側の債務を財産分与の対象として負担を0とした判例です。

この元夫婦は、双方が各2分の1の共有名義の不動産を購入する際に、双方が連帯債務者となる住宅ローンの借入を行なっていました。

妻は当時保有していた貯金を担保にして住宅ローンを借り入れていたため、債務を0にするように求めたのです。

結果的に、妻側が持つ貯金額と住宅ローン債務額はほぼ同額であることから、離婚時の財産分与としてこれらを評価し、貯金や債務を0とする判決が下されました。
(東京高等裁判所決定/平成28年(ラ)第743号)

住宅ローンなどの債務は、名義人(契約人)が債務を負うのが一般的です。

しかし、上記の判例のように夫婦どちらかがが貯金を担保として借りた連帯債務となっている住宅ローンの負担割合については、財産分与が認められるケースもあります。

ただし、金融機関の負担割合を変更出来るかどうかは別件になるので、注意が必要です。仮に配偶者に十分な資産や給与が無い場合、負担割合を変更できない可能性があります。

3.離婚時に住宅ローンの残債が残っている場合に確認すべきこと

住宅ローンの残債が残っている時期に離婚する場合は、事前に以下の2点を確認するようにしてください。

・住宅ローンの契約内容(債務形態)

・住宅ローンの残債額や不動産評価額

それぞれ詳しく解説していきます。

3-1.住宅ローンの契約内容(債務形態)

住宅ローンの返済期間中に離婚する場合、住宅ローンの契約内容(債務形態)を確認する必要があります。

住宅ローンの返済期間中に契約を変更して、契約当初の内容から変わっている可能性があるためです。

このため、離婚時の住宅ローンの契約状況を把握するために、全ての書類を隅々まで確認するようにしてください。

『誰が契約者なのか』、『夫婦のどちらかが連帯保証人になっているのか』によって対処方法が異なるため、事前にそれぞれの現状を把握しておくことが重要です。

3-2.住宅ローンの残債額や不動産評価額

離婚成立前に住宅ローンの残債額や自宅の不動産評価を把握しておく必要があります。それぞれ把握しておかなければならない理由は以下です。

・住宅ローンの残債を確認しておくことで、「完済することが可能なのか?」を見極めることが出来る

・不動産評価額を把握しておくことで現在の借り入れ状況が「オーバーローン」なのか、「アンダーローン」なのかを知ることが出来る

中でも「オーバーローン」なのか、「アンダーローン」なのかを知ることは、万が一の時に売却額で住宅ローンを完済することが可能かどうかを知ることが出来るため非常に重要です。

3-2-1.オーバーローンとは?

オーバーローンとは、『住宅ローンの残債が不動産を売却したときよりも大きい状況』のことを指します。

住宅ローンの残債よりも不動産評価額が低い状況であるため、万が一返済が滞ってしまうと、売却しても借金が残ってしまいます。

このため、仮にあなたがオーバーローンの状況にあるのであれば、離婚成立前に適切な対策を講じることが必要です。

>>オーバーローンの状態だけでなく、そのメリットやデメリット、住宅ローン控除を絡めた説明はこちらのページにまとめました。

3-2-2.アンダーローンとは?

アンダーローンとは、『住宅ローンの残債が不動産売却をしたときの金額よりも小さい状況』のことです。

万が一返済不能になっても、不動産を売却することで住宅ローンを完済できる状況であるため、万が一の時のリスクが低い状況と言えます。

そう言った意味では、物件選びはとても大切だと言えます。

とはいえ、不動産価値は変動するため、返済不能な状況に陥った際に必ずしも売却金で賄えるとは限りません。

このため、夫婦共同名義やどちらか一方が連帯保証人になっているのであれば、離婚成立前に根本的な対策を講じる方が賢明です。

>>アンダーローンの状態だけでなく、そのメリットやデメリット、住宅ローン控除を絡めた説明はこちらのページにまとめておきました。

4.ペアローンで離婚時に住宅ローン問題を処理するケース別の解決方法

ペアローンで離婚時に住宅ローン問題を処理する際は、以下の2つのケースによって対処方法が異なります。

・離婚後も夫婦どちらかが自宅に住み続ける場合

・離婚後に夫婦どちらも引っ越す場合

それぞれの状況別に、解決方法を解説していきます。

4-1.離婚後も夫婦どちらかが自宅に住み続ける場合

ペアローンで離婚後も夫婦のどちらかが自宅に住み続ける場合、例えば、夫婦間で夫が支払うと約束を交わしても、妻の支払い義務が無くなることはありません。

仮に、妻が持つ自宅の所有権を夫に移転しても住宅ローンの契約が変わることはないため、返済義務が継続します。

そのため、離婚時に妻(夫)の返済義務の解除を希望するのであれば、『借入先の銀行に対して債務免除申請』や『他の銀行で借り換え』を行うようにしてください。

これらの対策を事前に講じることで、どちらか一方が抱える住宅ローンの返済義務を無くせることを期待できます。

4-2.夫婦どちらも引っ越す場合

離婚後に夫婦どちらも現在の自宅から引っ越す場合は、婚姻関係終了前に売却することをおすすめします。

なぜなら、自宅の不動産評価額が住宅ローンよりも多かった場合、ローンを無くせるだけでなくお互いの新しい生活を迎えるための資金にもあてることが可能だからです。

ただし、自宅の評価額が住宅ローンの残債を下回っている、オーバーローンの場合には、通常の売却方法では処分することができないため、注意が必要になります。

住宅ローン返済中に自宅を売却する際は、『抵当権(住宅ローンを借りる際の担保のこと)』を債権者に解除してもらう必要があり、原則ローンを完済できない状態では不動産売却を拒否されてしまうためです。

このため、仮に自宅の評価額がローンの残債よりも低い金額の場合は、『任意売却(債務者の許可を得て売却する方法)』や『他の銀行で借り換え』、『銀行に条件の変更』を検討することをおすすめします。

5.ペアローンで離婚時に住宅ローン問題を解決するなら、根本的な対処を講じることが重要

ペアローンで離婚時に住宅ローン問題を解決するなら、根本的な対処を講じることが重要となります。

例えば、ペアローンを組んだ状態で離婚し、どちらか一方が継続して自宅に住んでいた場合、将来再婚や売却を検討した際に、トラブルの基になる可能性が十分に考えられるためです。

このため、ペアローンの住宅ローンの返済期間中に離婚するのであれば、根本的に住宅ローン問題を解決するための対策を講じるようにしてください。

離婚成立前に対策を講じることで、お互いに迷惑をかけるリスクを減らせるうえに、新しい生活を開始しやすくなります。

5-1.現在住宅ローンを借りている銀行で条件変更を行う

現在住宅ローンを借りている銀行に条件変更を行なってもらうことで、ペアローンを解除できる可能性があります。

具体的には、夫に自宅の所有権を移行したうえで、妻の債務免除申請(住宅ローンの返済義務を免除する申請のこと)をする方法です。

この申請を行ったうえで銀行が容認すれば、妻の債務者としての返済義務を無くすことができます。

ただし、基本的にこの方法は銀行側にとってのメリットは全くなく、むしろデメリットの方が多いため、債務者を免除することに消極的なのが実情です。

このため、債務免除を行う際は、銀行側が納得できるように交渉を行うことが重要となります。

5-2.他の銀行で借り換えを行う

夫婦間で親族間売買(親族間で不動産の売買取引を行うこと)を行い、他の銀行で住宅ローンの借り換えを行うことで、ペアローンを解除できます。

この方法は夫婦のどちらか一方が新たに住宅ローンを組むことで、銀行側にもメリットが生じるため、相談に応じて貰える可能性が高いです。

ただし、必ずしも家族間(親族間)売買による住宅ローンの借り換えを講じることができるとは限りません。

住宅ローンの保証会社によっては、家族間の売買による住宅ローンの融資は行わないと定めている金融機関もあります。

とはいえ、全ての住宅ローン保証会社が親族間売買の融資を拒否している訳ではないので安心してください。

保証会社の一つである『㈱全国保証』に実情を確認したところ、離婚のための親族間売買に限り認めているケ-スもありましたので、利用する金融機関によって、借り換えを行える可能性もあります。

過去、離婚時の自宅の対処に関する相談を何度か受けてきました。

ただ、このように連帯債務又はペアローンの場合には、離婚前にその後の体制を整えておくことが問題を長引かせないコツです。

5-2-1.住宅ローンを借り換える場合、妻は連帯保証人などになる必要はあるの?

離婚成立前に住宅ローンの借り換えを行う場合、「妻(夫)が連帯保証人になる必要があるのではないか?」などと不安を感じている方は少なくありません。

しかし、離婚することで元パートナーは赤の他人になるため、銀行側から連帯保証人を求められる可能性は低いです。

とはいえ、銀行によって考え方や規定が異なるため、事前に確認しておくようにしてください。

一般的には、両親や兄弟・姉妹などのご家族が保証人になることが多いです。

5-3.妻が住宅ローンの連帯保証人になっている場合の対処方法は?

妻が住宅ローンの連帯保証人になっている場合は、以下の2つのの対処方法を講じることを検討してみてください。

・住宅ローンを契約している銀行で条件変更を行なってもらう

・他の銀行で借り換えを行う

それぞれ詳しく解説していきます。

5-3-1.住宅ローンを契約している銀行で条件変更を行なってもらう

住宅ローンを契約している銀行で条件変更を行なってもらうことで、連帯保証人を解除できる可能性があります。

記述の通り、両親や兄弟など安定した収入を得ている方に代わりの連帯保証人になってもらうなどです。

新しく連帯保証人となる方が妻と同等又はそれ以上の収入を得ていれば、条件変更に応じてもらえる可能性は高いと言えます。

5-3-2.他の銀行で借り換えを行う

夫が単独名義で他の銀行に借り換えを行うことで、妻の連帯保証人を外せる可能性があります。

この方法は他の銀行から借入れを行うことで、その融資金を現在の借入先に一括で返済できるため、必然的に妻の連帯保証人の立場を解消することが可能です。

ちなみに、他社で借り換えを行う際は支払い能力の有無などの審査が実施されます。

ただ、過去の相談案件では自宅を担保に入れれば、連帯保証人を用意しなくても通過できる場合もありました。

6.離婚時に住宅ローン問題を対処する際の注意点

離婚時に住宅ローン問題を対処する際、以下の2点に注意する必要があります。

・住宅ローンの連帯保証人は簡単に解除することはできない

・共同債務者でどちらか一方が所有権を放棄する際、債務免除できない可能性も

重要な内容となっているため、それぞれ詳しく解説していきます。

6-1.住宅ローンの連帯保証人は簡単に解除することはできない

上記で、住宅ローンの連帯保証人を解除する方法を解説しましたが、実際に銀行側に要求を認めてもらうのは容易ではありません。

銀行側は、夫婦2人の信用力や経済力などを考慮して、収入合算やペアローンなどの住宅ローンの融資を行なっているため、連帯保証人を解除することに対して消極的なためです。

このため、夫婦どちらかの連帯保証人としての契約を解除してもらう際は、上記で記述した方法に加えて、適切な交渉を行うことが重要です。

そうすることで、真摯に対応してもらえる可能性が高まります。

6-2.共同債務者でどちらか一方が所有権を放棄する際、債務免除できない可能性も

ペアローンで借入している際に、どちらか一方の債務免除を申請した場合、債務者を免除できない可能性があります。

なぜなら、基本的に銀行側にとって債務免除することは、債権(住宅ローンのこと)を回収できなくなるリスクを大きくするためです。

仮に、債務免除の申請が拒否された場合、離婚後に支払いを継続する方が他社で住宅ローンの借り換えを行ってみてください。

審査に通過することができれば、ペアローンを解除することができます。

7.妻とペアローンで自宅を共有していた場合、離婚を機にどうなるかまとめ

今回は、妻とペアローンで自宅を共有していた際に離婚することでどうなるかについて、過去判例やこれまでの解決策などを交えて解説しました。

以下、妻とペアローンで自宅を共有していた場合に離婚を機にどうなるのかのまとめです。

・離婚後の住宅ローンの支払い義務は、債務者(住宅ローン名義人)に支払い義務が生じる

・離婚時や後に、住宅ローンをどちらが継続して支払うのか、滞納して連帯保証人である元パートナーに迷惑をかけるなどのトラブルが起こりやすい

・離婚時に住宅ローンの残債が残っている場合、契約書や残債、自宅の不動産評価額を確認しておく必要

・ペアローンで離婚時に住宅ローン問題を解決するなら、住宅ローンの借り換えや条件変更などの根本的な対処を講じることが重要

・現在借入している銀行で条件変更を行なったり、他の銀行に借り換えることで住宅ローン問題を解決できる可能性も

これまで相談を受けてきた中で、住宅ローンの返済期間中に、住宅ローン問題を解決せずに離婚してしまう世帯は本当に少なくありません。

しかし、夫婦どちらかにしか返済義務がないのであれば問題ありませんが、ペアローンや夫婦共同名義、どちらか一方が連帯保証人となっているにも関わらず、何の対策も講じずに離婚してしまうのは非常に危険です。

例えば、離婚後もペアローン継続中に片一方が滞納した場合、もう一方の負担が重くのしかかったり、最悪の場合給与や資産を差し押さえられてしまう可能性もあります。

勤務先に連絡が掛かってくるなど、会社にばれてしまう可能性もあります。

そのため、住宅ローン返済中に離婚するのであれば、婚姻関係を終了する前に、銀行を交え、2人で根本的に住宅ローン問題を解決することが重要です。

離婚成立前に対処を講じることで、双方に迷惑をかけるなどの不安を抱かずに新しい人生をスタートすることができます。

この記事では、これまでの実務の中でうまくいったケースやそうでなかったものも含め、離婚時の住宅ローン問題の解決方法について詳しく解説してきました。

この記事で解説した対策や対処方法を講じることで、離婚後も住宅ローンに悩まされるリスクを軽減することができます。

仮に、住宅ローンの解消等、どのように対処方法を進めていけば良いのか分からない方は、アリネットまでご相談ください。

これまで70件を超える住宅ローン問題の債務整理やリースバックによるご自宅の売却も住み続ける債務整理を成功に導いてきた経験と知識があるため、あなたやあなたの家族がこれからも自宅に住み続けられるようにお手伝いすることが可能です。

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2015年以降、弁護士や司法書士と行ってきた債務整理や任意売却の事例やその分析はこちらのページにまとめてあります。

8.離婚で悩む方へ、チェックリスト

念のため、2012年以降、離婚後の自宅の対処に関する相談を基にチェックリストを作成しました。

  • 夫婦の収入合算(連帯債務・連帯保証)やペアローンで自宅を購入した
  • 頭金なしのフルローンやオーバーローンを組み、自宅を購入した
  • ペアローンを含め、ローン総額が総収入の8倍以上
  • 金利は変動や当初固定で、30年以上の長期で住宅ローンを組んだ
  • ボーナス払い年2回を使い、月々の返済は賢く減らした
  • 学費など毎月の生活費が高く、万が一に備え、貯金ができていない
  • 借り入れ外に自宅の名義や権利を夫婦で共有にしている
  • 最近、夫婦間のコミュニケーションが減り、子供と話す事が多い

2つ以上当てはまる場合、手続きや資産の整理がスムーズに行かない可能性が高いです。

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問題を大きくなる前に早期に解決し、一秒でも早く、明るい毎日を取り戻して下さい。

ともかく、ぜひ一人で悩まず、時間を無駄にしない様、早めにご相談ください。

これまで8年間400件を超える住まいのトラブルの相談を受けた中でもさまざまなケースがありました。

ただ、ここに記載出来ない内容で困っている方もいると思います。

もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。

もし、信頼できる先がすぐに見つからない場合、ぜひ気軽に無料の住宅ローン返済相談までご連絡ください。

無料のご相談はこちらのページより、お問い合わせ頂けると助かります。

>>賃貸マンションの騒音問題を避けたい方向け、内見前の構造や間取り確認と引っ越し後の対策まとめ

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相樂 喜一郎

この記事を書いた人

相樂 喜一郎

事例を基にトラブルの少ない取引を目指し、2011年以降130件以上の不動産取引を経験。現在はこれまでの経験を活かし、地域の金融機関と一緒に相続に伴う実家の再生や売却、住み替えに注力。不動産鑑定士補、宅地建物取引士、相続アドバイザー、住宅診断士。 >>その他詳しい実績はこちら

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