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こんにちは、不動産で明るい毎日を目指す六本木の不動産屋、(株)リビングインで住まいのトラブル相談・提案を担当している宅地建物取引士兼任意売却取扱主任者の大和田です。
今回の事例は、2019年に茨城県で行った債務整理になります。ホームページからの問い合わせで、当初、売却後もご自宅に住み続けれるように動いていました。
しかし、売却価格と売却後の希望家賃の折り合いがつかず、最終的には、債権者の承認が出る売却価格を優先し、引っ越しの手配やその後の生活費まで考えて、動きました。
【当時の借入状況】
準メガバンク残債額:約3,000万円
消費者金融残債額:約600万円
都市計画税や固定資産税等滞納額:約60万円
1.事業が傾き、借金まみれに・・・、自宅のローンも返済が滞って
自分で経営していた事業が傾き、借金でなんとかやりくりしていたのですが、ついに自宅のローン返済ができなくなってしまいまして、銀行に差し押さえられ、強制退去となる一歩手前までになってしまいました。
1-1.自宅で事業を営んでいたものの経営が悪化
もともと、私は妻と一緒に自宅で事業を営んでおりました。しかし、このデフレ不況のあおりを受け、経営が傾いていきました。
元々、美容師業だったのですが、格安のカットサービス店が乱立するようになってお客様が離れてしまったのが痛手でした。さらに、常連さんも徐々に離れていき、いつの間にか赤字続きとなってしまったんです。
職場は、テナントで駅のすぐ近くだったのですが、自宅がそこからほど近い線路高架際に近接しているところにありまして、通勤に便利だろうという理由でここを購入して、固定金利の住宅ローンを組みました。
1-2.借金を重ねてローン返済に充てるようになったも
しかし、住宅ローンさえも返済できなくなり、私はローン返済のために消費者金融でお金を借りてしまいました。妻からは「そこまでしなくても・・・、うちを売ったら?」と提案されました。
しかし、私はこの好立地の物件、そして妻や子どもたちとの思い出が詰まった家を手放したくなく、どうにかローンを払い続けようとして借金してしまったんです。
最初は良かったのですが、借金の楽さを知ってしまった私は、借金を繰り返すようになりました。住宅ローンだけでなく、どうにか事業を立て直そうと新しい機械や道具を買ってみたり、店の内装をリフォームしたり、そんな金も全て借金したのです。
1-3.借金返済のための借金までするようになり、ローン返済ができなくなった
こうなると、もう借金返済のために別のところから借金する・・・、という最悪な状況に転がり落ちるのに時間はかかりませんでした。やがて、目の前の借金を返すのにお金を使い果たし、とうとう住宅ローンを滞納するようになってしまいました。
1-4.自宅を売却するしかなくなったけれど、住み続けたいという希望があった
滞納が半年続いた時、自宅に期限の利益喪失通知が届き、どうして良いか分からない状態のまま、時間が経っていきました。
それから、半年ぐらいたって、「競売にかける」という通達がついに届いてしまいました。
・・・要するに、差し押さえですね。
この通達を無視して、ここに留まれば自宅からの強制退去は免れず、それならば先手を打って、残債を減らし、自宅を売却する任意売却しかないか・・・と、私は以前、妻に提案された「自宅の売却」という選択肢をリアルに考え始めました。
しかし、思い出が詰まっている自宅、環境が良いと自負している自宅から出て行くことにはどうしても前向きに慣れませんでした。どうにかして、ここに住み続けることはできないのか・・・妻に相談しつつ、そう考えるようになりました。
2.リビングインと一緒にリースバックの道を模索
元はと言えば、借金に借金を重ねて、ローン返済ができなくなってしまった私が悪いのですが、それでも希望があるならば・・・と思って動いていました。
色々と調べ、「リースバック」という方法なら、売却後も済み続けることが出来ると知りました。そして、その言葉を見つけたサイトを運用していたリビングインという会社にさっそく相談してみました。
たまたま電話に出てくれたリビングインの大和田さんは私の話を親身に聞いてくれ、丁寧に対応してくれました。しかし、リースバックは容易なことではないということがすぐに分かりました。
>>債務整理やご自宅の売却後もリースバックでご自宅に住み続けたい方はこちらのページをご覧ください。
2-1.最大の問題は「立地」
まず、我が家の最大の問題は「立地」でした。買い戻すだけの経済力が無かった私たちは、リースバックした場合、買い主さんを大家さんとして自宅を「借りる」ことになるという流れだったのですが、買戻しの予定がないため、この物件は半永久的に買い主さんのものになるということなのです。
万一、私たちが引っ越してしまったり、私や妻の身に何かあって空き家になってしまったりした場合には、次の住居人を見つけなければなりません。その上で、この「立地」が大きなマイナスポイントになってしまったのです。
線路高架際にあった私たちの家は、窓を開ければしょっちゅう電車の音が聞こえてきました。私たちにとっては慣れたもので、普段は窓を閉めていましたし、それほど気にしてもいなかったのですが、この「騒音」は住居人を探すのに大きなデメリットとなるということを言われました。
この理由によって、買い主が見つからず、興味を示してくれた方も、こちらの希望価格では高すぎるということで何度も突っぱねられてしまいました。価格と家賃がうまく合わなかったようです。
2-2.どうしても希望価格で購入し、貸し出してくれるオーナーが見つからない
リースバックの難しいところは、買い主が見つかるかどうか、という単純な問題だけではないことです。自宅を売って、その家を借りるということで、元々住んでいた人間は、今まではローンの貸付人にお金を払っていたのが、リースバック後は「大家」となった買い主にお金を払うことになるのですが、この家賃はなるべく安くしたい、しかし販売価格はなるべく高くしたい、という矛盾した希望を掲げることになるんです。
だから、良い金額で折り合いをつけるのが非常に難しいんですよね。私の家に関しても、こちらの希望価格で買い取って、更に支払える家賃で貸してくれるオーナーが見つからず、担当してくれた大和田さんは相当苦労されているご様子でした。
ただ、販売価格で妥協してしまうと、残った住宅ローンの返済額が足りなかったり、家賃が高くなってしまうと結局その家賃の支払いが苦しくなってしまったり、色々と難しく、下手に妥協するのもリスキーだったのです。
2-3.粘り強く探してくれたものの、ローン滞納だけが増えていくので諦め、自宅を引っ越すことに
任意売却の申し出をして以降、大和田さんは本当に一生懸命買い主を探してくださっていたのですが、なかなか良い方が見つからないまま、2ヵ月が経過してしまいました。
もう競売の危険が間近まで迫っていたため、競売で強制退去し、何も残らないよりは、任意売却して引っ越した方が良い、という判断をせざるを得ませんでした。
大和田さんは「力及ばずで、本当に申し訳ないです」と言ってくれましたが、ここまで色々やっていただいたので、私たちにとってはもう十分でした。
売却後、引っ越す事を決め、「買い手の方は全力で探します。お引っ越し先もこちらでご提案いたします。また、引っ越し費用も売却代金や手数料から捻出させていただきますので、ご安心ください」。その言葉がどれほど心強かったことでしょう。
2-4.投資としての買い手はつかなかったのに住人としての買い手は見つかった
その後、大和田さんは驚くべき速さで買い手を見つけてくれました。あれほど、嫌われていた立地に「是非住みたい!」という方がいらっしゃったのです。
資産運用としての買い手ではなく、実際に住みたいという買い手さんが奇跡的にすぐに見つかったことで、すぐに任意売却の手続きを進めることができました。
実はこの買い手さん、大の鉄道ファンで、電車が5分置きに走るなんて最高!!という理由で我が家に住みたいと言ってくださったんです。線路横と言う一般的にはマイナスのポイントが、この方に限ってはプラスポイントとなったということです。
先ほど「奇跡」と書きましたが、きっとリビングインの大和田さんが色々な方を当たってくださって、ようやく見つかったのだと思います。
3.リビングインの大和田さんに感謝していること
お陰様で、私たちは自宅を売却して引っ越しました。ここで、リビングインの大和田さんに感謝を伝えたく、ありがたかったことをまとめました。最後まで、きちんと対応してくれ、本当に感謝しています。
3-1.まるで自分のことのように真剣に考えてくれた
まず、私たちの相談を、まるで自分のことのように真剣に聞いて、そしてあの手、この手を考えて、最善の方法を見つけようとしてくださいました。実際、物腰も柔らかく、いつも丁寧な対応で、分からないことや不安なことは何でも聞けました。
3-2.諦めず、何度も何度も条件交渉を重ねてくれた
次に感謝しているのは、ただ丁寧なだけでなく、とても粘り強く、何度も何度も買い主や銀行と交渉を重ねてくださったことも感謝しています。
リースバックは結果的には叶いませんでしたが、それでもどうにかリースバックができるように、本当に粉骨砕身で頑張ってくださっていました。
何カ月もの間、ここまでやっていただいて、それでダメなら、こちらも100%納得できます。逆に申し訳ないぐらいの気持ちで、本当に私たちのためにここまで・・・と恐縮しています。
実は、当初、任意売却の買い手さんから値段交渉もあったので、ヒヤリとしました。しかし、実に上手に交渉を進めてくださって、リフォームのオプションをつけることによってこちらの負担を増やさず、値下げをせずに契約を成立させることができました。
3-3.引っ越しや当面の生活費まで工面してくれた
リビングインさんは、ただ売却のサポートをするだけではなく、売却後の私たちの引越し先も全て手配してくださいました。
リースバックが上手くいかなかったからかな、と思って聞いてみたのですが、それは関係なく、始めから任意売却後、引っ越しのケースでも、希望があれば引っ越しの手配も請け負っているとのことでした。本当に何から何まで至れり尽くせりで、感激しました。
また、もともと金に困っていてローンが払えなくなったということで貯金もほぼ底をついていた私たちの事情を何も言わなくても分かってくださり、引っ越し費用や当面の生活費を物件の売却費用から捻出してくださいました。
物件の売却費用は、その大半が借金の返済とローンの完済に消えましたが、残ったお金から、リビングインさんへの手数料や経費などを調整し、差し引いていただき、残ったお金を私たちにお渡しくださいました。
ここまで考えて販売価格を決めてくださったのかと思うと、涙が出るほどうれしかったです。結局、自己負担がゼロ円で済み、逆にプラスになり、感謝感謝です。
3-4.お陰様で暮らしやすい快適な場所で新たな生活をスタート
ご提案いただいた引っ越し先は、職場からは少し離れてしまいましたが通勤には申し分なく、閑静な住宅街のアパートでしたので、とても静かになりました。今では「よくあんなうるさいところに住んでたな・・・」と思うぐらい、この静かな住環境に慣れてしまいました。
大型スーパーまでは少し距離がありますが、商店街がすぐ近くにあり、コンビニもあるので買い物にも苦労せず、新しい生活を楽しんでいます。
肝心の美容院経営ですが、借金して色々ブラッシュアップしたのがようやく功を奏して、若いお客さんが興味を持って入店してくださるようになりまして、黒字になる月も出て参りました。今は無駄な投資とならず、ホッとしています。
4.自宅に住み続けるため、リースバックを希望している方へ
この記事を読まれているということは、自宅に住み続けるため、リースバックを希望されているのかな、と思いますので、上手くいかなかった例として参考にいただければ幸いです。
4-1.様々な条件がそろわないと難しいリースバック
先ほどお伝えした通り、リースバックには様々な条件があります。販売価格と家賃の折り合い、そもそも買い主が見つかるかどうか、家のリフォームの必要があるかどうか、買戻しは希望するかどうか等、細かいところを色々と精査していかなければなりません。
そして、これらの条件が期限内にそろわないと、上手くいかない可能性が高まりますので注意が必要です。
4-2.リースバックを希望するなら、ネットワークが広い業者を頼る
リースバックで本当に重要なのは、こちらの希望する条件を飲んでくれる買い主さんを見つけることです。そのためには、とにかく沢山の候補者の方に物件を紹介し、説明しなければなりません。
そのため、リースバックを希望するならば、なるべくネットワークが広く、沢山の買い主候補さんにアプローチできる業者を頼ることをおすすめします。
今回はダメでしたが、リビングインさんならば、9,600件を越える購入希望者のリストを持っているようで、ネットワークが広いですし、リースバックの成功実績も多いので、おすすめです。
担当者の対応もすごく大切だと思います。その点、大和田さんは物腰が柔らかく、安心して、任せられる雰囲気が出ていました。
4-3.希望すれば絶対に成功するわけではないと知っておく
今回の私たちの例でもお分かりの通り、リースバックは必ず成功するわけではありません。条件が合わなければ上手くいかないこともあります。それは知っておいた方が良いと思います。
そうなってしまった時、任意売却してでも引っ越すか、それとも競売を受け入れるのか、自己破産するのか、そのあたりのこともきちんと考えておきましょう。後で調べたのですが、弁護士に相談し、債務整理を進めるより、先ず、自宅を使って、住宅ローンを消せないかを考えた方がその後の手残りが違います。
特に、自己破産すると、退職金や生命保険まで精算されてしまうので、キチンとしている方はこの辺りを分かっている担当者に確認し、やみくもに動かず、最適な手順で進めて行くと良いと思います。
4-4.リースバックがダメだった時の対応も重要
今回痛感したのが、リースバックがダメだった時に、どのような対応があるか、ここが非常に重要です。大和田さんは、当初の任意売却でリースバックを切り替え、引っ越し、住みたい人を急いで見つけ、競売をどうしても回避したいという提案をしてくださり、そのサポートも全てやってくださいました。
任意売却の買い手探しはもちろん、引っ越し先の手配や引っ越し費用、当面の生活費まで工面してくださり、まさにフルサポート状態でした。
これが、リースバックがダメだった時に「うちではこれ以上は無理です・・・」と言われて突き放されてしまったら・・・ゾッとしますね。その為、最初に問い合わせるタイミングで「もしダメだったら、どのような対応をしてくださいますか?」と確認しておきましょう。
5.担当者コメント
今回は、残念ながら住宅ローンの解消後もリースバックし、ご自宅に住み続けることはできませんでした。これまで投資用不動産を扱ってきた経験から、弊社には10,000人近い投資家がたくさんいるのですが力及ばずでした。
最終的には競売になり、相談者様が身ぐるみはがされ、路頭に迷ってしまうことは絶対に避けたかったので、少しでも高い価格でご自宅を売却し、引っ越し費用や当面の生活費用に充てていただけるよう工面しました。
現在は、住宅ローンやその他の借り入れも奇麗になり、お引っ越し先とお店の往復を楽しんでおられるようで、無事に終える事が出来て、良かったなと思っています。
今回の様に事業に失敗し、収入が減ってしまい、ローン返済ができなくなるケースは社会構造の変化が激しくなった状況を踏まえ、今後も増えていく可能性があります。その為、不安に思ったら、少しでも早く、まずはお近くの債務整理専門の会社に相談することで未来は開けるはずです。
なお、オンラインや対面での無料相談に関しては、こちらのページより、お問い合わせ頂けると助かります。2015年以降、弁護士や司法書士と行ってきた債務整理や任意売却の事例やその分析はこちらのページにまとめてあります。
現在、オンライン面談やメールを中心に無料相談を実施しており、相談者の方には住まいの問題解決事例をまとめた冊子も無料で差し上げております。問題が大きくなる前に早期に解決し、一秒でも早く、明るい毎日を取り戻して下さい。ともかく、ぜひ一人で悩まず、時間を無駄にしない様、早めにご相談ください。
私たち、リビングインは2012年より地域に根付いた不動産屋として、住まいのトラブルに特化し、住宅ローンの返済や空き家の回収だけでなく、騒音や隣人、契約トラブル等のトラブルを解決してきました。これまで8年間300件近い住まいのトラブルの相談を受けた中でもさまざまなケースがありました。
ただ、ここに記載出来ない内容で困っている方もいると思います。もし、あなたが現在トラブルに悩まされているのであれば、トラブルが大きくなる前にお近くの専門家に相談することをお勧めいたします。もし、信頼できる先がすぐに見つからない場合、ぜひ気軽に無料の住宅ローン返済相談までご連絡ください。無料のご相談はこちらのページより、お問い合わせ頂けると助かります。
>>離婚による借り換えと失業後、滞納が続き、リースバックで自宅に住み続けた事例はこちらです。
>>離婚後、ローンが支払えず、自宅のリースバックを活用し、親子で住み続けた事例はこちらです。
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あなたの大切な人生と平穏が守られますように、これからも私たちは引っ越しの失敗談をベースに、賃貸の専門家集団として、地域や建物の情報を中心に提供、検証していきます。
今回もサクッと読み切れるように、私たちなりにポイントを整理して記載しました。最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
※なお、これまで聞かれることが多かった質問に関して、サイト移動を機に、もっと参考になるよう一部内容を修正・追記し、投稿しています。
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